酔った宮本先生は、予想以上に狂ってくれた。
思いっきり求められ、俺は宮本先生をうつ伏せにベッドに押さえつけると、求められるがままに突き上げる。
「ひぁあっ…あぁあっっ」
「…やらしいね…。理性なくなった? ホントはいつもこんなこと考えてんだ…?」
「ひぁあっ…うん…っあっ…。来て…もっと、突いてっぁっあぁっ……やぁああっっ!!!」
ホント。
かわいいな、この人。

俺もたっぷりと中へと出してしまう。
「っ…んー…熱ぃ…」
「そうだねー…。熱いの、中出しちゃったんだけど。わかる?」
「あっ…わか…っ…っはぁ……」
ぐったりした状態の宮本先生を、仰向けにして。

入り込んでいた自分のモノの代わりに、もう一度、指を押し入れる。
「あっ…ぁあっ…もぉ…っ」
2本の指で、前立腺を突いてやると、体をビクつかせ俺を見て、嫌だと訴えるように首を横に振る。
「ぁンっ!! あっっやぁっ…駄目っ…」
「うーん。どうしようかなー。意外とすんなり狂ってくれたんで、これからなにしよう」
 冷静に、独り言のように呟いている中、宮本先生はあいかわらず俺の指2本で過剰に反応してくれて。
 ギュっと目を瞑り、ベッドのシーツを掴んでいた。
「ひぁっ…くっ…そこっ…やっぁあっ」
イった直後の強すぎる刺激に上手く感じられないのだろう。
というよりは、感じすぎて体がおかしい…といった具合か。
何度もビクついてしまう体を、眺めながら、この人、絶対後で覚えてないよなーなんて思ってしまうけれど。
 だったらなおさら。
 楽しまなきゃ損でしょう。

 俺は指を引き抜くと、ぐったりしている宮本先生の手首に手錠をかけ、ベッドの上部に固定した。
「なに…」
「んー…。どうせなんで遊ばせてください。カバン、開けてもいいですか? 俺のあげたバイブ、持ってるんでしょう?」
 頷く宮本先生を確認して。
 少しカバンをあさらせてもらう。  

 袋にくるまれたバイブが。
「使った?」
 俺が聞くと、宮本先生は顔を横に背ける。
「使ってくれてないの? せっかくあげたのに」
「っ違っ…。使っ…」
「使ったんだ…? 気持ちよかった?」
 俺はスイッチを入れ、そのバイブの動きを宮本先生の目の前で見せてやった。
 やらしい動きに、宮本先生の視線が釘付け。

 動きを止め、そのバイブに俺が舌を絡めると、宮本先生の体がピクリと反応した。
「…どうした…? 芳春」
「っ…芳春…って…っ」
「呼ばれ慣れない? だって、名前で呼ぶとさっきもすごく感じてたでしょ」
 図星だったのか、恥ずかしげに顔を背け、それでもまた横目でバイブを見る。
 
 舌を這わすバイブを、物欲しそうな視線で見てくれて。
 俺がそんな宮本先生を見てるのにも気付いてないのか。  

 ゴクリと宮本先生が唾を飲み込むのがわかる。  
もぞつく足。  
手錠が、カシャンと音を立てる。
あぁ、ホントこの人は全身で欲しがってくれているんだ。  
理性が飛んでも、俺から聞いてやらないと欲しいと言えないのは、この人の性格上の問題だろう。  
それも俺好みだけれど。
「っ…あっ…」
「……どうした…? なにもしてないのに声出しちゃって」
「っ…違…」
「見てるだけで、感じる…? 入れて欲しい?」
 泣き出してしまいそうな目で、バイブを眺めて。
 
 俺は、宮本先生の言葉を待ちながら、なおもバイブに舌を絡める。
「せんせ…っ…」
 もうたっぷり潤った。
 いますぐにでもこのバイブを突っ込んでやれる。
 そもそも、宮本先生の中は俺の出した精液で濡れてるし。
 
