「あー…拓耶って、処女なん?」
「うやー…一昨日、捨てさせていただきましたわ」
「一昨日っ? ひゃー…。受け向き? 俺、意外と受け向きみたいなん」
「あー…わりとそうなのかも…。びっくりですなぁ…」
「俺の家系は、受け向きみたいなんよ。弟、2人ともエロエロだし」
「あれまぁ、啓吾くん、攻めっ子だろ? わりと、3年生の中で人気者よー、彼は」
「今は攻めっ子みたいだけど…。人気者なん? どっから3年生と知り合うわけ?」
「なんか、啓吾くん、よく歩き回ってるから…。1年と3年って、部屋同じだからわりと知り合うみたい」
「そう言われれば…俺も、部活以外では、2年の友達多いかも」
「4年は2年とセットですからなぁ。ってか、部長もよく歩き回るから、友達多いっしょ」
「友達が多いのはいいで。いろいろ。そういえば、今日、2年生、帰ってくるっけ? 近々お帰りなさいパーティ開かんと」
「そうそう、あいつらがキャンプなせいで、俺、やられたんよ」
「どうゆうことやん?」
「2年に彼女持ってる友達に…ね」
「あちゃー」
「…柊せんせーい…今日、次サボらせて…」
保健室のドアを開けつつそう言うと、いきなり目の前に現れたのは数学の宮本先生。
「次は、おまえは数学だろ…。駄目、出ろっ」
まさか、保健室に別の先生がいるなんてだれが思う?
しかも、次の授業の先生。
「…あー…ちょっと気分が…」
って、サボるって言っちまったか。
しょうがないな…。
「…宮本せんせ…? どうして保健室にいるんですか…? また、柊先生とやっちゃった? 教育によくないから学校でやるのはどうかと思うけど? そんな、いままさに急いでシャツ着て…。髪の毛、乱れてますけど…」
宮本先生は、慌てたように、手で髪の毛を直す。
ホントは乱れてないんだけど…。
「っや…ってないよっ。提出物があってっ…その、来ただけで…」
「…嘘のつけない性格っすね…」
笑いながら、保健室の中へと入ろうと体を進める。
「拓耶っ…次の授業っ…っ」
……奥では、少し笑うようにして柊先生が、こちらの様子を見ていた。
「…宮本先生……真面目な話、柊先生のこと、どう思ってんの…?」
柊先生には聞こえないように、こっそり耳元で聞いてやる。
「っ…な…に言って…っ」
「無理やりヤられてんの? それとも好きなわけ?」
「…そうやってからかってっ…」
「からかってねーよ。真面目な話つってんだろ…?」
「そんなこと……っ…生徒と話すつもりないしっ」
だろうな。
この先生、生徒とそーゆう話、楽しくするタイプじゃないし…。
「いいよ、じゃ、柊先生に聞いちゃう」
「なんでっ…そんなんっ」
「…ホント、からかってるとかじゃなくって…。はっきり言っちゃうと、俺、柊先生と遊びに来たんだわ。どんな遊びかは想像におまかせね。…宮本先生が、柊先生のこと、好きってんなら止めとくし?」
「そ…んな…。生徒と先生が…っ…駄目っ」
子供でもしかるみたいな言い方だな。
ってか、どんな遊びを想像したんだか。
やっちゃうとか思ったかな。
「…遠まわしに、柊先生のこと、好きって言ってる?」
「っ言ってないよっ…。もう、授業っ」
「わかったわかった。ちょっと、柊先生と話してすぐ行くから…」
そう言うと、少し、しょうがない…みたいな風にして、しぶしぶ宮本先生は先に保健室を出て行った。
「…柊先生…? 疲れてる…?」
奥に座り込んだままの、柊先生の方に行く。
「うん…? 平気だけど…」
やっぱ、今、宮本先生とやったんだろうな。
「…いままでフリーだったのに…。柊先生、宮本先生のこと好きなんだろ…?」
「そうだけど…」
「じゃ、いいよ。止めとく。宮本先生に悪いし…」
ほら、宮本先生も、柊先生のこと、やっぱ好きだろうし…。
柊先生が、他の人となんかしてたら嫌だろうなって。
「フェラくらいいいじゃん…? 拓耶はそーゆうとこ、真面目だよな…。…じゃ…キスだけ…する…?」
柊先生がそう言うもんだから、俺はそっと深く柊先生に口を重ねる。
お互いの舌が絡まり合うたびに、ゾクリとした感覚が背筋を走った。
「…んっ…はぁっ…」
柊先生の髪の毛に指を絡めると、柊先生は、俺の腰に手をやって、そっとシャツをめくりあげる。
何度も何度も、角度を変えて口を重ね直した。
もう、唾液が混ざり合ってわけがわからない状態。
「ン…っ…は…ぁっ…せんせ…」
俺が、柊先生の股間に手を触れたときだった。
「拓耶っ」
宮本先生の声だった。
俺は、慌てて柊先生から離れていた。
「…ん…なに…」
なにごともなかったみたいに俺は、保健室に入り込んで来る宮本先生に向き直る。
「なんで出てこないんだよぉ、待ってたのにっ」
「待ってたんだ?」
てっきり、先、教室まで行ったかと思いきや…。
「行く…。ホント、すぐ出てくから、もうちょっと待ってて」
そう言うと、俺と柊先生を見てから、少しムッとしたまま、また教室を出て行った。
「拓耶のキスって、やらしいよな。コレだけで、骨抜きになりそうなんだけど」
「それはこっちのセリフだっての」
「…それに…誘うのうまいよ…。お前のこと、犯したくなる…」
「どういたしまして♪じゃぁ、俺は授業受けてこよっかな」
気を取り直して、伸びをする。
「あいかわらず、やらせてはくれないんだ?」
「やー…俺、たぶん、受け向きの体じゃねぇし…」
いつもは、フェラされたりしたりとかしてんだけど、ソコどまり…。
それ以上、この人とはしてないよな。
それに、宮本先生ってわりと浮気駄目っぽい感じだし…?
