家に帰って。
夕飯を済まし、お風呂も済まして。

自分の部屋に篭ると、今日購入したバイブを手に取る。
夕飯中もお風呂中も、ずっとこのことばっか考えてた。

なんで、こんなにエロいんだよ、俺は。

ズボンと下着を脱いで。 バイブへとローションを付けて。

床に座り込み、ベッドにもたれながら、両足を開き、前からゆっくりと押し込んでいく。
「くっ…んぅっ…」
こんなことしてる自分が恥ずかしくてたまらなかった。
だけれど、もう、しょうがないだろ。

奥の方まで差し込んで。
体がゾクゾクした。
ゆっくりソレを抜き差ししてみる。
手が動いてんのか腰が動いてんのか、よくわかんないし。
「はぁっ…あっ…んっ…」

ベッドにもたれていたつもりなのに、だんだんと体が滑って、上体が倒れていく。
やばいよ、気持ちいい。
スイッチ、入れる…?

そっと、スイッチをONにしてみる。
勢いよく震えだしたソレに、体が大きくビクついて反応してしまう。
「んぅっ…んーっ」
慌てて、手で口を押さえる。
すごい気持ちいい。
「あっんぅっ…んぅんんっ」
手で、自分のを擦り上げると、前からと後ろからの刺激で、俺はすぐにでもイってしまっていた。


その後も。
そのまま、震えるバイブで中をそっと掻き回して。
死にそうだ。
死にそうに気持ちいい。

それなのに、頭の中で、悠真のことが気になってしょうがない。
今日、避けてしまったことに、思ってる以上に罪悪感を持ってるのか。
「ぁっはぁっ…んぅっ」

何度かイってしまって。
バイブの電源を切る。
体中の力が抜けた。

気持ちいい。
ものすごく。
だけれど、妙に切ないような感じ。

悠真としたいような、そんな気になっていた。

透が、言ってたっけ。

『やっぱ彼氏じゃない人とは何度やっても、ちょーっと違うっていうか。満たされない部分ってあるじゃない?』
って。
悠真としたいってのは、やっぱり好きだからなのか。

…そうだよなぁ。
俺、正兄としたいとか思ってもおかしくないのに。
いま、悠真のこと考えてて。

悠真のこと考えてたら、また自分の体が熱くなってしまう。
まだ、入り込んだままのバイブをつい締め付けていた。

「っ…っ…悠真…っ」
つい名前を呼んでしまい、羞恥心が高まる。
体が熱くてたまらなかった。
もう一度、バイブの電源を入れ、振動を味わいながら。

今度は、イクまで、ずっと悠真のことばかり考えてしまっていた。


翌日。
俺はまた、前とおんなじ電車に時間帯を戻していた。

それなのに。
悠真は、俺と同じ電車にいなくて。
以前、ココでこの時間にした行為を思い出してしまう。

こんな場所なのに、してしまいそうな自分を必死で抑える。
もう、馬鹿だ。
やばい。
絶えられない。

もしかして、1本早い電車に乗ったんだろうか。

いやらしい気持ちを抑えて。
電車を降り、学校へ。
つい1組を覗いてみると、悠真。
やっぱり…。
同じクラスの人と、仲良く話していて。
俺が、話しかける隙なんてなさそうだ。

それでも、俺の視線に気づいたのか、不意に振り返って俺を見てくれる。
「あれ、慎っ」
ドアへと来てくれて。
「…おはよ…」
「おはよー。今日、俺、早い電車でさ」
「っどうして…」
どうしてって、咄嗟に口を突いた。

すると、少し企むような笑み。
「気になるの…?」
すると、俺の手を取って、トイレへと連れ込んだ。
「ちょっ…」
廊下にカバン落としたんですけど。

個室まで入り込んで扉を閉めると、俺を壁に押し付けて口を重ねる。
「んっ…ぅんっ…」
舌が絡まって、頭がボーっとして。
キスは、一人じゃ出来ないし。
熱い。
体中が。

俺、やっぱり、やるのも好きだけど、それより悠真のことが好きなのかもしれない。

やっと口を開放されても、何も言えなかった。
そっと股間を撫でられて、
「どうしたの…? もうすっごい硬くなってる…」
冗談っぽくない、いやらしい口調で悠真は言う。
いつもは冗談っぽくて、不意にいやらしさを見せてきて。
それが、ドキドキしちゃったりするんだけど、今は、もう、あの口調だ。
ドキドキする。
俺の耳元で、軽く笑って、ズボンの上から、焦らすように…股間のモノの硬さを確かめるように、ゆるやかに撫でる。
「っ…んっ…ぅんっ…あ…っ」
「ねぇ、わかる…? 硬くなってんの」
「っんっ…」
つい、悠真の手に近づくように、腰が前に動いてしまう。
それが自分で分かり、恥ずかしくてたまらない。
「直接、触って欲しいの…?」
耳元でそう言われ、俺は悠真の方を見れないまま、頷いた。
悠真の手が、ゆっくりとチャックを下ろして。
取り出した俺のに直接手を触れる。
「んっ!!」
「カチカチだ…。それに、すっごいベトベトなんだけど…」
それを示すように、悠真の指が、俺の亀頭をヌルヌルと滑る。
「あっ…んぅっ…」
「見てみな…?」
俺から少し体を離して。
大きくなってる股間のモノから溢れ出る液体を指で拭い取り、下を向く俺の目の前で、糸を引いて見せる。
「あ…っ」
顔が熱くなる。
恥ずかしくて涙が溢れそうになった。
すると、俺の目の前で、その指先に悠真が舌を這わす。
「っ…やめ…っ」
「どうして?」
恥ずかしい。

「今日は、一段と、いやらしい顔してるよ」
耳元でそう言うと、俺のを握って、擦り上げてくれる。
「んぅっ…あっぁあっ」
何度も何度も擦られて。
もうイってしまいそうな自分に恥ずかしくなる。
必死で我慢したいのに、耳元を悠真の舌が這い、いやらしい音が響いて。
それを聞いたら、もう限界だった。
「あっンっ…ぅんっ…悠真っ…ぁあっ…んぅっ…あぁあああっっ」


悠真の手の中に、そのまま、欲望をはじけだしてしまう。
「よかった…?」
…俺、悠真のこの声だけで、欲情しそうだ。
頭がボーっとする。

「行こうか?」
動けずに、何も出来ないでいる俺のをティッシュでちゃんと拭って、しまってくれて。
ドアを開けられ、支えがなくなると、もう限界で、その場に座り込みそうになる。
ココはやばい…頭の奥でそう思ったが、体の自由は効かないし。
すると、悠真が、俺の体を支えてくれて、座り込まずになんとか済んだ。

そのまま、担がれて、廊下まで。

「っ悠真……もう、大丈夫だからっ」
「そぉ?」
ゆっくりと降ろされて。
まだ、足に力は入らないけれど、なんとか立って。
トイレ近くの廊下にあった自分のカバンを取り、5組の教室前まで到着。
悠真とはここでお別れだ。

「じゃあね。慎」
そうにっこり俺に手を振るもんだから。
「あのさっ、悠真…」
「ん? なに?」
物足りないだとか思ってる自分がいて。
我慢出来なくて。

「あ…今日…、一緒に帰れる…?」
つい、そう誘ってしまっていた。