公園に着いて、2人ベンチへと腰を下ろす。  
 鈴は、修学旅行の話をいろいろしてくれた。  
 まあ、やるために公園きたわけじゃないしな。
   
 辺りが薄暗くなってきたのを見計らってなのか、鈴が俺の顔を覗き込んだ。  
 あいかわらずかわいらしい。
「浩二。キスしていい?」
   
 少し離れたベンチや草むらで、カップルが何度もキスを交わしているのが目に入った。  
 けど、俺らはあからさまに男同士だし。  
 スーツと制服だし。
   
 制服かどうかは、この距離だからわかることであって、向こうのカップルからは確認出来ないか。  
 鈴は背も低めだし、少し男っぽい格好をした女の子に見えなくもない?  
 というか、他のカップルのことなんてなんとも思われない?  
   
 体を少し横に向けると、鈴もまたベンチに手をつき軽く身を乗り出してくれた。  
 そのまま、口が重なる。  
   
 誰にも見られませんように。  
 なんて思っても無理かもしれないけれど。
 ぼんやりとした切れかけの街灯だけで、もう暗いし、わからないだろ。  
   
 舌を一生懸命絡めてくれて、体が熱くなった。  
 かわいい。  
 ……気持ちいい。
「んっ……」  
 口が離れても、少し頭がボーっとしてしまっていた。
 
「浩二……どこまでなら捕まらない?」  
 ……そんなこと具体的にはわからないんだけど。  
 迷うくらいなら、いまのうちにどこか別の場所に行くってのもありだよな。  
   
 そう思っている間にも、ズボンの上から鈴が俺の股間をそっと弄る。
「ん……っ!」  
 ゆっくりと、形を確認するように撫でられて、一層熱を帯びていく。
「脱がせたら、駄目なのかな」  
 駄目だろう。  
 鈴もそう思ってくれてるのか、布越しに俺のを擦ってくれる。
「んっ……ぅんっ…っ」
「……浩二の、すごいおっきくなってきた」
「ん……鈴……。これ以上は」
「浩二の言う途中までって、キスだけだったの?」  
 さすがに、キスだけで途中までとは言わないけれど。  
 自制がきかなくなりそうで。
 
「浩二のシャツで隠れるし、少しなら出しても大丈夫だよね」  
 鈴はそう言って、ズボンの中に入っていた俺のYシャツを引っ張り出す。  
 確かに、隠れはするけれど……。
「鈴は、ここでしたいの?」
「出来るところまでね」  
 そう言って、俺のズボンのチャックを下ろしていき、ズラしたパンツから俺のを取り出してしまう。
   
 俺は自分の膝辺りに持っていたカバンを立て、前から見られるのを少しだけでもと防いだ。
「いい?」
「……なに……」
「手で、擦りあげてもいい?」  
 それくらいなら、たぶん。  
 二人ちょっとくっついてるだけだって思われるかもしれないし。  
 鈴はしたそうだし。
「……鈴がしたいなら」  
 そう答えると、ゆっくりと擦りあげてくれる。  
 鈴の手はホント、かわいらしくて。  
 その指先が俺のに絡みついて、上下に動かしてくれて。
「んっ…ぅんっ…んっ」  
 すごい、気持ちいい。  
 でも、見られそうで怖い。
「浩二。……いやなら無理しないで?」
「え……」  
 俺、もしかしていやそうな態度取ってた?
「なんで……っ」
「ん? なんとなくだけど」  
 なんとなくか。  
 ほっとする。  
 けれど、鈴にいやですって言えないんだよなぁ。
「鈴……ちょっと、恥ずかしいかも」
「うん。じゃあ、奥行く?」  
   
 奥。  
 ベンチの後ろにある植木のさらに先。
 所々木が生い茂っている草むらまで行けば、確かにここよりも暗くて目立たない。
 
 なんとなく、カップルがいちゃついてるってのはバレるだろうけれど。
「……それより、その……家とか」
「家? 家は金曜日に行くよ?」
「……そうだけど」
「とりあえず、奥行って、考える?」  
 まあ、現状も厳しいし、ひとまず草むらへ。  
 話はそれからだ。
   
