ああもう、なにやってんだ俺。 こんな風に先生に抱き着いて。 してしまったあとでふと冷静になってしまい自分の行動が恥ずかしくなる。 そっと腕を離すと、柊先生は俺をジっと見て軽く笑った。 「ん……どうしたんですか。そんなに甘えて」 「っ……甘えてるわけじゃないですっ」 「でも、セックスの後に抱き着かれるのってなんかいいですね」 まるで恋人同士みたい……とは言われてないけれど、勝手にそんなことを思ってしまう。 そんな自分の考えが恥ずかしくて、俺はそっと顔を背けた。 「……芳春……。今日、うちにおいで」 「は……?」 唐突な柊先生の言葉に体が固まる。 今日? 今日って月曜日だぞ。 まだ週の初めだ。 それなのに柊先生の部屋なんて訪ねても、大したこと出来ないじゃないか。 ……いや、大したことしようってわけじゃないけど。 「……なにか、するんでしょうか」 「警戒心丸出しですね。芳春がかわいくてなにかしたくなっちゃった」 「もうしたじゃないですか!」 「体力的にキツい?」 「……体力だけじゃなくって、なんていうか俺、一応新米教師なんですよ」 「遊んだ方が息抜きになりますよ」 遊び過ぎじゃないだろうか。 平日は仕事に専念した方が……って、学校でこんなことしてる俺が言えることでもないけれど。 ここは越えてはいけない一線のような気がしてしまう。 柊先生の家に、平日から入り浸ってしまっては、今後もまた求めてしまうんじゃないかって……。 「あの……珍しいですね。柊先生がそうやって平日に誘うのって」 「そうするつもりはなかったんだけどね。さっき宮本先生に抱き着かれて、俺も我慢出来なくなっちゃって」 「我慢って。もうしたなじゃいですか。いろいろ」 「……口でして? 芳春」 「っ……」 頬を撫でながら、優しい口調で頼まれてしまう。 なんだか、わけがわからないくらいに顔が熱くなり、心臓がバクバクと音を立て始めた。 嫌ではない。 ずっとしようと思ってたこと。 それならセックスするより肉体的負担は少ない。 精神的負担はどうだか微妙かところだけれど。 そんなことより、こんな真正面から頼まれて、これ以上先延ばしにするのは気が引ける。 ……申し訳ないという気持ちよりも、呆れられないかってそういった不安の方が大きい。 柊先生の飲みの相手に対する嫉妬心も、少しだけまだ残っていた。 「……とりあえず、行きます」 俺がそう答えると、唇に軽くキスをしてくれた。 保健室でしてもよかっただろうになんでわざわざ家に……。 いや、俺の感覚おかしくなってるな。 保健室でしていい行為じゃないってば。 シーツを取り換える柊先生をしり目に自分の携帯を確認すると、奏汰からの着信履歴が残っていた。 「……ちょっと友人から電話かかってたみたいなんで、電話しますね」 「どうぞ」 柊先生に聞かれて困る内容でもないだろう。 奏汰の声までは聞こえないだろうし、柊先生は片づけの真っ最中だ。 ……俺、片づけ手伝った方がいいのかな。 とりあえず、ここは柊先生に甘えて、俺は奏汰へと電話をかけることにした。 『あ、みやもっちゃん? 仕事終わった?』 「うん、まだ学校だけど一応。どうした?」 『その……土曜日、俺の声聞いたよね』 そういえば、奏汰のいやらしい声を聴いてしまったことを今思い出す。 言われなきゃ別にスルーしたのに。 奏汰としても気にかかっていたのかもしれない。 「まあ、別にいいよ、そういうのは」 『それでさ。一応確認なんだけど、結局みやもっちゃんって……やったの?』 「……なにを?」 『だから、男とセックスをだよ』 ……さすがにもう隠しても仕方が無いかなぁなんて思えて来た。 「奏汰は? 椿さんとしたの?」 一応、保険をかけて先に聞いてしまう。 『……途中まで』 まるで女子高生みたいな返答が返って来て聞いているこっちの方が恥ずかしくなる。 「……それで、わざわざその確認の電話?」 