『……突然なんだけど、付き合ってくれる?』
『え……?』
何事っ!?
俺は男でお前も男で。
『何言ってんだよ』
『いいじゃん? 男子校なんだし?』
そいつがくっついてくるモンだから必死で引き剥がす。
『ちょっ、やめっ……』

「…高岡っ」
「え? あ、はい?」
先生に呼ばれてふっと現実に戻る。
……俺ってなんて夢見ちゃってるわけ?
だってやつらがホモかもって思うと……。
「寝るならせいぜい保健室に行けよーっ」
ちょっと笑い気味に先生が言う。
「んー……マジでちょっと気分わりぃんで保健室行かせてください」
俺がそう言うとしょうがない風に許可を出してくれた。
いや、マジでツラい。精神的にもだけど普通に風邪気味?
ああ、昨日廊下で少し……なのかな、寝ちゃったせいだ。
くらくらする。
「俺が付き添いますよ」
……でたな、サド。
奴が俺の横に来て先生に言った。
「ああ、じゃあ頼むな」
「先生。俺一人で行けますよ」
「念のためだよ」
そうサドの奴が言ってどうしてもついて来る感じだったから諦めた。

保健室についたはいいけど。
先生、いねぇじゃん。勝手に寝ちゃうよ、もう。
「すっげぇ好都合……」
そう聞こえたかと思うとすぐさま、後ろからドアの閉まった音がしてそいつに思いっきり抱きつかれて……
「ちょ、なにっ……」
「お前、男同士のよさっての? 知らねぇみたいだし?」
いいっての、そんなん知らなくってっ。
まだ女ともやってねぇんだからな。
そんな俺の気持ちなんて無視するよに後ろから股間を撫でられる。
「なっ…てめ……」
思いっ切り抵抗しようとした時だった。
頭がクラクラして一種の貧血状態に陥る。
「あ……」
抱きしめられてた腕を抜けてその場に座り込む。
少し、ガンガンするような頭を押さえた。
「……お前、大丈夫か……?」
大丈夫じゃねぇっての。
「気分わりぃって言ってんだろーが……」
そう言って俺はそいつに見守られながらベットまで向かう。
「……マジつらいからさ」
だからお前、帰ってくれ…? そんなつもりだった。
「ベットにつらそうなやつが転がってたら解放してやんのが俺の役目だろ?」
……って……。
なんだよ、お前の役目って。
お前になんの使命があるんだよ。
ベットで仰向けになってる俺に馬乗りすると、そいつは俺の両手にそれぞれ手を絡め、押さえつける。
「……マジ?」
「……マジ」
うそだろって。
「病人は安静にしてないとな」
そう言って、カーテンを束ねてある布で俺の両手を縛るとその端をベットのに縛り付けた。
「ちょ……」
ちょっと、今の俺ってマジ弱ってんじゃん……?
こんな風に簡単にされちまうなんて。
まぁ、こいつも結構力強いのよ……。
ってか安静にしてるから、縛んなっての。
そいつは馬乗り状態で俺のシャツのボタンを外していく。

