「っぁっ…悠貴…」
視聴覚室で、真っ暗な部屋の中。
自習になった生物の授業の映像を見ている最中だった。
連なった机の隣に座った悠貴が俺の股間に手を伸ばして、もうすでに直接擦りあげる。
「なに…?」
「っ…こんなとこでは…ちょっと…」
「そぉ? よくない?」
そう言うと、擦りあげてた手を止めて、今度はゆっくり、奥の方を撫でる。
「っん…誰か…気づくかもだし…」
「ここ、撫でられるだけで、感じるようになったんだ?」
入り口をゆっくり指が這いまわって、そのあと、そっと指先が少しだけ入り込んで。
「っンっ…くっ…」
体がビクンと跳ね上がる。
「っ…だ…め、悠貴…ゃばい…」
「やばいって?」
いったん指を抜いて、一舐めすると、また入り口を撫でて。
「どうやばい…?」
そう言い終わると、ゆっくりだけど、また、指を入れて。
今度は、奥の方まで入り込んでくる。
「っゃっ…んぅっ…や…ぁっ」
「掻き回していい?」
「っ…だ…め…っ…やっ…」
「どうして?」
そう聞きながら、そっと指を動かされてしまう。
「っっひぁ…っ、ンっんぅ…」
「拓耶…?」
「ぁ…ゃめ…っ」
「しょうがないね、じゃ、やめようか」
ずるいって…。
こんな中途半端にやめれるわけない。
「悠貴…外で…」
「了解♪」
俺らは、二人で、視聴覚室の外、廊下へと出る。
「どこ行く? 保健室とか…」
そう誘う悠貴の背中を見て、つい引き止めるようにシャツを引っ張ってしまう。
「…拓耶?」
「っ…悠貴…」
それだけで通じたのか。
俺の背後に回って
「ずいぶん、やらしくなったね」
少しからかうようにそう言いながら、壁に手をつかされる。
ズボンと下着を膝あたりまで下ろされて。
やばいって、俺。
体がほしがってる感じ。
悠貴が、後ろから双丘に手を這わして、また、さっき指を入れた所に、指を押し込む。
「っんぅっ…ぁっ…悠貴ぃっ…」
「さっきより声出てるじゃん…。まぁ、ここのドア、開かない限り、中には声、聞こえないって」
視聴覚室は、防音効いてるから…。
でも、廊下はめちゃくちゃ静かだし。
確かに、ここ、別にほかの授業で使われてる教室と近いわけじゃないからいいかもしれないけど。
とにかく、そんなこと考えてる場合じゃない。
奥まで入り込んだ指が、そっと抜きさしして、前立腺を擦っていく。
「っぁっあっ…んぅっっ…」
俺は、ドアにしがみつくようにして、必死で体を支えた。
「足、抜いてよ」
そう言われるように、ズボンから、足を片方抜く。
自然と足を広げると、2本目の指が入り込んできていた。
「っくンっ…ぁあっ…ゃっ…悠貴ぃっ…」
「何…?」
中を激しく悠貴の指が出入りして、気持ちいいところを擦ってく。
「っ…あっ…ぁあっ…どうしよぉっ…俺っ…ぁあっ…」
「感じる?」
「ぅんんっ…やぁあっ…感じる…よぉ…っ」
「じゃあ、いいじゃん…?」
「っ…やぁっ…俺…もぉっ…変…っぁあっ…」
体中がおかしい。
前、されたときはこんなんじゃなかったのに。
別に薬が入ってたりするわけじゃない。
桐生先生とか、優斗先輩とか、いろんな人とやってるうちに、体がおかしくなっちゃったんだろうか。
「んぅっ…あぁあっっ…悠貴ぃ…いっちゃぁう…っ」
「後ろだけで?」
「ゃうっあんんっ…俺っ…ぁあっ…ぅんっ…ぃくっ…やあっ…イクっ…」
「ん…もうちょっと我慢ね…」
そう言うと、一気に指を引き抜いてしまう。
「っやぁあっ…」
「嫌?」
俺、なに不満そうな声出しちゃってんだろう。
「イかせて欲しかった?」
「…っ…」
やばい。
いつもみたいに、答える余裕もない。
「言って?」
「っ…悠貴…俺っ…」
「どうした?」
