「じゃぁな、アキ」
「うん…」
水城くんと、たくさんお話して。
そろそろ帰るって、水城くんが部屋へと戻る。

水城くんは僕を好きでいてくれて。
僕も水城くんが好きになっていて。

でも、水城くんって、はじめに、僕のことやっちゃったとき、ちょっと無理やりっぽくて。
それを僕が嫌がっちゃったから、それからは、ずっと手、出してこないんだよなぁ。
気を使ってくれてるんだろうけど。

だって。
あのとき、啓ちゃんのこと呼んじゃったし。
水城くんが、僕のこと、もう手、出しにくいのは、もちろんわかる。
僕のために我慢してくれてるのかなぁって思うんだけど。
僕なんか相手にしたくない…ってことはないと思う…けどなぁ。


つい、ため息をついて、ベッドに寝転がったときだった。
「晃くん」
ドアからひょっこり顔を出したのは、珠葵くん。
「さっき、廊下で春耶くん見たよ」
そう言って、起き上がった僕の隣へと腰をおろした。
「うん。さっきまで、ここにいたんだ」
「そっか。うまくいってる?」
うまく…いってるのかなぁ。
「そこそこ…かなぁ…」
「そこそこ…なんだ?」
だって。
なんだかなぁ。
手を出してもらえない…なんて、恥ずかしいけど。
「水城くんね…。僕、前、手、出されたとき嫌がっちゃったから、ほら…もう…」
「手…出さないんだ…?」
出さない…というか、出せないんだろうな。
僕は、そっと頷いた。
「でも、それって、晃くんのこと、大切に思ってるんだよ」
わかるんだけど。
「水城くんさ。今、なんか深敦くんと、仲いいやんか」
部屋、隣だし、行き来しやすいんだろうなとは思うけど。
「それに、なんかだんだんお似合いに見えてきちゃって…。不安なんよ。水城くんも、深敦くんのこと好きになるんじゃないかって…」
「深敦くんかわいいもんねー。楽しいし。でも、春耶くんって、晃くんにベタ惚れじゃんか」
「そんなこと…。結局、ずっとしゃべってるだけで、友達みたいなことしかしてないし」
「だから、それは、晃くんを大切にしてるからでしょ。何? もっとやらしぃことしたいんだ?」
そんな言い方されるとなんだかなぁ。
でも、そうなるのかなぁ。
「というか…。深敦くんとの方が仲良しに見えてきちゃって…」
嫉妬…しちゃってるのかも…。
「第三者から見るとそうでもないけどね。あいかわらずだね。夜這いでもしてみれば?」
「ええっ!?」
「いーじゃん。しなって。俺が御神先輩呼び出すいいきっかけになるし」
御神先輩ってのは、水城くんのルームメイトで、珠葵くんの好きな人でもある。
水城くんが手、出してくれないなぁって思ってるよりも、自分からいけってこと?
「出来ないよ…そんなの」
「あー。春耶くんのことだから、ちょっと夜に誘えば我慢できなくなるんじゃないの?」
それはそれで、僕のこと、ちゃんと大切に思ってくれてるのか、考え物だけど。
欲求に負けてるみたいで。
「試しに夜、行ってみなって。そしたらなにか変わるかも」
なにもしないよりは、いいかな。
それに、いつも来てもらってばっかだし。
「…うん…」
「ホント? やった。じゃ、今日の夜。11時くらいね。それまでに御神先輩、呼び出しとくから」
部屋には水城くんだけってことかぁ…。
「わかった」
「ね。お互いがんばろ。春耶くんが深敦くんと仲いいのは、啓吾くんのこと相談してるからだよ」
「うん…」
そうだよね。
深敦くんには啓ちゃんがいるし。



今日もまた僕のルームメイトは帰ってこないし、お風呂に入ってしばらくすると11時なんてすぐきてしまっていた。

だいたい、行ってどうするんだろう。
別に、やっちゃうわけじゃないよね。
ただ、もうちょっと…。
それだけでいいんだ。


水城くんの部屋へと行って、ドアをノックしてからそっと開ける。
「水城くん…?」
「ん…アキ…?」
そう言ってベッドから起き上がってきたのは、啓ちゃん。
「っ…なんで…」
「あー。水城に用事? 結構、うまく行ってんだ?」
にっこり笑ってそう言うと、ベッドから降りる。
「…う…ん…」
そりゃ、初めよりは…。
「俺、もう行くからさ。水城ならまだそこで寝てる」
「あ…」
つい先入観から、啓ちゃんしかいないのかと思ったけど、ベッドの隅、壁際の方に水城くんが寝転がっていた。
「じゃぁな。あ。水城って寝起き悪いわけじゃねぇけど、ボケてること多いから」
ボケ…?
寝ぼけてるってやつかな。
「わかった」
啓ちゃんはそう言って部屋から出て行く。
僕は、水城くんと2人きりになってしまっていた。
とはいっても、はじめは、最初から2人だけって思ってたんだけど…。

