「あ……あっ……んぅ……あっ」
 篠は俺に覆いかぶさるようにして、俺の顔を見下ろしながら、3本の指でナカの浅いところをほぐしていく。
 絶妙な力加減でナカを撫でられて、どんどん身も心も蕩けてしまう。
「あぁあ……あ……あんぅ……しの……あ、ん……ふぁあ……ああっ!」
 頃合いとみたのか、篠の指先が弱いところをトントン叩くと、小さく腰がビクついて、俺は何度目かわからない絶頂を迎えた。

「ん……上手にイけるようになってきた?」
「はぁ……あ……あ、ん……ふぅ……」
 抗うわけでもなく、うまく何度も小さく達することができるようになってきた気もする。
「う……がまん、した方が……いいのか……わかんない……」
 ゆっくり呼吸を整えながら、俺は篠にどうにかそう伝えた。
「我慢して、溜めて、一気に解放したら、そりゃ気持ちいいだろうけど。小さくイくのも、気持ちいいんでしょ」
「ん……」
「大丈夫……まだこんなもんじゃないから。あとでちゃんと、しっかりイかせてあげるからね」
 小さい絶頂の繰り返しじゃいまいち満足できそうにない俺に、篠は気づいてくれているらしい。
 まだ篠のモノは入れてないし、ちゃんとイかせてくれるなら、いまはこの快感に身を委ねていたい。
 そもそも抗えそうもないけど。
「じゃあ……もう少し、奥まで入れるよ」
 篠はそう告げると、浅いところで留まっていた指を少し先まで押し込んでいく。
「あ……あぁあっ……ん、くぅ……!」
「んー……力抜いて。大丈夫だからねぇ」
 甘やかされてるみたいな、子ども扱いされてるみたいな感覚。
 恥ずかしいけど、甘えていいような気がして心地いい。
「あ……ん、しの……あぁあ……あ……あ、んぅ、んっ!」
「ん、あたっちゃった?」
 俺はコクコク頷きながら、腰を震わせる。
「ああ、あっ……あぁあっ、いっ……ぁんっ、ああっ!」
 またイッてるみたいだったけど、こんなにイくなんて、おかしいのかもしれない。
 だからといって、もしこれがイッてないんだとしたら、それはそれで気持ちよすぎてわけがわからない。
「はぁ、はぁ……んん……あっ、いって、る……あ、ん……しの……あ、あっ……」
「うん。すごい……ナカびくびくしてる。指、動かさないようにするからね」
 そう言いながら体を起こした篠は、空いた手で俺の性器を撫でてきた。
「あああっ、んぅ、んっ!」
 不意打ちすぎる刺激に促され、すぐさま射精してしまう。
「いっぱいイッてくれたけど、こっちは今日はじめてだよね」
 篠は、俺の精液を受け止めた左手で、自分自身のモノを掴む。
「これまで、3人でするときナマでしてこなかったじゃん? ホントは、きおが中出しした後、きおの精液まみれのナカに、突っ込みたいって思ってたんだよね」
「ん……んん……なに、それ……」
「オナホでもいいから、いつかしてみたいって思ってたけど……きおのナカ、入れられるとか……やば……こんなんぬりつけてたら、ゴムすべりそ……」
 篠は、俺の精液を塗りつけるみたいに自分の性器を擦っていた。
「入れる前から、そんな……デカくすんなって」
「うん……抑えないとね。でも、そろそろいけそう?」
 ずいぶん解されたそこは、いま3本の指を咥え込んでいるらしい。
 3本でしっかり開かれた感覚もある。
 指が届かない奥はどうかわからないけど、ローションも入ってるし。
「……ゆっくり、なら」
「うん。ゆっくりね」
 篠の指が、ゆっくりナカから抜けていくと、内側が撫でられているようで、小さく体が震えた。
「んん、ん……!」
 ずっと入ってたのに、気持ちよかったのに。
 余韻はあるけど物足りない。
 さっき、ゆっくりだって言ったばかりなのに、はやく欲しくなってしまう。
 俺に見守られながら、篠は、近くに置いてあったゴムに手を伸ばす。
「篠……」
「ん?」
「……その、さ。ナマで……する?」
 俺の提案が意外だったのか、篠は少し間を置いて、
「……いいの?」
 そう聞き返してきた。
「特別な、なにかちょうだいって言ってたし。ナマでは……入れられてないから」
 そう告げると、篠はすぐさま先端を俺の緩みかけた窄まりに押し当てる。
「はぁ……そんな煽られたら、たまんないよ」
 興奮した様子で見下ろされて、俺もまたどうしようもないくらい興奮していた。
