■あけましておめでとうございます■
1年後設定
早めに寮へと戻って来たメンバーで、学校近くの神社に……

高岡深敦(2年)→恋人(佐渡啓吾)
市原珠葵(2年)→恋人(御神隼人)
水城春耶(2年)→恋人(渡辺晃)
渡辺 晃(2年)→恋人(水城春耶)
佐渡啓吾(2年)→恋人(高岡深敦)ルームメイト(一拓耶)
一 拓耶(4年)→恋人(角田陸)ルームメイト(佐渡啓吾)
御神隼人(4年)→恋人(市原珠葵)
角田 陸(4年)→恋人(一拓耶)



深敦「やった! 大吉だ!」
珠葵「俺も俺も! やったね! いいことあるよ!」
深敦「大吉引いた時点でもういいことあったって気するよな」
珠葵「それは騙されてるよ、深敦くん。さすがにまだだよ」
深敦「そっか。まだだったか……」
珠葵「待ち人来たる、だって!」
深敦「普通来るよな。誰も待ってねぇけど」
珠葵「試しに誰か待ってみる?」
深敦「呼び出すってこと?」
珠葵「呼び出さずに来るか試してみるとか」
深敦「さすがに来ないだろ」
珠葵「啓吾くん、待ってみよう」
深敦「いや、約束してないし。急に来ないって」
珠葵「俺たち、晃くん誘って断られたじゃん? 春耶くんと約束してるからって」
深敦「うん」
珠葵「もうすぐ晃くんと春耶くんと一緒に啓吾くんも来るかも」
深敦「いやそこは空気読むだろ。晃が水城と2人きりだと思って、断られたの受け入れたのに、それなら5人一緒でよかったって話になるじゃん」
珠葵「まあ、そうなるかぁ」


水城「なに難しい顔してんだ?」
珠葵「春耶くん!」
深敦「晃も……2人だ。やっぱり空気読んだんだよ」
珠葵「啓吾くんは?」
水城「一応、啓吾の部屋行ったんだけど、寝ぼけてたから置いてきちゃった」
珠葵「ちょっと! 春耶くん!」
水城「なに、起こして連れて来た方がよかった?」
珠葵「晃くんが春耶くんのために俺たちの誘い断ったってのに、春耶くんが啓吾くん誘ってどうすんの」
水城「え……そうだったんだ? まあちゃんと誘えてはいないんだけど」
珠葵「誘ったって事実がもうね」
水城「アキ……ごめんね。なにも考えず啓吾のこと誘っちゃって……」
晃「ううん、2人でって約束してたわけじゃないし、水城くんと啓ちゃんが仲いいの知ってるから……」
珠葵「俺も深敦くんも、晃くんと春耶くんは2人で行くんだって思ったのになー」
水城「そこまでわかってたんなら、珠葵たちが啓吾誘ってやればよかったんじゃない?」
珠葵「えー……啓吾くん呼んだら、俺、邪魔者になっちゃう」
深敦「べ、別に邪魔じゃないって」
珠葵「空気読んで啓吾くん呼んだ結果、空気読めない子みたいになるとか残念すぎるよ」
深敦「全然、いてくれていいから!」
晃「誰も啓ちゃんに声かけないのもなんだし、かけといてよかったんじゃない?」
珠葵「それもそっか」
水城「ありがとう、アキ」
珠葵「深敦くん、あとで一緒にまた来たら?」
深敦「えー……まあいいけど。結局、待ち人来ずじゃん」
水城「なにそれ」
珠葵「さっき大吉で、待ち人来たるって出たんだよね。それで啓吾くん来るかなーって」
深敦「ま、待ってないから、おみくじは外れてねぇけど」
珠葵「ちょっと前に待ち人来ずって言ったじゃん。待ってたんじゃん」
深敦「流れで言っちゃっただけだし! 珠葵が啓吾、待ってみようって言ってたから!」
晃「いま、深敦くんが電話したら来るかも……」
深敦「いいよ。電話で起こして、機嫌悪くなってもやだし」
水城「それも、ありうるな……」


拓耶「春耶くーん、お届け物でーす♪」
水城「あれ、拓耶先輩……啓吾?」
拓耶「さっき部屋来たでしょ。あの後、目、覚めたみたいだったから、連れて来ちゃいました♪」
水城「ありがとうございます。よかったな、深敦」
深敦「べ、別に俺は……!」
珠葵「待ち人来たよ、深敦くん!」
深敦「珠葵……!」
啓吾「深敦、待ってたん?」
深敦「待ってたっていうか……まあ……ちょっと……だけ……」
珠葵「俺の方は、待ち人来ず……かなぁ」
拓耶「珠葵くんも、誰か待ってんの?」
珠葵「うーん、待ってるってわけじゃないんだけど、みんな相手いるし、俺も……ちょっとだけ……」
拓耶「珠葵くんの相方さんって……隼人だよね?」
珠葵「はい。今日は友達と神社に行くって言ってたんだけど、俺も、深敦くんと2人の予定だったし、会っても微妙かなって思って、いつ行くとか聞いてないんだけど」
拓耶「じゃ、俺が聞いてあげよう」
珠葵「ええ!? だ、ダメ! 御神先輩に迷惑かかっちゃう! 御神先輩の友達にも!」
拓耶「ちょっと合流するくらい、平気だよ。友達の方に聞くから」
珠葵「友達……拓耶先輩、知ってるの?」
拓耶「たぶんね。もしもーし、いまどこ? 隼人と一緒? やっぱり? 神社いんだけど、ちょっとだけ会えない?」
珠葵「だ、大丈夫かな……」
啓吾「拓耶先輩なら、大丈夫だろ。その友達と親しそうだし」
拓耶「隼人、俺たちのこと知ってるだろ。だったらよくない? こっちいま、珠葵くんいるからさ。そう、隼人の……あと5分? ん−……珠葵くん、待てそう?」
珠葵「ま、待てます」
拓耶「OK♪ じゃ、またね♪」
珠葵「ご、ごめん、深敦くん。待てるとか言っちゃった」
深敦「ううん、5分くらい全然いいし」
拓耶「みんな、もうお参りした?」
水城「俺とアキはまだ……深敦と珠葵は終わったんだよな?」
深敦「うん」
拓耶「だったら、春耶くんと晃くんと啓吾くんで、行っておいで」
啓吾「拓耶先輩は?」
拓耶「お参りしてる間に隼人たち来るかもしんないから、後で行くよ」