 宮本先生が欲しがりさえすれば、あげようと思う。
 
けれども俺の予想外にも、宮本先生はポロポロと涙をこぼし始める。  
いじめすぎ…てもいないだろう。  
泣き上戸か。  
まぁ、泣かれたところで萌えるんですけど。

 しょうがないから、今回は理由を聞いてあげますか。
「どうしました?」
 俺は、涙を流す宮本先生の頭を撫でてあげながら、優しい口調で聞く。
「だってっ……ソレばっかり…っ」
 泣きながら訴える言葉の意味がわからす、一瞬返答が遅れた。
「ソレ…て、バイブ?」
「ひっく…っ…ん…」
 泣きながらも、コクリと頷いて。
 俺はあいかわらず、宮本先生の頭を撫で続ける。  

 ソレばっかりって。  
そこまで、俺はバイブを使っただろうか。
 なんて思い返してみる。
 いや、だってさっき実際に俺のを入れただろう?
 俺のが欲しいのにバイブしかくれない…なら泣くのもわかるが、そういうわけでも。
 泣くほど欲しがってくれるのもありがたいけどね。
「そこまで、コレばかり使ったというわけでもないでしょう? バイブ入れられるの嫌?」
 宮本先生は、今度はまた違うと首を振る。
「どうしたの、芳春は」
 俺も寝転がり、頬に手をあて、泣き顔を拝んだ。
「言ってごらん」
「っ…そればっか…っ…かわいがるから…っ」
かわいがるって。
どういう…。
俺が宮本先生の目の前でまた舌を這わすと、顔をゆがめる。

「芳春も、舐めて欲しいの…?」
宮本先生は、コクリと頷く。
なんだ、この人は。
バイブに嫉妬してくれたわけか。
しかも泣くほどとか、どんだけかわいいんですか。

愛おしいな…。
とりあえず、かわいがってあげたいけれど、そんな風に泣き顔見せられたらもっと求めて欲しいとか思ってしまうわけ。

「芳春は言わないから。して欲しかったら言わなきゃ…」
つい舌なめずりをしてしまうと、宮本先生はそれを見てなのか、またゴクリを唾を飲むのがわかった。
「ぁっ…俺の…っ…舐めて…」
 顔を真っ赤にさせて。
 ホント、なんてかわいいんだろう。
 恥ずかしいけど言ってくれてるってのがわかる。
 けど、もうお酒でいつもよりは恥ないんでしょ。
 だったら、もうちょっと恥かいてもらわないと。
「ふぅん…どこ…?」
「っ…そこ…っ…あっ…」
 宮本先生の目線が自分の、すでにまた勃ち上がっているモノを示し、両足は膝を立て開いてくれる。
なんともいやらしいですね。

「もっと、足、開いて」
「っ…ん…」
そうすれば舐めてもらえるとか思ってくれてるんだろうか。
大きく開いて俺を見る。

「っ…せんせっ…」
「なんですか?」
「っ…して…っ」
「どうしよう?」
焦らすように、宮本先生の足元に座ったまま、ジっと見下ろして。
もう一度、バイブに舌を這わして遊ぶ。
「やっ…ぁっ…」
自分に置き換えてるのか、直接舐めてもいないのに、宮本先生の股間のモノがさらに大きくなっていた。
「し…てっ…あっ……っ舐めてぇっ」
ずいぶんと、いやらしい。
ホント、酔わせたことで羞恥心が薄れてそうだから、それは残念だったけど。
それを差し引いても充分、愉しめる。
むしろ、いつも以上に狂ってくれそうだし。

DVDにも録画してあることだし。
後でどうにでも羞恥心は煽れる。
いまはいまの楽しみ方をしなくちゃ…。

「ココ?」
指先で、焦らすように宮本先生の股間をそっとなぞる。
「あっ…んっ…ぅんっ…そこぉ…っ」
「人にモノ頼む時は、敬語だよね」
そもそも、この人、普段は俺に敬語なんだけどな。

「…んっ…っ…してくださっ…」
「して…じゃわかんないんだけど」
「っあ…舐めて…くださっ…」
「どうして? 俺の舌、好きなの?」
「っんっ…好きっ…ぁっ…はやくっ…」
あぁ、この人、ホント、欲しいだけで理解してないんじゃないかなーって思うと俺としては寂しいでしょう。

