「相手するとは言ったけど。俺は嫌がる子を抱く趣味はないんだよ?」
生徒会室で。
ソファに座ったままの宮原先輩は笑顔でそう言い、俺の誘いを断る。
「…別に嫌がってません」
けじめだと思ってるから、俺はこの人とやりたい。
「…後でやっぱ嫌でしたっつっても、遅いけど。知らないよ? いいのかな」
生徒会の役員であるこの人が、どれくらいの事をする人なのか、理解しがたかった。
「…いいですよ…。脱ぎましょうか」
そう言う俺を、ジっと見上げて。
「あのね、俺は優しくないよ?」
「……別に…」
「やる気、あんなら、君が俺の勃たせてさ、自分で入れて?」
冷たい視線でそう言いはなつ。
俺に、出来るのかわからなかったが、考える余地はなかった。
宮原先輩の前座り込み、宮原先輩のズボンのチャックを下ろす。
取り出したモノにそっと舌を絡め、何度も舐め上げていった。
「…自分がされて気持ちいいだろうなーって思うような舌の絡め方、して? っつーか、口に含んでみせてよ」
「んっっ…」
これじゃあ、どっちがやられてるのかわからない。
咥え込み舌を絡めて。
口内を突かれると、無性に感情が昂ぶった。
「ぅんっ…ンっ…」
勃ちあがった宮原先輩のを確認して。
自分はズボンと下着を脱ぎ捨てて。
舐めあげた指先を自分の中へと押し込んでいく。
「んっ…んぅんっ」
宮原先輩のが萎えないように、舌で舐めあげながら。
2本の指で中を押し広げてみるものの、実際に、今、舌を這わしているコレが中に入るとは思えなかった。
不安が募る。
つい、宮原先輩を見上げてみるが、冷めた視線を送られるだけ。
自分から、こんなの。
緊張しながらも、俺はソファに座ったままの宮原先輩の体を跨ぐ。
入り口に亀頭が触れて、俺は手で支えながら、ゆっくりと飲み込もうとした。
「んっ…ぅんっ」
「…力、抜けって」
しょうがなくなのか、そう教えてくれて。
俺は、なるべく力を抜きながら、亀頭の部分をなんとか受け入れていく。
「ぁあっっ…んっんーっ…」
痛い。
痛くて。
どうすればいいのかわからなくなった。
宮原先輩の肩に手を置いて、身動き取れなくなってしまう。
涙でぼやける視界の中、探した宮原先輩と視線がぶつかる。
「…抜きな?」
「…っ…」
「いいから」
しょうがなく抜いて体を落ちつかせる。
宮原先輩は俺の下から抜け出して、逆に俺を押し倒す。
ソファに寝転がらされて。
逆に椅子から降りた宮原先輩に横から見下ろされていた。
「…出来ないならすんなって」
冷たくそう言って。
なにも言えずにいると、宮原先輩が自分の手にローションを垂らしているのが視界に入った。
その手が俺の股間を撫でて、指先がゆっくりと奥の入り口を撫でて。
やっぱり人にされるのと自分とではだいぶ違うから。
ゾクゾクして、体が震えた。
そんな俺の中へと、指先がゆっくり入り込んでくる。
「アっ…んっ…んぅんっ」
中を優しく掻き回されて体中が熱くなって来ていた。
蕩けそうなくらい優しい手つきで、心地よくて。
頭がボーっとする。
「ぁんっ…あっ…はぁ…ンっ…ぅンっ…」
なんだ、この恥ずかしい声。
俺が、出してんのか。
結構、俺って、いやらしい声出るんだなーなんて、客観的に思ってる場合じゃないのだろう。
前、されたときよりちゃんと感じてるかもしれない。
2本の指が、中を押し広げていく。
ローションのせいで、ぐちゃぐちゃするソコを、音を立てて掻き回されて。
体が何度もビクついた。
「ぁあっ…んっ…やぁっ…あっっ!!」
「イっていいよ?」
「んっ…やぁあっ…はぁっあっ…んーーっっ」
指だけでイかされてボーっとする俺の体を起こし、ちゃんと座らせると、両足をソファの上に乗せてしまう。
開脚状態で。
さっきまで指が入っていたそこに、宮原先輩が自分のモノをいれようとしているのが目に入る。
「や…っ」
「…なにが、やだって?」
「ん……入らない…気がするんすけど…」
「力抜きな…大丈夫だから…」
抜きなと言われるまでもなく、すでに脱力状態だった。
ゆっくりと、見せ付けるようにして宮原先輩のが入り込んでくる。
「あっ…んーーっっ」
おっきくて。
熱くて。
ソレが、見えるように俺の中に入り込んでくる。
「ひぁっ…あっ…やっ…」
「ばぁか。こんなことくらいで泣いてんじゃねぇよ。大丈夫だから」