「このまま入れるよ。いい? ゆっくりするから」
 はやく。
 そう言いそうになるのをぐっと堪えて、どうにか頷いた。

 俺が許可すると、篠のモノがゆっくり窄まりを押し開く。
「あ……ん……んん……! はぁ……!」
「ん……大丈夫?」
 そう気遣ってくれるけど、全然大丈夫じゃない。
 やっぱり指とは違う。
 これが篠のだと思うと、いろんな感情と感覚が押し寄せてくる。
 タチ同士でつるんでた相手と、こんなことするなんて。
 そんな相手のモノなのに、欲しくてたまらない。
 篠のことが好きとか、篠が俺を好きでいてくれるとか、それ以前の問題かもしれない。
「はぁ……はぁ……う、きっつ……」
「とりあえず、さきっぽだけ入れるね」
 じわじわと、ナカに入り込んでくるのがわかる。
 腰が重くて、身じろぎすることすら敵わない。
「う……く……ん、う……」
 亀頭が入って、カリの部分が引っかかっているせいか、少し締めたところで抜けてしまいそうな感覚はない。
 篠が抜けないようにしているせいかもしれない。
 腰を掴まれて、馴染むのを待つように浅いところに留まってくれる。
「はぁ……はぁ……う……」
「痛くない?」
「ん……大丈夫……」
「じゃあ、もう少し入れるよ」
ゆっくり少しずつ、ナカへと侵入してくる物量に耐え切れず、とうとう腰がビクリと跳ねた。
「ひっ! あっ!」
「ん……あたってる?」
「はぁ、あ……う……ん、そこ……」
「うん。きおの好きなとこ……俺のカリ、あたってるね」
 そう説明されて、俺はそれを理解するみたいに頷いた。
 頭で理解して意識する。
 篠の性器が……膨らんだ部分が、俺の気持ちいいところに……。
「はぁ……うぁ……んっ!」
「ん……きおのナカ、すごいうねってる……」
 篠は動かないようにしてくれているんだろうけど、俺はジッとしてられなくて、収縮するようにナカを動かしてまう。
「はぁ……はぁっ……あ……ぁ……ぅん……! んっ……はぁ……あ……」
「大丈夫……大丈夫だからね」
 篠は、俺を落ち着かせるみたいに頬を撫でてくれたけど、その目は、すごく興奮して見えた。
 実際、篠のモノはでかいままだし、欲情が伝わってくる。
「うう……ぁ……あ、ん……し、の……」
「ん? なに?」
「ぁあ……い、く……あぁ……あああっ!」

 我慢したかったのに、篠ので直接ナカを撫でられてることを自覚させられたせいか、快感が膨れあがって、そのままイッてしまう。
「はぁ、はぁ、はぁっ、あ……」
「ああ……どうしよ。きおくんかわいすぎ。かわいい。ごめんね。ごめん。動いていい?」
 俺は我慢できていないのに、篠に我慢を強いることなんてできそうもない。
 そこまでワガママにはなれないし、こんな状態でもギリギリ耐えながら聞いてくれる篠の気遣いに胸が打たれる。
「う、ん……はぁ……いい」
 なんとかそう伝えると、篠はゆっくり腰を揺らした。
「ぁあっ! あっ、あっ、あっ、ぅんっ!」
 思いっきり抜き差しされるでもなく、浅く入ったままナカをぐにぐにと押さえつけられる。
「ああ……ああ、んぅ……あ、ん、あっ……しのぉ……あんぅ……あっ」
「ん、痛くない?」
 痛くはないけど、連続で軽くイッてるみたいに腰がビクつく。
「ああ……あっ……う、いって……はぁっ、あ、いって、る……ひぅ、ん……! あ、ああっ」
「すっご……きおが俺のちんこで感じまくってんの、たまんないんだけど」
 恥ずかしいのに、そんなことどうでもいいくらい気持ちいい。
 2週間、待ち望んでいた感覚。
 知るのが遅かっただけで、もしかしたらもっとずっと、待ち望んでいたことだったのかもしれない。
 遅れを取り戻すように、欲してしまう。
「はぁっ、はぁっ……しのぉ、あっ、う……もっと……!」
「いってるのに、いいの? もっと動いちゃうよ?」
 そう告げると、篠は押さえつけていただけのところを、トントン突き上げてきた。
「あんんっ! んっ、はぁっ、あっ……ああっ、それぇ……はぁっ、はっ、きもち、あっ、あっ!」
「ん……きもちよさそ。もっと、入っていい?」
「ん、はぁ、あ……いい、ああっ、あっ、おく、おくもぉ……」
 本当はそれでいいのかどうかわからなかったけど、前に感じさせられたときみたいに、しっかり奥も欲しくて、訴えるように篠を見あげる。
