「あっ、あっ……あんっ……んぅっ!」
 美和の指が2本、俺の中に入り込んで、広げて、奥に出された精液が滴り落ちてくる。
「喘がないでよ、玲衣くん。またしたくなったらどうするの?」
 したい。
 とっくにしたくなってる。
 だから喘いでるんだと思う。

 風呂場で、お互い裸で。
 しかも美和は俺のこと抱きしめてくれてるし。
 俺も美和に抱き着いちゃってるし。
 お互いの性器が、当たってる。
 熱いし、当然、硬くなっていた。
「あっ……ああっ……ぃく……んっ!」
「指入れて、広げてるだけだよ」
 たったそれだけのことでイっちゃうんだって、からかわれているみたいで、羞恥心を煽られる。
「あぁっ……美和ぁっ……あぁあっ!」
 恥ずかしいと思った瞬間、体がびくついて、美和の指を締めつけながら射精していた。
「このまま少し広げておくから、洗おうか」
 美和の指で広げられたままのそこに、シャワーが押し当てられる。
 お湯が入り込んできて、体がまた震えあがった。
「あっ、んぅっ……待って……お湯、はいる……」
「うん、ぬるぬるしたの、全部、洗いたいよね」
 洗いたい。
 そう思っていた。
 ついさっきまでは。
 でも、美和の性器はめちゃくちゃ勃ってるし。
 ぬるついてたのに、お湯で綺麗にされたら、入れにくいかもしれない。
「ん……美和……お湯じゃ、なくて……ん……美和の……入れ、て」
 抱き着いたままそう告げると、美和はシャワーを俺から離してくれた。
「俺の入れてって、どういうこと?」
 どういうこともこうもない。
「はぁ……ん、もう1回……んっ……いきたい……」
 いったばっかだけど。
 こんなの押し当てられたら、入れたいって思うのは仕方ない。
「はぁっ……はやく……あっ……美和ぁ……」
「そんなんじゃ、ずっと終われないよ」
 終わりたくない。
 ずっとセックス出来たらいいのに。
「次は中出ししないからね」
「ん……うん……」
「ああ、ゴム取ってこようか」
 俺を抱く美和の手から、力が抜けるのを感じた。
 俺は逆で、美和を抱く手に力を込める。
「やだ……なしでいい……いいから、はやく……」
 早く入れて欲しくて、たまらなくて、涙が溢れそうになった。
「じゃあ、イク瞬間、抜けって?」
「ん……」
「っていうか……なしでいい……なの? それとも、なしがいいの?」
 なにを言ってるのか、一瞬、理解出来なかった。
 なしでいいって思ってたけど。
 なしがいい……なのかもいれない。
 中出しとかの問題じゃなくて。
 直接、肌が触れ合うのと、ゴム1枚でもなにかを隔てて触れ合うのとでは、全然違う。
「ん……なしが、いい……」
「生がいいんだ?」
「ん……美和は?」
「どっちも気持ちいいけど、生の方が玲衣くんと繋がってる感じがするね」
 繋がってる。
 なんか恥ずかしくて。
 でも、同時にもっと美和が欲しくなる。
 俺は美和にしがみつきながら、腰を浮かせると、右手で掴んだ美和のを、まだ指が入り込んでいる箇所に押し当てた。
「ん……指、抜いて……あっ……こっち……ちんこ、いれる……」
「そんなに入れたいんだ?」
「ん……」
 美和だって、入れたいくせに。
 美和の指が引き抜かれた直後、俺は自ら美和のを咥え込んだ。
「ああっ……んぅっ……あっ、あぁあっ!」
「ねぇ、玲衣くん……玲衣くんの気持ちいい顔見せて」
「はぁっ、あっ……やだ……」
「俺の入れて気持ちよくなってる顔……さっきは見れなかったし」
 さっきは後ろから抱かれていたせいで、顔を見られることはなかった。
 見たいって言われると、見せたくなくなる。
 わざわざ俺に言わないで、勝手に見ればいいのに。
 俺はしがみついて、顔を美和の肩に埋める。
「顔あげてくれたら、キスしてあげる」
「んっ……はぁ……うう……ん……」
 してあげるって、なんかむかつくし。
 でも、したいし。
「メガネないから、そんなによく見えないよ」
 これだけ近距離で、よく見えないもなにもないだろう。
 そこまで目が悪いわけじゃないはず。
 そう思ったけど、俺は納得するふりをした。