 出してしまっていたモノをしまい、植木を乗り越えると、それだけだというのに、一気に暗くなる。  
 少し不気味なくらいだ。
 
「えっと。どうしよう」  
 ホテル……行くにしても、高校生連れ込むのはなぁ。  
 寮……に入るのは、アウトだろうし。
 
「ね、浩二。ここなら暗いし。俺、口でするよ」
「……でもっ」
「立ったままでさ。すぐシャツで隠せば捕まらないよ」  
 もう捕まる捕まらないの問題ではないというか。
「そこ、もたれた方がラクだよね?」  
 鈴に促されるようにして、傍の木にもたれると、すぐ鈴は俺の前にひざまずく。
「鈴……。ホントに、口だけでだから。その先は……」  
 どうしよう。  
 やっぱ俺ん家?  
 ちょっと時間かかるな。  
 翌日、鈴も俺も学校だし。
 
「うん。今度でもいいよ」  
 今度。  
 そうだよな。  
 俺、なに最後までするっての前提で考えてんだろ。
 
 鈴は俺のを取り出すと、丁寧に舌を這わしてくれる。  
 下からゆっくりと裏筋をなぞって。  
 鈴の小さな舌が、チロチロと舐めてくれるその感触にたまらず腰が揺れてしまう。
「んっ……ぅんんっ……」  
 なんとか声を我慢するが、音を立てるようにして、横から吸い付かれるたびに、体がビクついた。  
 いやらしい音。  
 もう少し明るければ鈴のこともっとよく見れるのに。  
 それでも、暗さに少しだけ目が慣れ、鈴の表情はなんとなく伺える。
 
「んぅっ…んっ! 鈴…っンっ」  
 チラっと鈴が俺を確認するように見上げてくれた。  
 上目遣いかわいい。  
 そのまま、鈴は俺のを咥えこんでくれる。
「んぅんんっ! ……んぅ…っ」  
 熱い。  
 やばい。
 鈴の口ん中。  
 いままで、舐められたことはあったけど、こうやって鈴が口に含んでくれるのは初めてだ。  
 やっぱ舐めるだけと含むのとじゃ結構な差があると思うし、すごく嬉しくなってしまう。  
 鈴の、内側の頬や、舌全体がたっぷり絡み付いてくれる。
「はぁっ…んっ! ぁっんぅっ」
   
 気持ちいい。
 やばい。
 鈴はまだ初心者なんだってわかってるのに、腰が動いて、鈴の口の中へと押し込んでしまう。
「あっ…んんっ……やぁっ」
「んぅ……?」
「鈴……っ……抜いてっぁっ」
「……んー?」  
 どうして? ってな感じで視線を向けられる。
「あっ……だっめ…っっ…あ…っん、止まんない…っ」
「ん……」
「腰っ…止まんなぁっ……あっ…ぁっ」  
 涙が溢れるが、精神的なものなのか生理的なものなのかわからなかった。  
 引き剥がそうと、鈴の髪の毛に指を絡めるが力が全然入らない。
「ぉくっ…あっん、入れちゃうっ」  
 こんな強制フェラっていうか、イラマチオみたいなこと、したくないのに。  
   
 視界がぼやけて鈴の表情が伺えない。  
 けれど、こんなの奥まで入れられたら苦しいに決まってる。
    
 鈴が苦しいだろうに、腰を止められずにいる俺は本当にバカか?  
 だって、鈴の舌は本当に気持ちがよくて。  
 一生懸命、俺の咥え込んでくれて。  
 
 俺の腰の動きに合わせるように、吸い上げてくれる。
「んぅっ…あっ……鈴っ…離し…ぁっいく、からぁっ」  
 最悪だ。  
 好き勝手、鈴の口ん中出入りさせてイクとか。  
 そんな罪悪感とは裏腹に、体はより一層昂ぶっていく。  
   
