弓道部に入ってくれた……ということは、脈有りってことですよね?

 とはいえ。
 何事もなく1週間すぎちゃいましたよ。

 部活中一人にだけ声をかけるわけにもいかないし。
 いや、俺としてはいいんだけど?
 尋臣ってそういう目立つこと嫌だって考えそうだし。  

 部活動の後……ってのも、友達と帰るみたいで無理かな。
 となれば、委員会後か。

 他のクラスの学級委員と一緒にいるようだけれど、部活の件でなにか話があるんだなぁくらいにスルーしてくれるだろ。


「尋臣、少し話しがあるんだが」
 委員会が終わるのを見計らい、廊下でそう声をかける。
「あ…はい。わかりました」
 友達には別れを告げてくれ、素直に俺のあとを付いてきてくれる尋臣くん。
 やっぱ、俺って好きになるととことん追いかけたくなるというか。
 それ以前に、ほら。
 毎日見てたらやっぱり、抱きたい衝動にかられてしまうわけ。
 ぶっちゃけ欲情中。

「先生、部活は…」
「あぁ、ちょっと早めに終わったんだ。大丈夫」
 数学準備室まで連れ込んで。
 少しくらい、前進してもいいよな。
 このままじゃ、あいつからは来そうにないし。

「尋臣、少しは考えてくれた?」
「っ……」
 俺が今、二人きりで話したい内容がわかってか、少し戸惑いを見せる。
「…俺…っ」
「結局、知ってもらう機会もそう無く1週間過ぎちまったし? このままずるずる時間だけ無駄に経つ気がするから。
 俺のこと知ってもらうのと。
 俺も、尋臣のこともっと知りたいってのと。
 そんな理由で、ココに連れ込んだんだけど。
 納得できそう?」

 顔を少し赤らめて、俺を伺う様子からすると、この後のことある程度予測できてはいるんだろ。
「キスしていい?」
「っ…俺、まだ…っ」
「気持ちの整理ついてないって? …別にキス出来たからって好かれてるとか勘違いしねぇから。
 お前が嫌じゃないなら、させて欲しいんだけど」
 そう言うと、嫌ではないのか嫌とは言えないのか。
 少し俯いて見せる。頷いていると取ってもいいんですかね。
 それとも逃げてる?
まぁいい。良い方に解釈しますよ。
壁際へと尋臣の体を優しく押し付けて、そっと口を重ねた。
 
初めは軽く唇を合わせるだけ。  
一旦離して、伺うように俺を間近で見る尋臣を確認して、もう一度。  
今度は舌を差し込んでやる。  
尋臣の舌を絡め取って、溢れる唾液を送り込んで。
「んっ…ぅんっ…」
 俺のシャツを引っ張る尋臣がかわいくて、そっと股間に手を触れた。
 ビクつかれるが、無視して口内を犯していくと、キスが気持ちいいのか、股間のモノがだんだんと硬さを増していく。
 口を離しても、抵抗する言葉は出てこなかった。
 ただ、荒い息を整えてくれている。
「気持ちよかった?」
「…っ…ぁ…」
「教えて」
「………は…ぃ…」
「そう。よかった」
 俺は尋臣の前に跪いて、ズボンのチャックを下ろしていく。
「あの…っなにをするんですか……?」
「硬くなってるから。イかせたいんだけど」
「そんなの…っ自分でしますから…っ構わないでくださいっ」
 硬くなってるのが恥ずかしいのか、それでも先生って立ち場の俺をどかすことも出来ないのだろう。
 言葉だけで抵抗を示す。
 俺としては、キスだけでこんなに硬くしてくれて嬉しいんだけど。

「自分でするなら、見せて」
「え……」
「尋臣のことが知りたくて、こうしてるんだから。自分でするってんなら、それを見せて欲しいし」
 どう断ろうか迷っているんだろうか。
 なにも言えずにいる尋臣をよそに、ベルトを外し、ズボンと下着を引きずり下ろす。