俺は、手で掴み、上下に擦り上げてやる。
「ひぁっあっ…んっ…ぅんっ…違ぁっ…」
「手で擦られて、気持ちよくない?」
「あっ…気持ちぃいっ…」
「じゃあ、いいでしょう」
「いやっ…手じゃっぁっんっ…やぁっ…舐めっ…」
そっと、手を止めしゃべりやすくしてあげる。
と、物足りなさから、宮本先生は腰を振っていた。
「んっ…ぁっ…ゃだ…っ」
「舐められると、手と違ってどうイイんですかね。言えないくらいなら手でいいよね」
「っ…違.…全然違う…っ」
「言ってごらん…」
宮本先生が涙目のまま、俺を見てくれる。
「舌っ…熱くてっ…ぬるぬるして…っ…ぁっ…気持ちぃい」
「そういうの、好きなの?」
手を離し、ジっと正面から見つめると、恥ずかしいのか、顔を逸らす様子もまた、たまらなくかわいらしかった。
「っ…好き…です…っ」
「なにが好きか、もう一度、ちゃんと言って…」
「っ…舌…が…」
「違うでしょ」
「んっ…舌で…舐められて、ぬるぬるが…っ…ぁっ…」

かわいいから、とりあえず俺は、宮本先生のソレにそっと舌を這わした。
「ぁあっ…んーっ…せんせぇっ…」
「イイ…?」
「ぁっあんっ…ぃいっ…舌っあっ…ぃっちゃうっ…」
「まだ…少し舐めただけじゃないですか」
「だめぇっ…気持ちぃいっ…」
俺としてはね。
もっと狂っていただかないといけないので、ここでやめておこう。
軽く最後にそこにキスをして、口を離すと、宮本先生は顔を上げ俺を見る。
「っっや…っ」
「なに」
「っ……やめ…ないで…」
「嫌です」
笑顔でそう言うと、宮本先生は泣き出しそうな顔。
いや、もうすでに軽く泣いてるけれど。
かわいいな。
「っ舐めて…くださ…っ」
泣きながら言われてもねぇ。
俺は煽るように指先で、ソコをなぞる。
宮本先生の体は過敏にそれだけでビクついていた。
「ぁあっ…んっ…ど…してっ…ぃやっ…ですっ…」
あ。
少し変わった?
なんていうか。
理性飛んで、俺のこと俺って認識が薄れてタメ口になってたみたいなんだけれど。
また、普通に敬語になってる?
敬語にしないと俺がしてあげないからとかでなく。
俺のことを上の人だと認識したっていうか。
そんな感じだよな。
「…俺が誰かわかる…?」
「っ…柊…せんせ…っ」
「芳春のご主人様なんだけど」
ちょっと愉しくてそう言ってみる。
宮本先生は、なにを想像したのか顔を真っ赤にして、俯く。
「っそん…なの…」
まだ少しだけ残ってますか。
「違うの? 残念。俺の犬だったら、かわいがってあげたのに」

俺は、笑顔で伝え、一応頭を軽く撫でてあげてから、ベッドを降り、少し離れた椅子へと腰掛けた。
冷蔵庫から取り出した苺を、一人で食べながら、なんとなく視界に宮本先生を入れる。

宮本先生は俺を見て、戸惑っているようで。
それがわかっていながらも、ちゃんとは見てあげず。
置いてあった本へと目を通すフリをした。

「っせんせ…あっ…せんせぇ…っ」
俺を呼ぶ泣きそうな声はひどく官能的だ。
いやらしい人だな。かわいくて愛おしい。

それでも俺は、聞こえないフリ…というよりは聞こえてるけど無視をしている感じで、視線はそのまま本へ。
いや、一応、宮本先生も視界には入れているが。
「っぁっ…んっ…お願ぃ…しますっ…」
あまりのかわいさに笑ってしまいそうになったけれど。
もうちょっと待ってみようかななんて。
もっといけるはず。