 根元の方を指先で擦りながらも、咥え込んだ俺のを音を立てながら吸い上げる。
「ぁあっ……だめっっあ、いっちゃうっ……あっ離してっ…」  
 何で、離してくれないんだろう?  
 わかってる?  
 このままじゃ、鈴の口ン中、奥で俺のが出ちゃいそう。  
 大丈夫かな。  
 気管に入ってむせたり。  
 心配なのに、なんで萎えないだよ、俺。
「鈴っ……ぁっお願っ……ぁっだめ、もぉっ…ぁあっ…んーーーっ!!!」
   
 体が大きくビクついて、イってしまう。  
 何とか、手で口は押さえたけれどもそれどころではない。
    
 俺の大好きな鈴の口ん中で……。  
 とりあえず気管に入ったりはしなかったようでよかったけれど。
「鈴……もう、離し……っ」  
 鈴の頭をそっと引き剥がすのに合わせる形で、鈴自身も、ゆっくりと離れてくれる。  
 
「飲んじゃ駄目だよ」  
 俺はしゃがみこんで、鈴に目線を合わせた。  
 鈴は、口を閉じたまま首を横に振る。
「駄目。汚いでしょう?」  
 そう言っても、鈴はまた首を横に振った。  
 まだ戸惑っているようだけど、このままじゃ、飲み込みそうだな。
 
「鈴……お願い。出して」  
 鈴の口元へと、手を差し出す。  
 今度は首を振らなかった。
「出せるでしょ。早く」  
 頷くように俯くと、鈴が舌を出し、俺の手の上へと精液を垂らしていく。
   
 なんだかその情景もまたいやらしくてドキドキしてしまった。  
 ってか、俺、結構出したな……。
「……浩二は飲まれたことないの?」
「……無くはないけど」
「じゃあ、なんで俺は駄目なの?」
「駄目とかじゃなくてっ」
「他の人が、浩二の味、知ってるなら、俺も……」  
 飲み込まなくてもいま充分、味わっただろうに。  
 そんなことを考えている隙にも、俺が差し出していた手を鈴が掴んで、精液が乗ったままの手のひらに舌を這わす。
「ちょっ! 駄目だってばっ」  
 なんでこんなことするんだ、この子はっ。  
 慌てて手を引くが、鈴が両手でがっちりとキャッチしている。  
 もう片方の手で、鈴の頭を掴むようにして引き剥がした。
   
 少し減ってしまった気がする。  
 まあ、そもそも鈴が全部、ちゃんと出してくれたかも怪しいけれど。  
 出したからこそ、いま、こうやって手の平に食いついたんだよな。
 こんなことなら、俺も手で受け止めずに、外なんだから地面に垂らさせちゃえばよかったかも。
「鈴……。大丈夫?」
「ん? 味? 大丈夫」
「それだけじゃなくって。さっき。苦しかったでしょ。あんな無理しなくていいから」  
 鈴は少し、辛そうな表情で視線をそむけた。
 「浩二が……気持ちいいと思ったからしたのに。なんで、しなくていいって言うの?」  
   
 ……鈴が、俺のためにしてくれた。  
 ソレを、俺はしなくていいって。  
 まるで、余計なお世話だとか、お節介だとか。  
 鈴からしてみれば、俺がそんな風に言っているようにも取れるだろう。
   
 そうじゃないんだけど。
   
 本当に、俺って最低だ。  
 鈴ががんばってしてくれたのに。
「鈴……違うんだよ。すごく嬉しいんだけどっ……。鈴の口ん中、無理に入れちゃったからっ」
「もしも俺が嫌だったら、途中で離してる。いいから続けてるんだよ」
「……うん」
「……浩二が嫌だったんなら、謝る」
「……嫌じゃ……鈴がいいならっ……。すごく気持ちよかったし」  
 やっと、鈴はにっこり笑ってくれた。
「よかった。浩二がそう言ってくれて」
    
 どうしよう、俺。  
 もうホント、鈴には逆らえないな。