「百合音くん、すっかり男らしくなっちゃって。今日は泊まってくでしょ?」
「そんな、お構いなく」
夏休み。
一緒に地元へと戻ってきた百合音が、翌日さっそく俺の家に来てくれた。
俺が泣いた原因を知っちゃった後だ。
なんだか恥ずかしい。
母親も、俺と百合音のことをわかってるみたいだし。
「ちょっと買い物行ってくるから、ゆっくりしてってね」
「ありがとうございます」
なんだか、ただ留守番を任されただけなのに、まるで二人っきりにしてくれたんじゃないかって、そんな気にもなってくる。
あんまり考えないようにしよう。
いまさらだ。
母さん含め、俺の家族はたぶんずっと前からわかってただろうし。
母さんが出てってあと。
「誠樹」
すぐさま、百合音は俺を正面から抱きしめる。
「……痛いって」
「けど、誠樹、外じゃ抱かせてくれないし」
「当たり前だろ」
「だから、昨日と、一昨日と、抱いてないでしょ」
……やっぱり少しうっとおしいかもしれない。
うっとおしいんだけど、妙に恥ずかしい。
「誠樹、溜まってる?」
「……聞かなくてもわかってるだろ」
「誠樹のお母さん、帰ってくる前に一回、抜こうか」
確かに、家族がいる中ってのはどうにもそわそわしてしまうだろう。
たぶん、いまならあと1時間くらいは帰ってこないだろうし。
「手で……いいから」
「それは、そのとき決めよう?」
「……うん」
俺の部屋へと2人で移動し、俺がベッドに座ると、百合音は俺の前の床にちょこんと座り込む。
下から俺の顔を覗き見た。
「誠樹。緊張してる? 中学の頃はここでよくキスくらいならしてただろう?」
「でも、あれはただ試しにしてただけだし」
「いまは、違うって意識してくれてるんだよね」
少し面倒だとも感じるが、全部、百合音の言う通り。
きっと、俺が妙に意識してしまっているのもバレているのだろう。
まあ、俺だって百合音のこと好きだし、いいんだけど。
「キスしていい?」
「うん」
「ね、このまま上から、口重ねて?」
「いいけど……」
少し下から見上げる百合音に頬を取られ、口を重ねる。
百合音は容赦なく、舌を差し込んできた。
舌の絡まりあう音が耳につく。
「んっ……」
「はぁ……誠樹も舌、出して……」
「ん……この体勢、なんか……すごい、唾液垂れちゃうんだけど」
「うん。だからこうしてるんだよ」
……ああ、わかっててやってんのか。
「ね、誠樹の唾、俺に飲ませて」
「……やだよ、そんなの」
「どうして? ちょうだい? すごくHな気分になれる」
「Hな気分になってどうすんだよ」
「どうしようね」
そんなことを言いつつ、百合音は俺の頭を撫でて引き寄せる。
また口を重ねて、舌を絡めあう。
「んっ……」
たぶん、俺の唾液がたくさん百合音に流れ込んでしまっているのだろう。
それで、百合音は本当にHな気分になるのかな。
……俺は、百合音の唾液を飲んだわけでもないのに、妙にエロい気分になってきた。
前は、ただキスや抜くくらいでエロいとは思わなかったのに。
「ん……っんぅっ」
「ん……どうした、誠樹……」
「はぁっ……」
「もうHな顔してる。脱がせていい?」
「脱がなくても……」
「出来るよ。でも脱がせたい」
頷くと、百合音は俺のズボンと下着を抜き取っていく。
「誠樹。キスしただけで勃っちゃった?」
「……だって、ちょっと溜まってるし」
「そうだね。足、乗せるよ」
百合音に持ち上げられた足を、ベッドの上へと乗せる。
開脚状態で、目の前の百合音の視線が突き刺さった。
「っ……そんなにジロジロ見んなよ」
「たまには見たいなって。ほら、最近は脱がずにただ出すだけだったでしょ」
そうだ。
