オチもなく、日常の一場を。

■放課後■1年後設定。
宮本芳春→数学教師。恋人は柊秋正(保険の先生)
桐生→数学教師。恋人は工藤雪之丞(昨年の卒業生)
渡部浩二→英語教師。恋人は風見鈴(生徒)



渡「宮本先生。もしよければなんですけど、桐生と俺と、今度飲みに行きません?」
宮「え……あ、いいんですか? お二人の間に入ってしまって」
渡「もちろんです。桐生とは結構話してるんですよね?」
宮「はい、お昼を一緒に食べたりとか」
渡「じゃあ、そこに俺が追加されただけって考えて貰えたら」
宮「……嬉しいです。あ、あんまりたくさんは飲めないんですけど」
渡「いいですよ。たくさん話せるところで、ご飯食べながらおしゃべり出来たらさ」
宮「ありがとうございます」
渡「あ……と、えーっと、言っておいた方がいいのかなって思うから先に伝えておきますけど。俺、宮本先生と柊先生のこと、知っちゃってますんで」
宮「え……どうしてっ、そうだったんですかっ? 俺っ」
渡「すいません。柊先生と須藤さん……寮の管理人さんですよ。と、桐生と俺って、結構一緒に飲みに行くんです。だからそのときに聞いちゃって。もちろん、深い事情までは知らないんですけど」
宮「……なんだか、恥ずかしいですけど。その、4人で恋愛話とかするんですか?」
渡「するする。みんな理解ありますし、すごく勉強になります。だから、宮本先生もなにかあれば」
宮「……あまり恋愛相談する相手いなかったんで、いろいろ聞いてみたいです」
渡「俺でよければぜひ! あ、今回の飲み、柊先生は抜きでまず3人でいろいろ話せたらなって思ってるんですけど」
宮「そう……ですね」
渡「恋愛以外の話でも、なにかあれば相談乗りますんで」
宮「ありがとうございます。渡部先生……すごくいい人ですね」
渡「え。そうかな。まあ、恋愛においても仕事においても桐生ほどの経験はないけれど。俺自身、宮本先生に聞きたいこともあるし」
宮「なにか……っ、そのっ」
渡「あ、変なことじゃないです。……俺だけ一方的に宮本先生の相手知ってるってのもあれなんで言っちゃうと、俺、宮本先生のクラスの子と付き合ってるんですよ」
宮「……え……っ? ホントですかっ!?」
渡「気付きませんでした?」
宮「はい、全然……っ」
渡「隠してはいないんですけどね。2年前からなんで、宮本先生が来る前からです」
宮「そうだったんですか」
渡「……誰だか予想つきます?」
宮「いえ……まったく」
渡「鈴と付き合ってるんです。だから、なにかあれば教えてくださいね」
宮「はい。ちょっと、予想外でした」
渡「そう?」
宮「あ、別に合わないとかそういうんじゃないんですけどっ。接点とかわからなくて」
渡「うん。まあ俺も接点ない頃、いきなり向こうが来てくれたって感じだったからね。あ、宮本先生と柊先生の馴れ初めとか、聞いてもいいですか?」
宮「え、あの、それは柊先生に聞いてないんですか?」
柊「ちゃんとは教えてくれないんですよね、あの人。保健室に来たんでやっちゃいましたーとか冗談言ってはぐらかしてくるんですよ」
宮「…………すいません。それ事実です……」