「お邪魔しまーす!!」
 今日は約束の金曜日。
 やっと鈴を俺の家に迎え入れた。
 これで、心置きなくセックス出来る。
 ……なんて下心を丸出しにするわけにはいかない。
 いかないんだけど……。
 この日を心待ちにしていたせいか、頭の中ではいやらしいことばかり考えてしまう。
「ねえ浩二。今日は浩二が夕飯作ってくれるんだよね」
「うん、そうだよ」
「えへへ、楽しみだなー」
 俺のピンク色の脳内なんて知りもせず、鈴は無邪気な笑顔を見せる。
「鈴、もうお腹空いちゃった?」
「うーん、まだ大丈夫だけど、浩二が作ってる間に空きそう」
 まだお腹空いていないのなら、その前に少しだけでも……。
 ……って、さっきから俺、セックスのことしか考えてない。
「……どうしたの、浩二。なにか考えごと?」
「え、あ……ちょっとだけ」
 鈴は意外と俺の変化に気付いてくれる。
 もう素直に言った方が早いのかもしれない。
 恥ずかしい気はするけれど。
 前からの約束だったし。
 でも教師が生徒にHしたいとか言うのも……。
「なに? なに考えてたの?」
 やっぱり隠せないよなぁ。
「その……俺の家に来るって前からの約束だっただろ。それで……こないだ、外だったから、途中までしか出来なくて……」
 少し濁しながらも伝えると、鈴は俺の顔をじっと覗き込んだ。
「浩二……Hしたいんだ?」
「っ……」
 濁したのに、鈴ははっきり俺に聞いてくる。
 自分でも、顔が赤くなっているのがわかった。
「えっと、まあ……」
 小さく頷くと、鈴が俺の頬にそっと手を添える。
 少しひんやりして気持ちいい。
「鈴……」
「ここなら、心置きなく出来るね?」
「ん……」
 もう一度頷くと、鈴の方から唇を重ねてくれた。
 つい誘い込むように軽く口を開くと、俺が望んだとおり、鈴は舌を差し込んでくれる。
「んっ……ん……」
 舌先が触れ合って、絡まり合って。
 それだけで体が熱くなってきた。
「はぁ……鈴……ん……んぅ……」
 何度も何度も口を重ね直しながら、鈴の舌を追う。
 ここでなら思う存分してもいい。
 そう思うと、歯止めが利かなくなっていた。
 自分の性器を布越しに、鈴へと押し当てる。
 ほぼ無意識だったと思う。
 それでも一度、味わった刺激を手放すことなどできない。
 キスをしながら、何度も何度も腰を寄せてしまう。
「鈴……あ、あっ……俺……」
「うん、かわいいね。腰揺れてる。する?」
「ん……」
 頷くと、鈴は俺のベルトを外してくれた。
 そのまま、ズボンと下着を下ろしてくれる。
 いつもなら少しは抵抗していたかもしれない。
 抵抗ってほどのものでもないけれど。
 ただいまは、拒む理由はなにひとつなくて。
 近くのソファに腰を下ろすと、鈴はすぐさま足元に絡まった衣類を引き抜いてくれた。
「すごい……浩二、もう大きくなってる」
「ん……うん……」
「舐めていい?」
「……いやじゃ、ない?」
「どうして? いやじゃないよ?」
 鈴は俺の前に座り込むと、伸ばした舌先を性器に絡めていく。
「んんっ……あっ……」
「もう少し、足開いて」
「うん……ん、はぁっ……あっ……」
「そうだ、足あげようか?」
 鈴に促されるようにして、ソファの上に両足を乗せる。
 さすがに恥ずかしいけれど、鈴に見られていると思うと、たまらなく興奮してしまう。
 鈴とこういうことをするのは、数えるほどしかない。
 そんな中、ここまで大股開きで恥ずかしい体勢を取ったことはなかったかもしれない。
「ん……ん、鈴……あ……電気、消す?」
「んー……俺は見たいけど、浩二は見られたくない?」
 鈴が見たいって言っているのに、嫌だとは言いづらい。
「鈴が、見たいなら……ん、このまま……で」
「浩二に合わせるから、言って。いやなこととか、して欲しいこととか」
 俺は鈴に合わせたいんだけど……。
 それでも鈴の気遣いは嬉しい。
 その気遣いに答えるためにも、素直にさらけだした方がいいのかもしれない。
 本当はもう、いろいろ限界だし。
「鈴も、言ってくれる? したいこと……」
「うん。わかった。……こっちも舐めていい?」
