■一年半後くらい
桐生→数学教師
雪之丞→元生徒

桐生「一時期流行った壁ドンとかって、なにがいいんだろうなー」
雪之丞「……わからないんですか?」
桐生「だって怖くない? 自分より大きいヤツに、いきなり壁に追いやられて、逃げられないようにされたらさ」
雪之丞「…………」
桐生「……あ、もしかして、されたかった?」
雪之丞「は? そんなこと言ってません」
桐生「壁ドンされたいって言ってくれたら、してあげるよ?」
雪之丞「してあげるって……別に桐生がしたくないのに、俺に合わせてするのは嫌です」
桐生「じゃあ、したいって言ったらさせてくれる?」
雪之丞「……別にしたくないですよね?」
桐生「逃げられないようにされちゃって興奮しちゃう雪之が見れるなら、俺はしたいよ」
雪之丞「興奮なんてしないし。どうしようもなくなるだけで!」
桐生「どうしようもなくなるんだ?」
雪之丞「…………っ」
桐生「ああもう、そんな困った顔しないの。押し倒したくなっちゃうでしょ」
雪之丞「なんですか、それ……」
桐生「別に、そのままの意味」
雪之丞「…………」
桐生「なに? 押し倒されたい? もう、どうして雪之ちゃんはそんなケモノみたいな行為で興奮するようになっちゃったんだろうね」
雪之丞「…………うるさい!」
桐生「怒った? 怒ってもかわいいけど」
雪之丞「ふざけんな!」
桐生「はいはい。でも否定しないんだなー。後ろから、思いっきり犯そうか?」
雪之丞「……いらな……」
桐生「顔、真っ赤だよ。ま、いらないならしないけど」
雪之丞「…………」
桐生「あ、そういえばこないだ浩ちゃんが父さんのクラブ行ったらしいんだけど、ツバサさんが、俺と雪之もおいでって……ツバサさんって、クラブで働いてる人ね。ちょっとだけ電話で見たでしょ」
雪之丞「…………」
桐生「店の料理、結構おいしくてさー。割高だけど、どうせ払わせてくれないし……一応、払う気で行くんだけどな。あ、デザートも人気だよ」
雪之丞「…………いる」
桐生「雪之ちゃん、かわいいデザート大好きだもんね。デザート前にして目キラキラさせちゃっても、みんな変に思わないから」
雪之丞「そうじゃなくて……やっぱり、いるって……!」
桐生「え、ごめん、なんの話?」
雪之丞「…………ばか!」
桐生「あーもう、ごめん。ばかはないだろ。かわいかったけど! わかった、さっきの話? 後ろから犯されたかったんだよね? 話変えてごめんね?」
雪之丞「いらない」
桐生「もっとしつこく、本当にいらないのかどうか聞けばよかった? いるんだろ?」
雪之丞「……いらない……」
桐生「そのマジで無駄なプライド、まだ残ってんの?」
雪之丞「…………っ」
桐生「プライドじゃなくてただの羞恥心? まあ、どっちでもいいけど。はい、ちゃんと欲しがって?」
雪之丞「……やだ」
桐生「そ? じゃあ、いらないね?」
雪之丞「………………いる」
桐生「……なにがいるの? 欲しいことなんでもしてあげる」
雪之丞「…………」
桐生「ほら、言わないと……この話、終わっちゃうよ?」
雪之丞「……押し倒して……ケモノ、みたいに……」
桐生「あー……言わされるだけで興奮してんじゃん」
雪之丞「ちが……」
桐生「違わねぇだろ。なぁ……雪之の性癖、俺で歪んじゃった? ここ、もうおっきくなってる」
雪之丞「あっ……ん……んっ……責任、取って……」
桐生「もちろん、取ってあげるよ。いっぱい犯してあげる」