手で擦られて出されるだけの、いわゆる処理みたいなことばかり。
こんな風に脱ぐのは少し久しぶりだ。
「そうえば、結局、誠樹が一人Hするとこ、見てないな」
「……いいよ、そんなの」
以前、1回して、それ以来していない。
「見せて。俺がいつでも抜いてあげるつもりだけど、もしかしたら出来ない日があるかもしれない」
「だとしても、見る必要ないだろ」
「見ておきたい」
百合音が俺の右手を取って、すでに勃起している俺のを掴ませる。
「……イけるかわかんねーし」
「出来なかったらちゃんと手伝ってあげるよ」
「……うん」
しょうがなく、ゆっくりと擦りあげていく。
目の前の百合音は、俺の足を撫でながら、ジッと俺の手や股間を凝視していた。
「んっ……ん……っんぅっ」
「うん。かわいいよ、誠樹。どんどんそこ、おっきくなってる」
「はぁ……っんっ……」
「大丈夫……ちゃんと見てるから」
なにが大丈夫なのか、意味わかんねーし。
それでも、妙に安心してしまう。
何度も何度も擦りあげていくと、体が熱くてたまらなくなってきた。
自分の手だけれど、気持ちがいい。
百合音の視線も、ゾクゾクしてたまらない。
「んっ……んぅっ……ぁ……百合音……」
「ん……どうしたの? そんな甘えた声出して」
自覚はある。
それでも、百合音の名を呼ばずにはいられなかった。
百合音の手は、俺の何倍も気持ちいいってわかっているから。
目の前にいる。
俺の足を撫でる百合音の手で触ってくれたら。
そのまま、顔を近づけて舐めてくれたら。
絶対にもっと気持ちがいい。
「んっ……ん……っぁっあっ」
「そう……。誠樹は一人ですると、声殺す余裕が少しなくなっちゃうんだね」
言い当てられて恥ずかしいけれど、その通りで、余裕は無い。
「後ろもヒクついてきてる。そういえば、こっちも使ったんだっけ」
まるで場所を示すように、入り口の襞を百合音がそっと撫でる。
「んぅっ!」
思いがけない行動に、体が軽く跳ね上がった。
「ああ、ごめんね。ちゃんと見守るよ」
そう言って、指先が離れていく。
たぶん、本当に1人だったら出来るんだ。
目の前に百合音がいるから。
こんなすぐにでも手を出せそうな状態なのにほっとかれるのは、焦らされているようにしか思えない。
百合音がさっき撫でてくれた襞を、俺も左手でそっと撫でる。
「んっ! ん……」
「……指、濡らそうか?」
「ん……」
軽く頷くと、俺の左手を取り、中指へと百合音が唾液を絡ませてくれる。
手を舐められているだけなのに、妙にゾクゾクする。
「も……いい」
「うん、たっぷり濡れたね」
百合音が舐めてくれて濡れた指先で、またヒクついてしまうそこをそっと撫でる。
欲しい。
もうしばらく百合音の指だって入れていない。
ゆっくりと差し込んでいくと、久しぶりの感触にまた体が跳ね上がった。
「ぁあっ」
「うん……かわいいよ、誠樹。それにすごくいやらしい」
少し熱っぽく感じる百合音の声は、俺をさらに興奮させる。
中に入り込んだ指を軽く折り曲げて、感じる箇所を押さえつけていく。
溢れ出てくる先走りを亀頭へと撫で付けた。
「はぁっんっ……んっ……っあっ!」
「気持ち良さそう……。誠樹の中、俺も指入れたいな」
「んっ……」
久しぶりの中の感触は自分の指であってもすごく気持ちがいいと感じた。
けれど、百合音の指ならもっと……。
「百合音……っ……あっ」
ゆっくりと自分の指を引き抜く。
「……どうしたの? 誠樹」
「っん……百合音……」
「たくさんヒクついて。まだ後ろ、欲しいんじゃないの? やめちゃってよかった?」
「……したい……」
「うん。もっかい指、濡らそうか?」
