「はぁっ…っ…んっ…」
「最後までは、しませんよ…。安心して…」
深刻そうな顔して、トイレに誘うからなにかと思えばっ。
個室に押し込まれた俺は、後ろから抱きこまれ、ズボンのチャックを下ろして直にこすりあげられて…。
俺はもう、教科書を落とさないようにするのでいっぱいいっぱい。
こんなとこで、教科書落としたらシャレになんないってば…。
絶対、落とすもんか…っ、ってそんなん考えてる場合じゃないんだろうな。
今は、授業中だけど、俺は休み。
柊先生は、いつもなにしてるんだろう。
3年生の校舎をなぜかうろついていた。
俺だってまぁ、教科書持ってうろついてたけど。
俺は、3年担当の数学教師だし。
次の授業でコンパス使う予定だから、数学準備室に取りに行かなきゃって思ってたんだよな。そういえば。
だから、次の授業に備えて早めに職員室を出てきたんだった。
「っ…ずるい…ですっ」
「なんで…?」
「だって…っ」
なにか、悩みでも相談してくれるのかと思ったのに。
はじめて、柊先生の方が、俺に頼ってくれるのかなぁとか、思ったのに。
「っんっ…はぁっ…何…っ」
「何って?」
「ぁっっ…離…っ」
やば…。
おかしくなってきた。
「なんで…っこんな…っ」
「…明日から、修学旅行でしょ…?」
「んっ…はい…っ」
3年生の担任だから、俺もついて行く。
もしかして、離れ離れになるから…とか…。
なんか…うれしいかも…。
…あれ…?
「…あの…っ…」
「なに?」
俺がなにかを話そうとしてるのがわかってか、こすりあげていた手をそっと止めて、首筋に軽くキスをする。
「ん…。柊先生は…行かないんですか…」
保健の先生って、ついてくるもんだと思ってたんだけど…。
「俺は、学校に恋人がいるので、残ります」
え…?
体が、強張る。
恋人って…?
そう。
男同士なんだし、恋人の一人や二人…。
いてもおかしくない…のか?
いや、おかしいだろ。
恋人ってのは、普通1人しかいないはずで。
どっかの国の王様は、何人か妻を娶るとかあるけど。
ここは日本だし、柊先生はどっかの国の王様ってわけじゃないし。
もしかして、王様気取りなのかもしれない。

というか、俺は恋人じゃないから、いいか…別に。
でも、付き合ってほしいって言われたことあったような。
恋人がいるならそういうこと言うか?
俺が答えないから?
「宮本先生…? 黙らないでくださいって」
「え…あ…。恋人…いるんですね…」
「冗談だったんですけど」
なんでもないみたいにそう言うと、あまってる方の手で、俺の教科書を取り上げ、洋式トイレの上に置く。
あぁあ…。まぁ、そこならまだ床に落ちるよりいいか…。
というか、冗談…?
「っあの…っ」
俺が話そうとしてるのに、今度はわざとなのか、直につかんだ俺のモノを擦り上げる。
「っひぁっ…んぅ…」
慌てて、空いた手で口を抑える。
「っんっ…んぅ…っ」
足がなんかもつれそう。
「逆向きます?」
どういう意味か理解する間もなく、柊先生が、俺を後ろから抱いたまま、体の向きを変える。
俺の目の前に、ドアがある状態。
「っ…は…ぁ…せんせ…」
体に力が入らない。
ズボンが膝あたりまで落ちる。
柊先生が、俺の腰を掴んで引くもんだから、目の前のドアに手をついた状態で、腰を突き出してしまっていた。
「っ…柊せんせ…」
そっと後ろを振り向くと、柊先生は、フタのしまった便器の上に座って、俺を見る。
「修学旅行。俺にも行ってほしかったですか?」
あ。
行かないってのは、冗談じゃないんだ…?
柊先生は、少し身を乗り出して、俺の下着をずり下ろすと、双丘を両手でつかむ。
「せんせっ…最後までしないって…っ」
「えぇ。宮本先生が望まないなら、最後までしませんよ」
そう言いながらも、柊先生は顔を近づけて、秘部へと口付けた。
「っな…っ」
振り向いてる格好が苦しくて、前へと向き直る。
「っん…ゃ…」
場所がトイレだけにソコは、いろいろと生々しく考え込んじゃうってば…。
「柊せんせっ」
舌が入り込む感触がする。
「っぃや…ぁ…っあっ」
舌でソコを濡らしながら、指先をそっと差し込んでいく。
「っんぅっやぁあっ…」
「後ろだけで、ずいぶん、声出すようになりましたね」
やばい。
最近、恥じらいというものがなくなってきているのかもしれない。
というか、もう、恥よりも先に、なんでこんなことをするのかとか、気持ちいいとか考えちゃって…。
「…っひぁっ…あんんっ…っやあっ…」
頭がボーっとする。
というか、頭の芯が熱くなってるような変な感覚。
少し物足りないような1本の指先が何度も出入りしながらイイところを擦っていく。
「ぁっあんっ…やぁっっあっ」
抜き差しされる指に合わせたリズムで声を漏らしてしまう。
気持ちいい…。
そのときだった。
キーンコーン…って…
授業終了のチャイム音。
「っんっ…」
なんか。
この先生のことだから、わざと休み時間に合わせてやってるような気が…。
「っんっやめっ…っ」
「どうして…? 気持ちよさそうなのに」
生徒が来たらどうするんだよ。
というか、来るだろ。
誰も来ない可能性の方が低い。
「声、殺せない…?」
柊先生は、立ち上がって俺の耳元でそう言うと、指を2本に増やして中を掻き回す。
「っやぁあっっ…んっ…だ…めっ…」
ドアへとつい爪を立ててしまっていた。
「っはぁっやぁっ…やっ…んぅんっ…」
休み時間になったこともあり、あたりがザワついてくる。
数人の生徒がトイレに入ってくるのがわかった。
もう、個室がひとつだけしまってたら怪しいじゃないか。
しかも、休み時間になって間もないのにもうしまってるなんて、授業中、ずっと我慢してた人が慌てて入ったみたいで。
もしくは、授業中から入り込んでる。