「尋臣…。俺に舐めさせて?」
「なっ…あ、そんなの…っどうして…っ」
「したいから」
 信じられないのか、顔を横に振る。
「理解出来ませんっ」
「…舌でされたら気持ちいいし。好きなやつが気持ちいいって感じることをしたいと思うのは普通だろ」
 尋臣が顔を赤くする理由は、舐められることに関してなのか、俺が好きなやつとか言ったからなのか、どっちなんだろう。
「じゃあ…俺が、いらないって言えば別にしたいわけではないんですよね」
 確かに。
 尋臣を気持ちよくさせたくて…みたく言いましたから、それは一理ある。
「うまそうだから、しゃぶりたいんだけど」
「なっ……! き…もち悪いです…っ」
 …俺も、言っててなんか間違った気がしてきたけれど。
「噛まないから。な?」
 俺って変態だな、なんて、しみじみ思ってしまう。
 実際、してしまえば尋臣だって、絶対気持ちよくて求めてくんだろ?  

 半ば強引に尋臣のに口付けて、舌をねっとりと這わすと、大きく体が震え、さすがに俺をどかそうと、頭に置かれる手の感触。
「んぅっ…んっ…やめてください…っ」
「気持ち悪い?」
 硬さは増し、先走りの液が少し溢れる。
 それをまた吸い上げ、指で押さえ込み愛撫しながらも、舌を何度も絡めた。
「ぁっんっ…んっ…くっ…」
「出してもいいよ?」
「ゃめ…っあっ…んっんっ…んぅんん!!」
 体を震わせ、尋臣の先端から溢れ出る液を、口で受け止めてやる。
 それを呑み込んで、上を見上げると、顔を真っ赤にして、信じられないと言わんばかりに泣きそうな尋臣に見下ろされた。


「…なん…で…っ」
「なにが」
「そういうのは、しょうがなくやらされてするものじゃないですか…っ」
「うん? 確かにそういうパターンもあるだろうけど。俺は尋臣のこと知りたいし俺のことも知ってもらいたいから?
 尋臣がこうされるとどう反応するかとか。味とか。
 逆に、俺も尋臣のためならこんくらい、余裕でするってわかって欲しいし?」

 なにも言えずに俺を見おろして。
 俺はというと、自分で自分が気持ち悪いなーなんて考えだしていた。


 指先で、尋臣の足の付け根…入り口を撫でると、不安そうな目をこちらへ向ける。
「……やめ…っ」
「こないだ…悦くなかった…?」
「……よかったですけど…っっ」
「ダメな理由は?」
 答えを考え中なのか、返答に迷っているのをいいことに、俺は淡々と行為を進めていく。
 尋臣の股間へと、用意していたローションを垂らした。
「んっ! ぁっっ」
「ズボン、汚れるから足、抜いときな」
「でもっ…」
「じゃあ、机に手、ついて」
 俺は尋臣の体を後ろから抱いて、大きめの机へと向かわせる。
 もともと素直に手を付く気はなかったのかもしれないが、少し股間を擦りあげてやると、体を支えたくてか、手を置いていた。
「ぁっんっ…ぅんっ!」
「ローションかかってると、ぬるぬるして気持ちいいだろ…?」
「ひぁっ…んっ…ン!」
 ぐちゅぐちゅと、わざとらしく音を立てながら擦り上げ、尋臣がまた興奮してきているのが手に取るようにわかる。
俺はもう一度、後ろから入り口へと指を這わして、そこへとローションを垂らしていく。
「っ…やめ…っ」
「どうして?」
 沈黙は、答えになってないと判断しますよ。
 指先をゆっくり押し込んでいく。
「ぁああっ!! ンっ! やぁっ」
 ぬめりを纏った指先は、奥の方まで入り込んでいく。  

「やめ…っぁあっもう、やめてくださぁっ」
 前と違っていきなりこういう展開になったわけじゃない。
 いや、いきなりといえばいきなりなんだが、少しくらい考える余地みたいなもんはあったはず。
 だからか、わけもわからず流されてしまう…という具合にはいってくれないようだ。
 ちゃんと、嫌がっちゃうっていうか。