「おい……」
「あついだろ?」
そいつは俺の露わになった乳首を押しつぶすようにそっと撫でる。
「んっ……」
いやらしくもその行為で体がビクンと跳ねてしまった。
「へぇ。はじめてなんじゃねぇの? いやらしー体してんじゃん」
「あのなぁ……。昨日先輩にもやられたっての」
「そう? じゃ、優しくする必要とか全然無し?」
「え?」
いや、それは困る……。
ってかかといって優しくして欲しいってわけでもねぇし?
俺はやるつもりねぇんだけど?
「もう寝かせてくれよ……」
ソレを無視してそいつはズボンのチャックを下ろしにかかる。
「はぁ……やめ……」
思考も視界も定まんねぇ……。
直にそいつが俺のモノを取り出して扱き出す。
「あっ…ふ……やめっ………」
駄目だって。ソレって異様に声出しちまう……。
俺こんなんじゃ女とやれねぇよ……。
いや、やられるのとやるのじゃ大違いだよな。
ホラ、人に腰揉まれるとくすぐったいけど自分で揉んでも全然じゃん?
ってそんなこと考えてる場合じゃ……。
手、縛るから口塞げねぇしっ。
この手……。布に余裕があるから少しは動けるんだけどどうにもならねぇ。
「な……。あんたの名前、なんなんだ?」
そいつが一層強く、俺のを扱き上げながら聞いてくる。
「あっ…あっ…ン……みつ…るっ……」
「へぇ。みつる? 俺は啓吾。よろしく」
って今言わなくてもいいだろ?
「はっ……なっ…啓吾…もぉっ……」
「もうイキそう?」
「なっ……うるさっ……んっ……」
そんなに人の手で擦られ続けたら……。
「イかせてください…啓吾さまーとか言ってくれたらイかせてあげちゃうけど?」
……くっそう、なに言ってやがる。
「だれ…がっ…んっ…あっ…」
いいよ、もうこっちで勝手にイってやるからよぉ……。
「はぁっ…あっ…く…んっ……」
風邪のせいで緩んじゃってる涙腺からジワリと目が潤う。
「あっ…ぁっ…ん」
もう、そのまま扱かれたらイくって……。
ビクンと体が痙攣したとともに、欲望を弾け出す……
弾け出すはずなのにっ。
啓吾がすっげぇいやなタイミングで根元にキツく指を絡める。
イキそうだった欲望が一気に逆流する感覚。
「ばかっ……なにすっ……」
「だから、言わねぇのにイかせられねぇっての」
そう言って手をのばし、ベットの横にある机の上から冊子を綴る紐を取ると、根元を縛ってしまう。
「はぁ……いてぇって……」
「そんな涙目で言われても。かなりおいしいね……」
そんなおいしいとかどうでもいいんすけど。
「お前風邪なんだろ……? 検温してやるよ」
「は……あ」
どうでもいいからイかせろって……。
いや、放してくれさえすれば即行トイレで一人でヌいてくるけど。
啓吾は、ベットの隣にある机に置いてあった電子体温計を取ると、俺の口の中に突っ込んできた。
「んんっ…」
なにしてくれんだ、こいつ。
睨みを効かすが笑われる。
「かわい―顔が台無しだぜ?」
……むかつく。
かわいいってなぁ……ったく。
「にゃに言っ…」
ああ、上手く話せないし。
ちょっと笑われたかと思うと啓吾は俺のズボンに手をかけ、下着とともに一気に脱がしてしまう。
「ちょっ……」
やっと体温計を口から出してもらえるがそれどころじゃない。
「なに考えてんだよ……」
「ああ。ココ辛そう」
もう、無視かよ……。
そう言って俺のモノに舌をつける。
マジかよ……。
「ふ……あ……」
「じゃ、検温すっか」
「え、さっき……」
口に入れたのは……?
「なにお前……。いまどき学校なのに口で計るわけねぇじゃん……」
……確かに。
「馬鹿にすんなよっ」
「別に馬鹿にしてねぇって」
そう言って俺の左足の膝裏を掴んで高々と持ち上げる。
「なっ……」
一気に羞恥心が高まる。
さらにあろうことかそいつが後ろの窪みへと舌を這わす。
「っ馬鹿っ……なにすっ」
チロチロと周りを舐めてゆっくりと中に舌が侵入していった。
「やっ…め…馬鹿……やめろっ……」
それでもやめないで啓吾は舌先を中で器用に動かしていく。
なにも答えてくれねぇし……っ、
ってこんな事やり続けてて答えれるはずもないんだけどっ。
だんだんと変な感じになってくる。
「ちょっ……もっ、抜っ……」
しばらくしてやっと舌を抜かれると代わりにさっきの体温計をゆっくりと挿入されてしまう。
「んぅっ……」
少しひんやりとした感覚がして異物感が高まる。
学校なのにソコで検温かよ。口よりありえねぇっ。
「気持ちよさそうじゃん……?」
「なっ……ぁっ」
奥の方まで入ってしまった体温計で、中をゆっくりと掻きまわされると体がビクンと跳ね上がった。