 きっかけが欲しかっただけかもしれない。
 顔をあげると、美和が唇を重ねてくれた。
「んぅっ、んっ……んっ……はぁっ、あっ!」
「かわいい……すっごい蕩けた顔してる」
「はぁっ……んっ、んっ……あぁっ、んっ……いく……ああっ、いくっ」
「まだ全然動いていないよ。俺の入れたままキスしたら、気持ちよくなっちゃったの?」
 美和は俺のことを全部、言い当てる。
 わかりやすいのかもしれない。
 気持ちいい。
 舌先を伸ばすと、美和が舌で絡めとってくれる。
「はぁっ、あっ……んぅっ、んっ……あっ、あんっ……あぁあんぅ……!!」
 体がビクビク震えた。
 その瞬間、美和は俺の顔を両手で掴んで、背けられないようにしてきた。
「玲衣くんのイキ顔……見ちゃった」
 涙が滲んで、視界がぼやける。
 頭もぼーっとする。
 ただ、恥ずかしくて、気持ちいい。
「いま……ナカでイッたよね」
 あいかわらず顔は掴んだまま。
 美和は俺を見てそう問いかけながら、腰を浮かせるようにして、ナカを突き上げる。
「ああっ……あんっ、んっ……いっ……いったぁっ……はぁっ……美和ぁ……あっ、あんっ、そこぉ……だめっ……んっ、いく……いくっ!」
「連続でイッちゃうの?」
「はぁっ、あぁっ……いっちゃうっ……ああっ……あんっ、あぁあっ……だめっ……あっ! あぁああ……っ!」
 立て続けにまたナカでイってしまうと、美和はやっと俺の顔から手を離し、ぎゅっと抱き締めてくれた。
「本当にかわいいよ……メスイキして、トロトロになってる玲衣くん……」
 トロトロってなんだよって思ったけど、本当に頭も体も蕩けてるみたいだった。
 何も考えられない。
 正確には美和とチンコのことしか考えられない。
「さっきからずっと、甘えられてるみたい」
「……甘えて、ねぇし」
 ただセックスしたくて、入れてって頼んだだけ。
 結局、俺が自分で入れたし。
「ごめんね。ゆっくりさせたいけど、俺がイかないと、玲衣くんも満足しないよね。もうちょっと付き合って」
 もしかしたら、美和はイかなくても満足出来るのかもしれない。
 でも俺は、美和にもイッて欲しい。
 っつーか、俺じゃ気持ちよくイけないって、なんか嫌だし。
 結局、美和の言う通り、俺は美和がイかないと満足出来ないらしい。
 抱き着く俺の体を、美和が揺さぶる。
「ああっ、あんっ……ふぁあっ……あっ……美和ぁっ……ん、こす、れるっ……あっ、あっ、ちんこ、ああっっ!」
 密着した美和の腹で俺のが擦れて、射精感が高まっていく。
 美和のも、ナカでビクビクしてるみたいで、もうイキそうなんだと解かった。
 でも、美和はイク瞬間、抜かなきゃいけない。
 せっかく俺のナカで気持ちよくなってくれてんのに。
「んっ……美和ぁ……はぁっ、あっ……このまま……」
「ん……なに?」
「あっ……ああっ……なかで……ああっ、あんっ……だし、て……ああっ、いくっ……いくぅっ……!」
「はぁ……いいの? じゃあ、中、出しちゃうよ?」
 熱っぽく耳元で告げながら、美和は激しい抽送で俺を攻め立てる。
「あぁあっ……あっ、きもちいっ……ああっ、んっ……いくぅっ……あぁああっ!」
 弱いところを突かれて、チンコも擦られて。
 俺が射精すると同時に、美和の腰がビクついて、ナカに精液が流れ込んできた。
「あぁ……はぁっ……ん……んぅ……」
「玲衣くん、中出し好きだよね」
「はぁ……お前のこと、気づかってやった、だけだし……」
 別に、俺自身が中で出されたいわけじゃない。
 たぶん。
 出されないと、なんか腑に落ちないだけだ。
「わざわざそんな気づかいしてくれるなんて、玲衣くん、俺のこと、好きなんだ?」
 ……好き。
 好きだけど。
「……むかつく」
 せめて顔を見られないように、俺は美和にしがみついたまま。
「むかついてる玲衣くんも好きだよ」
 耳元で美和が呟く。
 見なくてもだいたいわかった。
 どうせこいつは、ニヤついてる。
「……ホント……ばか」
 なんか悔しいけど。
 やっぱり俺は美和のこと、好き……なんだろう。