『今、ココでして。家ではなにもしない』
 
そう言われたけれども、結局、保健室ではほとんどなにもしなかったわけだし。  
家で……だよな。  
というか、そうでないと、誘った意味がないっていうか。
 
そう。  
恥ずかしながら今回は、そういうことをするために家に呼ぶわけで。  
 
別に柊先生だって、嫌ではないよな?  
もともとは柊先生がして欲しいって言ってたわけだし。  
 
俺もすごく気になって仕方が無い。  
罪悪感?
 
中途半端に手を出されたせいで変にむらむらしてしまう。  
最悪だ。
 
少しだけ部屋を片付けて……と。  
家には、一応少しくらい缶ビールはある。  
けれど人に出すような物ってわけでもないし。  
買い足すべき?  
柊先生、持ってきてくれるって言ってたしいいよなぁ。
 
そうこうしているうちにもインターホン。  
柊先生だ。

「こんばんは」
「あ……どうぞ。その、まだちょっと散らかってるんですけど」
「構いませんよ」  
 
柊先生を招きいれ、じゅうたんの上、座椅子に座ってもらう。
「すみません、俺んち、普通の椅子なくて……」
「そんな、気にしないでください」  
とりあえず、コップとかいるよな。  
そう思い、キッチンへと向かおうとした俺の手を柊先生に取られてしまう。
「……先生?」
「先に少し、遊びません?」  
先にって。  
ご飯やお酒より先に?
 
酔わずに?
「座って」
「あのっ」  
強く腕を引かれるがまま、柊先生の隣へと向かい合わせる方向で座り込む。
「ここ、壁薄い?」  
なんで、そんな確認を……っ。
「そんな……薄くないとは思いますけど」
「じゃあ、たっぷり声出しても平気ですね。けど、薄い方が聞かれそうで萌えました?」  
もう完全にやる気満々じゃないか、この人。  
いや、俺もそうなんだけどさ。

「学校では我慢したんです。駄目ですか?」
「駄目……ってわけじゃないんですけど……っ。こんな急に……っ」
「駄目じゃないんだ? それに、我慢したのは俺だけじゃないですよね」  
そうだ。  
俺も我慢して……というか、その気になってるのに、柊先生が止めるから。  
いや、保健室だし止めて正解なんだろうけれど。
「俺……っ」  
なにをどう言えばいいのかわからない。  
柊先生が俺の体を押し倒す。  
上に圧し掛かられ、見下ろされてしまう。  
それだけで、ドキドキしてしょうがない。
 
なんか企んでる?  
柊先生の手が、シャツの上から俺の胸元を執拗に撫でていく。  
だから、そんなとこ……そう思うのに体が熱くなってきた。  
やばい。
「ぁ……先に……ん、飲みません?」
「……酔いたいの?」  
言い当てられ、顔が熱くなるのを感じる。  
俺たぶん、顔赤い。  
軽く顔を横に向け、さりげなく視界から逃れる。  
しかも俺、先にって……。  
あとからこういうことしようって言ってるみたいだし。  
酔いたいのって、聞かれても。
「そういう……わけじゃ」
「酔って、どうするつもりです? こないだ酔ったらどうなるか、お互いわかったはずでしょう?」  
そう。  
酷いことになった。  
その上で、酔いたいだなんて。  
いや、違う。  
酔いたいとは伝えていない。  
ただ、お酒が飲みたいだけ。
「少し、先に飲むだけで……っ。酔いたいわけじゃ……」  
ホントは少しは酔いたいけれど。
「……いいですよ。酔わない程度に飲みます?」  
いや、酔わないと困るような。  
それでも頷くと、理解してくれたのか柊先生はやっと俺の上から体をどかしてくれる。  
体を起こし、やっと俺は立ち上がり、そそくさとコップを取りに。

「あ、宮本先生、そこまで冷えてないですけど、大丈夫ですか?」  
そうか。  
柊先生の所から家に来るまで、それなりの時間が。

「じゃあ、氷入れますね」
「はい。そんなに早く飲みたいんですか」  
くすくす笑われてしまう。  
そうだ。  
味も薄まるし。  
普通に冷やせばいいものを。  
その時間すら惜しんでるかのよう。
「いえ、その……」
なにも言い返せないな。  