 泣いてる…?
「尋臣―…。やめて欲しいの?」
「んっ…あっはい…っ…やめ…」
 やめてほしい…か。
無視してゆるやかーに、ゆっくりと指を抜き差ししながら、感じる部分を擦ってやる。
「ぅんっ! あっ…あ…っ…んっっ」
 少し泣きの混じった鼻にかかる声が、心地いい。
 ちょっとわかりやすく前立腺を突くと、尋臣の体がビクついて、かわいくてたまんなかった。
「もう一回聞くな…? やめて欲しい?」
「っ…あっ…ぁ………わか…んなぁっ…」
「んー…わかんないの? じゃあ、もう1本足してみようか?」
 なにが『じゃあ』なのかはさておき。
 俺の言葉に反応して、尋臣が振り返る。
 少し横に身を乗り出して、尋臣を見た。
「…も…1本…って…」
「指。入れようかなって」
「無理…っ」
「大丈夫…。ほぐれてきてるし」
 そう教え込み、ローションを足しながらゆっくりともう1本の指を押し込んでいく。
「あっ! …ぁああ…っだめ…っ」
「どうしたー? 尋臣」
「はぁっ…おかし…ぃ…っぁっあっ…こんなっ…んぅん!!」
 尋臣は、腕で自分の上半身を支えられないのか、机にすがりつくような形になって、爪を立てていた。

「2本、入ってるよ、尋臣…。わかる? ほら」
 わかりやすーく、中を2本の指で押し広げてやる。
「あぁあ……それ…っ」
「あぁ、尋臣くんは、拡げられるの大好きなんだ?」
「違…っ」
「だって、ほら。気持ちよさそう。気持ちいい?」
 机に左腕をつき、尋臣を眺めながら聞くと、俺の服の腕部分をギュっと掴んでくれていた。
「…っ…ぃい…っ」
「やっぱり、好きなんだ?」
 もう一度、中が広がるよう指を開きながらも、前立腺辺りを突くと、尋臣の体が大きくびくつく。
「ぁああっ!! …すき…っ…せんせぇ…っ」
 一瞬、俺のことが好きなのかと思えてしまうような言い回しに不覚にもどきっとした。

「後ろだけでイける…?」
「はぁっあっ…ゃあっ! ぃく…っぅんっ! あっあぁああっっ!!」

 イってしまいぐったりとしている尋臣を、床の上に敷いた自分のジャケットの上に座らせた。
「…汚れ…」
「構わねぇよ」
 俺は尋臣の正面にしゃがみこみ、使ってない方の手でそっと尋臣の髪をかきあげてやった。

「気持ちよかった.…?」
「………はぃ…」
 まだボーっとしてるな。  

「尋臣がなにか俺のこと、知りたいって思ってくれるんなら、なんでも教えるけど」
尋臣は考えこむようにして、少し不信そうに俺を見た。
「……なんで…俺のこと好きとか…」
「どこがって聞かれると、なんかもう全部ツボだから、言い表しにくいんだけど。尋臣見てると、なんかすっごい愛でたくなる感じ」
 好きな理由とかって自分でもいまいちわからない。
 けれど、そういうもんだろう?
 そりゃ、性格がかわいいとか顔がかわいいとか。
 いろいろあるけど、結局それだけじゃねぇと思うし。

「…俺…だけ、こんな恥ずかしい姿、見られて…」
「あぁ、じゃあ、俺も見せようか」
「え…」
 予想外?
「そういう…つもりじゃ…っ」
「違うの? お前が知りたいって思うんなら、俺は見せれるし」
「…冗談でしょう?」
「別に、お前だけに恥ずかしい思いさせようと思ってやってるわけじゃねぇし。
 なんならお前に同じことされても構わねぇよ? 尋臣がしたいならだけど」
 首を横に振って『したくない』んだと示される。
 あー、興味なしですか?