「あっ……あっ、や……うご……」
「なに? ちゃんと言ってくれないと……」
「はっ……馬鹿ぁ……やっ、やぁっ……」
変に足がくねくねと動いてしまう。
いやらしい。
体温計を差し込んだままで体をひっくり返され、手を縛っているカーテンの布が、さっきよりもキツく絡まった。
「なにすっ……」
「心配すんなって」
いや、別に心配とかでなくっ。
膝を折り曲げさせられ、いやでも腰が浮く。
その腰を掴んで、体温計を抜いたり刺したり……。
繰り返されるその行為に次第に感覚がおかしくなってくる。
「はぁ………啓吾ぉ……駄目……俺っ…」
「まーだ……たったこんな細さでなに言ってんの」
そう言って体温計を引き抜くと、代わりのモノが奥まで入り込む。
指か?
「ひぁっ……あっっ……」
「ちゃんと指濡らしたから……痛くないでしょ?」
痛ぇよ。てめぇ、何本一気に入れてんだ?
「うぁ……痛…ぇって……」
「処女には2本でもきつい?」
静かな保健室に、いやらしい音が響いていた。
「ゆっくり慣らしてやるから……」
啓吾は中を押し広げるようにして指を動かしていく。
「はっ…ぁっ……あっ…」
俺は必死にベットの端を掴んで耐える。
なんつーか……痛みに耐えるわけでなく、快感に……
ホントはイきたくて堪んねぇっての。
「ぁあっ……ぁっ……啓吾ぉ……もっ……」
「……なに」
そう言うと内壁を擦るようにして指が曲げる。
「ひぁっ……あっ……や……っソコ」
「みつる、ココいいんだ?」
さらにソコへの刺激を重ねてく。
「やっ……ひぁっ……あっ、駄目っ……もっ、イかせっ……」
啓吾は指を一気に引き抜くと俺の体をまたひっくり返す。
「っ……見んなよっ」
「いいだろ。取ってやるから」
そう言って絡まっていた紐を取り外す。
「ぅン……はぁっ」
なんか……俺って啓吾のいいなりみたいじゃんかよ……。
取り外されても。すぐに啓吾の指が俺のモノにキツく絡まってイかせてくれようとしない。
「はぁっ……啓吾ぉっ」
「俺も気持ちよくさせてくんなきゃ……な」
そう言って自分のズボンのチャックを下ろすと取り出したモノをいままで指が入っていた箇所に押し当てる。
「そんなんっ……入んねぇってっ」
「大丈夫だっての」
啓吾は一旦俺のから手を離すと、手で入り口付近を押さえつつゆっくりと腰を進めていく。
すごい圧迫感……。
そのまま中に入り込んで来た。
先が入るとまた俺のに指を絡めて、そのまま奥の方まで入り込んでいく。
「あぁっ……やぁっ、っン」
その腰をゆるりと動かして引き抜いたり押し込んだり。
いやらしく腰を回す様子が目からも窺える。
「やっ……ぁっ……あっ…」
「すっげぇ、いい表情してんよ。みつる」
「ふぁっ……馬……鹿ぁあっ……あぁっンっ、ひぁあっ……」
俺ってばもう、自分から足とか開いて膝立てちゃってすごいやな感じ…。
どうしてくれよう?
めちゃくちゃ気持ちよかったりしちゃってるし。
もう痛みとかより快感勝っちゃってるし。
「あっ……ぁんんっ……やっ、ぁあっ……啓吾ぉ」
緩やかなピストン運動に合わせて俺の腰までくねっちまう。
啓吾が空いている手の指で亀頭まで撫でていく。
「ぁあっ……っ…もぉっ……もっ、我慢できなっ」
「イきたい……?」
しょうがなくも俺は頷いてしまう。
「じゃぁ、言いな?」
「……はっぁ……ッ」
もしかしてイかせてくださいってやつですか?
ああもう、このさいどうでもいいよ。
「アっっぁっ……イかせっ……てぇっ……ンぅっ、もっ」
「ちゃんと最後まで……」
「あっ……くださっ……啓吾ぉ……」
「だからちゃんと言えっつってんだろーが」
もういいじゃんかよ、そこは。
「はっぅん……啓吾っ……さまぁ……」
もう最悪……
「……意外にあっさり言っちゃうんだ?」
そう言って俺のモノから手を離すと一層激しく腰を動かし突き上げる。
「あっ……ひぁあっ、んっ……やぁっ……やぁああっ!!」

……というわけで、俺は保健室という神聖たる場所で達してしまった。


「……死ねお前」
「やだな。みつるだって結構悦んでたじゃん?」
こいつ、むかつく……。
マジで自分よがってたから言い返せねぇし。
「もう寝る……」
風邪で辛かったし。
むしろ風邪じゃなかったらもっとちゃんと抵抗できてたと思う。
後始末はちゃんと啓吾がしてくれたし。
ここってタオルとか濡らせたりしていいよな。
その点はちょっとよかったり。
「じゃ、俺はもう行くから……。あんま遅いと先生に怒られそうだし?」
「悪化したらちゃんとワビろよ……」