氷入りのコップを机の上に置くと、柊先生は持ってきてくれていたお酒を注いでくれる。
「宮本先生、お疲れ様です」
「あ、お疲れ様です」
コップを差し出され、軽く乾杯。  
少しピンク色のお酒。  
なんかかわいらしいな。  
 
飲んでみるとわりと甘い。
「酔えそうですか?」  
柊先生が企むように俺に聞く。
「あの……俺、別に酔いたいわけじゃ……」
「俺としては、宮本先生に酔っていただいても、大歓迎ですが」  
実際。  
酔いたいんだよな。  
少しだけ。  
恥がなくなる程度に。  
けれど、理性は飛ばさないで。
 
コップ1杯飲み干してしまうと、小さめのテーブルを挟んで向かい側にいた柊先生が俺の頭をそっと撫でる。
「そんなに一気飲みして、大丈夫?」
「……大丈夫です」  
まるで、酔いたがってるみたいって。  
ばれそうだよな。  
というかばれてる?  
頭撫でられることって、そんななかったよな。  
妙にどきどきする。
 
柊先生はすぐさま、俺の空いたグラスへとお酒を注いでいた。  
どうせ一杯じゃ酔えないしな。  
2杯目。  
怪しまれない程度の速度で、飲もうかな。  
そうだ。  
酔すぎても困るし。
 
「体、まだ熱くない?」  
なんか、見守られながら飲むってのも、変な感じ。  
……もしかして、変なクスリとか入って……?  
いや、大丈夫だよな?  
疑って、柊先生に聞くのもなんだかやらしいし。
 
頬を撫でる柊先生の手が冷たく感じた。  
熱くなってるのはお酒のせいなのか、柊先生の手がいやらしいからなのか。

「3杯目、飲みます?」  
あ、俺なにまた一気に飲んじゃってんだよ。  
これ、度数高いのかな。  
緊張しすぎてか、酔えそうにないんだけど。  
緊張した方が酔いって早いっけ?
ともあれ体が熱いのは、こんな風に真正面から見つめられてるせい?
 
もう、いつもの俺なら軽く酔っていもおかしくはない……かもしれない。  
恥ずかしいには変わりないけれど。
『酔っているから、こういう行動に出てるんだ』って、柊先生が思ってくれればいいよな。  
 
無礼講っていうか。
「あの……」
「酔ってきた? 危ないのでもう飲むのやめときます?」
「……はい。飲むのはもう……」  
 
さっき、先に飲もうって提案しちゃって。  
それを終わらせようとしてるってことは、さっきの続きがしたいみたいで。  
恥ずかしいよな。
 
柊先生の手が、俺の頬を撫で、髪をかきあげてくれる。
机越しのこの距離がなんだかもどかしい。  

「おいで」
あ。  
呼ばれて……。  
俺、もどかしいって思ってるの読み取られた?  
顔をあげると、目が合って、なんとなくそっと視線を逸らした。
 
座ったまま、柊先生の下へと歩み寄る。
「宮本先生の方から誘ってもらえるとは思ってなかったんで。嬉しいです。なにかあったんですか?」  
なにかって。
「いえ、お礼してなかったなって思って……」  
本当は、口でしようとか考えてて。  
……今、言おうか。  
このままの流れだと、きっと普通にやられて終わりだ。  
やられながらなんとなくそっちに持ってくって手もあるけれど、そんなこと俺に出来るかどうか。  
難しいよな。
 
やっぱ言うしか。
「昨日……俺だけイっちゃったじゃないですか。あ、昨日に限らずなんですけど。そのお礼っていうか、俺も……なにかしようと思って……」
「気にしなくていいですよ」  
いや、そこで終わっちゃ困るんですけど。
「でも……」
「なにか、してくれるの?」  
顔をあげると、またじっくりと見つめられてしまう。  
頬を撫でられて、視線がそらせなくなった。