「…まぁ、お前が見たくないなら、あえて見せ付けようとも思わないからいいんだけど」
 そう言って、立ち上がろうとする俺の腕を取り、止められる。

「見ます」
 俺を試すようにそう言ってくれるんですけど。
 俺だって、ただ勢いで言ったわけでも、冗談でも、賭けにでたわけでもない。
 本当に、いいと思ってる。
「…俺に、興味持ってくれてんだ?」
「自分だけ、こんな風に晒してしまっては、分が悪いというか…。
 本当に、見せれるんですか?」
 信じがたいってわけね。
「いいよ…」
 俺は尋臣の前に座り込んで、自分のモノを取り出した。
「お前が言ったんだ。どうせだから、ちゃんと見てろよ」
 擦りあげていくうちに、次第に自分のが硬く張り詰めていく。
 尋臣の視線が突き刺さる。

 高校生の前で一人エッチする教師ってどうなんだ?
 なんて、思いつつももう後戻りなんて出来そうにない。

「…尋臣…人がしてんの、見るのは初めて…?」
「…は…い…」
 尋臣は、恥ずかしそうに、それでも俺のを見てくれていた。
 俺がそんな尋臣を見ているとも気付かずに。

「…本当は、コレをお前ん中、入れたいんだけど」
 そう言うと、顔をあげ驚く尋臣と目があった。
「っ…こんなの…入るわけないじゃないですか」
 こんなのって。
「入るだろ…。で…中拡げて、えぐって、かき混ぜたい…」
「変なこと言わないでください…っ」
「言わせろよ。そういうこと想像しねぇと、イけないし。俺はお前相手で勃ってんだよ」
 尋臣の呼吸が少し荒くなるのがわかった。
 俺の一人Hなんか見て、興奮してくれてんだろうか。

 やっぱ限界かも。
 手を止めると中途半端に尋臣の足に絡まったままのズボンと下着を引き抜いていく。
「なっ…なにして…っ」
「お前は…? なに考えて勃ったの?」
「っ…!! …違…」
 尋臣の言い訳も聞かずに、体を押し倒し、尋臣の股間のモノを手で掴む。
「すっげぇ、硬くしてるだろ…。どうして」
「ぁ…っ…だって…っ」
 指先で、入り口をつつくと、尋臣は不安そうな目を向けた。
「…俺ん中…入れる気ですか…?」
「そう。拡げられるの好きだろ」
「………ぃたい…っ」
「まだなんもしてねぇだろうが」
「無理です…っ」
 萎えてしまいそうな尋臣のを擦りあげながら、しょうがなくなだめることにした。
「じゃあ、入れねぇから。尋臣、手、貸してくれる気あるか?」
 腕を引っ張ってもう一度、体を起こしてやる。
 尋臣の右手を取って、俺の股間へと導いた。
「触って。もうどうにもおさまりつかねぇから。協力しろよ」
 俺は、尋臣のを擦っていく。
 はじめは戸惑っていた尋臣もしょうがなくなのか、俺のを掴んで擦りあげてくれていた。

「んっ……はぁっ…俺っ、声が…っ」
「んー…出していいよ。お前、一人でするとき、いつも声出してんの?」
「違…っ…あっ…なんかっ…」
「…自分でするより感じるだろ」
 何度も何度も擦りあげて、擦られて。
 
 尋臣を見つめると、おれの意図が通じたのか。
顔を寄せ合う。
自然とお互いに口を寄せ重ねた。
「ん…っ…ぅんっ!」  
 
あぁ、なにしてんだろうなぁなんて思うけれど。  
今、バカみたいに幸せな気分で。  
 
俺は尋臣の手で、尋臣は俺の手で、絶頂を迎えた。

 尋臣はあいかわらず慣れない感じで、イった後の俺のからそっと手を離す。
「尋臣…」
 名前を呼ぶと、恥ずかしそうに、俺を見た。
「…もっかい、キスして」
「っ……俺…さっきは、なんか流れで…っ」
「で。今は、するの嫌なわけ?」
 少し躊躇するようなそぶりを見せてから、身を乗り出して、俺に口を重ねてくれた。

 なぁ、これって、オッケーなわけ?
 どういう意味で受け取っていいのかなぁ。
 口が離れそうになるのを、腕を引いて留める。
「んっ…ぅん…」
 
 あぁ。やっぱりこいつのこと好きだ。
 すごい、舌、気持ちいいし。

  思いっきりヤりまくって、俺無しじゃ無理な体にしてやってもいいんだけど。
 もうちょっと、ゆっくりじっくり、遠回りしますか。