深敦「御神先輩、来るって」
珠葵「うん。でも……御神先輩、友達と一緒なのに……」
拓耶「大丈夫大丈夫。って言っても、心配してくれちゃう?」
珠葵「その友達……会ったことある人だと思うけど、よく知らないし……」
拓耶「大丈夫。大丈夫な子だから」
珠葵「本当?」
拓耶「うーん、それじゃあこっそり教えちゃおうかな♪」
珠葵「なに教えてくれるんですか?」
拓耶「いま隼人と一緒にいる友達、俺の恋人なんだ♪」
深敦「え……えええ!?」
珠葵「そういえば……前に悠貴先輩が、御神先輩のこと、友達の恋人の友達だって言ってたような……」
拓耶「悠貴の友達ってのが俺だね」
珠葵「拓耶先輩の恋人の友達が御神先輩……」
拓耶「本当のところ、2人きりじゃなくてもいいから、俺も一緒に神社来たいなぁって思ってたし、ちょうどよかった♪」
珠葵「本当?」
拓耶「うん♪ ここ、学校から近いじゃん? 知り合いよく来んだけど、俺ら、人前で仲良くしてないから、今年も約束してなかったんだよね。でも珠葵くんのおかげで会えるよ♪」
珠葵「お、おかげだなんて……そんな……」
拓耶「もうすぐ卒業だし、こういうことすんのも、たまにはいいよね」



拓耶「陸! こっちこっち!」
陸「拓耶……あ、珠葵くん、ごめんね。隼人のこと……」
珠葵「い、いえ! 全然、そういうんじゃなくて!」
拓耶「俺が勝手にどうせならちょっと合流しよって言っただけ。珠葵くんは珠葵くんで、みつるくんと来てたみたいだし」
陸「そう……」
御神「珠葵、あけましておめでとう」
珠葵「おめでとう! やったぁ! 待ち人来たるだ!」
御神「待ち人来たる?」
珠葵「おみくじ! 当たったよ! 深敦くんも、ね!」
深敦「うん……当たった……かも」

拓耶「陸、マフラーボロボロじゃん。今度買ってあげる」
陸「いいよ。気に入ってるから」
拓耶「そう? ありがと」
珠葵「ありがとう?」
拓耶「元は俺のマフラーだから」
珠葵「えー、いいないいなー、そういうの!」
御神「じゃあ、今度、俺もあげる」
珠葵「やったー!」
拓耶「みつるくんも、啓吾くんに言ってみたら?」
深敦「な、なにを!?」
拓耶「身に着けてる物が欲しいって♪」
深敦「そ、そんなの言えるわけないし!」
陸「俺もそんなこと言ってないからね?」
拓耶「言わなきゃ伝わんないよ? ほら、啓吾くんたち戻って来た」
深敦「う……別に、欲しいわけじゃ……」
啓吾「なに? なんかあったん?」
深敦「なんもないけど……ちょっと、寒い……」
啓吾「たしかに」
珠葵「いや、そこはたしかにじゃなくて……ああでも、啓吾くんも地味に、防寒対策してないなぁ」
御神「向こうの火、少し2人であたってきたら?」
深敦「え……」
御神「珠葵はもうお参りした? もう1回、俺に付き合ってくれる?」
珠葵「うん! 深敦くん、そうしよう!」
深敦「う、うん……」
珠葵「啓吾くんも、ね!」
啓吾「まあいいけど」
珠葵「春耶くんと晃くんは、おみくじ引いておいでよ」
水城「わかった」
拓耶「そんじゃあ俺たちも、お参り行こうか。陸」
陸「うん」



啓吾「……あったけぇ」
深敦「うん……」
啓吾「そろそろ戻る?」
深敦「……もうちょっとあたっとく」
啓吾「そうだな」
深敦「人、多いから……少し詰めた方がいいかも」
啓吾「じゃあこっち来いよ」
深敦「啓吾が来いよ」
啓吾「……これでいい?」
深敦「たぶん」
啓吾「たぶんかよ」
深敦「啓吾……」
啓吾「ん……?」
深敦「あったかい」
啓吾「……俺も」