今日もまるで授業になってない。
一応、担任でもある数学教師の木藤は勝手に進めてはいるが、聞いてるやつなんてほとんどいない…っつーか、誰一人いないような気さえする。
俺だって、聞いてない。
木藤のことは見てるけど?
第一、まともに聞けるような状態じゃない。
周りはうるさいし。
こんな中、一人でノートなんて取り出したら、どうしたんだと逆に友達に驚かれるだろ。
俺の性格上の問題もあるけど。

木藤は、それでも、あまり動揺を表に出さなかった。
出したら、生徒にからかわれたりするって、わかってるからだろ。

木藤って、新人教師らしーし。
こんな学校にあたっちゃってかわいそーに。
ま、木藤の授業だけで態度が悪いわけじゃない。
他の授業でだって、こんなもんだ。
だから、木藤があまりちゃんとした授業ができなかったとしても、他の先生もわかってくれるだろうし。
木藤だけが、校長から責められるだとか、そういうことはないんだろう。

木藤は、ひとしきり黒板に書き終えたあと、少しため息をついて。
明らかに疲労の色を見せていた。
俺らが誰も、黒板も木藤も見てないと思って、表情を緩ませたんだろう。
それも一瞬で。
すぐまた、ちゃんとした表情を取り繕ってたけれど。

その後、ため息をつくものの、さっきとは違う。
先生の威厳を持った状態でのため息みたいな。
疲労の色は見せず、ただ、気合いを入れるだけみたいなため息をしてから、軽く教室を見渡していた。

あぁあ。
みんな自由に遊んでるって。
俺も、軽く教室内を見回して、木藤へと視線を戻すと、木藤の教室内を見渡した視線が、俺へと注がれる。
そりゃ、順番に中見てたら、いつかは俺も見られるんだろうけど。
ばっちり、目があった。

俺だって、まともに聞いてなんかいなかった。
だけれど、木藤は一人でも授業を聞いててくれたやつがいてうれしいと思ったのか、俺に気づくと、『あっ』っと、軽く口を開く。
もちろん、声なんて出てないけど。
授業聞いてて驚かれるなんて、めちゃくちゃだな。
そんなことはどうでもいいんだけど。
気恥ずかしそうに、嬉しい表情を押し殺してる様子が、なんとなくわかった。

結構、かわいかったりして。
もともと、顔はすごくかわいい先生だと思う。
というか、俺好み。

たかが、授業聞いてただけで、あんなに喜ぶわけ?
なんとなく、少し、授業を聞く気にさせられてしまっていた。



それから、何度数学の授業があっただろう。
あいかわらず、周りの連中はめちゃくちゃで。
俺も、一応付き合いである程度、しゃべりまくったりはしていた。
それでも、木藤の方を見ては、軽く気を使う。

なんかもう麻痺してるらしい。
木藤は、それだけでも、救われるような、そんな状態みたいで。
俺に気づいては、取り繕った表情を少し緩めていた。
そんな日が何日も続いていた。



「じゃあ、ここは?」
数学のテストが返却された日の放課後。
授業中に、説明してたけど、あんまちゃんと聞いてなかったし。
もう一度、木藤を教室に残らせて、解き方を教わっていた。
「…ここはぁ…」
少し疲れ気味なのもわかる。
そりゃ、一応、全部、授業中に言ってたもんな。

「翔? 聞いてる…?」
「うん。聞いてる。ふーん。そっか、サンキュ♪」
そう答えるだけで、前の席に掛けて後ろを向いてた木藤は、少しだけ嬉しそうな表情。
嬉しいのを、必死で隠してるみたいだった。
やーっぱ、先生だし。
そういうの感じるらしい。
普段が普段だけに、よっぽどね。

個人的に、また聞いてくれるのは、授業を聞いてないという苛立ちよりも、うれしさの方が強いんだと思う。
授業中、俺だけが聞こうと思っても、うるさくてどうにもならないことが多いし。
それくらい先生だって感じ取っているのだろう。
まぁ、聞こうとはあまり思ってないけど。
授業中に、手でもあげて個人的に聞こうものなら、友達に『頭打ったか?』なんて言われそうだ。

特に。
木藤は、今年先生になったばっかだし。
かわいそうに。
俺みたいに慕ってあげる生徒が1人でもいると、救われたってもんだろ?