「っせんせぇ…っっ……かわいがって…くださっ…」
がんばって、セリフ考えてんのかなぁ。

チラっと視線を向けると、ものすごく頬を赤らめ涙目で。
俺を求める宮本先生の姿。
俺が見たからか少しだけ、ほっとするような感じにも見て取れた。

「…手、使わずにイって?」
「え……」
「そのまま。想像だけでイって見せてよ」
机に肘をつき、見物体勢を取る。
「無理……です…っ」
「どうして…。イきそうだったんでしょう? いまも、たくさん液垂らして。いやらしいことたくさん考えたくせに…」
「っ…出来な…」
…これは本当に、この人はまだ出来無そうだなー。
でもかまわない。
貸しを作ってあげたと思わせるいい材料になればいい。
「…じゃあ、しょうがないからしなくていいよ。片手だけ外してあげる」

それを優しさだと勘違いする宮本先生をよそに、左手だけ手錠を取ってやった。
「だからね。自分でイってごらん」
「っ……左…っ」
「芳春、右利きでしょう? 知ってますよ。俺が利き手外してあげると思ったの?」

また、椅子へと戻った俺は、ジっと宮本先生を見下ろして。
宮本先生は戸惑うように俺を見る。
「…イけたら、かわいがろうかな…」
その言葉を引き金のように、ゆっくりと左手で自分のモノを掴み、上下に擦りあげた。
「っんっ…あっ…ぁっっ…」
…見るからにぎこちないんですけど。
左を嫌がっただけあって、本当に思いっきり右利きなんだなこの人。
おもしろいくらいに、不器用だ。

上手く動かせない左手がもどかしいようで、腰が揺れる。
右手で弄りたいのか、強く手錠が引っ張られていた。

「はぁっ…やっ…ぁあっ…イけなっ…」
本当に、イけなそうで、がんばりながらも、どうすればいいのかわからず泣いてしまう。
「ひぁっ…ぁっくっ……せんせぇっ…あっ…出来なっ…」
「甘えても、駄目ですよ。そもそも、なんにもなしでって言って出来ないから左手外してあげたのに。どんだけ甘える気?」
俺に怒られて。
少し不安そうというか、やっぱ俺を怒らせるのは恐いとか感じるのかな。
やっと、宮本先生は指をゆっくりと中へ押し込んでいく。
「ぁあっ…んー…っ」
「中弄ったほうが、イけそうなの?」
恥ずかしさからか顔を逸らすが、もちろん、許してあげない。
「聞いてるんだけど?」
「っ……ぁっ…は…いっ…」
「なんで?」
「っ…中…気持ちぃっ…」
「そう…。どうなってるの?」
「んっあっ…ぐちゃぐちゃでっ…」
「そうだねぇ。音、聞こえる。どうしてぐちゃぐちゃなんだろう」
「せんせ…のっ…中にっ…あっ…」
「俺の? 俺のなに?」
「ぁあっ…精液がっ…あっあっつぃっ…熱ぃ…っぃくっ」
「まだ駄目。わかってる? 俺が指入れたときに駄目って言ったのは、芳春の方だから」
思い出したのか、俺を横目でこっそり見る。
「っ……ごめ…なさっ…ぁあっ…許しっ…」
とりあえず許しますか。
「ん。いいよ。イって?」
「はぁっあっ…ぁあっあぁあああっっ」



イってしまってぐったりした様子。
俺を泣き顔で見てくれていた。
「…せんせ……」
「なに?」
「っ…イけたら…っ…」
かわいがろうかなって言ってたやつね。
そういうのはちゃんと覚えてくれてるわけね。
「かわいがって欲しいの?」
「…は…い…」
宮本先生の右の手錠も外してあげると、ぎゅっと俺に抱きついてくれて。
かわいらしくてたまらない。
「その前に俺が言ったことは、覚えてる?」
少し体を離し、目を見ながらそう聞いてやる。
「え…」
「芳春は、俺のなになの?」
顔を真っ赤にして、そっと俯いていた。
「っ……犬…です…っ」
「うん…。いい子だね…」
俺はもう一度、ぎゅっとその体を抱きしめてあげた。
もう少しだけ、遊びますかねぇ。