「…水城くん…」
呼んで見ると、そっと寝返りを打ってこっちを向く。
あ、寝顔は、少し朔耶くんに似てるかも。やっぱ双子なんだな。
そっと、水城くん髪の毛に手を触れる。
「…啓吾…?」
目をつぶったままそう言って、俺の手を取った。
違うのにな。間違えてるや。なんかちょっとかわいいかも。
「啓吾…。欲求不満で死にそう」
急にそんなことを言うもんだから、なんか顔が熱くなってくる。
水城くんって、啓ちゃんにはそんなこと話すんだ…?
あ、寝ぼけてるだけかもしれないけど…。
でも、欲求不満なのは嘘じゃないんだろうな…。
「水城くん。あの…僕なんだけど…」
つかまれた手を引きながらそう言うと、やっと気づいたのかガバっと体を起こす。
「っ…アキ…?」
「…ちょっと…来ちゃった…」
「ごめ…。俺、なんか言ってた…?」
寝ぼけてて、わからない…のかなぁ。
「言ってないよ」
「そ…っか…。よかった」
言えないよ、そんな。欲求不満がってたなんて…。

「で。めずらしいね。アキから来てくれるなんて。なにかあった?」
にっこり笑ってそう聞いてくれる。
ちょっと3時間くらい前に会ったばっかなんだけど。
「…別に…なにもないんだけど…」
そう言っても、水城くんは嬉しそうに笑ってくれる。
「そっか」
机に向かって座る俺をおいて、水城くんは、紅茶を用意してくれた。
「あ…りがと…」
差し出された紅茶は、透き通った赤色。
つい見入ってしまう。
「…紅茶…。嫌…だった…?」
少し苦笑いしてそう言って。
出した紅茶をまた引っ込めようとする。
「っそんなことないよ」
僕は、水城くんが引きかけたお皿の上からティーカップを取った。
「…紅茶…好きだから」
いろいろ思い出しちゃうけど。
「ごめん、アキ…」
「もういいって。平気だから、気にしないで」
紅茶を飲みかけると、水城くんは、皿を僕の前に戻す。
「アキ…」
イスに座った僕の後ろから、水城くんはそっと俺を抱きしめた。
「…っ水城く…」
「アキ…。どうして…俺の出した紅茶なんて飲んでくれるわけ…?」
苦しそうな声で、僕に聞く。
「こんな夜遅くに来ないでよ…。ほら…髪の毛とか…イイ匂いするし…」
指先で髪の毛を絡めとられ、水城くんが俺を抱く腕に力が入った。
「俺が酷い男だって、知ってんだろ。また、同じこと、しちゃうから、俺のこと、振り払って、帰ってよ」
振り払えるわけないじゃないか。
「…水城くんのこと…知ってるよ。でも、いいと思ったから、来たんよ」
「それ以上言ったら、マジで我慢出来ないって」
水城くんに、ちょっとだけ…って言葉はもしかしたらないのかな…。
もう少し、恋人っぽいことしたかったなぁって思っただけなんだけど。
ちょっとじゃすまないのかな。
僕は、それでもいいのかな。
水城くんのこと、受け止めれる?
こんなにも僕のこと好きでいてくれて。
水城くんがほかの子と仲いいのを見るのもつらくって。
僕。水城くんのこと、好きなんだ…。
「…僕のこと…好き…?」
「うん…犯罪起こすくらいに好き…」
冗談に聞こえない…というか、水城くん、冗談じゃないんだろうな…。
「かわいすぎて、犯したいとか思うよ」
「………」
水城くんって…
ある意味素直だよね…。
そりゃ、さらけ出してくれるのはうれしいけど。
「…あの…さ…。もうちょっと別の言い方とか…」
「犯したいとか思わなかったら、それは恋愛感情とは違うんだよ」
変なとこ、啓ちゃんと似てるんだよね。
「やりたいだけみたいなんだけど」
「好きでもない奴には、やりたいとも思わない」
嬉しいけど…
なんか、変なの。
「アキ…いい…? 繋がり…」
「あーっ、水城くんっ」
「え…?」
水城くんが、あまりにも聞いてるこっちが恥ずかしくなるような言葉を口走りそうになるから、つい慌てて止めてしまう。
「あの…なんか…恥ずかしい…そういうの」
「そういうのって…?」
犯したいとかは、まだいいけど…。
繋がりたいとか…入りたいとか。
水城くんってそういうこと言うから…。
「表現の仕方…」
「愛情表現…?」
「……そう…」
水城くんは、少しだけ耳元で笑うと、俺から離れる。
「表現しきれないな。俺がアキを想う気持ちってのは」
すでに、なんか変な表現口走ってるんだけど…。
振り向く僕の腕を取るもんだから、僕はもう片方の手に持っていたティーカップを机の上において、水城くんにされるがままに立たされる。
「アキのこと考えるだけで、イけそう」
「…学校のときと別人だね…」
「抑えてるから」
なにか、抑えなきゃならないって、自覚はあるんだ…?
「今は、抑えないの…?」
「抑えられないね。好きな人と二人きりでいて、いい人ぶったり、かっこつけたり出来る範囲とおり越しちゃってるから」
水城くんは、僕の体を引き寄せて、強くギュっと抱きしめる。
「俺も啓吾好きだから、アキが啓吾のこと好きになるのもわかるけど、俺のこと、もっと見て…」
「啓ちゃんは友達だよ。違うって」
「うん。わかってるんだけど…」
「啓ちゃん…深敦くんのことホントに好きなんだと思うし。中学のころとか、あまり人と関わらなかったから…。あんな風に一人の人に執着する啓ちゃん、初めてだよ」
「…啓吾には、深敦がいるから、アキは諦めるってわけ?」
「諦めるとかじゃなくって…。違う…」
「じゃぁ、なんで、今、啓吾が深敦を好きだって、話したわけ…?」
ホント…。
これじゃあ、啓ちゃんには深敦くんがいるから、僕は諦めるって言ってるみたい。
でも、そうじゃなくって…。
逆…。
深敦くんには、啓ちゃんがいるから…
好きにならないで…。
僕は、水城くんのシャツを少し引っ張って、もたれ掛かる。
「…ア…キ…?」
隣のクラスの子も。
めちゃくちゃかわいくて。
啓ちゃんのこと、好きなんだろうけど、水城くんにも近づいて…。
水城くん、好きになっちゃうんじゃないかなって思うし。
深敦くんは、すごく、性格とかかわいくて明るくて。
僕にないものたくさん持ってて。

