やっばぃなぁって最近思う。
 やっぱ、一人でやるより人とやった方が気持ちいいし?


「ンっ…すいませ…っぁっっ…優斗せんぱ…っ」
 結局、誰かに頼ってるっていうか。
 なんか、最悪だな。
 一人でやればいいものを。
 でも、一度、覚えちゃうと、そうそう一人でやってらんないっつーか。
「全然、かまわんって。拓耶の状況知ってるし。にしても、久しぶり〜に拓耶に優斗先輩って呼んでもらえて、俺的に満足」
 悠貴とはこの間、やっちゃったし。
 またやるのも悪いなって思うし。
 あいつは、相手する彼女がいるわけだから、そうそう俺とやるわけにも。
 その点、優斗先輩は…。
 彼女っていう肩書きの子はいるけれど、本命は別の人で、その人とは今はまだ付き合ってるとか、そんな関係じゃないから、フリーに近い状態だと思う。
 優斗先輩が好きな相手も、優斗先輩が誰とやろうが気にしないって風みたいだし。

 俺がいつもみたいに、数学の授業をサボろうと保健室に行ったら、偶然、優斗先輩がいて。
 ベッドの上に足を開いて座り込む俺のモノを口で舐め上げてくれていた。
「拓耶…。次、宮本先生の授業だろ?」
 ベッドの端に座っている柊先生が、俺のサボり理由を、ノートに書きながら俺に聞く。
 この人とも、いろいろとしたことあるせいで、見られていても羞恥心はあまりなかった。
「んっ…。1回おきに出れば…わかるしっ」
 数学の授業って、練習問題と応用問題に分かれてあるから、その練習問題のやり方さえわかれば、あとの応用は、自分の頭で考えればできるし。
 毎回、出てないと置いてかれる…みたいなのはないと思う。
「じゃぁ、優ちゃんがいなかったら、俺とやってくれた…?」
「ぁっ…先生には、宮本先生が…っ」
「でもまぁ、片思いだから、全然、相手してもらえないわけ」
 そう言い切ってから、ノートをパタンと閉じる。
 ベッドに乗りあがって俺の後ろに座り込むと、後ろから回した手で、シャツのボタンをゆっくりとはずしていった。
「ン…ぁっ…なに…?」
「んー…拓耶の体って、いやらしぃし…。初体験のご感想は…?」
 そうそう。
 つい最近、悠貴に後ろ、ハメられて…。
「っはぁっ…ぁっ…なんで…知って…っ」
「ごめんね〜。悠貴ちゃんから聞いちゃった」
 悠貴って授業はあまりサボらないけれどなにかと柊先生と仲がいい。
 別に、柊先生になら、知られてもかまわないけど。
「ぁっあっ…俺、失神しちゃって…」
「そんなによかったんだ…?」
 イイから失神しちゃったのかとか、よくわかんねぇんだけど。  

 俺が、柊先生と話している間も、優斗先輩は、丁寧に俺のをしゃぶってくれて、その刺激に、体が軽く震え上がる。
「ンっ…ぁんんっ」
 優斗先輩がしてくれているにも関わらず、柊先生としゃべりまくってるのがなんか申し訳なくって、そっと、優斗先輩の髪の毛の指を絡めた。
「ココとか、すごく感じちゃうタイプ?」
 柊先生は、後ろから俺の胸あたりをつかんで、すでに立ち上がってしまっている突起を摘み上げる。
「ぁっ…んぅ…っっ…だ…め…ソコ…」
「感じるんだ…?」
 下も上も、同時に弄られたら、おかしくなる。
 体がゾクゾクしてきて、変になってきた。
 乳首が感じるからどうとかじゃなくって。
 なんだろう。
 少しだけ、遊びの領域を越えてそうな行為に。
 口で、し合う…ってだけとはまた違う。  