「先生…」
俺が、手を伸ばして木藤先生の頬を撫でると、少しビクついて、俺を見て。
「なんだ?」
なんでもないみたいに、にっこり聞き返す。
すごい、動揺を隠してるって感じ。
「…かわいーよねー…」
「…は…?」
「俺のこと、好きでしょ」
「っな…」
意味がわからない…と言った感じで、今度は動揺を隠しきれていなかった。

「俺だけだもんな。こうやってあんたを慕ってんの」
他にも真面目な生徒だって少しはいる。
だけれど、先生とフレンドリーなやつはそうそういないわけだ。
ただ、黒板を書き写す、いわゆるガリ勉タイプ?
あーいう勉強だけが大事ってなやつより、授業を教える先生自身を見てる俺の方が、よっぽど木藤にとっては、救いな気がするんだろう。
特に、俺は見た目、真面目ってわけでもないし、ほかの遊びまくってるやつらと同じに見える。
実際、そうだったりもするけれど?
そういうタイプの俺が、授業中、先生なんて見てたら、嬉しいだろ。
ギャップの問題か?

「俺のこと、見掛けによらず、いい子だなーって思ってるでしょ。それだけじゃなくって」
惚れてるでしょ。
いい生徒…だけじゃない感情を抱いてるってな感じがする。
そりゃ、はじめはそうじゃなかったけど。
何度もこうやって、一緒に勉強とかしていくうちに、だんだんと。
木藤の中に、また別の感情があるような気がしてた。

「いいよ。俺も、好き」
そう言うと、明らかに木藤の頬が熱を帯びる。
「なに言って…」
冗談めかすように笑って。
俺の頬から手をどかそうとする。
だけれど、その頬がすでに、少し紅潮してるのがわかった。
俺は無視して、もう片方の手で木藤の首筋をそっと撫でた。
「っ…」
顔を真っ赤にして。
自分でそれに気づいてるのかどうかはわかんないが、まだ、なんでもないフリをしたいらしい。
「ねぇ。先生。誰もいないし。俺と気持ちいーこと、しよって」
首筋を撫でていた手で、そっとネクタイを緩めさせる。
「っなに…言って…っ」
「俺のこと、嫌い?」
まさか、生徒に向かって、嫌いなんて言えないだろう?
俺は、ネクタイを引っ張って顔を寄せ、そっと口付けてやった。
「ンっ…」
嫌がるように、俺の肩に手をおいて。
押しのけられそうになりながらも、俺は木藤の頬を掴んで、無理やり深く口を重ねた。
舌を押し入れて、絡めとるうちに、木藤が俺を押しのける力が弱まっていくのがわかる。

「っ…力、入んないとか?」
口を離してそう言うと、少し困ったように、それでも俺の顔も見れずに、少し俯いて。
「ふざけてないで…。勉強しないなら、もう…」
帰れって?
木藤の方こそ、とっとと、俺から逃げればいいものを。
足にも力が入らないらしい。

「俺のこと、好きなんでしょ?」
「っ…」
答えられないみたいで。
俺は自分の机…木藤と俺の間にあった机を思いっきり横へとどかす。

もう一度、左手で頬を撫でて。
右手で、木藤の胸元に手をやる。
「すっげぇ、ドクドクしてんじゃん。自分でもわかるっしょ。緊張してるっつーか、興奮してる? 動揺してんのか」
そんなことない…なんて風に、否定できそうにないってわかってるんだろう。
俺に胸触られてちゃ、隠しようもないし?
俺の方も見れずに、少しだけ泣きそう。