水城くんが、僕を好きじゃなくなったら、僕もまた水城くんを好きじゃなくなるかもしれないって思ってた。
僕を好きでいてくれるから好きって部分があったから。
でも、今は、わかんない。
たぶん、水城くんが別の人を好きになっちゃっても、僕は水城くんが好きで。
それ以前に、別の人を好きにならないで欲しいって思うんだ。

「深敦くんには、啓ちゃんがいるって…言いたくて…」
なんか、泣きそうになってきた。
僕だって深敦くんが好きだから、誰かが深敦くんを好きになる気持ちって、よくわかる。
だけど、好きにならないでって思っちゃう。
わがまま…。

水城くんが、僕の頭を後ろからつかんで上を向かせるもんだから、なんか不安そうな顔とかしちゃってんの、見られてしまう。
でも、水城くんもなんだか不安そうな顔してた。
「どういう意味…?」
「…だから…」
深敦くんと仲良くしないでってわけじゃない。
ただもっと。
「…僕のことも…見て…」
そう言い終わると同時くらいに、水城くんが僕の口に口を重ねる。
「ンっ…」
キツく抱きしめられて、逃れられそうにない。
歯列をなぞってから、少し乱暴に中に入り込む舌先が、僕の舌を絡めとっていく。
「っんぅっ…ンっ…ん…」
息つくまもなく口を重ね直されて。
クラクラする。
「っぁっぅンっ…」
送り込まれた唾液が含みきれなくて顎を伝っていくのがわかった。
「ンっ…んぅンっ!」
限界。
膝がカクンと折れてしまう。
それでも、水城くんは離してくれなくて。
腕の中で、支えられながら、やっと、そっと口を離してくれた。