 優斗先輩の舌が、絡みついてきて、手がそっと袋を揉みしだく。
「ぁっ…んぅっ…せんぱ…ぁっ…やぅっ」
 のけぞった体が、柊先生に密着して、首筋を軽く舌が這う感触がした。
 乳首にやさしく爪を立てられて刺激されるたびに、優斗先輩の口の中で、先走りの液が溢れてそうで、恥ずかしくなってくる。
 それ以前に、もう優斗先輩のフェラテクが、俺の意識を遠のかせていた。
「はぁっぁっ…イきそぉ…離し…」
 そっと、優斗先輩の頭を押しのけようとするけれど、全然、離してくれる様子はない。
 口の中に出しちゃっていいわけ?
「ぁっ…んぅっ…イク…っやぁっ…先輩っ…もぉっあっ…ぁああんっっ」
 優斗先輩の口の中に出してしまって。
 先輩は、それを飲み込んでくれていた。
「すみませ…。えーっと…」
 どう言えばいいのやら。
 じゃぁ、お返しに俺も、飲むとか。
「柊先生、ちょっと離して…俺、次、部長のやるんで…」
 そう言ったとき、優斗先輩の目線が、俺の後ろ、柊先生の方にいくのがわかる。
「拓耶の失神するほどの乱れっぷりとか見てみたいかも」
 にっこりと、優斗先輩はこっちに笑顔を向ける。
「いやぁ、そんなたいしたものではございませんよ♪」
 というか、あんま覚えてないんだけど…。
 いや、覚えてるけど、自分の記憶じゃないみたいで。
「俺も見たいな。拓耶の喘ぎ声かわいいし」
 柊先生まで…。
「なに言って…。口でするよ」
「下の方でよろしく…」
 なにがよろしくなのか。
 上半身を柊先生にがっちり掴まれて、優斗先輩が俺のズボンと下着を抜き取っていった。
「…マジでやるんすか…?」
「拓耶、気持ちよかったんやん…?」
 どうなんだろうか。
「ってか、わけわかんなくって…。あんときはめちゃくちゃ悠貴に迷惑かけたし…。1回やったってだけで、処女みたいなもんだし、迷惑かかると思うんですけど…」
 わかったと頷くと、優斗先輩は後ろの柊先生に目配せする。
 柊先生は、俺の足のひざ裏に後ろから手を掛けると、高く持ち上げるもんだから、俺は優斗先輩に、秘部をさらけだしてしまっていた。
「っちょ…っと…恥ずかしいんですけど…」
「大丈夫だって」
 なにが大丈夫なのか、そう言うと、そっと舌で入り口を舐め上げられる。
「っンっ…や…くっ」
 なんか、実感がないというか。
 ホントに俺、やっちゃうんだよな、今から…。
 そうこう考えてるうちにも、優斗先輩は舌を押し込んで、中の方まで濡らしていった。
「っや…っんっ…ンっ…はぁっ…」
「ローション使う?」
 後ろからそう柊先生が聞く。
「っぁっ…はぁっ…欲し…」
 ないと、まだキツい気がするし。
 優斗先輩が、口を離して、柊先生がいったん俺の足を下ろす。
「柊先生、ローション持ってるん?」
「そりゃぁ、常備薬?」
 2本のビンを俺の上でチラつかせた。
「ここはやっぱ、拓耶くんに選んでいただかないと」
 赤っぽい色のついたやつと、水色っぽいやつ。
「赤ってアレだろ…? 唐辛子の成分が入ってるとかいう…」
「こっち? ラジャー♪」
 って、まだそっちってわけじゃないのに、優斗先輩は、柊先生から赤い方のビンを取り上げて、フタをはずす。
「え…っと…そっちは、ちょっと避けたかったんですけど」
「悠貴くんとやったときって、普通のローションだったん? 薬入ってたとかさ」
 普通の…だよな。
「入ってないと思うけど」
「あー…。じゃぁ、コレ、使ったら狂っちゃうかもね♪」
「あはは…だから、やめ…」
 もう、止める気ないんだろうなぁ、この人たち。
 優斗先輩は、自分の手にローションを付けると、その指先をアナルに触れさせる。
「っン…」
 ヒヤリとしたローションの感触が、すぐ、変化して熱を帯びていく。
 手とかだったら『あったかい』で済むんだろうけど、場所が場所だけに、ちょっとあったかいどころじゃなくって、熱い気がする。
「せんぱ…」
「大丈夫大丈夫。俺、サドじゃないし。ちゃぁんと爪、切ってるから」
 爪切ってるってのはともかく。
 サドじゃないって、言い切れるのか…?
 ゆっくりと、優斗先輩の指先が中へと押し込まれていった。
「っくっ…んっ…やっ…っ」
 後ろから抱くように回された柊先生の腕に、爪を立ててしまう。
「1本くらいは、ラクなんじゃない…?」
 痛いとかは感じないけど、圧迫感と異物感があって、息が詰まる。
 ラクとは言えないって。
「どう? 拓耶ん中」
「まぁだ、体が素直に受け入れてくれないっぽい」
 柊先生と優斗先輩ってば、俺をはさんでそんな恥ずかしい会話を…っ。
「拓耶はどう?」
 耳元で柊先生がそう言う。
「んぅっ…熱い…」
 奥の方まで入り込んだ指先が、そっと中をかき回していく。
「やくっ…ぅンっ…ぁっっ」
「拓耶、上向いて」
 柊先生がそう言うから、そっと上を向くと、深く口を重ねられて。
「ンっ…んぅっ…はぁっ」
 柊先生って、経験豊富?
 キス、上手いよなぁ。
 絡まりあう舌先から、淫猥な音が…。  