「なに…? 俺が、先生のこと、裏切っちゃったから、悲しい?」
慕ってくれた生徒に、こんな風にされちゃあな。
「先生ってそういうもんだよ。本当に、尊敬とかする生徒なんて、ほとんどいないんじゃないの」
ちょーっと、新人教師には痛い?
「でも、俺、好きだよ、木藤のこと」
軽く頬にキスをして、耳元で教え込む。
木藤の胸の鼓動が早まるのがわかった。

「ねえ。それともさ。俺にやられちゃうんじゃないかって、不安?」
「っ…そんなんじゃ…」
「じゃあ、期待? 勃ってんじゃん」
胸元に触れていた手で、ズボンの上から木藤の股間のをそっと撫でて示してやる。
「っんっ…」
顔を真っ赤にして。
涙目で。
「勃っちゃうってことは、別に、俺が裏切ったとか、そういう意味で泣きそうなんじゃないんだよね。やっぱ。すこーし、後ろめたいなって思ってたから、よかったよかった」
「っ……」
反論する力もないのかなー。
まったく。
「俺のこと、好きでしょ? じゃなきゃ勃ったりしないよね」
何度もズボンの上から擦ってやると、困ったように椅子ごと後ずさりする。
「やぅっ…んっ」
「そんなに怖がらないでよ」
俺は床に座り込んで、木藤のズボンのチャックを下ろし、直に手に取ると、やっぱり逃げるように腰を引く。
「…生徒のこと、信じらんないかなぁ?」
そう上を見上げると、顔を赤らめたまま、ものすごく困ったような表情。
「っそういうわけじゃ…っ」
「ね。気持ちよくさせたげるから」
にっこり笑ってそう言ってから、一気に舌で手にしたそれを舐め上げた。
「っあっ…ぅうんんっ」
木藤の体がビクンって震えて。
自然と俺を引き剥がそうとか髪の毛に指が絡まってくる。
だけれど、引き剥がす力がないのか、そういうこと出来ないのか。
中途半端に髪を絡めとるだけだ。
「ねえ。なーんで、勃っちゃった? 俺がさ。こんなに先生のこと裏切ってんのに」
「っ…」
「期待してたんだ? 俺に頬撫でられて。こういうこと、されちゃうんじゃないかって」
舌先で、何度も舐めあげてやりながら、木藤の表情を伺って。
俺と目が合うと、ものすごく恥ずかしいみたいな感じで、顔を背ける。
「っぁっっ…ぅンっ…やめ……ぁっ」
「俺が、気持ちいーことしよって言ったから、いろいろ想像しちゃったとか?」
舌を這わしながらも、休み休み、言葉を接いで。
指先でも、先の方をゆるゆると刺激してやった。
「…っぁっ…ぁあっ…だっめ…っ」
俺の質問に、恥ずかしくて答えれないっつーよりは、答える余裕がない感じ。
「聞いてる?」
木藤の顔も見ずにそう言って、舌を木藤のモノに絡ませ続ける。
「っぁっ…くっンっ…や…ぁっ、あぁああっっ」
絶えられなかったのか、木藤がイってしまい、口で受け止め切れなかった精液が俺の顔にかかる。
「早…。溜まってた? こういうのされるの、もしかして初めて?」
「…っ…」
恥ずかしげに、軽く顔をそむけて、俺に質問には無視。
「木藤先生…。舐めてよ。俺の顔」
「…なっ…ぁ…」
「自分が、汚したんじゃんか」
一回出してしまったせいか、顔を赤くして、泣き出しそうな表情のまま、そっと俺の顔に手を触れる。
やってくれる気なのかな。
「…っ…」
「ほらぁ。恥ずかしがってるうちに、乾いちゃうでしょ」
「っごめ…」
木藤は立ち上がって、そっと舌を伸ばして。
恥ずかしそうにしながら、そっと俺の顔についた自分の精液を舐め取っていった。
その間に、俺は後ろから木藤のズボンの中に手を突っ込む。
「っなっ…」
「木藤は、舐めてろよ」
「っ…」
さっき、チャックもホックもすでにはずしてやっていた。
木藤のズボンが、ずり落ちて、下着の中で尻を撫でると、ビクンと体が震える。
「…かわいいじゃん…」
俺は、木藤から顔を引き剥がして、代わりに空いている右手を差し出す。
「っ…?」
「指。舐めて?」
「な…んで…」
「さっきも言ったんだけどなぁ。気持ちいーことするって」
「でもっ…」
「生徒とこんなところでーとか考えてる? だけど、俺のこと、好きで拒めないでしょ?」
からかうように冗談交じりにそう言うけど、図星だったようで。
また、泣きそうなくらい困らせた顔を、うつむかせる。
「ほら」
口の中に、2本、指を突っ込んで、探ってやって。
「ぅンっ…」
あいかわらず、左手で、尻を撫で回してやる。
「っはぁっ…翔…っやめ…」
指を引き抜かれた口からは、嫌がる声。
「やめちゃっていいのー?」
じっくり顔を見て言うと、即答出来ずに言い留まる。
「今からでも遅くないよー。してくださいってさー、頼んでくれたら、すっげぇかわいがってあげるのに」
俺は、手を離して軽く腕を組んで、椅子に腰を下ろす。

