やば。
 最近、早すぎかも。
「別に耐えようと思えば、もうちょっと持つし! 我慢してたらマジで今日は、終わんなそうだから……!」
 そう聞かれたわけでもないのに、言い訳してしまう。
「いいよ。たくさんイッて?」
 美和は、さらに姿勢を低くして、出したばかりの性器に舌を絡めてきた。
「ひぁっ! あっ……」
 手で支えながら、先端をチロチロと舐めてくれる。
「んっ……くぅ……ん……やだ、それ……」
「んー……なんで?」
 そう言って下から俺を見あげる美和は、なんだか楽しそうで、すべてわかっているみたいだった。
 言わせたがっているのも、もちろんわかる。
 言わないと、やめてくれないのも。
「イッた……ばっか、だから……あっ! んぅっ……さきっぽ……やっ……くっ……やぁっ……やだ、やっ……ん、うまく、感じれな……」
「……うそつき」
 一応、うそじゃない。
 射精を促してくれるみたいな、そういう快感はうまく得られなくて。
 もっと違う、別の感覚が押し寄せる。
 さっき、乳首ばっか攻められたせいで、なんか高まってるし。
 射精したから、そっちは少しすっきりしちゃってるし。
 亀頭ばっか攻められて、メスイキしそうな感覚に陥っていく。
 意識すると、ますますそうなりそうなのに、意識せざるえない。
「はぁっ、待って……ぁあっ、待って、美和……!」
 美和は、あえてだろうけど、俺の竿にはあまりふれないように先端をつまみながら、亀頭に口づけて、そこをちゅくちゅくと、優しく吸いあげた。
「んんんんっ! あっ、あっ……待って、あぁあっ……いくっ、いくっ……いっちゃ、からぁっ!」
「イクなら、いいよね?」
 言葉を挟んで、先端に舌を絡めると、今度は尿道に入りそうなくらい舌を突き立ててくる。
「ぁあっ! ちがっ……あっ、あんっ、んっ! やっ、やぁっ……メスイキ、する……ああっ……するからぁ!」
 そう伝えても、美和がやめる様子はない。
「ひっ、ぁっ、あっ……や……やぁっ……待って……あっ、あっ、まだ……んんっ、やぁっ、いきたくなっ……」
 メスイキすると、我を失いそうになる。
 もっとたくさん射精して、そのあと、あわよくばメスイキして。
 そうして10回、俺の望むイき方で、イキたかったのに。
 もちろん、そんなうまくいくとも思ってないけど。
 まだ3回目なのに、いまイかされたら、俺、どうなっちゃうんだろ。
 そんなことを考えている間も、先端は吸われまくってるし、舐められまくってるし、もう我慢してる方がつらくて、美和に流されていく。
「ぁあっ……んっ、あっ、あっ! いっ……あぁあっ、あぁあああっ!!」
 大きく体が跳ねて、射精もしてないのに、イッてしまう。
 代わりにいっぱい溢れていた先走りの液を、美和が吸いあげた。
「ひぁあっ……ああっ、あっ! あんんっ」
「イッちゃったね」
 立ち上がった美和が、手の拘束を解いてくれる。
 力が入らない俺を抱き上げて、ベッドに寝転がせると、膝を立てて足を開かされた。
「はぁ……はぁ……待ってぇ……まだ……」
「うん。指だけにしようか」
 なんとなく、ナカが疼いて気がするし、欲しいけど、ゆっくりして欲しい。
「入れる、だけ……動かさな、で……」
「……いいよ」
 美和はそう言ってくれると、俺に見えるように指先にローションを垂らして、濡れた指をゆっくり、俺に入れてきた。
「あぁあ……あっ、あっ、んっ……んぅうっ……あっ、あたって……!」
「ああ、いいとこ、当たっちゃった?」
 腰をビクつかせながら、小さく頷く。
「避けた方がいい? それとも、このまま、しばらくじっとしとく? もしくは……虐めて欲しい?」
 自分でも、どうされたいのかよくわからなかった。
 避けてくれたら、体は落ち着く。
 じっとしてくれたら、気持ちいいまま、ぼんやりできる。
 でも、たぶん一番興奮できるのは――
「ああ、虐めて欲しいって顔してる」
 なんで、わかるんだろう。
 いや、こいつの場合、違ってても決めつけてくるか。