 柊先生の方に意識がいってるときだった。
 優斗先輩が、指をもう1本増やして奥へと入れていく。
 その感覚に、体がビクついて、口が離れる。
「やあっ…キツ…ぃっ…んぅっっやっ」
 中の方に入り込んだ指先を軽く前後の動かされて、内壁を擦り上げられると背筋に電流が走るみたい。
「あっ…ぁっ…せんぱっ…ぁああっ」
 もう、おかしくなりそう。
 後ろだけ、こんな刺激送られたら変になる。
 つい、自分のモノに手が伸びかけた。
「前もして欲しいって?」
「っぁ…あんっ…もぉっ」
 柊先生の問いかけにも無視して、自分で自分を慰めようとすると、その手を後ろから取られてしまう。
「っやぅっ…っぁっやっ」
 両手とも、柊先生に取られてしまい、自分ではどうにもできない状態。
「気持ちいい?」
「っあっ…ぁっ…せんぱ…っ…いい…っ」
 中が焼けるように熱くって。
 指が前後するたびにその感触が移動してくようで。
 生理的な涙が溢れてきた。
「だ…めっ…あんんっ…やくっ…せんせっ…離しっ」
「拓耶なら、後ろだけでイケるって」
 イケないってっ。
「無…理っ…ぁっくっ…うぁンっっ願っ」
「うやぁ、でらかわいいやん。もう1本、増やすでな」
 わざわざそう言ってから、3本めの指を差し込んでいく。
「イっ…つぅっ…んぅっぁっ…」
 追い討ちをかけるみたいに、フタが開いたままベッドに置いてあったビンを傾けて、俺のモノにかけていく。
「んぅうっ…やぁっ」
 敏感な部分にかかったローションが、熱を持って、ビクンと体が仰け反った。
「やぅっ…やっぁっ…あっくぅっ」
 嘘だろ…って。
 俺、後ろだけでもう、イっちゃいそう。
「やぁあっ…ぁっあっ…やぁあっ」
 とはいっても、この2人って、やっぱりサドっ気ちょっとありで。
 マジモードの悠貴よりはマシなのかも知れないけど、ちょっと厄介。
 柊先生は、俺のモノの根元にキツく指を絡め、イケないようにされてしまっていた。
「ふぁっ…ぁっ…くっンっ」
「拓耶、でらかわいーよ。すごい、吸い付いてくる」
「っンっ…はぁあっ…あっ…ん、先輩…っ」
「陸とは、今、どうなってんの…?」
 柊先生が、なにを思ったのかふいにそう聞いてくる。
「…な…んで…?」
「いや、彼氏がこんな風にやってるって知ったら、陸どう思うんだろうって」
 そんなこと…。
「言ってあるってば…っ」
「え…?」
 優斗先輩と、柊先生の声が重なる。
 優斗先輩は指の動きを止めて、こっちを見た。
「…焦らさんといて下さいって」
「あぁ。ってか、陸に言ってあるんだ…」
「隠し事は、嫌いですからね」
 というか、後ろめたいことってしたくないし。
 俺が陸に出来ることって、嘘をつかないでいることぐらいだし。
 それさえも出来なければ、恋人である陸に向ける顔がない。