そう言って、いままで俺が中に入れていた指先をまた百合音が舐め上げる。
「ん……っ」
俺は、掴まれた手を振り払い、逆に百合音の手を握った。
「百合音……も……手伝って」
「……いいよ。舐めていい?」
頷くと、百合音は俺の狭間へと顔を近づけ、伸ばした舌先でヒクつく襞を舐めあげる。
「ぃあっ……んっ! んぅっ」
「ね……。前より、ココ、好きになってるよね」
少しだけ、舌先が入り込む。
ぬるぬるとした感触で、たまらず百合音の髪の毛を掴んだ。
「はぁっあっ……ぁあっ」
「ん……前は、どうしてこんなとこ舐めるんだって感じの反応してたけど。今はちゃんと気持ち良さそう……」
ただ、慣らすため、濡らすための行為とは思えない。
舌で中を舐められると、気持ちよくてたまらなくなった。
「ぁあっあっ!! あっぃくっあっあぁああっっ」
ビクビクと体が震えあがり、精液を出してしまうが、百合音は中を舐めるのをやめてくれなかった。
「はぁっあっ……百合音っ……あっだめっ」
「ん……。もうちょっと、舐めさせて……?」
俺を感じさせたいだとか、そういうのを通り越して、ただ単純に、百合音は俺を舐めたいみたいで。
俺がベッドへと寝転んでしまっても、お構いなしにそこへと顔を埋め、中を舐め回していく。
「ぁっ……ぁあっ」
百合音の手が、俺の手をどかして、イったばかりのモノを掴みあげる。
精液を纏った百合音の手がぬるぬると俺のを擦りあげてくれて、イったばかりの体がビクビクと震え上がった。
「ひぁっ……ゃあっあっ」
「や……? そうだね。もっと強めに押して欲しいよね」
ぼやける視界の中、笑みを浮かべる百合音の表情。
指先を舐め上げるのが見えた。
「入れるよ」
「あ……っ」
「うん。ゆっくりね。わかってる」
さんざん舐め回した舌の代わりに百合音の指がゆっくりと入り込んできた。
「ぁあっあっ! んぅんっ!」
「はぁ……かわいいなぁ、ホント。これ、もったいないね」
百合音はそう言って、俺の右手についてしまっていた俺の精液を舐め上げた。
指先を口に含んで、しゃぶり取られてしまう。
「ぁっん、百合音ぇ……っ」
「中、気持ちいい?」
百合音の指先が、内壁をぐにぐにと押さえ込む。
数回されたが全然慣れることはない。
むしろ、以前よりも刺激的だと感じてしまう。
久しぶりで、たまらない。
「はぁっ……あっあっ」
「前にも教えたよね。ちゃんと声に出して言ってくれないと、やめちゃうよ」
「やっ……あっ……ぃいっ」
「ん……いいって?」
「気持ち、イイ……っあっ…ぁあっ……」
「もっと言って……かわいい」
百合音は、中をかき回したまま、俺のモノを舐め上げる。
味わうように、裏筋を舐め、口に含んで、亀頭に舌を絡めた。
「ぁあっあっ……ぃいっあっあっ……ぁあっいくっ……あっあぁあああっ!!」
出してしまった俺のを最後まで飲み干していく。
指を引き抜かれても、少しの間、そこが変にヒクついた。
「誠樹……前よりたくさん声出すようになったね」
「……前より、百合音が激しいことするからだろ」
「そういうこと、させてくれるようになったからね」
「ん……」
……気持ちいい。
そうだ。
百合音だって、エロい気分になってるんだよな?
なんていうか、ただ付き合わせただけってのは気分が悪い。
いまさらだけど。
「……百合音……。百合音も、イきたいだろ」
「どっちでもいいよ、俺は」
……俺が抜いてやる、とも言えないしなぁ。
やっぱりそろそろ、ちゃんとHした方がいいだろうか……。
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