付き合い始めて3ヶ月か。
いや、3ヶ月やらないカップルだっていると思うよ?
それくらい大したことないって。
けど、前戯だけは結構前からしちゃってるわけでさ。
……なんていうか生殺し状態。
「あああもう!」
「うるさいっすよ。篠宮先輩。また欲求不満ですか」
「またとか言うな」
尚吾の言う通り、欲求不満だ。
「なあ、尚吾。抜いてるのに欲求不満ってなんなんだろうな」
「出せばいいってもんじゃないでしょ」
「静紀に入れたい欲求ってやつ?」
「っつーか、まだやってないんすか」
……なんか呆れられてる?
「いいだろ。静紀に無理させたくないし」
「だったら、愚痴らないでください。静紀にちくりますよ」
「やめろ。静紀だって気にしてんだよ」
「っつーか、前、前戯はしたって言ってましたよね。とっとと入れればいいじゃないっすか」
……やっぱり?
そろそろ入れても大丈夫だろうか。
さすがに俺が気を使ってるってのに対して、罪悪感覚えるだろうし。
「でも傷付けたくないしな」
「なに、篠宮先輩、そんなに巨根なわけ? 自意識過剰?」
あ、こいつちょっとバカにしてるな。
「別に、自分が巨根だと思ってるわけじゃないけど」
「下手だから?」
なんてやつだ。
「……煽ったって無駄だぞ」
「無駄だぞって。やりたいんじゃないんすか?」
やりたい。
だからって、こう売り言葉に買い言葉、じゃないけど、勢いでやってしまってはいけないと思ってる。
……そもそも静紀は俺とやりたいって思ってくれてんのかな。
そうこうしているうちにも、インターホンの音。
今日は金曜日。
静紀が来てくれる日だからな。
けれども、俺が立ち上がる前に、尚吾がすばやく立ち上がりドアを開ける。
出遅れた。
「あ、篠宮先輩いる?」
「……いるよ。静紀。一言いい? すぐ出てくから」
尚吾め。
俺のかわいい静紀になに言うつもりだ?
「なに?」
「……とっととやったら?」
……ド直球でなに言ってくれてんだ、こいつ。
「ちょ、尚吾っ! お前……っ」
「じゃあ、俺、行くから」
俺の呼びかけもむなしく、尚吾は立ち去り、静紀だけが残される。
いや、いつものことなんだけど。
静紀は、やっぱりというかなんというか、落ち込んでいる様子だった。
「静紀。ごめん、その……。尚吾にやってないって言っちゃって。いや、でもほら。潔癖症で通ってるだろ。だから尚吾もどうせやってないんだろうなって予測してて」
「いえ。すいません……。尚吾の言う通りですよね……」
とっととやったらって?
確かにこの流れでやれるのなら嬉しいけどっ。
「いやいや、静紀が無理なら俺はいいし」
「あの、俺、別に無理じゃないです。その……いつもついぐったりしちゃうんですけど。そのまま入れてくれれば、たぶん」
あのぐったりした状態の静紀に?
……そうだ。
結局、手を出せてないのは俺自身なんだよな。
静紀が拒んでるわけじゃないんだよ。
「でも……」
「すいません。先輩、入れにくいですよね」
ああ、そんな謝ってもらうとホント、申し訳ないし。
やっぱり、これ以上、静紀に罪悪感植え付けちゃいけない。
いきなり、出来そうにないなら別れましょう、なんて言われても困るし。
「……静紀。その、静紀がいいならしちゃうけど」
「はい……。あ、俺、自分で慣らしますっ。そうすればそんなにイかずに拡げられるかも」
「え?」
ちょっとよく意味がわからないんですけど。
「……篠宮先輩と会わない間、1人H、するじゃないですか。自分で中拡げても、そんなにすぐイっちゃうわけじゃないんで」
「静紀って、1人Hのとき、後ろ使うの?」
静紀は顔を赤らめ、目を見開くようにして俺を見る。
「だって……。その、ちょっとくらい慣らしておいた方が、スムーズかなって」
なにそれ。
俺を受け入れるためだって思っちゃっていいわけ?
「だから、俺、自分で拡げられるんで。篠宮先輩はそのまま、入れてくれたら……」
いや、確かにそりゃありがたいけど。
「いいの?」
「はい……。ベッド、寝転がってくれますか?」
「うん……」
「あの、部屋きてイキナリこういうことしちゃっても平気です?」
まあ静紀とはいろいろしゃべってそれから、雰囲気作ってってのもアリだけど、いまさらな気もする。
俺はすぐにでもエロい静紀が見たいし。
「いいよ」
「じゃあ……その、脱ぎますね」
「うん」
静紀はズボンと下着を脱いで、寝転がる俺の体を跨ぐ。
立ち膝状態で見下ろされるのは、なんだか新鮮でものすごくドキドキする。
「静紀、ローション使う? 引き出しに……」
「……篠宮先輩に用意させてばかりじゃ悪いので、持ってきました」
静紀、いい子すぎだろう?
