「……榛……俺、好きな子、出来たんよ……」
小学校からいいライバルみたいな関係だった佐渡優斗。
中学、高校までも同じになって、高校2年生現在も、クラスは違うものの、部屋へ行ったり来たりはたまにあった。
今日もまた、優斗は俺の部屋に来て一息すると、そう言った。
「……へぇ……」
「……どんな子かーとか聞かんの?」
「別に興味ねぇよ。だいたい、なんでわざわざ俺に言いに来るんだよ、お前…」
「あのな?白石凪っつー1年の子なんよ。昨日、告ってきたらいいってさ」
聞いてないっての。
「お前、言いたいだけだろ?」
当たりと言わんばかりににっこり笑うと、急に俺の目の前で手を合わせる。
「…で、お願いがあんのん」
「…なんやん…」
「…やらせて欲しいんよ」
「なにをやん…」
「…SEX…」
何気なく、聞いていたのに、その言葉に体が固まる。
「……なに……わけわかんねぇこと言ってんの…?…その、凪って子?そいつと付き合うことになったんだろ…?だったらその凪とやればいいやんか」
少し引く俺に、歩み寄るようにして近づいてくる。
「…そう……だけど……凪、中学ん頃からわりと男と付き合ってきたみたいで慣れとるっぽいんよ…。だから、榛で勉強させて欲しいんよ」
「…凪に教えてもらえばいいだろ?」
「俺がリードしたいやん。わかるっしょ?」
それはわかるけど……だからって……なぁ……?
「…俺、やられるよりやる方がいいもん」
「わかってるよ。でもなんか…やってる時にオロオロしそうやん…。あんま情けない姿みせなくないやん?榛ならいいかなぁって…なぁ?他に頼める人、おらんやん」
俺だって…初めてなんだからオロオロしそうなんだけど。
しかも女形なんて……。
でもまぁ…初めて同士なら……なぁ……?
「……しゃーないなぁ……」





「…なぁ…乳首とか、感じるん…?」
「さぁ…女じゃねぇし、感じないんじゃねぇの…?」
ものは試しと言わんばかりに、優斗は俺のシャツを脱がせるとゆっくりとベットに俺を押し倒す。
胸のあたりを弄って、指先が中心に触れると、ゾクっとして体が強張った。
「…感じる……?」
「……わか…んね…ぇ…」
「もっと強くした方がいい…?」
そう言うと、優斗は爪を立てて乳首の先を引っ掻く。
「っっン……ぁ…っ…」
駄目…。
ドキドキして、息が上がってくる。
「…イイ…?」
「っはぁっ…馬鹿…ンなトコ…触りまくんなってっっ」
わかったと言わんばかりに指先を離すと、その代わりに舌を這わす。
「っやっ…馬鹿っ…やめっ……」
つい、優斗の頭に回した手で、優斗を引き剥がそうとしてしまう。
「……もっと…協力してや……。どんなんが…いいんかとか…言ってくれんとわからんやん……」
「…うるっさっ……わかっ……言うって……」
少し落ち着いてから、優斗の頭に回していた手を離し、顔の横にある枕をそっと握った。
「…ズボン…脱がせていい……?」
「…んな事…いちいち聞かないだろ…?」
「…そっか……」
優斗は俺のズボンと下着を一緒に脱がしてしまうもんだから、俺は素っ裸な状態。
「な…優斗は脱がねぇの……?」
「……脱いだ方がいいん……?」
どうなんだろ…。
2人とも素っ裸って…それも微妙…。
だけど、一人だけ裸ってのも……。
「…じゃ…上だけ脱いで……」
優斗はシャツを脱いで上半身裸になり、その後、そっと俺のペニスに手を触れた。
「…人の…直に触るん、初めてや…」
「…わかった…から…さっさとやれって…」
「どうやるん?」
「……ホント……凪とやる前に俺とやっといてよかったな…。引かれるで?とにかく好きなようにしてみやぁって…。今は練習なんだで…。駄目なら駄目って言うから」
俺だって…初めてなんだから…わかんないことばっかだっての…。
めちゃくちゃ緊張する。