 篠の顔からは、いつのまにか笑顔が消えていた。
 余裕がないのかもしれない。
 篠は俺の腰を押さえながら、ずぶずぶ奥に入り込んでくる。
「はっ、あっ! ひぁっ、ああっ! んぅん……はぁ、はぁっ……」
 奥の方まで篠のが到達すると、体がビクビク震えた。
「んー……大丈夫? きお……奥まで感じるようになっちゃってる?」
 感じるようにさせられたけど、篠のサイズ感に息がつまりそうになる。
「はっ、はあっ……! う、はぁっ」
「少し急ぎすぎちゃったかな。苦しい? おっきいの、いっぱい入っちゃって」
 涙でぼやける視界の中、俺は篠の問いかけどうにか頷いた。
「俺も、こんなに突っ込むことほとんどなかったからさ……きおのナカ、狭いし、苦しいくらい……」
「うん、ん……ああ、あっ……」
 お互い苦しいなら抜けばいいのに、その選択肢はなかった。
 篠は少しだけ退いて、またナカに入ってくる。
「くぅ、うぅう……っ!」
「ゆっくり……ゆっくりね……。いっぱい奥まで感じよっか」
 ゆっくりした速度のピストン運動で、篠は奥の方をこつん、こつんと突いてくれた。
「はぁあっ、ああっ……ああっ……んぅんっ!! はぁっ、はぁあっ!」
「ん……はぁ、馴染んできてるよ……きおくんのナカ、奥までぐっちゅぐちゅ……」
 ローションと腸液が絡んで、ぐちゅぐちゅと音を立てる。
 ゴム有りでしたときには、よくわからなかった感覚かもしれない。
「ああっ、あんっ……ああんぅ、しのぉ……はぁっ、あっ、いっ……ぁんんっ! んんんっ!」
 篠に小突かれるがまま奥でイかされると、頭でなにか考える余裕はもうなくなっていた。
 あの日もそうだったけど、どうにか篠だってことは意識する。
「はぁ……はぁ……篠……」
「なに? 大丈夫?」
「ん……ああ……あっ……篠の……ああっ、あっ、ちんこ……ふぁ、あ、きもちい……」
 イッたのに、篠は俺がイッたタイミングで腰の動きを止めてくれたのに。
 深いところに留まったままでいるせいか、呼吸をするだけで奥の敏感なところを撫でられてるような感触がして、またイきそうになってしまう。
 もしかしたら、呼吸に合わせて自分の腰が少し揺れているかもしれない。
「ああ……あん、あ……あ……いく、いくっ……んぅんんん!」
 腰が震えて、今度は奥で絶頂を迎えると同時に射精してしまう。
 すごく自分が乱れている自覚はあった。
 あるけど、全然おさえられそうにない。
「はぁ、はぁっ……ああ、あっ!」
「かわいい……動きたくなっちゃうじゃん……」
 せっかくとどまってくれていたのに、篠がまた緩やかにナカを小突くと、ビュクビュクと残っていた精液が溢れてきた。
「ああっ、んっ……だめ……あぁっ、ああっ!」
 だめだって告げたのに……もちろん、急にとめてもらうのも酷な話だけど。
 小さく小突かれるがまま、精液だけじゃなく潮まで噴いてしまう。
 さすがに引かれる……いや、篠なら引かないかもしれないけど羞恥に耐え切れず涙が溢れてきた。
「なんで泣いちゃうの。涙腺緩んじゃった? いろんなとこゆるゆるだね」
 気づいていないはずはないだろう。
 篠の右手が俺の亀頭を包み込む。
「ひぁっ、あっ! あっ! 出るっ」
「うん、いいよ」
 包み込んだまま、ヨシヨシするみたいに撫でられて、また潮が溢れてきた。
「ああっ、あっ、ああうっ、うっ、くっ」
「はぁ、じゅぶじゅぶだ……かわい。後ろもビクビクしっぱなしだよ」
 篠の言う通り、ナカはビクビク震え続けている。
「ああ……きもちい……ねぇ、きお、そろそろ俺も出していい?」
 ビクつくナカを、トントン小刻みに突き上げながら、篠が尋ねた。
 そういえば、篠はまだイッてないんだってことを、いまさら意識する。
「う……はぁっ、あ、おそ……」
「いや、何度もイきかけたけど、我慢したらその分、いっぱいきおくん見れるし」
 一度、イッてもまたすればいいのに。
 なんて、篠と何度もすることを考えている自分に気づく。
「……きお? いい?」
「ん……ふぅ……あ、あっ、どこ、に……」
「んー……きおがいいなら、ナカ、出しちゃいたいなぁ」
 ナカで出されたら、いろいろ面倒だろうけど。
 どうなってしまうのか、知りたい自分もいた。