声…殺さなきゃ…。
「っはぁっ…んっ…ンっ…くぅンっっ」
2本の指が、中でうごめくたびに、体が震えて立っているのでさえつらくなって来る。 自然と、腰が柊先生の方へと寄ってってしまってる気がした。
上半身が段々と低い体勢になっていく。
必死でドアにすがりついていた。
「せんせ…っやっあっ…イく…もぉっ」
柊先生は、俺の中から指を引き抜いて、そっと俺の肩を叩く。
「…やっ……」
「じゃ、生徒も来ちゃったみたいですし、止めますか」
なんでもないみたいにそう言った。
2人で、今ここから出てったら危ないだろ…?
とか、そういった問題の前に、こんな状態で止められたら俺が苦しい。
「宮本先生がしてほしいなら、しますけど?」
止めるとか言ったくせに、前に回した手で、俺のモノを包み込んで指先で亀頭を撫でる。
「っくぅ…ンっ…や…」
ヌルっと指先がすべる感触がした。
さっきまでさんざんいじられていた後ろの方がおかしくなってくる。
「ゃ…っ願…っ…せんせ…」
「なんですか?」
なんですか? じゃなくって…。
わかってるはずなのに、わかってないみたいに、俺のモノを何度も擦り上げる。
「っっは…ゃくっ…お願…っ…入れ…っ」
駄目だ、俺、変なこと言ってる。
今、入れられたらホントに声なんか殺せそうにない。
だけど、もう我慢出来ない。
「声、殺せるんですか?」
「っもぉっ…ぃい…っ」
こんなとこで止められるほうがよっぽど苦しい。
「わかりました」
そう耳元で答えるとすぐ、すでに昂ぶった柊先生のモノが後ろから一気に押しこまれていく。
「っやぁぁあっっ」
あまりにも一気に押し込まれた刺激で、膝がカクンと砕けかける。
それを柊先生が、俺の体を支えて、なんとか持ちこたえた。
「そんなに大きな声、出しちゃさすがにやばいですよ」
くすくす笑ってそう言われ、顔が熱くなる。
それでも、柊先生のモノが出入りされると、やっぱりゾクゾクして声が殺せない。
「っひぁっ…んっ…やっ、あっぁんっ、あっ…ゃあっ」
激しく内壁を何度も擦り上げられて、感じるところを突かれて、羞恥心を感じる余裕さえもなくなってきていた。
それに、ザワついてるせいか、逆に自分の声が聞き取れなくて、たぶん、変な声とか出してるんだろうけど、いつもより羞恥心が薄れている。
そのザワつきが生徒の声だなんて、もう忘れてしまっていた。
「ンゃあっ…イくっ…出るっもぉっやあっ…」
後ろを貫きながらも柊先生は、前に回した手で、俺のモノまで擦りあげる。
もう死にそう。
「やぁあっ…あっ…ゃあっ…ぁああぁあんんっっ」




「…最後まで…やらないって…」
「中出しはしてないじゃないですか」
「っでも最後まで…っ」
「宮本先生が望まないなら、最後までしませんって言ったでしょう? 宮本先生がいやらしくほしがったじゃないですか」
いやらしくって…っ。
「そんなことっ」
「覚えてないんですか? 早く、お願い、入れてって」
覚えてるからなおさら、なんだかしてやられた気分…。
もう絶対声聞かれたし、ここから出られない…。

少したつともう授業が始まってしまう。
やっと俺たちは個室から外へと出た。
「もう…柊先生のせいで、俺…職務放棄に…っ。俺が、給料ドロボーとか言われるんですよ、やめてくださいっ」
そう言い残して、教科書を胸に抱えながら、さっさとトイレをあとにした。
授業内容はともかく、時間くらいはまじめに厳守したいのに。


俺は、急いで次の教室、3年6組へと向かう。
もう数学準備室行ってる余裕はなかった。

「ごめんっ、遅れて…」
ドアをあけつつそう言うと、中には別の先生…。
「あ…れ…? 桐生先生…?」
現在4年生担当の数学教師だ。
なんで…? 俺、間違えた?
違うよなぁ。4年生担当の先生がいるとこですでにおかしいし。

桐生先生はにっこり笑うと、なにも言わずに俺のところへと近づいてくる。
「あ…の…」
「もう少し、柊とゆっくりしてきてくれて構わなかったのに」
耳元で、生徒には聞こえないようにそっとそう言う。
「え…」
声聞かれたとか…?
「なん…で…っ」
「頼まれたんだ、柊に。この授業、宮本先生出れないかもしれないからやっとけって。俺、空きだから」
あ、柊先生、俺の代わりに桐生先生に授業頼んでくれたのか…。
「って…。俺が出れないかもしれないって…」
「やりすぎてでしょ」
あっさりなんてことを…。
「いつ…頼まれたんです…?」
「昨日だけど…?」
そこまで、計算済みだったのかっ!?
おかげで一応、助かった…といえば助かったけどっ。

やっぱり。
柊先生には、かなわないなぁとあらためて実感した。