女形の立場からすると……やっぱ、タチにはリードして欲しい気、するかも……。
優斗は、手にした俺のペニスを壊れやすいものでも扱うかのようにそっと包み込むとゆっくりと擦り上げる。
「っ…ぁっ…はぁ…っ…ン…っんっ…やっ…優斗っ…それっ…中途半端やんっ…っ」
あまりにそっと触れるもんだから、刺激が微妙で焦らされてる感じがした。
それでも、人にやられるとゾクゾクする。
「……中途…半端……?」
「ん…っ…もっと…強く…っ」
すると、優斗はさっきよりも強く擦りあげ、俺の顔をうかがう。
「ぁっ…くっ……ぁっ…あっ……んっ…」
人にやられるのって…自分と違ってめちゃくちゃ感じる。
すごく気持ちがいい。
俺が『駄目』と言わないのを確認して手の動きを止めると、口を股間の辺りに持っていく。
「……フェラとか…してみていい…?」
「…なっ…………よく…やろうと…思うね……、お前…」
優斗がやりたがる分には全然、構わない気がしたから、『いい』と答えておいた。
「…良かったら…ちゃんと言ってや…」
「……ん……わかった……」

優斗が手にした俺のモノに、恐る恐る舌を近づけるのがわかる。
「…っ…」
一旦、舌がペニスに触れてしまうと、優斗の方もなにかを理解したように、ためらいもなく裏筋を下から上へ舐めあげた。
「っ…ンっ……はぁっ……やっ…優斗っ…」
優斗は、ドコがイイかを捜すかのように、ゆっくりと舌先を移動させ探りをかける。
「っ…っぁ…ん……っそこ……」
「…ここ…?」
少し、口を離してそう言うと、またその俺の感じるところにそっと舌を這わす。
「あっ……ひぁっ…優…斗ぉ……もっとっ……」
「…もっと…なんやん……?」
わかれよ、馬鹿…と言いたいのを抑えて、
「…んっ…強く…っ」
そう答えていた。


強く何度も舐めあげられると、体が熱くなって何も考えられなくなってきていた。
「んっ…あ…っ…優斗……いい…っ…も……かんて…」
イっちゃいそうで、体がゾクゾクした。
「…亀頭とか…舐められるとどうなん…?」
そう言って、先の敏感な部分をピチャピチャといやらしい音を立てながら丁寧に舐められる。
「あっ…っ…やっっ…あんまっ…強く…しんといてや……」
手に力が入らなくなって、枕が握れなくなっていたが、それでも変に爪立てちゃっていた。
膝を立てた足にギュッと力とか入っちゃっていた。
「…っ……やぁっ……イク…っ…優斗…」
そう言っても優斗は口を離さないから、そのまま、優斗に口づけられた状態で思いっきり出してしまっていた。


めちゃくちゃ…恥かしい……。
「…ば…か、お前、飲むなって…」
「…だ…って……普通、飲むんじゃないん…?」
「…恋人同士じゃねぇんだから、そんなサービスしなくていいんだよ、馬鹿」
わかった、と頷くと、軽く膝を立てた俺の足の膝裏に手をやり、M字型に折り曲げる。
「なっ…ぁ…」
羞恥心から、顔が熱くなるのがわかる。
「こう…膝、立てといてや…?」
折り曲げた膝を、足が大きく拡がるようにさせられる。
なんとなく、優斗の話にノった手前、『嫌だ』とも言えなくて、俺は頷いていた。
「…う…わ、榛、丸見えやで…」
「…お前がさせてんやんか…」
優斗がジッと、俺の足の付け根を見るもんだから、少し、イライラした。
「…はやくやれってばっ」
「…ん…わかった…」
「…な…ローションとか…あるん…?」
不安になって聞いてみる。
だって……なんも無しなんて…無理だよなぁ…?
「…弟の引き出しからかっさらってきた」
「…弟って……啓吾……?まだ中2だろ…?…なんでそんなん持ってんの…?」
「…啓、猫やもん…」
……だったら、弟、犯せっての。
まぁ……弟相手に、こんなSEX慣れてないような状態、見せたくないんだろうけど…?