『なあ、こんなのみやもっちゃんにしか相談出来ないんだから、聞いてよ』 確かに、男同士のそういうものは相談する相手を選ぶだろう。 「……少しなら聞くけど」 『あ、もしかして今、暇じゃないの?』 「……5分くらいなら大丈夫かな」 『……じゃあ、とっとと本題に入るけど。その……みやもっちゃんがやってる前提で話していいわけ?』 このままじゃ話しが進まなそうなので、これを機にさらっと伝えるか。 奏汰もしたらしいし、ほとんとバレてるようなもんだし。 「……いいよ。その前提で」 『そ……っか。あのさ。俺、偏見はないからみやもっちゃんがそうでも別にいいから』 「うん……。まあそれはありがたいけど。それで?」 『俺、いたってノーマルなのにさ。椿さんがいろいろしてくるんだ』 類は友を呼ぶ……という言葉が頭に浮かぶ。 まさしく俺だ。 『ドライでイかされて、めちゃくちゃ気持ちくて……。男同士って、こんなんなんだって……』 「え……?」 ドライでイかされてって……。 知識はある。 射精を伴わないイき方。 女の人がイク感覚と似てるらしいんだけど、実際にはどうなのかよくわからない。 「……どういう意味?」 『だから……ドライとか教えられたらクセになっちゃいそうっていうか。みやもっちゃん、大丈夫だった?』 「大丈夫って、なにが?」 『ドライでイクの、クセになっちゃってないかってことだよ』 「俺は……」 ドライではイかされてない。 だから、クセにももちろんなってない。 「……大丈夫、だよ」 ひとまずそう答えてしまう。 『それって、昔から1人で抜くときもドライでイってたとか?』 「そうじゃなくて……」 『じゃあ、意外とクセになったりハマっちゃったりしないんだ?』 「……人それぞれだと思うけど』 『そっか……。うーん。わかった。ごめんね。用事あんのに』 「いや、いいよ」 一応、納得してくれている様子の奏汰とは裏腹に俺はもやもやしたものが残る。 なに、ドライでイくって。 いや、わかるんだけど。 電話を切り、チラリと柊先生を確認する。 内容を聞いていたかどうかは定かじゃないけれど、俺の視線に気付いてかこちらを見てくれた。 「電話終わりました?」 「はい……」 「行けます?」 「え……」 「一緒に、家に」 「あ、はい。行きます」 一瞬、ドライでイけるかどうかを想像してしまった俺はなんてバカなんだろう。 男同士なら、やっぱりドライでイくやり方が自然なんだろうか。 そんなことより、今日は柊先生のを口でする方が先だ。 先なんだけど、聞いてみるくらいはいいだろうか。 柊先生の車に乗るとそれだけで少し緊張してしまう。 柊先生の家に行く目的が明確すぎるから。 とりあえずとは言ったけど、するべきだとは思っているし。 「はぁ……」 ついため息を洩らしてしまうと、横からすっと伸びて来た柊先生の手が俺の頭に触れた。 「そんな気負いしないでくださいね。無理なら一緒に夕飯食べるだけでいいんで」 「あ……はい」 下手に大丈夫です、やれますって言いきることも出来ないし、適当な返事をしてしまう。 そうこうしているうちにも柊先生の家まで着いてしまい、俺たちは2人部屋へと向かった。 連れて来られたところでどういった行動をとればいいのかさっぱりわからない。 頭の中では口ですることとドライでイくことの両方がぐるぐるめぐる。 「宮本先生、さっきはあんなに積極的に抱き着いてきたくせに、借りて来た猫みたいですよ」 「そんな……っ。積極的だなんて……」 「それとも、さっきの電話が原因? あのときからちょっと考え込んでるみたいだけど」 ああ、やっぱり柊先生にはいろいろと見抜かれてしまう。 「ちょっと友人が悩んでるみたいだったんで。でも、大丈夫です。すいません。俺……」 「いいですよ。芳春は友達想いだね。それで……どうする?」 「え……」 柊先生は、俺の体をそっと抱き寄せる。 