「……なんでも…ない…」
「そう?」
あまりにも欲しがってしまうのはやっぱり悠貴の彼女に申し訳ないから。
それがわかってなのか、悠貴は、1本指を差し込んで、じらすように中をゆっくりかき回す。
「はぁっあんんっ…悠貴ぃ…っあっんぅうっ」
「言ってくれたら、してあげるから」
「だ…め…っあっあっ…んぅンっ…」
「ねぇ…。ねだって…?」
耳元でそう言われて、舌を這わされて。
めちゃくちゃゾクゾクする。
「ぁっあぁあっ…ん、悠貴ぃ…っ…」
「体は素直に、俺の指締め付けて、腰寄せて、いやらしいのに…」
そんな風に焦らされたら、耐えられない。
悠貴の余っている手の指が、催促するように俺の唇を撫でた。
「はぁっあっ…悠貴ぃ…っもぉっ…」
「なに…?」
やさしい口調。
指先が、前立腺を何度も行き来してやさしく撫でて、焦らしてく。
「ぁあっん…っ欲しぃっ…あんんっ」
「なにが、欲しい?」
指をもう1本、足してくれて。
少し激しく中を掻き回してくれる。
「あっんっあんっ…ぃいっ、やぁあっ…」
「指で満足なんだ?」
「っ駄目っあっあっ…入れてっ…おねがっあっ」
「かわいいね…」
そう言うと、指を引き抜かれ、悠貴がズボンのチャックを下ろしている音が耳につく。
双丘を掴まれ引き寄せられて。
悠貴の高ぶりが入り口に押し当てられる。
「あっ…」
「どうしようか…」
楽しむようにそう言って、焦らすように、悠貴のモノが何度も入り口を擦りあげていくけれど、中には入ろうとしない。
「はぁっあっ…悠貴ぃ…」
「なに?」
「っ…入れ…て…」
そう口走ったあと、めちゃくちゃ羞恥心に駆られて、顔が熱くなる。
なにか刺激されて、思わず出ちゃったわけでなく。
自分が求めてるような、そんな感じが恥ずかしくて。
だけれど我慢できなくて、恥ずかしくて、涙が溢れてきた。
「あっ…くっ…悠貴ぃ…」
「泣くほど、恥ずかしい…?」
顔とか、きっと赤くなっちゃってるんだろう。
指摘されると、余計に恥ずかしいし。
こんなに恥ずかしい思いをしているのに、なにも先に進まないでいられると、どんどんと羞恥心は高まるし、体も我慢できなくなってくる。
「っはやく…っ…おねが…」
「いやらしいね…」
「っん…」
自分でもわかってるからこそ、恥ずかしくてたまらなくて。
ゆっくりと悠貴のが入り込んでくると、ゾクゾクと、快楽が背筋を走っていくようだった。
「あぁあっ…んーっ」
「もっと、声、出して…?」
何度もピストン運動しながら、次第に奥へ奥へと入り込んでいく。
「っあんっあっ…だめ…ぇっ…ぁああンっ」
「かわいいねぇ、拓耶くん」
「はぁっあん…っ…あぁっ…ン、んっあん」
「拓耶って、かわいー喘ぎ方、するよね」
「なっあっっ…」
そんな、声出しちゃうのとか、あまり気にしてなかったから、そんな風に指摘されると、ものすごい恥ずかしい。
「んっ…あっ…ぁあっ…んぅっ」
「我慢、しないで…」
「っンっ…あぁあっん、悠貴ぃっっ…やぁあっ」
「あー…もうすぐ授業終わりそうだから、ちょっと中断しようか…?」
そう言って、少しだけ、ピストンの動きを緩められてしまう。
「やっあっっっ…ぃやっんっっ」
「なに…?」
「っあっ…やめなっ…でっ…やぁっあんっ」
「見られたら困るでしょ?」
「いいっ…からぁっ…」
「いいんだ…? じゃあ、見てもらおうか?」
「っな…」
「誰がいいかな…。さすがに陸は拓耶がかわいそうだからね。伊集院先輩…とか…」
「っ…」
伊集院先輩は、俺が尊敬する先輩のうちの一人。
勉強もスポーツもできて、人を纏め上げる力があって。
かっこよくて、長身で。
そんな人に見られる?
