■寮の一室にて■5月
深山悠貴→3年
高岡深敦→1年




悠「深敦くんさ。どうして金髪にしたんだっけ?」
深「あー。自分でやったんで、抜きすぎちゃっただけなんすけど」
悠「そうなんだ? 1年の頃から金まで明るい子って珍しいよね」
深「そうですね。先輩が1年の頃とか、同学年にいました?」
悠「まあ1人いたけど。……俺が1人と思ってるだけで、もしかしたらいたかな」
深「その人、目立ってたり?」
悠「目立ってたね。結構かわいかったし。でも髪とかピアスとかのせいで、かっこいい感じになってたかな」
深「知り合いなんですか」
悠「……最近は話してないけど、2年の最初くらいまでは結構仲よかったよ」
深「最初って……」
悠「ああ。そんくらいの時期に俺が真綾と付き合いだしたからさ。そいつ気ぃ使ってくれたみたいで」
深「……気、使うっていっても男同士ですよね」
悠「でもまあ肉体関係あったし。っつーかセフレ?」
深「……いまはもう話してないんですか?」
悠「自然とね。なんとなーく離れてるっていうか離れられてるっていうか」
深「離れる必要って」
悠「深敦くんだって、彼氏の元セフレが近くにいたら嫌でしょ」
深「まあ……たぶん」
悠「そんな感じ。向こうが真綾に気ぃ使ってんのかもね。でも、寂しかったよ」
深「え……」
悠「真綾と付き合うことになってすぐ、大事な友達一人減ったわけでさ」
深「元セフレでも、会うだけなら……っ」
悠「……優しいね。でも会っちゃったら、またしちゃいそう」
深「いや、そこは抑えましょうよ」
悠「抑えたいから、少し離れとくってこと」
深「……その方がいいかもしれませんね」
悠「いずれはまた、会いたいと思ってるよ。けどホント、金髪目立ってたな。ワザとなのかあいつ、急に色変えたんだよ。周りに同化するみたいにさ。真綾と付き合い出して、すぐだと思うけど変わってて」
深「あ、じゃあもう金じゃないんですね」
悠「うん、前は一時、暗めだったんだけど、今は赤色」
深「赤ですか」
悠「金髪似合ってたのにな。深敦くんも似合ってるよ」
深「……ありがとうございます」
悠「抱きしめていい?」
深「いや、それはまた違いません?」
悠「まあまあ。金髪繋がりってことでさ。俺、金髪に飢えてんの」
深「抱くだけですよね」
悠「はいはい。Hなことはしませんから」
深「……じゃあいいですけど」
悠「ありがとー。やっぱいいね。金髪」