「は……い」  
なんだか涙が出そうなくらいに恥ずかしい。  
 
今、舐めてって言われたら、する覚悟は出来ている……と思う。  
一舐めくらいして、その後難しいってなるかもしれないけれど。  
とりあえず。  
拒むことは簡単だ。  
だから言って欲しいんだけど。  
言ってくれない……よな。  
 
じゃあ、手を出してみる?
「なに?」  
なにって。  
口でって言う?  
つい、視線が柊先生の股間へと走る。  
あ。勃って……。

「……手で、してもいいですか」  
とりあえず。
「はい」  
恥ずかしいけど、柊先生のズボンのチャックをおろし、ボタンも外して取り出してしまう。  
こんなまじまじと見ることってそうないよな。  
触れると熱くて、掴むとすごく硬くて。  
変な感じ。  
こんなの、咥えられるのかな。  
人の擦るなんて初めてだ。  
強すぎない?  
大丈夫かな。  
少し擦っただけで、またその物量が増す。  
 
不意に、前を向くと柊先生と目が合った。
「な……っ」
「かわいいですね。なんか真剣に俺の擦ってくれて」
「そんな……あの、痛くないですか」
「はい。もうちょっと強くても平気ですよ」  
このまま、もし手でイかせちゃったら、口でする流れには持っていきにくいよな。
「いやとかじゃ、ないです?」
「はい。イイですよ」  
じゃあ。  
大丈夫そうだよな。
「その、ベッドとか座って貰っても」
「はい」  
目配せすると、すぐ後ろのベッドへと柊先生が腰掛けてくれる。  
俺はその前に、正座に近い形で座り込んだ。
これで、目の高さ。
すぐにでも出来る。
とりあえずは、また柊先生のを手に取って擦りあげていく。  
このまま、舐めてみる?  
 
いまさら、電気消したくなってきた。  
いや、でもどちらかといえば、俺よりも股間丸出しな柊先生の方が恥ずかしいんじゃ。
 
いきなり舐めたらびっくりするよな。  
じゃあ、宣言する?  
それもおかしい。  
 
また顔を上げると、目があった。  そっと、頭を撫でられる。  
このまま。  
いけそうかも。  
 
自分からではあるけれど、柊先生に頭を引き寄せられるようにして、顔を近づける。  
 
柊先生は無理に俺の口にねじ込むこともなく、中途半端に俺の髪を弄ぶ。  
あとは俺次第だ。
 
どうしよう。  
うん、いこう。
 
舌を出し、そっと裏筋に触れさせてみる。  
柊先生の表情を盗み見ようにも難しいから、もう見ないことにした。  
 
あとはされたいようにしてみる……か。  
とはいえ難しい。  
とりあえず、裏の筋をなぞるみたく舌を這わすとそれだけでまたおっきくなった。  
 
俺の舌、気持ちいいんだ?  
なんかそういうのやっぱり嬉しいかもしれない。  
すごく恥ずかしいけれど。  
酔ってたんですって言えばやり過ごせるよな。
 
それよりこの状況。
興奮して、俺も熱くなってきていた。  
自分の、手で擦りたい衝動にかられる。  
けれど、そんなこと出来ないよな。  
そう思っていたときだ。  
 
自分の股間に圧力を感じる。  
いきなり。  
なに。
「……あ……」  
つい舌先が離れてしまう。
柊先生のを手で掴んだまま、自分の股間を見下ろし確認すると、ズボンの上から柊先生が俺のを足で踏みつけてて。
もちろん、思いっきりつぶされるとかではないけれど。
足の裏で擦られる。  
というか、揉まれてる?  
わからない。  
信じがたい。  
少し、柊先生の足が動かされるとその刺激に体がびくついた。
「んぅっ……っ」
「硬いね。俺の舐めて、興奮した?」  
柊先生の舐めて興奮とか。  
違うって、言いたいけれど否定できない。
 