もう、なにもかも精神がズタボロですってか。
立ち尽くしたまま、俺も見れずに、俯いて。
「まぁいーんだけど? このままバイバイでも。どうするよ?」
木藤はだまったままだし。
しょうがなく俺は立ち上がって、耳元に
「もう二度とないかもしれないチャンスだってのになー…」
そっと、声をかけてやる。
もちろん、俺がチャンスなんじゃなくって、木藤が。
俺に、やられることに関して。
耳元で話されたせいか、少し体をビクつかせやがって。
「…っして…」
そう声を絞り出すのがわかる。
「…くださいだろ?」
そうキツく言うと、自分の立場を忘れたのか、生徒の俺に対して、今度は恐れるように少しビクついて。
「…くださ…」
もう意味とかわかってんのか、わけわかんねぇけど、手で顔を抑え、泣きながらそう答える。
「ちゃぁんと、いい子にしてたら、俺だって、やさしくしてやるっての」
そう言いながら立ち上がり、抱き寄せて、頭を撫でてやった。
「っ…して…くださっ…」
「わかったって」
俺は木藤の下着をおろして、そっと尻を撫で回す。
「っくっぅんんっ…」
今度は、少しだけ気持ちの余裕があるのか、両手で口を抑えて、必死で声を殺しているようだった。
俺は、双丘を両手で押し広げながら、そっと指先を後ろから中に押し込んでいく。
「っひぁっ…ぅんンっ」
「意外に慣れてんじゃん。誰かさんと経験済み?」
無償に悔しく思ったが、
「っ…違…」
小さく否定の声。
「じゃあなに? 一人でやるとき、こっちも使っちゃってんの?」
俺は場所を示すように、押し込んだ指で、軽く中を掻き回す。
「っゃああっ…待っ…」
俺の背中に軽く回した手が、力を入れる前に、木藤の足が、カクンと折れ曲がる。
「っゃ…あっ…」
指がずるんと抜け落ちて、木藤の体は俺の腕からすり抜けるように、床へと座り込んでいた。
「やらしぃねー。処女なのに、こんな後ろで感じちゃってさぁ?」
床に座り込む木藤にあわせて俺もしゃがみ、木藤の足に絡まる衣類を引き抜いてしまう。
大きく足を広げさせると、なにをするのかと言わんばかりに、驚きの表情で、俺を見る。
「なに? たっぷり、見てやるよ?」
「っ…そん…なの…」
「見てるだけじゃなく、触って欲しい?」
俺は、左手で木藤の右足を抑えたまま、自分の右手の指をまた、前から足の付け根の秘部へと差し込んでいく。
「っやぁあっ…」
体を大きくはねさせ、俺の視界から逃れるように横を向く。
「じゃ、2本目―。なに、余裕じゃん?」
「っゃ…やあ…っ…早…っ」
「一応、初心者様だっけ?」
入りやすい体にはなってるけど、刺激には免疫があまりないと。
しかも、人の手じゃあなぁ。
自分と大違いだ。
「でー。木藤はどうしてほしいわけ? 明確に言ってよ」
「っ…そん…な…」
「掻き回して欲しい?」
ゆっくり2本の指で動かして示してやると、ビクンと大きく体をふるわせる。
「っやあっ…ぁんぅ…」
なにこいつ。