優斗が、俺に見えるようにして、ジェル状のモノを指先にたっぷりつける。
「…つけすぎじゃねぇの…?」
「…わかんねぇんだってば…」
少し逆ギレたように言うと、そのまま、アナル付近に指をつける。
「…優斗…ゆっくり…」
「わかってるって」
やべぇ…って……。
なんか、優斗、イライラしてきてねぇか…?
怒らせねぇようにしないと……。
ゆっくりと指先が中に入り込むと、物事をしっかり考えてられなくなる。
「あっ…はぁっ……ぁ……や…」
指が奥まで入り込み、圧迫感と共に妙な感覚が押し寄せる。
「どこが…感じる?」
「…あっ…ふ…ぁ…わか…んなっ……」
「…教えてや」
「…んっ…」
俺を見る優斗に、いっぱいいっぱいの状態で、頷いた。
ジェルをまとった指が中で動かされるたびに、クチュっといやらしい音が響いた。
「やっ…ぁっ…んぅ……っ…ぁっっ…」
ある一点を優斗が突くと、体がビクンと強張った。
優斗はそれを見逃さず、執拗にソコを何度も擦る。
「あっ…くっ…っ…やっ…ぁ……やめ…っ…」
信じられないような刺激に変に不安を感じていた。
「…ココ、よくないん…?」
その場所を示すように、突かれると、体がビクンと跳ねて、涙の膜が目を覆う。
「…あっ……もっ…や…だって…」
「…何…言ってんっ。これからやんか」
「…も…止め…たい…」
今さらながら、優斗の頼みを断わろうと思った。
「…なんやん……。いいって言ったやん。『しゃーないな』って言ったやんか」
それはわかってる。少し、優斗が怒ってるようなのもわかった。
今さら、断わるのもどうかと思うけど、本気でもう、止めて欲しいと思ってしまっていた。
「…榛だって……気持ちよがってるやんか……。ココ、勃ってるやん」 空いてる方の手で俺のペニスを包みこんで擦り上げながらも、後ろに入り込んだ指に沿ってもう1本指を足される。
「ひぁっ…あっ……あっ…くぅ…ンっ…」
指を動かされると、ドコに力を入れていいのかわからなくって、体がおかしくなってくる。
「やぁっ…優斗…っやめっ…っ」
躊躇なく動く指先に、優斗は止める気はトコトンないんだと確信した。
「…っやぁっ…だ……」
変に涙が溢れてくる。
俺は、上半身だけ捻らせて横を向き、ギュっと枕を両手で掴んだ。
「……榛……泣くなって…。わかんねぇもん。そんなに嫌なん…?」
俺は横を向いたままの状態で頷いた。
「…俺が下手やで…?」
「…ち…げぇよ…。下手じゃ…ねぇよ。…でも…もぉ…かんて……」
「…じゃ…気持ちは……いいんやん…?」
でも……体がおかしくって、わけわかんなくなって……嫌……。
俺が何も答えないでいると、『気持ちいい』んだと判断したのか、指先をまた動かす。
「ぁっ…ンっ…優斗ぉ……」
初めは、優斗より俺の方が余裕あったのに、今じゃ逆…。
全然、余裕なくなっていた。
さんざん、指で中をかき回し、拡げると、ゆっくりとその指を抜き出した。
「……入れ……んの……?」
「…榛が…嫌なら…いいよ、ここまでで…」
俺なんて、頼んだわけじゃないけどフェラまでしてもらってるし、最後までやらないと悪い気がした。
優斗は、どうゆうのがいいかわかればいいんだから、最後までやる必要がないのかもしれない。
そりゃ、最終的には突っ込まないとわかんねぇこともあるかもだけど……。
「……じゃ……俺がやる…」
いきなり優斗に入れられるより、自分からのみ込んでいった方が精神的にもラクだ。
これじゃぁ…優斗の勉強にならねぇかもしんねぇけど……。
俺は起き上がると、優斗の上に向き合って座った。
「…榛が…自分で入れんの……?」