「っ……俺っ」
「芳春……顔あげて」  
芳春って。  
顔を上げると、サドっぽい表情で俺を見下ろす柊先生。
「あ……足っ」
「うん、踏まれて、気持ちイイ?」  
ぐっと、柊先生の足に力が入った。
「ぅあっ……んっ」  
つい空いた手で、柊先生の足に爪を立てる。
「何度も足動かしてるとさ、どんどんズボンの下で張り詰めてんの、わかるよ」  
ぐにぐにと、揉まれるみたく擦られ体中が熱かった。
「はぁっ…やめっ……」
「言ってごらん」  
言ってって。  
気持ちいいかどうか?  
駄目だ、もう。  
気持ちいい。  
たぶん、体だけの問題じゃない。  
こうやって、踏まれてるこの状況に、俺自身興奮しているんだと思う。

「っん……っ」
「こういうの好き?」
「ぁっ…ん……違……っ」
「違うって?」  
こんなの。  
踏まないで欲しいのに。
「はぁっ……やめてくださ……っ」
「どうして」  
このままじゃ、たぶん、やばい。  
いきそう。  
伝えないとやめてくれないよな、この人。  
伝えたらやめてくれるのか?  
わからないけど、現状維持じゃ困るわけで。  
 
黙っていると、催促するように柊先生の足が、俺のを少し強めに擦る。
「んぅっ! もうっ……ぃっ…んっやっ」
「なに?」
「っ…ん、くっ……いくっ……から、やめっっ」
「いきそうなの? 踏まれて?」  
踏まれてって。  
……確かにそうなんだけど。  
こんな風に擦ったり、押さえつけたりしてくるからだ。  
ただ踏まれてってわけじゃ……。  
俺、なに言い訳考えてんだろ。  
足でされてるってことには変わりない。  
足で、されて、イクとか。  
無いってば。
   
そうだ。
柊先生のを擦ってやれば、気が抜けて、少しくらい足緩めないかな。  
俺は握ったままだった柊先生のモノをそっと擦る。
「一緒にいかせてくれるんですか?」  
って、そういうつもりじゃ……っ。  
柊先生は全然足休めてくれないしっ。  
どうしよう。  
わかんないし。
「あっ……俺、服っ」
「そうだね。直接でもないのに。すごい感じてる。もっと踏んであげますね」  
踏むって、どうして。  
 
そう思うけれど、強めに踏まれ足を動かされると、俺もまた腰が動いてしまう。
「ぁっあっ……ん、ぅん…っ」  
やばい。  
これ、ホントにいっちゃう。
「やめっ…んっ…あ、やめてくださっ…もうっ」  
耐えるよう柊先生の足を掴むがどうにもならない。
「やっめ……あっっ……俺っ…やっあっ! んっんーーーっ!!!」
 
ああもう最悪だ。  
ズボンはいたままなのに。  
イっちゃって。  
脱力状態。  
力なく柊先生の足に頭を乗せる。  
と、その頭を柊先生が撫でてくれ、そっと上を向かされた。
 
指先が、唇に触れ、口の中に。  
舌を撫でられると、むずがゆいようなくすぐったいような感触がして、どうにか逃れようと思うのに、もう片方の手でがっちりと顎を掴まれてしまう。
「ぁっ……」
「くすぐったい? すごい、エッチな顔してる」
「っ…っ…はぁっ」  
そんな風に口に指入れられたらうまく話せないし。

「かわいいよ。俺の手にこんなに唾液垂らして……」  
あ、俺、すごいヨダレ出て……って、これは不可抗力っていうか。  
そんな指突っ込まれて、探られて、口あけさせられたら出ちゃうって。  
そっと指を引き抜かれ、目を向けると確かに、柊先生の手が俺の唾液で濡れていた。  
恥ずかしいし。  
その指先、やらしいなって思ってしまう。