 美和は俺の答えも待たず、2本目の指を押し込むと、覆いかぶさるようにして、こっちを見下ろしてきた。
「ひぁっ、あっ、あっ、んっ! 美和ぁっ……」
 美和は、左腕をベッドにつきながら、俺の髪を撫でる。
 体を捻って、その腕を掴んだ瞬間、タイミングを見計らうようにして、入りこんだ2本の指がナカを押し開いた。
「くぅうっ……ぅんっ、んっ! やぁっ、うっ……それ……ああっ」
「またイきそう?」
「んぅ、んんっ、いく……や……ゃあっ、あっ、あんんんっ!!」
 開きながら、気持ちいいところを押さえられて、また体が跳ねる。
 軽くイッちゃったんだと思う。
 ペース速すぎなんだけど。

「うう……待って、待って。マジで……はぁ……ああ……キツい……」
 そう告げると、一応、指を引き抜いてくれる。
「玲衣くん体力あるから、大丈夫そうだと思ったけど。ああ、俺の方が体力あったか。ごめんね?」
「……お前、友達いねぇだろ」
「いなくてもいいけど、一応、いるかな」
「もー、みんなの前でもやなやつだったら、俺ももやもやしないのに! 猫被りやがって! なんで俺の前じゃやなやつなんだよ!」
 にらみつける俺を、美和は笑顔で見下ろす。
「好きな子のことは、いじめたくなっちゃうんだよね」
「ばっ……ばかかよ。そういうの、相手はいい迷惑で……」
「迷惑?」
 そう首を傾げられると、そうだとは言い切れない。
「俺は……い、いいけどさぁ……」
「イイって、悦んじゃうってこと?」
「違う! 許すってだけ!」
「俺が虐めても、イヤミ言っても、許してくれたり怒ってくれる玲衣くんが好きなんだよね」
 好きとか、言わなくていいし。
「玲衣くんの前でも、みんなの前でしてるみたいに猫被って、優しくした方がいいなら考えるよ」
「それは……」
 たぶん、やなんだよな。
 俺の前でも猫被って欲しいわけじゃない。
 かといって、みんなの前で、こんなやな性格晒したら、本当に友達無くすかもしんねぇし。
「……俺で発散してんの?」
「そういうんじゃないよ。正直、玲衣くんにしかそういう気になんない。虐めるのにも少しは頭と体力使うし」
「使うなよ。マジでバカじゃん」
「玲衣くんも、バカだよね。俺のこと煽って。虐めて欲しそうだよ」
 にやりと笑みを漏らした美和が、体を起こして俺の足を折りたたむ。
「え……待っ……」
「もう入れるね? メスイキしてぐったりしながら怒ってる玲衣くん、かわいすぎてめちゃくちゃ勃っちゃった」
 さっきまで指が入っていたところに、美和の亀頭が押し当てられる。
「なぁ、待てって……!」
「んー……本気でそう思ってんなら、マジで入れないけど。このまま、入りそうで入らない状態で、1時間でも2時間でも待つ?」
「ん……それは、長いけど……あと、5分くらい休憩する」
「ふぅん……」
 そう俺が言っても、結局、美和は無視して入れるに違いない。
 そう思ったのに、マジで入りそうで入らない状態のまま、キープしてきた。
 なにこれ。
 俺から欲しがるの待ってんの?
 むかつくけど、本当に欲しくなってくるし。
 あれ、入るとマジで気持ちいいんだよな。
 指も好きだけど、それとは違う。
 まだ、ナカは少し脈打ってるし、さっきの名残みたいなもんがあった。
 メスイキして、気持ちいい感覚。
「はぁ……」
 なんか考えたら、気持ちよくなってきたかも。
 余韻?
 そうだ、もっとこの余韻を堪能したい。
 でも、美和は俺の足折りたたんでるし、めちゃくちゃ足、開かされてるし。
 先端は押し当てられてて、あと少しで開かれそう。
「んぅ……」
「どうしたの、玲衣くん」
「……なんでもない」
 そう告げて、俺は美和の視線から逃れるみたいに横を向いてマクラを抱き寄せる。
 やばい。
 あそこ、ヒクついてるかも。
 めちゃくちゃ美和のこと、欲しがってるみたい。
 勝手に開いて、自分から亀頭を咥え込みそうになる。
 恥ずかしいんだけど、少し開いて閉じると、美和のさきっぽが入り口を擦れてくれる。
「ぁあ……」
 ダメだ、声出ちゃったし。
 俺、落ち着きたくて美和待たせてんだよな?