「あっ……そ、そこは汚い、から……」
 性器だって綺麗とは言えないけど。
 それでも、期待してしまう。
「大丈夫」
 俺の期待通り、鈴は気にすることなく窄まりをペロリと舐めあげる。
「んんっ……んっ……」
「浩二は見えないよね。ほんのり赤くて、ヒクヒクしてる。なんかかわいい……」
「んっ……ぁっ……あっ……」
「ん……入れるね?」
 鈴は俺のアナルの口づけると、そのままゆっくりと舌先を押し込んでいく。
「ああっ……あっ! あっ……んっ……鈴っ……!」
「ん……んぅ……」
 熱くぬるついた舌が、入り口付近を何度も出入りする。
 そのたびに、背筋にぞくりと電流がかけぬけていく。
「はぁっ、あっ、ああっ、んっ! ひぁっ……あっ、すず……ひぁっ、ん!」
 気持ちいい。
 気持ちよくてたまらない。
 すかさず自分の性器を右手で擦りあげる。
 すると、それに気づいたのか、鈴が俺の手をどかして代わりに擦りあげてくれた。
「んっ! んぁあっ! はぁっ……ああっ……あんんっ……いく……あんっ、いくっ!」
「ん……うん……」
 たぶん、いいよって答えてくれてるんだと思う。
 言葉にすることなく愛撫を続けてくれる。
 出入りしながら舌で中を掻き回されて、激しく手を動かされ、すぐに限界が訪れた。
「あぁあっ、やぅっ……あっ、あっ……あぁああああっ!」

 ビクビクと大きく体が跳ねあがって、勝手に鈴の舌を締め付ける。
 ぬるついた感触がまざまざと感じられ、俺の中にまた火が灯った。
 それなのに、鈴はゆっくりと舌を引き抜いてしまう。
「いや……っ」
「ん……?」
 なに言ってんだ、俺。
「ご、ごめん……なんでもない……」
「なんでもなくないよ。なにがイヤだったか言って?」
 もっとずっと舐めてて欲しくなかったなんて、ずうずうしいこと言えるはずがない。
 だけど、鈴のことをいやがっているなんて勘違いもされたくない。
「き……きもちよかった、から……その……もっと、したくて……」
「ん……じゃあ次は指、入れてあげるね?」
「ん……」
 鈴は俺の目の前で自分の指先に舌を絡めた後、ゆっくりとヒクつくアナルへとその指を押し込んでいく。
「ああっ……あっ……あんんっ!」
「さっきよりも奥まで届いてる?」
「んっ……ぅんっ……ああっ、あっ……おくっ……きもち、い……」
「奥の方、好き?」
「すきっ……すきぃ……あんっ、あっ……掻き、回して……っ」
「その前にもう1本、足すね」
「ん、うん……うんっ……」
 コクコク頷きながら、俺は2本目の指を受け入れる。
 2本の指は前立腺を掠め、俺の望み通りにナカを掻き回していく。
「あんっ、ぁあっ! はぁっ、あんっ……いいっ……いいよぉ……もっとっ……あんっ……もっとぉ……っ」
「はぁ……浩二、すごくかわいい」
 鈴の方がかわいいのに。
 どうしてか、甘えたくて仕方ない。
 早く、今度こそ、鈴ので貫かれたい。
 そう思うと、勝手に何度も鈴の指を締め付ける。
「鈴っ……あっ、あんっ……鈴……っ、欲しい……あっ、あんん、欲しい……」
 素直な気持ちを伝えるだけなのに、なんで涙があふれてしまうんだろう。
「んー……大丈夫? どうしたの、浩二」
「んんっ……も、できな……あっ……あんっ……がまん、できな……鈴のっ……鈴の、入れて……」
「そっか……ずっと待っててくれたもんね」
 鈴の言葉に、俺はまたコクコク何度も頷く。
 待ってた。
 待ち望んでいた。
 指が抜ける喪失感で、また焦らされるようなもどかしい気持ちになる。
 なによりさびしくて、俺は鈴の服をぎゅっと掴んだ。
「はぁっ……いれて……はやく……」
 恥ずかしい要求をしている自覚はあるのに、自分が抑えられない。
「うん、わかった」
 鈴は俺を見上げながら優しく笑うと、待ち望んだ箇所に亀頭を押し当てた。
「あっ……」
 つい自分からも腰を寄せながら、鈴のモノを受け入れていく。
「あぁああ……っ! んんっ! 鈴っ……すず、の……あっ、ぁあっ……んぅんんんっ!!」
 鈴のが全部入り切る頃、俺は二度目の射精を迎えていた。
「ひぁっ……あっ……ご、ごめ……鈴……」
