オチもなく、日常の一場面。
■数学教師飲み会■
樋口智巳→1年担当。恋人は尋臣(4年)
城崎先生→2年担当。恋人は片山先生(3年学年主任)
宮本芳春→3年担当。恋人は柊先生(保健室の先生)
桐生先生→4年担当。恋人は雪之丞(4年)

お題『恋人から貰った物』





宮本「恋人から貰った物……ですか」
城崎「俺はこの間、腕時計貰いました」
宮本「あ、いま着けているやつですか? いいですね。似合ってます」
城崎「ありがとうございます」
智巳「それって片山先生が選んだの?」
城崎「いえ、一緒に買いに行きまして」
桐生「そういう身に着けるものは、やっぱり本人に選んで貰った方が外れないしね」
城崎「宮本先生は、なにか貰いました?」
宮本「俺は、えっと……その……」
智巳「……顔赤いですけど、恥ずかしいものですか」
宮本「なっ……あ、赤くありません!」
智巳「でも恥ずかしいもの? ああ、それともエロいものですか」
宮本「なんでそうなるんですか」
桐生「そりゃまあ、相手が柊だからね」
宮本「う……なにも、貰ってません……」
智巳「人に言えるようなものは」
宮本「勝手に言葉付け足さないでください。樋口先生はどうなんですか?」
智巳「俺……?」
城崎「相手が相手なんで、さすがに言えないような物ってことはなさそうですね」
智巳「まあ、俺はたとえプレゼントがバイブだろうが人に言えるしね」
宮本「な……あ……」
桐生「智巳ちゃんはいいとして、尋臣がかわいそうだから黙っておきなよ」
智巳「たとえ話だよ。貰ってないし。だいたいここでの話はここだけの話でしょ」
城崎「そうしていただけると助かります」
智巳「そういえばつい最近、洗剤をもらったな」
宮本「洗剤?」
城崎「えっと……尋臣から、ですよね?」
桐生「お中元?」
智巳「……バカにしてんの?」
宮本「洗剤、いいですよね。使いますし!」
桐生「まあ使うけど、恋人へのプレゼントって感じじゃないよな」
城崎「それって、なにか特別な日のプレゼントですか?」
智巳「いや、別に誕生日でもなかったしな」
宮本「そんな突然、洗剤くれるなんて……理由は聞いてないんですか?」
智巳「なんか、ちょうど安売りしてたらしい」
桐生「生活感あるな」
智巳「いい嫁だろ」
桐生「学生でそれはかなりレアだけど」
智巳「もしかして遠回しに汚れてるって指摘されてる?」
宮本「そんな! 別に汚れてないですよ」
桐生「少なくとも外見は」
智巳「……なら人に洗剤をあげたくなるって、どんなとき?」
桐生「安売りしてたって理由、納得してないの?」
智巳「普通しないだろ。尋臣はわりと常識人なんだよ。なんか洗剤くれるとき、たどたどしかったし」
宮本「洗濯がんばってってことでしょうか……」
城崎「洗濯……もしかして……」
智巳「なに?」
城崎「えっと……汚れているのは樋口先生でなく、シーツとかなんじゃ……」
桐生「シーツ? 智巳ちゃんちのシーツ汚れてんの?」
智巳「汚れてねぇよ。ちゃんと洗ってるし……けど、そういえば洗剤くれる少し前、尋臣が派手に汚しはしたな」
宮本「汚したって、なにかあったんですか?」
桐生「いや、宮本先生それ聞く? 俺もまあ聞きたいけど」
宮本「え……?」
智巳「うちのベッドでやりまくって潮吹きさせたせいですね」
宮本「なっ……!」
城崎「派手に潮吹きしちゃうと申し訳なくて、せめて洗濯くらいはって思うんですよね」
桐生「いや、派手に潮吹きって、城崎先生もなかなかのカミングアウトしてますけど」
城崎「あ……えっと……」
智巳「片山先生も大変ですね。お洗濯」
城崎「そ、そんな頻繁にはしません! ホテルの方が多いですし」
桐生「にしてもそんな理由なら、尋臣もかわいいとこあんじゃん」
智巳「あたりまえだろ」
宮本「……洗剤……」
桐生「あ、いま柊に洗剤あげようとか思った?」
宮本「い、いえ……! それより桐生先生はなにを貰ったんですか?」
智巳「人が貰ったプレゼント、お中元呼ばわりしてくれやがって、よっぽどいいもん貰ってんだろうな」
桐生「俺は――…………なにも貰ってない、かな」
宮本「あ、俺と同じですね。その……人に言うのってちょっと照れくさかったりしますよね」
城崎「秘密ですか? ずるいです」
智巳「こいつの場合、たぶんマジでなんも貰ってないだけだろ」
桐生「…………」
城崎「……えーっと……そろそろ話題変えましょうか、ね」