「イっちゃったよね? ココ」  
足でまた軽く踏まれて場所を示す。  
濡れて気持ちが悪くて。  
なんか、漏らしたみたい。  
漏らしたっていうか、昔、夢精したみたいな。  
ガキがあるまいし、最悪だ。
「脱ごうか?」
「あ……その」
脱ぐって。
この場ではちょっと、恥ずかしいような。
「向こうで服代えてきます」
「なんで、代えるの? このあと、する気ない?」
「そうじゃ……ないんですけど」
「じゃあ、どうせ脱ぐんでしょう?」  
どうせ脱ぐ。  
わかってる。  
けど、向こうで脱いでそのままなにも穿かずにここに戻ってくるのは正直つらい。  
でもって、今、この状態で、脱ぐのもすごくつらい。  
 
精液まみれの濡れた下着やらを見られるわけで。  
うわ、絶対無い。それは無いってば。
「無理ですってっ」  
俺も感情昂ぶってつい勢いで否定的なことはっきり口に出しちゃったし。
「いえ、そのっ! 中……やばいことになってそうで」  
恥ずかしい。  
いやもう、この状態でイった時点で恥ずかしすぎるんですけど。
「いいですよ」
「なんか、ぐちゃぐちゃだろうし……」
「わかってます」  
わかられてます?
「あの……脱いで、拭いて戻ってきますから」
「脱いで欲しいっていうか。脱いで、見せて欲しいんですけど」  
にっこりと。  
なんてことを。
「っ変態ですかっ?」
「いまさらなに言ってるんです?」
「そんなの見たいだなんて」
「いや、恥ずかしがってる宮本先生が見たいんですけど」  
じゃあもう駄目だ。  
恥ずかしいからという理由はことごとく跳ね除けられる。
「俺、別に恥ずかしくないですから。そうじゃなくてただ、着替えるだけで」
「顔真っ赤ですよ。恥ずかしくないんですか? じゃあ、いいじゃないですか」  
くすくすと笑われてしまう。  
ああもうっ。  
俺も、自分でなに言ってんのかわからなくなってきた。

「よくないです……っ」
「やっぱり、恥ずかしいんでしょう?」  
本当に、俺、顔真っ赤なんだと思う。  
熱い。  
頷くと、頭を撫でられた。

「本当は、自分で脱いで見せて欲しかったんですけど。いいですよ。俺が脱がせますね」  
結局、ここで脱ぐのか?  
だとすれば、脱がされる方が恥ずかしいような。  
わかんないけど、自分でなんて脱げる気もしない。
「それもっ……なんだかっ」
「脱がされる方が恥ずかしい? じゃあ、こっちで正解ですね」  
正解とか。  
なんていうか、脱いで見せて欲しかったっていう柊先生の期待みたいなのに応えられない罪悪感からは逃れられたけれど。
 
少し強引に俺を引っ張りあげるようにして、ベッドに乗せられる。  
動くと、濡れた感触が気持ち悪かった。  
やっぱり早く脱ぎたい。  
 
寝転がらされて、上から見下ろされて。  
どうしよう。
「恥ずかしい? 漏らして、着替えさせてもらう子供みたいで、かわいいですね」
「なっ……」  
ああ確かに。  
そんな感じで、恥ずかしい。
「あ、俺やっぱ自分で……っ」
「遠慮しないで」  
遠慮とかでなく。  
こっちの方が恥ずかしいってわかったとたんに、柊先生の食いつき度が増した気がする。

「自分で……脱ぎますからっ」  
そう言った直後くらいに、柊先生が俺のをズボンの上からぎゅっと掴む。
「ぅあっ」
「聞こえる? ズボンの上からでも、くちゅくちゅ言ってる」  
耳元で教え込まれて、恥ずかしくて顔を逆方向に向けて逃げる。
「やっ……あっ……」
「ああ……また、おっきくなっちゃって。ホントにエッチな体だ」  
もともと恥ずかしかったのに。  
それでまた大きくしてるとか、恥ずかしさ倍増。
「んっ……やっ」
「濡れて気持ち悪い? それとも気持ちいい? 脱ぎましょうね」  
少しからかうように、俺を子供っぽく扱って、ズボンに手をかけられる。
 
このときの柊先生は、いつになく楽しそうだった。  
こういうの、好きなんですね……。
俺の身、持つかな……。