「っゃっ…」
「今、メールで呼んだから…。あの人なら授業抜けてきてくれるよ?」
「ゃだっ悠貴っ…俺、もぉ」
授業なんてまだ終わりそうにない。
あんなのは悠貴が言った嘘だってのはわかってた。
だからこそ、見られてもいいんだって俺も言ったけれど、本当に見られることになろうとは考えてもいなかった。
「こんにちは♪」
後ろからそう声が聞こえる。
毎週朝会で聞く、生徒会長の声。
直接話したことは、俺はなかった。
初めての人に、こんな姿をさらけだすなんて。
悠貴は、自分のモノがはまったままの状態で、俺の体を伊集院先輩の方へと向かせる。
「っやめっ…」
「拓耶くん? こんにちは」
「や……見な…でくださ…」
涙があふれて来る。
こんなはしたない姿。
見られたくないのに。
「大丈夫?」
伊集院先輩は、俺の頬を撫でて。
あろうことか、俺の口に口を重ねる。
「っんっんぅうっ」
舌が絡まりつく。
蕩けそうな。
頭がおかしくなりそう。
口を離されても、わけがわからない状態だった。
「支えててあげるよ?」
そう言って、伊集院先輩は俺の手を取る。
「よかったね、拓耶」
悠貴は楽しそうにそう言った後、また俺の中のモノを出入りさせた。
「っぁあっあっ…あんっやっやめっ…やっ」
伊集院先輩が目の前にいるのに。
恥ずかしくてたまらない。
「拓耶くんのココ、もうベタベタだね」
伊集院先輩の指が、そっと俺の股間に触れて示す。
「っあぁあっ…やめっ…てくださっ…離しっ」
「どうして…? 俺が嫌い?」
そう言いながら、亀頭から溢れ出る蜜を塗りたくるように、指で撫でる。
「違っ…だめっあっ…駄目っ…離しっ…やぁあっ、あぁあああっ」
腰が抜けたように、その場に座り込んでしまいそうな体をなんとか悠貴が支えてくれていた。
イってしまって、伊集院先輩の手に俺のがかかってしまう。
「っすいませ…っ」
「かまわないよ」
にっこり笑ってそう言うと、あろうことか、その俺の精液で濡れた指先を一舐めする。
「っ……や…」
恥ずかしくてたまらない。
どうすればいいのかも。
「拓耶…してもらえば…?」
後ろから耳元で悠貴がそっと声をかける。
俺が、伊集院先輩を好きだって、悠貴は知ってるからだ。
「っな…あ…」
「していいの?」
伊集院先輩にも聞こえたのか、俺の顔を覗き込んで。
いつもなら、なんでもないみたいにかわすんだろうけど、相手が悪い。
「っ俺…なんて…」
「なに?」
「相手に…ならないし、先輩には彼女さんとか…憂とか」
伊集院先輩は俺の頬を取って、自分の方へ向ける。
そんな風に顔近づけられたら、恥ずかしくなってくる。
「拓耶くんだって。彼女とするのと、それ以外の人とやろうと思うのとはまた別だって。わかってる子でしょ…?」
わかってる。
だけれど、俺は憂のルームメイトであまりにも近い存在だから…。
憂と同じくらい俺だって、この人のこと、尊敬してるし、大好きだし。
俺の方が、先に伊集院先輩のこと、好きだったんだよとも思う。
「相手にならないなんてことないよ…。すごくかわいいし」
悠貴の腕から俺の体を奪って、抱き寄せて、耳元で言ってくれる。
「俺…」
「ね…。今日は、早退しようか…」
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