なんだか胸の高鳴りを聞かれてしまいそうで距離を取りたいのに拒めない。 「……どうするって、なにを……」 「出来そう? シャワー浴びて来ましょうか?」 そりゃあ正直、浴びてくれた方がしやすいとは思うけれど、そんなことをされてはますます逃れられないだろう。 「さっきまで芳春ん中入っちゃってたしね。一度、浴びてくるよ」 恥ずかしいことを耳元で教えられ体が熱くなる。 「えっと、俺はその間、ここで待ってればいいんでしょうか……」 それは聞かない方がよかったことなのかもしれない。 柊先生はクスリと笑って、俺のネクタイを緩めてくれる。 「じゃあ、一緒に入ります?」 「……っいえ……待ってます」 「そう? いいよ。浴びてすぐ戻って来るから。冷蔵庫の中、勝手に探って食べたり飲んだりしてもいいですよ」 そう言い残して、ポンっと頭を軽く叩くとシャワールームの方に向かう。 俺はそれを引き止めることも出来ず、部屋に取り残された。 俺の意見を聞いてたんじゃキリがないとでも思ったのだろう。 浴びるだけなら10分……もしくは5分くらいだろうか。 その間に、決心しないと。 シャワー浴びたんなら柊先生の方が俺の口より綺麗なんじゃ……。 って、そこまで考える必要はないかな。 なにげなく、柊先生が口にした冷蔵庫を開けてみる。 こんな機会は滅多に無い。 こういう空いた時間にさらっとなにか料理が作れたらいい彼女なんだろうぁななんてことも思うが、そんなことは求められていないだろう。 「あ……」 ふと目に留まった酒のビンを手に取る。 おしゃれな入れ物に入っていて、まだ5分の1ほど残っていた。 もしかして、土曜日に飲んだっていうお酒じゃ……。 こんなおしゃれなお酒を持ってくる相手と? 今度、柊先生にお呼ばれした際には俺も何か……。 そう思った後、やっぱりなにか対抗意識を燃やしてしまっているような自分に気付く。 いや、そうじゃなくって、マナーとしてするべきことで。 「はぁ……」 そうこうしているうちにも、柊先生が出て来てしまうんじゃないかって、気が気じゃない。 とっとと酒の力を借りてしまうのも手だ。 食べたり飲んだりしてもいいって言ってたし。 むしろ、飲んでとっとと出来る体勢で迎えた方がいいのか? ……一口だけ。 酔いたい気持ちよりもたぶん、土曜日に柊先生たちが飲んだ酒の味が知りたい、そんな気分だ。 勝手にグラスを借りて、少しだけ注ぐ。 それでも迷っていると、響いていたシャワーの音が止まった。 このままじゃ柊先生が出てきてしまう。 俺は慌てて、グラスに注いだ酒を飲みほした。 「っ……」 大した量ではないけれど、喉や胃が熱くなる。 そういえばあんなに酔わない柊先生が酔ったくらいなのだから、強いのかもしれない。 なんて思ってもいまさら遅い。 そもそもこの酒だって確証は無いし。 「……あつ……」 けれども酔えるほどではない。 柊先生だって、たぶんシラフの俺にさせたいんだろうし。 それにしても、おいしい酒だな。 ビンを眺めていると、ガチャリと扉の開く音がした。 「あ……」 「ん、お待たせ。なにかいい物でもあった?」 つい酒のビンを持ったまま振り返ると、そこには上半身裸の柊先生。 妙に色っぽくて顔を逸らす。 「ああ、これね。飲んだ? 強いでしょ」 「……すいません、勝手に。少しだけ……ですけど」 「別にいいよ」 ふんわりと香る石鹸の匂い。 柊先生は俺から酒のビンとグラスを取って脇に置くと、俺の頬をそっと撫でる。 「……酔いたかった?」 「っ違います。そうじゃ……なくて。どんな味かなって」 「そう。今度また俺の前で酔ってください」 「なっ……」 「それはまたお泊り出来る日にでも、ね」 そう言って、口を重ねた。 「ん……」 当たり前のように入り込んでくる舌が俺の舌を絡め取る。 いやらしい音が頭の中に響いて、酒なんか無くても酔わされそうになる。 これから俺、柊先生の……。 緊張で体が強張る。 