「俺とHなことする気だったんだ?」
「いつもするじゃないですか……」
「まあね」
「あ、ローション垂れちゃってもいいです?」
「うん、いいよ」
静紀はシャツの胸ポケットに入れていた小さなビンの蓋をあけ、右手へと液体を垂らす。
「静紀……もう、勃起しちゃってるね」
「……だって……」
「エッチなこと考えてるんだ?」
「ん……」
「先端、潤ませて。ホント、静紀はエッチでかわいいよ」
「篠宮先輩……ん、触らないでくださいね」
「え……」
「触られると、イっちゃうかもしれないんで」
それはそれで、辛いんだけど。
まあ、今日はこういう日ってことで、我慢するか。
「わかった」
そう言うと、静紀はローションを纏った右手を後ろに回す。
「ね、静紀。よく見えないからどうなってるか教えて?」
「ん……うん。……いまから、入れますね……」
「うん」
「くっんっ! んぅんんっ!!」
体をビクつかせ、ぎゅっと目を閉じる。
静紀は空いている自分の左手で、自分の太ももに爪を立てていた。
「入った?」
「はぁっんっ! ……はぃ……っあっ……2本、入ってっ」
「ああ、一気に2本も入れちゃったの?」
「ぁっんっ……だってっあっ……拡げっ」
「拡げてくれるんだよね。それで、2本入れてくれたんだ?」
コクコクと頷いて、僅かに動く手元が視界に入る。
「はぁっ、あ……ぁ……っ」
すごい、気持ち良さそうな声。
それに表情。
かわいくてたまんない。
触りたいんですけど。
むしろしゃぶりつきたいくらいなんですけど。
「静紀……。気持ちいい?」
「ぁっんっ! あっ……いい……ど、しよ……ぁあっ」
「どうしようって?」
「いつも……もうちょっと、持つのに……っ。はぁっ……だめ……あっ、いきそぉ……っ」
「んー……俺は触ってないよ?」
「でも……、そんなにっ……あっ、見るからっ」
「うん……。いやらしいね」
「はぁ……篠宮せんぱっ……」
静紀はいきなり、左手で俺のをズボンの上からそっと掴む。
不意打ちすぎて体が少しビクついた。
布越しに形を確認するかのように手で擦りあげてくれる。
「はぁ……っだめぇっ……」
「いいよ。1回、イっておこう?」
俺のを掴みながら、後ろ使って、感じてくれてるとか結構やばい。
だって、静紀は自分のを擦り上げた方が絶対気持ちいいだろ。
つい、自分のズボンのチャックを下ろし、取り出すと、静紀は期待通り、直に俺のを撫でてくれる。
「あっ……先輩の、熱っ……」
「俺も、静紀の触りたいな。もうたくさん、蜜溢れてきてて、かわいい」
「ぁんっ! あっ……んぅんんんっ!!」
我慢仕切れなかったのか、静紀の精液が俺の股間に降りかかる。
結局、俺は手を触れていないんだけど。
エロいな。
静紀は、息を荒げたまま、自分の指を引き抜き、今度はそのローションを纏った右手で、俺の股間を濡らしてくれる。
「静紀……大丈夫?」
「はい……。すいません。でも、1回イって、少し持ちそう……」
そう言うと、俺のを掴んだまま、腰を寄せる。
えっと、静紀さん、いきなり騎乗位ですか?
ここは俺が、リードして入れてあげるべき?