ベッドにそっと座らされても、まだ、僕の体は力が抜けてしまっていた。
「アキ…大丈夫…?」
蕩けそう。
薬が入って意識が朦朧とするのとはわけが違う。
頭の芯が、熱くて、ボーっとしちゃう感じ。

熱いよ。
でも、こないだのとは違う。
心が熱いって言い方、変だけど。そんな感じなんだよ。

ほんわかした気持ちで、いるときだった。
ベッドに座る僕の前。床に座りこんだ水城くんの手が、そっと僕の股間に触れる。
「っあっ…」
ピクンと体が震えてしまう。
「駄目…?」
布越しに緩々とソコをこすり上げられ、催促されても…。
「っはぁっ…ンっ…っ」
駄目ってわけじゃ…。
僕のにそっと手を触れたまま。下から僕を見上げる。
僕は、水城くんのこと、嫌がらずに出来るんだろうかな。
嫌がっちゃったら、きっともっと、水城くんは僕を気にして、手を出さなくなるんだろうな。

嫌じゃないから。
だけど、嫌がっちゃいそうで。
嫌がりたくないから。
「…僕が…してもいい…?」
水城くんの手をそっとどかして、僕も床にしゃがみこむ。
「…どう…いう…」
「…僕ね…よくわからないけど…。したい…」
水城くんにされるの待ってるんじゃなくって。

もし、逆の立場だったらって、考えたりする。
好きで。
いろいろしてあげて。
嫌がられたら、やっぱりすごくショックだと思うんだ。
だから、僕の方から、してあげるべきなんだって思う。
「水城くん…。ベッドに…座ってくれる…?」
「なに…」
戸惑いながらも、水城くんは僕に従ってベッドに座ってくれる。

「電気…消していい…?」
「…う…ん…」
水城くんは、わけがわからない様子で、とりあえず、ただ僕の言葉に従ってくれる。
僕は、電気を消して、水城くんの前にまた座り込んだ。

そっと、恐る恐るズボンの上から水城くんの股間のモノに触れてみる。
「…っアキ…??」
チャックを下ろして、下着の下から水城くんのを取り出して。
嫌じゃ…ないよね…。
勝手にこんなことしだして、嫌だとか思うかな。
「…あのね…嫌だったら、嫌がってくれていいんよ」
そうは言うけど。
本当に嫌がられたら、立ち直れなそうにないな。
だけど、ホントは嫌なのに嘘つかれるのも辛い。
僕って。嫌がったりしちゃって。酷かったな…。
いきなりするのもどうかとは思うけど。
好きでしてくれたのに、あんなに嫌がって。
相手は水城くんなのに啓ちゃんの名前とか呼んじゃって。
酷いよ。
「でも…ホントは、嫌がって欲しくないんよ…」
「嫌がるわけないだろってっ」
水城くんは、そう言ってくれて。
俺は、そっと、手にした水城くんのに舌をつけた。
「…ちょっっ…アキっ…」
どうすればいいのかわからなくって、ただ何度も舐めあげる。
「…ん…っなんで…っ…アキ…こんな…っ」
「ごめ…っ…。僕、わかんなくって下手だけどっ」
「そんなこと言ってるんじゃなくって…っ」
チロチロと舌を這わしていると、次第にソレは硬さを増していく。
気持ちいいって、思ってくれてる…?
「水城く…。ぅんっ…」
「アキ…。ね……俺も、していい…?」
していい? なんて聞かれたら。
嫌がるわけにいかないよ。
「うん…」



ズボンと下着を脱がされて。
誘われるがままに、ベッドに寝転がった水城くんの体を逆向きに跨ぐ。
こんな格好。
この部屋が暗くなかったら絶対出来ないよ。
手探り状態。
水城くんが、露わになっている僕の太ももをそっとなで上げるように触って。
双丘の狭間にある秘部の位置を確かめるみたいに、指先でそっと触れる。
「ん…水城くん…」
僕もしなきゃ。
もう一度、手にした水城くんのモノに舌をつける。
「ん…っアキ…。指、入れていい…?」
そんなこと。
わざわざ聞かれたら恥ずかしい。
だけど、水城くんは前のこともあるから、わざわざ聞いてくれるんだろうな。
「う…ん…」
そう答えると、唾液で濡らしたのか、湿った感じの指先が、ゆっくりそっと中に入り込んできた。
「あっ…んぅ…っンっっ」
すごい、ゾクゾクする。
頭も体もおかしくなってくるよ。
「ぁっ…あっ…んぅっ…」
それに連動するみたいに、僕も水城くんのを今まで以上に熱心に舐め上げた。
なんていうか。
水城くんにそんなとこいじられると、意識がそっちにいっちゃって。
自分が、水城くんのをいやらしく舐めてるって、わかってるけど、理解できない。
「はぁっ…んぅっ…ンっふぁっ」
指が2本に増やされて、中を徐々に慣らしていく。