宮原先輩は、頭を優しく撫でて、俺の心を落ち着かせようとしてくれていた。
痛くはない。
けど、すごい圧迫感。
こんなの初めてで、わけがわかんなくて。
壊れそう。
「あっぁああっ…」
「そう…声だして、息吐きな」
「んっ…ぁあっ…もぉ、入らな…っ」
「嘘…もうちょっと奥まで、いけるよ」
俺の腰を掴んで。
奥の方まで、宮原先輩のが入り込んでくる。
「ひあっ…んーーーっっ!!」
「ほら…全部入った」
「はぁ…っ…ンっ…」
萎えかけた俺のを、手で擦り上げてくれて、体中が熱くなる。
反射的に締め付けてしまうソコに、感じる物量と。
落ち着いた俺を見てなのか、少しだけ宮原先輩が、奥に入ったままの状態で腰を回して、俺の中を刺激する。
「んっあっ…ンっ…ぅんっ…」
「力は、抜いたままで…うまく動けないよ?」
「はぁっ…あっ…んっっ…」
慣れてきたのを見計らってか、軽めの出入りに体が何度もビクついて。
宮原先輩は、その様子を見ながら、あいかわらず俺の髪を優しく撫でてくれたりして。
感じる部分を何度も掠められ、気持ちよくてたまらなくなってくる。
「はぁっあっぁんっ…あっ…んぅンっ…ぁあっ」
「気持ちいい…?」
優しくないなんて言ってたけれど、すごい優しいだろ…。
「ん…っ…あっぃいっ…あっん…っ…ぁあっ…」
「イっていいよ」
「ひぁっんっ…あっあんんっ…あぁあああっっ」
しなきゃいけないからだとか。
いろいろ考えてたこと、全部吹っ飛んでた。
ただ、気持ちいいことしか考えられなくて。
これがなんのためにしている行為なのかも忘れちゃって。
これで会長との約束は果たせたとか、そういったすっきりした気分にももちろんなれなかった。
気持ちよくしてもらっただけのような気がするからだ。
「智巳さぁ。そう暗い顔しないでくれる?」
「え…」
「せっかく君が言うからしてあげたのに」
「……すいません…」
そう謝るのも、正しくない気はするけれど。
「智巳はさ。本気で桐生を手に入れるつもりなの?」
「…欲しいです」
「そう…。まぁ、がんばって」
まさか、宮原先輩にそう言われるとは思っていなかった。
嫌味だったり皮肉だろうか。
「がんばってって…」
「会長は、桐生が好きだけれど、桐生の幸せを願うタイプだからね。智巳の行動力には負けると思う。それに、君と桐生が付き合って桐生が幸せならば、満足するんだろうし。 そもそも、智巳ならいいと判断したから、こういう展開になったんだろ。…会長も、好き嫌い激しいからね。
少なからず、智巳も気に入られてんだよ」
会長に俺が気に入られている?
ライバルってわけじゃないのか。
「会長は、自分では無理だって、わかってるんだろ」
なにも答えれないでいる俺を見てか、そう言葉を続けた。
「無理って…そんなのわからないじゃないですか」
「そう。智巳はそう考えることが出来る。だから、君に任せているのかもしれないね」
話を打ち切るように笑顔を見せ、俺に服を渡した。
俺もまた、その話題を続けにくく、服を着ながら沈黙をやり過ごした。
「認められてんだよ、会長に。俺も、智巳みたいな子、好きだな。がんばりなよ」
そう言いもう一度、俺にキスをしてくれた。
会長に認められている。
会長はともかく、宮原先輩は、俺の情けない姿をたくさん見ているのに。
なんでそういうことが言えるんだ。
「俺のこと、知ってるでしょう…? 自分からやるって言っときながら、やれなくなったりしちゃうような男なんですよ」
「…でも、やろうとはしてくれた。俺が、やらなきゃ自分で最後までしたかもしれないだろ?」
「…わかりませんよ」
「そういう智巳も全部含めて、俺は好きだと思えるんだけどな。自信持ちな」
なぜかそう俺を励ましてくれて。
俺は、軽くお辞儀をしてその場を後にした。
俺が会長とした約束はまがいなりにも一応、果たした。
となるともう、宮原先輩とやる理由はなくて。
このまま、これが最初で最後なのだろうか。
あぁ。この行為、嫌じゃなかったかもしれない。
自分に好意的な人に抱かれて。
後味も悪くない。
また…なんて考えが過ぎる。
深雪先輩のことだけ考えていたいのに。
宮原先輩を訪ねてしまいそうな自分に、なんだか頭が痛くなった。
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