「静紀?」
「はぁ……いいですか?」
「……いいんだけどっ」
静紀が腰を少しだけ下ろすと、俺の先端が静紀の狭間へと当たる。
少しだけ入り込む。
「あっ! んっ!」
大丈夫か? これ。
キツい。
あいかわらず静紀は俺のを掴んだまま、慎重にゆっくりと飲み込んでいく。
「ひぁっ……あっ!! おっきいよぉ……っ」
泣きながらそんなこと言われると、ますますおっきくなりそう。
「入りそう?」
「はぁっ、思ってたより……あっ、おっきくてっ……」
「俺の、見たことあったでしょ」
触ったことも舐めたことも。
「だってっ、あっ……こんな、拡げたことなっ……」
亀頭部分がやっと入り込む。
あとは奥へと押し進むだけだ。
少しだけ腰を浮かすと、静紀はピクンと体を跳ねさせた。
「ゃあ……せんぱっ」
「入れていい? 奥まで」
静紀は戸惑っててなにも出来ずに、言えずにいる。
でも、俺はもう限界。
さすがに据え膳すぎる。
さらに腰を浮かせ、中へと押し進む。
「ぁあっ! あっ……ぁんんっ!」
静紀の感じてる声が心地いい。
痛いってわけでもないよな。
もう遠慮出来ないかも。
軽いピストン運動を繰り返しつつも、より奥へと突き上げる。
「やぁあっ、あっんっ! いっちゃうっっ……あぁああっ!!」
イってしまって、力が抜けてしまう静紀の腰を掴み、引き寄せる。
立ち膝でいられなくなった静紀は、俺の上へと完全に乗っかった。
思いっきり繋がった状態。
そのまま、静紀の華奢な体を少し前後へと揺らしてやる。
「ぁんっあっ! あぁあっ! せんぱぁっあっだめぇっ」
だめって言われても。
すっげぇ感じて、いっぱいいっぱいの静紀とか、かわいくてたまんないし。
「どうして? 駄目? よくない?」
「はぁっんっ!! ……ぁあっ……俺っ……あっ、体、あっ、おかしくなるっ」
ポロポロと涙まで零してくれる。
けれど、それって嫌とかじゃないでしょ。
感じてくれてる気がして、なおも体を揺さぶり続ける。
「駄目なの?」
「わかんなっ……ひぁっ……あんっあっ、イったのにっあっ……また、あんっ、せーえき、出ちゃうっ」
「かわいいなぁ。出ちゃうって。出してよ。ね?」
片手で静紀の腰を揺さぶったまま、そっと指先でぬるぬるとした静紀の亀頭を撫でると、ひときわ大きく体を震わせる。
「ぁあっ……あっあぁああっっ!!」
かわいいな。
またイっちゃって。
さすがに止めた方がいいかもしれない。
そう頭を過ぎるが、俺もイきたい。
静紀の中はぐねぐねしてて、熱くてすごく気持ちがいい。
体を揺さぶり、自ら腰を振り中を突き上げる。
「やぁっあっ! ……せんぱっぁあっあっ……中っあっ、そんな、されたらっっ」
「ん……ごめ。すげぇ気持ちいい」
「だめっあっ……ぁんっ俺っ……あっ…だめっ」
「どうして、駄目とか言うの?」
静紀の手が、俺の手を掴む。
ホントに駄目?
「俺っ……あっ……! もぉ……っひぁ……っ漏れちゃ……っ」
真っ赤な顔を逸らしながら、それでも教えてくれる。
精液出しすぎ?
イった直後だってのに、ガンガン、中、刺激してるからな。
……やばい。
それはそれで興奮するし。
「俺の前で、漏らすの嫌?」
「っぁっあっ……だめっ」
「いいよ。別に、俺はいい……。静紀のおしっこなら、かかってもいいし」
なに言ってんだ俺。
けど、本当に構わないし、むしろ見たいかもしれない。
自分がイってないからとかは二の次。
「出してよ。静紀は恥ずかしいこと、好きでしょ」
中を突き上げ、再度内壁を擦りあげる。
「やっあっ……ぁんっ! あっ……だめぇっせんぱぁっ……あぁあ……っ!」
静紀が、漏らしてしまい俺へとおしっこがかかる。
と、同時くらいに俺もまた静紀の中で達していた。
「あ……先輩の……中にすご、入って……」
「ごめん。中で出しちゃった」
「いい……です。熱くて、気持ちい……」
……なんだかんだで、静紀ってHなこと好きだよな。
俺はやっと体を起こし静紀の体を抱きしめる。
「んっ! ……せんぱ……体勢、変えると……あ、イイ……」
それだけ伝えてくれつつも、俺の腕の中でぐったりしてしまう。
いつも以上にぼーっとした状態。
それでも、疲れたというよりはエクスタシーって感じだろうか。
「はぁ……俺、すいません……。篠宮先輩に……いろいろかけちゃって」
ホント、ぐちゃぐちゃだ、俺。
「いいよ。かわいかったし。俺こそ、途中でやめてあげられなくてごめん」
静紀はぎゅっと俺の体にしがみついてくれる。
「いいんです……。……今度、代わりに先輩も、俺にかけてください」
「え……なに? なにを? どうして?」
「……俺、篠宮先輩に精液もおしっこもかけちゃって、悪いなって。だから俺にもいろいろかけてくれたらって、思ったんですけど……どうしよう……。ちょっと、想像しただけで、俺、熱くなってきちゃったかも……」
くそう。
変態な静紀がかわいすぎる。
潔癖症とはほど遠いな。
「静紀……。そんなこと言われるとホントにしちゃいそうなんだけど」
「はぁ……はい。ね、このまま、しばらく入れてていいですか?」
……これ?
「……俺はいいけど。少ししたら、また俺、勃起しちゃうかも」
「……そのときはまた、してくれていいですから」
ぼーっとした様子で答えてくれるけど、大丈夫か、静紀。
まあ、お言葉に甘えてもう少し、味わいますか。
|
|