柊先生は、上半身裸の状態で俺の体をそっと抱いた。 「固まってますね」 「あ……えっと」 「それもかわいいんですけど。そろそろ限界なんですよね、俺」 限界。 それでも、俺の方からするって言うまで無理やりなにかさせる気はないらしい。 待ってくれている。 これだけ環境を整えられて、やらないなんてことは言えない。 「……あの、ベッド、座ってください」 そう言うと、そっと俺の体を離してくれた。 2人で向かったベッドに柊先生が座る。 俺はその前に立ち、柊先生に手を取られる。 「座ったよ、芳春。それで? どうするの?」 なんだ、これ。 めちゃくちゃ恥ずかしくって、すでに泣きそう。 電気……電気は消すべきか? ガキじゃあるまいしフェラくらいで電気消すとか無いよな。 「芳春?」 「あ、はいっ、すいませんっ」 名前を呼ばれ、慌ててその場に座り込んだ。 なにも言ってくれないけれど、やることは決まってるし柊先生は待っている。 俺だって嫌じゃない。 だったらするしかない。 だいたい処女じゃないんだから、相手のもん取り出すくらいで緊張してどうすんだよ。 男だし。 そっと手を伸ばし、柊先生のズボンのチャックを下ろす。 柊先生のモノを取り出し、手で掴む。 「あ……あの、勝手に掴んでよかった、でしょうか」 「いいよ。好きなようにしてごらん」 「あ、今日はその、踏まないでくださいね」 「わかりました」 以前、口でしている最中に足で踏まれてあろうことかイってしまった。 そんな失態はもう許されない。 柊先生のせいだけど。 俺は覚悟を決め、柊先生のモノを持ち上げながら裏筋へと舌を這わした。 チラリと、柊先生の顔色を窺うけれどにこりと笑うだけ。 恥ずかしくて、俺は目を逸らし、再度舌で筋をなぞった 硬く、大きくなっていくのを確認しながらペロペロとアイスキャンディのように舐めていくが、これが正しいと思っているわけではない。 口に含んで、舌をがっつり絡めた方がいいと思う。 出来る……だろうか。 大きく口をあけ、先の方を含んでみる。 歯を立てないように、優しく。 「ん……芳春。無理しなくていいよ」 「ん……ん……」 そうだ、きゅうりで練習しただろ、俺。 歯を立てないように、吸い上げて……。 「ん、んぅ……」 さらりと頭を撫でられ、その感触だけで体がゾクリとした。 ダメだ、すごいエロい気分になってきた。 柊先生は、俺の言った通り踏まないでいてくれるけれど、体が熱くて仕方ない。 お酒のせいじゃないと思う。 それに保健室でセックスしたってのに。 ……したからこそ、その感覚がすぐさま呼び覚まされる。 したい……。 そう思うと、右手が自然と自分の股間に伸びる。 左手で柊先生のを支え、先の方を咥え込んだまま。 はしたない……そんな言葉が頭に浮かんできたけれど、好きなようにしてごらんって言ってくれた柊先生を思い出す。 だって、柊先生はなにもしてくれないから。 柊先生のせいじゃないけれど。 柊先生からはどう見えるんだろう。 チャックを下ろして、自分のモノを取り出す。 先端からはもう先走りの液が溢れていて、ぬるりとしたものが指に絡んだ。 「んっ……んぅ……」 どうしよう……止まんない。 柊先生はいっつも、こうして先の方をぬるぬる舐めあげてくれる。 だから俺も、柊先生の先端を舐めて、舌を絡めていく。 それと連動するよう、自分のも指で弄る。 指じゃなくて、自分のも舌で舐められたい。 そう考えてしまうのを無理やり押し殺して、少し奥まで柊先生のを咥え込む。 「大丈夫? そんなに奥まで」 「んっ……」 それでも、全部は咥え込めていない。 柊先生は俺の頭をそっと掴むと、ゆるゆる腰を動かした。 舌の上を柊先生のモノで撫でられくすぐったい。 くすぐったいというより、すごい気持ちいい。 「はぁっ……あっ」 「芳春……。すごいエッチな顔してる」 「んっ……」 頬を撫でられ、柊先生を見上げる。 