「それより…もう…わりと苦しいんですけど」
「素直で好きだわ、拓耶って」
「どうも♪」
 優斗先輩は、また指を何度も抜き差しして内壁を擦り上げた。
「やぁっ、ぁっあっ…ひ…ぅンっ」
「気持ち良さそうだね」
 柊先生に耳を舐め上げられて、ゾクゾクして。
 前から、優斗先輩の指に沿って、1本、指を押し入れようとする。
 嘘だろって…。
「はぁっ…む…りっ」
「はじめは痛いだろうけど、慣れれば、拡げられると気持ちいいよ」
「ぁっあっ」
 優斗先輩が指の動きを止めて、その隙にゆっくりと柊先生の指が入り込んでいく。
「ンっ…んーっ」
「力、抜いてよ」
 無理だってば。
 こんなに指が…。
 中が熱くて堪らないし。
「はぁっぁっ…せんせぇ…やぅ…」
 俺の精神まで崩壊してきた。
 涙は溢れてくるし、体の力も抜けてくる。
 それでも、変なとこに力が入っちゃってる感じ?
 もう、どこにどう力が入ってるかとかもわかんなくって、自分の体が自分の思うようになってくれない。
「入ってっちゃうね…。拓耶ん中」
「だ…めっ…だめ…もっ」
 あいかわらず、柊先生は、俺のモノに指を絡めてイカせてくれそうにない。
 いや、イクのがどうこう以前に、こんな指が入って、おかしいって。
「陸と、まだやってないんだっけ…?」
 …どうしてそれを今、言うのか。
 真面目に会話する余裕ないっての。
「自分の体で、受身側の気持ちとかわかれば、後々、陸とやる時、相手のこと想ってあげれるよ」
 やばい。
 一理あるとか、思っちゃうじゃんか。
 ってか、それと、指を2人に突っ込まれるのと、あまり関係ないような…。
「は…っぁあっ…キツ…ぃっ」
 さらに熱い。
「身をもって、前立腺とか、わかっときなって」
 そう言うと柊先生は、指先を折り曲げて、一点を突いた。
「アぁあっ」
 体が、ビクンと跳ね上がってしまい、羞恥心が高まる。
 後ろを締め付けてしまって、指の形をまざまざと感じ取ってしまう。
「ぁ…や…だ、ソコ」
「気持ちイイだろ…?」
 さっき、優斗先輩が指を出し入れするたびに掠めていたけれど、こうも直接的に突かれると、刺激が強すぎて。
「はぁあっ…やぅっやっ…あっんぅうっ」
 柊先生に、前立腺を刺激され、優斗先輩が抜き差しをするもんだから、熱いしわけわかんないし体の中のモノが全部出てってしまうのではないかとか、そんな感じ。
 でも、それがたまらなく気持ちがいい。
 指で拡げられた痛みとか、そんなんはもう感じてられなくなっていた。
「んっぁっあっ…っぁふっ…もぉっ…」
「なに…?」
「はぁんっ…あっ…イカ…せてよ…っ」
 二人が苦笑するのが分かる。
「素直過ぎやん。拓耶」
 出し惜しみ、すればするほど、あとがつらいですから?
 サドの扱いには慣れてる方かと。
 