すっげぇかわいーじゃん。
生理的なのか、涙を流して。
俺が、中で指を動かして、いいところを突くたびに、体を震わせて。
俺の指で、こうも反応してくれるのが無償にうれしく思ったり。
「イきそう?」
「っんぅっ、ゃあ…ぅんっあっ」
「なに? ちゃんと言ってよ」
「っ…ゃああっ…ぃくっ」
「へぇ。出しちゃいそうなんだ?」
そう言った言い方を俺がすると、恥ずかしいのか、顔を背けて。
俺は、中で、ぐちゃぐちゃ音がするくらいに激しくかき回してやりながら、感じるところを擦ってやる。
「やらしー音…」
「んっ、やっ…やぁあっ、駄目っ、あ、やぁああっっ」
木藤がまた、イってしまっても、今度は休ませる暇は与えてやらない。
指を引き抜くと、無理やり体をひっくり返して、四つんばいにさせる。
「っなっ…」
「自分だけ気持ちよくなろーとは思ってないんでしょ? もちろんさぁ」
俺は、すでに勃ち上がってしまってる自分のを取り出すと、いままで指を入れていた木藤の中へと挿入させていく。
「ひぁっ…んーっ」
床に必死で、爪をたてる木藤が視界に入る。
「奥まで、入ってくねぇ、まったく」
「やあっ…ゃっ」
イったばっかで、体がやばくなっちゃってる?
体を震わせて。
「嫌じゃないくせに。どんな感じなの?」
「やっ…熱…ぃ…あんんっ」
「感じる? 木藤せんせ♪」
わざと、いやらしく『先生』と呼んでやって。
中を出入りさせながら、前に回した手で、股間のモノを擦りあげてやる。
「んぅっあっ…、ぁっあっ、翔っ、やぁあっあっ」
ゆっくり…なぁんて優しいことはしてやらない。
一気に、ギリギリまで引き抜いて、すぐさま、奥へと突っ込みなおす。
何度も繰り返して。
「ゃあっ、あっ…ンっ、ぁんっあっ…はぁあんっ」
声を殺す余裕なんてのはもうないのだろう。
俺に打ち付けられるがまま。
体がガクガクみたいで。
自分の体も支えられないのか、腕が折れる。
腰だけ、突き上げてるみたいで、余計にいやらしいじゃん?
「いい…ね、先生♪中、出すよ…?」
「やぁっあっ…んぅうっ…や、あっ…やぁああっっ」
俺は、なるべく奥深くまで、刺し込んだ状態で、木藤の中へと、自分のを放ってやった。
「んっ…ゃふっ…」
ぐったりした状態の木藤の体を起こしてやって。
後ろから抱いてやる。
ちょっと放心状態?

「大丈夫? ちゃぁんと、これからも俺は、先生の授業、聞くよ?」
「ん…」
「だけどさ。木藤は、俺のことどう思ってる? いい生徒とか思ってる?」
「っ…そりゃ…。みんなは聞いてくれないけど…翔は聞いてくれて…」
「うん。授業中はね? でも放課後違うよ。俺は、ご主人様で、木藤はペットだって。わかるかなぁ?」
まだ考えがまとまってないみたいで。
そっとうなづくのが後ろからわかった。
「かわいいねぇ。これから、たっぷり躾けてあげるから…ね?」

そう。
俺は、先生の生徒で。
だけれど、先生は、俺のペットだ。