涙で少し視界がぼやけた。 柊先生の方がエロい顔してる……気がする。 なんにしろ、自分がいまエロい気分なのは確かだ。 自分のを擦り上げる手が止められない。 けれども、柊先生より先にイくのだけはダメだ。 そんなことを思い、舌を絡め続ける。 俺に合わせるよう柊先生は、俺の口内を擦った。 「んーっ! んっ……んっ」 苦しいのに、髪を撫でる柊先生の優しい手つきに頭がぼんやりしてしまう。 「んっ……ぅんっ……」 「芳春……。出していい?」 ……口の中で? わからないのに、俺は断れずコクリと頷いた。 それを確認してか、柊先生は俺の頭を掴み固定すると、腰を動かし内側から頬を突く。 舌の上や頬や口内を、柊先生ので擦られて撫でられてしまう。 「んぅっ! んっ、んっ」 なにこれ。 してるのは俺の方なのに、まるで口の中、犯されてるみたいで。 そう考えると、恥ずかしくてたまらなくて、目を瞑った瞬間、涙が零れ落ちた。 「……ん、出すよ、芳春……っ」 どう構えればいいのかわからないでいると、口内へとなにかが流れ込んでくる。 反射的に口を離そうとしてしまったが、柊先生に頭を押さえられてそれは出来なかった。 俺の口でイかせれた……? ほっとしながらも、俺は我慢出来ず自分のを擦り続ける。 柊先生は、ゆっくりと俺の口内から自分のモノを引き抜いてくれた。 引き抜いてくれたのに、ぼんやりした頭で、俺はそちらになだれ込むと、すでに萎えている柊先生のそれに、舌を絡めた。 「はぁっ……あっ……せんせ……っ」 我慢しすぎた自分のモノから溢れ出た先走りが、擦り上げるたびにくちゅくちゅと音を立てた。 柊先生の精液の味が、なんだか媚薬みたいに俺の頭を混乱させていく。 「俺っ……ぁ……俺、のも……っ」 舐めて欲しい。 そう口に出せず、柊先生のモノを舐めて訴える。 自分がして欲しいように、たくさん竿にキスをして舌を絡めて。 そんなことをしても、もちろん自分のモノに与えられる刺激は変わらない。 自分の手だけじゃ今日の俺は満足できない。 ぎゅっと、柊先生のズボンを掴む。 「ぁ……ぁあっ……して……っ」 我慢出来ずについそんなことを口走ってしまう。 理性はもちろん残っているし、よくよく考えたらすごく恥ずかしいのもわかってる。 わかってるのに、止められない。 「どうして欲しいの?」 そう聞かれ、柊先生の先端へと舌を絡めた。 尿道付近を、また柊先生の舌先でチロチロと舐めあげて欲しい。 「……ずいぶんエッチだね。かわいいからしてあげる」 そう言って、俺をどかすよう立ち上がると、代わりにベッドへと座らされる。 座らされたところで、少しだけ冷静になった。 ……なにやってんだ、俺。 出しっぱなしの自分のモノを慌てて引き抜いたシャツで隠す。 「いまさらじゃないですか。それ、舐めて欲しいんでしょ、俺に」 「いえっ……その。ちょっと頭がぼんやりしてまして」 「やっぱり酔ってる?」 「……酔ってません。あ……」 酔ってるって言った方がよかったか? 「えっと、とにかく、いまの忘れてください」 「じゃあ、忘れちゃっていいですか?」 「え……」 本当に忘れられたら、俺の体はこのまま……。 したいのに。 すっと手を取られ、柊先生が俺のを掴む。 「冗談ですよ。忘れません。すごいトロトロに溢れてる。こんなに我慢してたの?」 恥ずかしいのに、柊先生の顔が近づくと期待の方が強い。 舌先が少しソコに触れるだけで、体がのけ反った。 「んぅんっ!!」 柊先生は、俺にされてもわりと平然としてたのに、俺だけがこんな反応しちゃうなんて。 もしかして、それほど気持ち良く無かった? ……そんなことを考える余裕も無くなって来る。 口に含まれ、舌で絡め取られると限界だった。 「んっ! はぁ……あっ……んぅんんっ!!」 イかされてしまい、ついぐったりと後ろに倒れ込む。 すると、柊先生は覆いかぶさるよう俺を見下ろした。 |