「…そ…だから…はよ、出せや……」
優斗が俺の言うままに、ズボンからすでに猛りきっている自分のペニスを取り出すと、それが俺の双丘の狭間にあたる。
「…出来そう…?」
「うるさい…やるで、ちょっと待てって……」
少し、腰を浮かして両手で自分のアナルを少しだけ拡げながら、ものすごくノロい速度で優斗のモノをのみ込んでいった。
「はぁ…んっ……んぅ……」
とうとう全部入り込んでしまい、優斗の上に腰を下ろした状態になると、ほんの少しだけ力が抜けた。
「…榛……」
優斗が後頭部に手を回し、俺を引き寄せるもんだから、流されるがままに口が重なる。
「っぁ…」
なんで……俺が、優斗とキスなんてすんだよ……。
そう思いつつも、つい、俺自身も優斗の頭に手を回してそれに応えていた。
優斗に、俺の舌先を優しく絡め取られると、不安やらでいっぱいいっぱいだったのが、少しだけ落ち着いた。
「…優斗……ゆっくり…おろしてや…」
「…わかった……」
俺の背中に手を回して支えながら、そっと、あまり影響のないように俺の体を倒す。
「…じゃ…動くで……」
「…っゆっ…くり………」
「ん…」
俺の言葉に従って、優斗がゆっくりと腰を後退させていく。
「ンぅ…っ…はぁ…っ」
ある程度、退くと、今度は奥へとまた入っていき、それの繰り返し。
内壁を擦り上げられるような感覚に体がビクビクと震えあがる。
「やぁっ…ぁんっ…やっくっ…んっ」
俺の横についた優斗の腕に手を絡めてしまっていた。
「優斗…っ…ぁっ…あっ…もぉ…かんて…っ…はぁっ…あっ」
「中…出していい…?」
「ぁっ…ん…」
頷きながらもそれに耐えれるように優斗の腕に軽く爪を立てしまっていた。
「ひぁっ…んっ…やぁっ…っ…ン…っぁああっ」
容赦なく打ち付けられ、優斗の精液が流れ込まれるとともに、自分もそれを放っていた。


「…榛…大丈夫か…?放心状態やで……?」
「……信じられんわ……。なんで俺が優斗の彼女の練習代にならなかんのやん」
服を着る気力もなかった。
「しゃーないなーって言ったやん」
言ったけどさ……。だから信じられないんだってば。
「こうゆうのって、榛にしか頼めんし」
そう言われると、頼られてる感じが少しだけ優越感を持たせた。
「でも、榛、なんかかわいかったで」
にっこり笑ってそう言われると、羞恥心とイラつきと少しだけ嬉しいのかなんなのか、わけわからなくなってくる。
「うるせーよ。お前にかわいいなんて言われたかねぇよ、馬鹿」
見られるのが嫌で、頭の下にひいていた枕を優斗の顔に投げつける。
「テレんなって…。猫の方が似合ってるんじゃん?」
俺が受??
「むしろお前が受けろ。やられてみろって」
「じゃ、やってみる?」
「…やだ…お前、俺のことリードしてきそうだもん…。1回しかした事ねぇくせに…」
だいたい、練習なんていらないだろ?とかいまさらながら思えてきた。
…操たてたりとかねぇのかよ…こいつは…。
「…ぜってぇお前、凪、悦ばしてこいよ…。俺が教えてやったんだから…」
「…嫌がって喘いでただけやん」
「…ってめっ…」
「冗談だって。でら感謝しとるで……。ありがとな」
そう言うと、不意打ちで俺に軽くキスをした。
「…お前…な……。そのキスしまくる癖どうにかしやあて…。勘違いされるで…」
「勘違い…?」
気があるんじゃないかとか……普通だったら思ってまうって…。
「…凪に嫉妬とかされるかもってことだよ、馬鹿」
ムカツクやつだけど、なんとなく悪気のねぇやつだから、逆らいにくい。
なんか俺って優斗に弱いな…とかあらためて思った。