 了解したのか、柊先生は、根元を絡めていた指をはずし、その手を胸元に持っていく。
「硬くなってるねぇ」
 体中が敏感になってるみたい。
 乳首を指で転がされ、ゾクリと背筋を快楽が走る。
 もっとも、後ろに入れられた指のせいで、すでにやばい状態なんだけど。
「ぁっあっ…せんせ…ぇっ…くぅンっ」
 優斗先輩が、俺のモノも擦り上げてくれて。
 中では相変わらず、2人の指が器用に蠢いて。
 俺って、2人にこんな風に、してもらえて幸せもの…?
「んぅっやっ…ぁっあっ…あぁあっ…イキそぉ、先ぱっ」
「わざわざ言うなんて、律儀だねぇ」
 だって、イキナリ出したら悪いだろぉ?
「はぁっ…あっあっ…出っ…やぁっぁンっ…ぁあっやぁあああっっ」





「…あ…れ…」
 腕時計の針が、1時ですわ。
 数学の授業は2時間目だから…。
 3時間くらい経ってる…よなぁ。
「あぁ。起きた?」
 柊先生の声。
 そのあと、優斗先輩も、弁当を食べながら俺の座り込んでいるベッドへと近づいてくる。
 今は、昼休みの時間か…。
 って、俺は2時間目、3時間目、4時間目とサボっちゃったわけ…?
 さすがにやばい…。
「あー。そろそろ戻らないと」
「なんか、忘れてるねぇ、この子は」
 優斗先輩は、フォークで俺を指差して、そう言うもんだから、俺は必死で記憶を辿る。  

「えっと…」
 数学をサボろうとここに来たら優斗先輩がいて…。
 で…、柊先生が、サボる理由考えてくれて…。
 したっけ…。
 いろいろ…。
 口でやられて、返そうとしたけど、結局、俺がやられて…。
「あぁあっ!!?? すみませんっ」
「いやぁ、思い出してくれたん?」
 俺だけ、2回イっちゃったんだよ、確か。
「ほんっとに失神しちゃうんだもんなぁ」
 気が抜けて、爆睡しただけかもしれないけど、どっちにしろ悪い。
「俺、迷惑かかるってっ」
「うん。ちゃんと聞いた」
 たとえ、了解してもらってても、申し訳ないって。
「じゃぁ、起きたことだし、続き、する?」
「えっ? あっ…無理っ」
「そう言うと思ったけど。まぁ、いいよ。上のお口で頼むわ」
 優斗先輩がそうにっこり笑うもんだから、断れるわけもない。
 というか、こっちから、口でいいですか? って聞くつもりだったからまぁ、それはかまわないんだけど…。

 にしても。
 悠貴も柊先生も優斗先輩も。
 寝てる俺を無理やりやろうとはしないあたり、いい人なんだなぁとか思っちまう。
 あんま、優しくされても困るんだけど。
「優斗先輩って好きでもない人とでも、セックスとか出来るんだ?」
 別に、最後まではしてないけど…。
「拓耶もやん?」
「俺は、別に…1人H手伝ってもらってるだけみたいなもんだから」
 あんまり、変に意識はしてない。
 したら、駄目だろ。それこそ後ろめたい。
「というかね。好きじゃない人とも一応出来るけど。好きな子としたいとは思う」
 どういう意味…?
「欲求不満だからじゃないんよ。拓耶とやりたいと思うのは♪」
 にっこり笑って、ベッドに座り込む。
「えっと…」
「して」

 俺って。
 馬鹿だなぁ。というか、ひどいな。
 ただの欲求不満の解消に使ってるだけみたいな言い方してた。
「すみません…」
 俺の考えがわかったのか、『全然かまわない』というように手を振った。
 でも。
「…俺は…好きじゃない人には、出来ないんだと思う」
 そこまで義理堅い奴じゃないから。
 嫌いなやつにはもちろんしたくないし。
 いろんな意味で、好きな人にしかしてきてない気がする。
「こんなん、誰とでもするわけじゃないし…」
「そう言ってもらえると、俺も嬉しいわ」
 うん。
「だから…。1人Hの手伝いだとかじゃなくって。たまには、心から感じてみてや」
「はっずかしいこと、言うねぇ♪」
 それでも。
 いままで、優斗先輩に対してちゃんと相手してなかった自分が後ろめたい気がした。
「これでも自制してるんですよ。陸に悪いから…」
 心から感じちゃまずいだろうって。
「そーゆう一途なとことかも好きなんだけど。うん。気が向いたらでいいでね」
「すみませ…。でも、ホント、好きな人としかしないんで…」
 そうは言っても、優斗先輩は、サボりすぎちゃまずいだろって、俺に売店で買ったらしいパンを手渡して、教室へ帰るように言った。
「…いいの…?」
「いいよ。また、今度で」
 というか、やる気、失せたんだろうなって思うんだ。
 まぁ、やるのは俺の方だけど。
 やられる気分じゃないってやつ…?
 申し訳なくって、少し、迷ったけど。
 優斗先輩に従って、教室に戻ることにした。
 それが、今、出来る一番のことだと思ったから。

 優斗先輩は、俺を友達として好きだって言ってくれてるのはわかる。
 それが、恋愛じゃないってのはわかってるけれど。
 俺には、恋愛と友情の区別がまだよくわからないから。
 
 陸に会わなくちゃ…。
 自分の気持ちもわからなくなってくる。
 俺は、陸が、好きなんだよね…。