「どうして謝るの?」
「だって……こんな、早く……」
 一方的に自分だけが気持ちよくなってしまっている状態で、申し訳なくなってしまう。
「俺は嬉しいよ? 俺の、気持ちよかった?」
「ん……うん……はぁ……まだ、きもちい……」
「じゃあ、少し動いていい?」
 奥の方まで入り込んだ鈴のモノが少しだけ退く。
 内壁をずるずると擦られ、頭がしびれるような快感を覚えた。
「ひぁあっ……ああっ……あんんっ……これ……あっ」
「これ?」
 イった直後の敏感な体を、ゆっくりと鈴の性器で撫で上げられて、体中から力が抜けていく。
「んっ、んんっ……あつ、い……ふわふわ、する……あっ、あっ、きもち、い……っ」
「これ、好き?」
「すき……あっ……あんっ……すき……」
 なんていうか、蕩けそう。
 もう蕩けているのかもしれない。
 頭がうまく働かない。
「はぁ……ん、もっと……してっ……あっ、鈴っ……もっと、もっとぉ……」
「じゃあ、もっと動いていい?」
「うん……はぁ、んっ! うん……」
 鈴が腰を揺らすと、蕩けた頭とは対照的に、俺のナカはぎゅっ、ぎゅっと過敏に反応する。
 また激しい衝動にかられ、俺は掴んでいた鈴の服を引き寄せた。
「はぁっ……あっあっ、鈴っ……もっと……ぁあっ……もっと、めちゃくちゃにして……っ」
「めちゃくちゃにはできないよ?」
「やっ……だめっ……だめっ……してっ……あっ、あんっ……してよ、鈴っ」
 自分が自分じゃないみたい。
 もっといやらしいこと鈴にされたい。
 して欲しい。
 鈴に引かれるかもしれないって理性が、霞んでしまう。
 言っていいって、言ってくれたから。
 震える手で自分のシャツをまくり上げる。
「はぁっ……ここっ……ここも……」
「ああ、浩二は乳首大好きだもんね」
「んっ……うん……」
「じゃあつまんであげるね」
 鈴は軽く腰を揺らしながら、すでに硬くなっている両方の乳首をきゅっとつまんでくれる。
「あぁあっ!! あんっ、やぁっ、あっ……きちゃ、うっ!」
「ん……? きちゃうって、どういうこと? イクとは違うの?」
 俺は頷きながら、鈴の体に足を絡める。
「ぁあっ、あっ……しゃせぇ、しないの、くるっっ……んゃあっ! だめっ!」
「だめなら、やめるよ」
「いやっ……やめな、でぇ……もっと、もっとぉっ……」
 少ししびれるほどに乳首を引っ張られ、体がビクつく。
 それと同時に、出入りを繰り返す鈴の性器が、前立腺を押しあげる。
「ああっ……あんっ、んっ、んっ……! ひぁあっ、あっ!」
「ん……あとは……もっと浩二のことめちゃくちゃにしないと、ね」
 熱っぽい声で鈴に言われると、それだけで体中がぞわっと震え上がった。
 少し荒っぽい律動で、奥の結腸を貫かれる。
「ひぁあっ! あんっ、あっ……くるっ……きちゃ、う……やぁあああっ!」

 自分でも信じられないくらいに大きく体が跳ねあがった。
 ナカで奥の方で、射精もせずに達したのだと理解する。
 その直後、キツく締め付けてしまった反動か、鈴の精液が流れ込んできた。
「あぁっ、あ……んんっ……鈴っ……あっ!」
「はぁ……ごめんね、急に出しちゃった……」
「んっ……んん、いい……きもち、い……奥、きてる……っ」
 鈴のモノがナカでドクドクと脈打つ。
 俺のナカが脈打っているのかもしれない。
 ぴったりとつながったまま、俺は絶頂の余韻に浸った。

「浩二、最後は射精してないけど、平気?」
「ん……」
 ドライでイったおかげで、徐々に体は落ち着いてくる。
 このままほっといてくれたら大丈夫なんだろうけど、鈴は俺の性器を手に取ると、やんわり撫であげ始めた。
「あ……ん……んん……」
「かわいいな……浩二は……。本当にめちゃくちゃにしたくなったらどうすんの?」
「え……?」
 鈴の親指が亀頭を掠めると、小さく体が震えた。
「ん……んんっ……」
「浩二の体、すごくエロいし……なんか俺も我慢できなくなってきたかも」
 やっぱり我慢してくれてたんだろうか。
 いつもはかわいらしい鈴のオスっぽい一面に、俺の体はまた疼いてしまうのだった。