 混乱してきた。
 なんの時間だ、これ。
「ん……ん……美和ぁ。もう、入れて……」
「入れないよ。5分待つから」
「はぁ? い、いいからぁ。待たなくて……はぁ……ぁ……ん……」
 欲しくて、たまらなくて、自分の手で自分の性器を擦りあげる。
「ああっ、あっ……ぁんっ、んっ!」
 さっきまで触ってなかったせいで、射精に向かう快感が、すぐさま押し寄せてきた。
 イッたらすっきりするし、その直後に入れられたら、たぶんおかしくなるんだけど。
 いまさらもう、手なんて止めらんねぇし。
 美和の手が、片方、俺の足から離れていく。
 どういうつもりかわからないけど、考えてる場合じゃない。
 ただ、俺は美和の視線から逃れるように横を向いたまま、亀頭じゃない、竿を擦って自身を高めてく。
「はぁっ、あっ……ん、んっ……はぁっ……んっ」
 気持ちいい。
 たぶん、美和に見られてる。
 見られながら我慢できずに1人Hして、射精しそうになってるとこ。
 やばい。
 めちゃくちゃ興奮する。
 あいかわらず、美和のは入りそうだし。
「ぁああっ……いくっ、いくぅ……美和ぁ……んん……入れてぇ……」
 入れたら、絶対気持ちいい。
 押し開いて、思いっきり、気持ちいいとこ擦りあげるみたいに、奥まで……。
 つーか、聞いてんのかよ。
「美和ぁ? あっ、おく……ああっ、きてぇ……あっ、あっ、いれられて、いく……。いく、からぁ……! あっ、ああっ、はやくぅ……」
 腰をくねらせると、そこが開かれて、少しだけ入った気がした。
「ひぁっ、あっ、あっ! もっとぉ……ぁあっ、おくっ、もっとぉ……!」
 じれったくて、せがむみたいに美和の方へと顔を向けると、そこには笑顔の美和と、スマホが……。
「え……」
 俺が理解するより早く、美和の性器が入り込んでくる。
「あっ、ああっ!? くぅっ……んぅんんんんっ!!!」
 まだなにも理解できてないのに、待ってた刺激を与えられて、射精してしまう。
「ひぁっ、あっ、あっ! 待って……ああっ、だめ……」
 イクとこ撮られた?
 つーか、俺が1人で擦って、欲しがってるとこ。
「やだ……やっ……!」
 美和は、満足したのかスマホを傍らに置く。
「んんっ……美和……撮った?」
「うん。撮っちゃった」
「消せよぉ……」
「あとでね。それより……まだ5分経ってなかったんだけど、入れちゃった。よかった?」
 そんなのいいに決まってるし。
 つーかもうなんでもいい。
 美和のが入ったまま射精して、気持ちよすぎて頭もうまく働かない。
 そんな俺の体を、美和は繋がったまま抱き起こす。
「あぁっ……あたる……!」
「うん。あたっちゃうね。でも、対面座位も好きでしょ」
 好き。
 美和にしがみつける。
 俺は小さく頷いて、美和の背中に手を回した。
「はぁ……ああ……あっ……頭、とけそ……」
「いま何回、イッたか覚えてる?」
「ん……」
 何回だっけ。
 まず2回射精して、2回メスイキして、また1回射精して。
「5回……?」
「うん。折り返しだね」
 まだ折り返しかよ。
 なんだかんだ結構、早くイッちゃったけど。
「うう……無理ぃ……」
「玲衣くんが無理なら、あとは俺が5回イクってことでもいいんだけど」
「2人合わせていいシステムかよ。お前、5回も出せんのぉ?」
 てか、それに付き合ってたら、俺もまたちょっとはイキそうだけど。
「玲衣くんがいいなら、5回分、中出ししてあげるよ。体力あるし」
 こいつ、運動神経、マジでやばいけど、それって体力も込みなんだよな。
 俺より体力あるって、マウント取られた気分。
「5回も、中出しとか……さすがに……んん……」
「ん……ナカ、締まっちゃったね。期待してる?」
「してねぇし……。3回、くらいしか……」
 美和は、俺の耳元で小さく笑いながら、舌を絡める。
「いいよ。3回イッて、残り2回は玲衣くんがまたイク?」
「それ、焦らされそ……。俺の方が……はやいし……」
「じゃあ、玲衣くんは何回でもイッていいからね」
 そう告げながら、美和は俺の体を揺さぶった。
「ひぁっ、あっ、あっ、んんぅっ……あっ、んぅんんっ!」

 マジで、なんで期待しちゃったんだろう。
 でも、連続で中出しとかされたことないし。
 そんな立て続けにイク美和も見たいし。

 結局、まだまだ俺の性欲は、収まりそうになかった。