「んっ…悠堵…っ」
もう一度、口を重ねると、ナツは少し避けるように顔を背けた。
それでも無視をして、ナツの股間に手を触れると、少しビクつくようにして、俺の腕を掴む手に力が入っていた。

ナツの視線が、茂みの方…さっき話題に出た場所へと走る。
俺が、ナツとやるきっかけになった。
ナツが他の奴とやってた場所でもあり、ナツが大切に思ってる相手がマワされていたという場所だ。

「…家、行くか…?」
「………いい」

ナツと茂みの方へと移動し、もう一度、キスをして。

木を背もたれにしたナツのシャツを開いていく。
胸元に舌を這わして。
ナツの前にしゃがみこみ、ナツのを取り出す。

いつもと違い、すでに勃ちあがっているソレを手に取り、ナツを見上げると、ナツは斜め横あたりを見下ろして、俺とは目を合わせないようにしていた。

ズボンと下着を下ろしてやり、舐めあげた指先で、奥の秘部を撫でても、視線を逸らしたまま。

俺もそのまま、指先を挿入し、舌先でナツのを舐めあげると、ナツは体をビクつかせ、俺の頭に手を置いた。

指先を動かすと、ナツが俺の髪を掴んで反応してくれる。
「んっ…ぅんっ」
そっと見上げると、ナツはもう片方の手で口を押さえて、目を瞑っていた。
俺は立ち上がり、耳元で
「手、どかしなって」
そう言うと、ビクついて俺を見る。
俺が立ち上がってるのにも気付かなかったのか。

「…なんで」
「なんでって、お前、別にいつも、声出してるだろ」
「……そうだけど」
「じゃあ、手で塞ぐ必要ないだろうが」

迷ってるのか、その隙に差し込んだままの指先を、動かしてやると、急な刺激にか体をビクつかせ、いままでに見たことないような不安な表情を見せた。

「んっ…あっっ」
「口、押さえんなよ。恥ずかしい?」
こう聞けば、プライドの高いこいつが、頷いて口を塞ぐわけがない。
「…違ぇよ…っ」
ほら、思った通り。
「ナツ…」
耳元に舌を這わして、中を探っていくと、ナツは俺の腕を強く掴んだ。
「っんっ…はぁっ…あっ…んっ」
いつもより近いところでナツの息遣いや声が聞こえる。

なんとなく、いつもの完全に受身な…マグロ状態のナツとは違い、感情があるようで。
やっぱり精神的なもんって大きいのだろう。

素直に感じてくれているのかもしれない。
「はぁっ…あっあっ…やめ…っ…」
「どうして…」
「っい…ぃからっ…っ」
いつもならやめてやるけれど、なんとなく余裕のないナツを見られるのが嬉しくて、無視してしまいたくなる。
「やめないっつったら、どうすんの?」
「っんっ…ばっか…あっ…マジでっ…んっ…あっっ」
刺激を続けると、ナツは、俺の首に腕を絡めしがみつく。
「悠堵…っんっ…あっ足…っやばぃっからっ」
「あぁ、立ってんの辛いか」
「ん…っ」
俺は指を引き抜いて、ナツと一緒にその場に座り込んだ。
ナツは、俺の体に向かい合わせに跨って。
俺は木を背もたれに。
口を重ねてから、ナツは自分から俺のを取り出しゆっくりと、受け入れていく。
「ぁっ…あっんっ…」
「キツいか…」
「平気…」
なんだかんだで少し久しぶりの行為。
ナツが全部、俺のを飲み込んで。
それが解ると、俺はナツの腰を掴み、軽く揺さぶった。
「あっ…あっ…んっ…くっ…」
「お前、いつもよりエロい顔、してんな」
「ばっか…っあっ…んっ…ぁあっ…」
「ほら…声も、ちゃぁんとやらしい声、出てる」
「ンっ…あっ…後でっ…んっ覚えて…っ」
「…覚えてろよって…? んなやらしいナツ、忘れるわけねぇだろ」
ナツは、俺をガン付けてから、俺の肩を掴み、逃げるように顔を下に向けた。
「はぁっあっ…んっ…ぁっ…あっ…」
自然と、ナツの腰が動く。
「なぁ…ナツ…。俺のこと、好き?」
「んっ…あっなんで今っ…ぁあっ」
「今だからこそ、聞きたいんだけど」
ナツは少しだけ言い留まって。
「…す…きっ…んっ」
確かに、俺の耳に『好き』だと届いた。
「あっ…お前はっ…んっどうなんだよっ…」
俺…?
思ってもいない問いかけに、一瞬動きが止まる。
あぁ。
俺って、伝わってるとばかり思ってて、実際、ちゃんと言葉では言ってなかったか。
軽い感じで、好きだと言ったことはあるだろうけれど。
真面目に聞いてなかったんだろうな、こいつ。
「好きに決まってんだろ。わかるだろ」
「んっ…悠堵…っ」

ナツが求めるがままに、口を重ねる。
最中に、こんな風に口を重ねて、気持ちを確認するのは、初めてかもしれなかった。
いつもとは、全然違う。ナツだって自分でわかってるのだろう。
だからこそ、少しだけ恥らっているのだと思うし。

「…中、いい?」
「はぁっあっ…いいっ…からっんっ…ぁあっ…悠堵っ…あぁあああっっ」

俺の上で、イってしまうナツを抱きしめながら、俺自身もナツの中で達していた。

感情を持ったナツは、なんだかとても、弱いモノように思えた。
感情を捨てることが弱さであると言ったのは俺だけれど。

なにかの拍子にまた、感情を失ったり、フィルターをかけてしまいそうで。
そうならないようにしたいと思った。

弱い自分を助けて欲しいと、涙ながらにそう言ったナツを思い出す。
助けろだなんて、そうそう人に言える言葉じゃないだろう。
プライドの高いナツならなおさら。
冗談めかしてならともかく。
マジだったろうし。

「ナツ…。もっと、頼れよ」
抱きしめたままそう言うと、
「…頼ってる」
力なく、それでもそう答えてくれた。

「そっか…。好きだよ」
「…うるさいよ」
「あぁ、でも言わせてもらう」
「…そう」
少し冷めたような、またいつもみたいな。
まぁ、急に変わるなんて無理か。
そう思ったけど。
「俺も、好きだから…」
付け足すように、そう言ってくれる。
変わってくれた…というか、これが元々、本来のナツなんだろう。


ナツの顔を上に向かせると、恥ずかしいのか、少し俺をガンつける。
それでも、ナツは、俺へとそっと口を重ねてくれた。