おかしいな。
気持ちよくって、たまらない。
何度も出入りする指先が、内壁の感じるところをこすり上げていく。
それが、ものすごく気持ちよくって、自分から腰が動くみたいになっていた。
「ひぁっあっ…んぅっ…くぅンっ…や…やぁっ…」
あまりの刺激と自分のいやらしさに、つい出てしまった声に反応して水城くんが指の動きを止める。
「違っ…っ…」
「アキ…? 嫌…? 言って」
「だって…っ…イっちゃぅ…」
「いいよ。出して」
「駄目…だよ…」
「どうして?」
だって。
僕がしてあげるはずなのに、こんな風に先にイっちゃうなんて…。
「も…ぃいよ…。…入れても」
「…もう、我慢すんの限界…。いくよ…」
水城くんは指を引き抜くと、体を起こす。
つられるように僕も体を起こすと、水城くんにひっくり返されるようにして仰向けにされてしまっていた。
「水城く…」
僕の頬をそっと撫でてから、その手で足を開けさせられる。
ほとんど見えない暗い視界の中、水城くんの手の感触が移動していく。
「く…ぅんっ…」
さっきまで指を入れられていた箇所が、変にひくついてるような気がした。
指先で水城くんに触れられて、余計にソコが反応する。
「…欲しがってくれてる…?」
「…っ…」
僕の体って、いやらしいんだ…。
「嬉しいな」
耳元でそう言うと、位置を確かめるようにしてから、そっと水城くんのモノがソコに入り込んでくる。
「や…くっ…ぅんっ」
「アキ…」
熱っぽくそう言って、僕の指に指を絡める。
「好き…なんだよ…。どうしようもないくらい…」
僕に教え込むみたいに話しながら、耳元に舌を這わす。
「はぁっ…ぁっん…っ…ンっ」
「アキ…抱きしめたいから、起きていい…?」
懇願されるみたいに言われる。
僕とつながったまま、水城くんは体を起こして、僕も、水城くんの腕に抱かれながら、体を起こした。

僕の体をギュっと抱きしめて。
少し揺さぶりをかけられると、それだけで体中に電気が走るみたいな衝撃。
「ひぁっ…んぅっ…ぁっ…あっ…やぅっ」
「…もっと…感じて」
激しく出入りを繰り返されて、思考回路がぶっとんでいく。
「はぁっあっ…イく…っやぁっあっ」
「呼んでよ…。俺のこと…」
「ゃあっ…ンっ…水城くっ…あっ…水城くぅンっっ」
内壁を擦り上げられて、先の方で感じるところを突かれると、もう限界。
「イっ…ぁっ…やぁっ…ゃぁあああっ」
体が大きくはねて、水城くんの体に爪を立ててしまいながら、欲望を弾け出していた。
水城くんのが中に流れ込んでくるのがわかる。
「ぁ…んぅ…」
ゾクゾクする中、それを受け止めながら、その感覚に耐えるように水城くんにしがみついていた。



「アキがね…。俺の名前呼んでくれて、すっごい嬉しかった」
あいからわず、俺を抱きしめて耳元で話す。
呼んだだけなのに。
そんなに喜んでくれるわけ…?
「水城くん…。僕だけ…?」
「うん…。好き。アキは…?」
なんだか、水城くんの声が、恐る恐る聞いてるみたいだった。
僕。
水城くんのこと好きって、ちゃんと言ってなかったっけ…。
「好き…だよ…」
「友達とかと一緒じゃなくだよ?」
「うん…。そうじゃなきゃ…こんなこと、自分からしたりとかしないよ」
より一層強く抱きしめられて。
暖かくって。
水城くんって、いままでの人と違うなって思った。
僕のこと。
好きって言ってくれた人は、わりといるけど、水城くんはほかの人となんか違う。
本当に。
僕のこと、好きでいてくれるんだなって思った。
信じられる。
「好きだよ」
もう一度。
自分の気持ちを確かめるみたいにそう言って。
それに応えて抱きしめてくれる水城くんの腕に、自分の腕をそっと絡めた。