「はぁ……はぁっ……ああ……ん……」
「かわいいよ、雪之……上手にいけたね」
 いけた。
 いけた……?
「ナカで……射精しないでイッたでしょ。初めて?」
 よくわからないまま、頷くと、とまっていた桐生の指がまたゆっくり動き出す。
「あぁあっ……あんっ……んっ……ああっ、あっ」
「メスイキって聞いたことない? 女の子みたいにナカでイクの」
「はぁっ……しらな……ああっ……あんっ」
「すごいね。雪之は男の子なのに、女の子のイキ方も覚えて……褒めてあげる」
 からかわれているのかもしれない。
 一瞬、そう頭をよぎったけど、うまく思考が働かない。
 ただ、気持ちよくて。
 俺は男だけど、女の子と同じことが出来る。
 それを桐生が……大好きな人が、褒めてくれる。
「ん……きりゅう……はぁっ、もっと……」
「ん? もっとなに?」
「ほめて……あっ、あんっ……俺っ……」
「うん……えらいよ、えらい。よくイけたね。もう1回、出来るかな」
 ゆっくり動いていた桐生の指先が、また感じるところをとんとんノックする。
「ああっ、あっ……ひぁっ、ぁんっ!」
「もう1回……立て続けにメスイキ出来たら、もっとすごいし、かわいいと思うんだけど」
「あっ、ああうっ……でき、るっ……あんっ……ん、メスイキ、する」
 自分でもなにを言ってるのか、よく理解出来なかった。
 ただ、出来るかって聞かれて。
 出来ないとは言えなくて。
 出来たらまた褒めて貰えそうで。
「雪之ちゃんは、どうしたらメスイキ出来るの?」
「あっ、ああっ、桐生に……あっ、ぁんっ……ああっ、かわい、がられると……!」
「俺にかわいがられると、メスイキ出来るんだ? いいよ。ホント、かわいい。たくさん、かわいがってあげる」
 耳に舌を絡めながら、亀頭を撫でながら、ナカの気持ちいいところを何度も押さえつけてくれる。
 イッたばかりで、まだ気持ちいい波が治まっていないのに、また第二の波が押し寄せてきた。
「あぁあっ……あんっ……いくっ、いくぅっ……ああっ、あっ、あぁあああっ!」
「ん……上手……よく出来ました」
 もう一度、絶頂を迎えると、桐生がゆっくりと指を引き抜きかけた。
「ああっ……やっ……やぁっ……んっ……まだっ」
「まだ、入れてたい?」
「ん。ぅん……はぁっ……まだ……あっ、ん……あんっ……きもちい……あっ、ああっ……抜かな、で……」
 腰をくねらせると、一度外された気持ちいいところをまた指が掠めていく。
「そろそろ俺も入れたいんだけどなー」
「はぁっ、あっ……だって……指……ああっ、んっ!」
「じゃあ、あと1回だけね?」
 桐生の提案に、コクコク頷いて、俺は腰を浮かせた。
「入れやすいようにしてくれんの? かわいすぎ……ちゃんとしてあげるから。ラクにして? もう1本、足しちゃおうか」
 一度、指が抜けたかと思うと、すぐにまた入り込んでくる。
 さっきよりも広がる……3本?
「あああっ、あっ……だめぇ……ああっ!」
「だめ? なんで?」
「はぁっ……いくっ、ああっ……すぐ、いっちゃうぅ……!」
「すぐイきたくないの?」
「もっと……あ、あんっ……もっと……もっと、したい……ああっ、あんっ……ああっ、あぁあっ!」
「イったら、終わっちゃうもんね。それじゃあ、我慢する? 指、動かすのやめようか」
 指の動きがわずかに鈍くなる。
 焦らされているようで、俺はたまらず首を横に振った。
「んんっ……ゃ……やあっ……あっ、あんっ……して……ああっ、してぇ」
 桐生は耳元で笑うと、右手めがけてローションを垂らす。
 桐生が指を動かすと、ローションが、3本の指を伝うようにして、ナカに入り込んできた。
「ふぁああっ! んっ!」
「ごめんね、冷たかった? 雪之ちゃんのナカ、狭いからさすがに3本だと動かしにくくて……ああでも、ほぐれてきた」
 冷たさなんてのはすぐにわからなくなっていた。
 3本の指がぐちゅぐちゅと音を立てながら、ナカをグニグニと押さえつけてくれる。
「あぁあっ、ああっ……あっ、ん、あんっ……きりゅう……いくっ……いくぅ……」
「きもちいい?」
「あんっ……ああっ……いい……ああっ、あっ……あぁあああっ!」
 我慢できなくて、すぐにまたイかされてしまう。
 そもそも我慢の仕方なんてのもわからなかった。
 さっきからずっと、頭も体もおかしいまま。
 指が抜けてしまうと、たまらなく寂しくて。
 振り返ると同時に、桐生にしがみついた。