いくらフェラでも、柊先生が他の人にしてたりするとやきもちとかやきそう。
「ん…。他あたるわ…。柊先生のフェラね、俺、好きだったよ」
「ん。俺も、拓耶の好きだよ。宮本先生が出張のときにでも、また相手してよ」
「じゃ、そんときはまた来るから」
そうとだけ言って、保健室をあとにした。
「っ遅いっ。もう授業始まるぞ」
「はいはい。間に合うからいいじゃん」
外で待ってた宮本先生を見ると、なんかホッとする。
ほんと、柊先生とうまくいってもらいたいもんだけど…。
「あれ…拓耶、戻ってきたんだ?」
同じクラスの友達、悠貴が俺に言う。
ほら、こいつは、俺が柊先生と遊びに保健室行ったっての知ってるわけで…。
「…保健室で宮本先生に捕まっちまってさー…。なんか、ね」
別に数学の授業をサボるってくらいはどうってことない。
ただ、人の恋路ってやつ? それの邪魔材料にだけはなりたくないとか思った。
「…頼むよ、悠貴…」
「…ん……久しぶり…」
それだけの会話で通じる。
「…悠貴の部屋、いい…?」
「いいよ、いいよ。ルームメイト、わりと理解あるし」
「…悠貴…?」
「あぁ、拓耶…。遅かったじゃん…?」
「…待ってましたってか?」
ベットに座っている悠貴の顔を掴み込み、深く口を重ねる。
悠貴の髪に手を絡め、引き寄せながらも自分もベットに乗りあがり、悠貴の体を跨いだ。
差し込んだ舌先で、悠貴の口内を探りながらも、舌を絡めあう。
室内に、濡れた音が響いていた。
「ん……悠貴……」
「…久しぶり…。拓耶にキスされんの。あいかわらず…うまいね…」
「どうも♪」
「…悠貴先輩…」
そう声がかかるもんだから、振り返ると、金髪の目立つ子が…。
「…悠貴のルームメイト…?」
もとからいたわけじゃない。
今、入ってきたのだろう。
「そ…。あー…たしか、佐渡啓吾と仲良しだった気が…」
佐渡啓吾っつったら、俺の部長の弟くんじゃん?
そいつと仲いいのか…。
「仲良くねーよ。なに……悠貴先輩、するわけ…?」
少し、照れてるみたいなのがかわいんだけど。
「するよ。どーする? 今日は、いる?」
今日は……って、何度か、現場おさえられてんのかよ…悠貴…。
「っ…たまには、悠貴先輩が出てってくださいー…」
いつも、出てかされてんのかなぁ、かわいそうに。
「悠貴もさ…あんまいじめたんなって」
「はいはい」
この金髪くんは、なかなかの頑固ものなのか、動こうとしない。
このまま、この子を無視してやっちゃうのも、なんかかわいそうだし…。
金髪くんがかわいいから、俺は、ベットから立ち上がり、そっと金髪くんの首の後に手を回し、口を重ねる。
「ンっ…」
っていうか…ちょっと、落ち着いてもらいたいだけなんだけど。
びっくりしたのか、抵抗できずに、軽く開かれている口元から、舌で歯列をなぞってやり、ゆっくりと、丁寧に、口内を舌で犯していく。
「っ…っぁっ…ンっ…」
口がわずかに離れるたびに、金髪くんはかわいらしい声を漏らして、嫌がるように、俺のシャツを掴む。
嫌がってるようには見えないけど…。
だんだんと、せがむように、舌先が俺の舌に絡まって、湿った音をあたりに響かす。
そっと、口を離したころには、金髪くんはうつろな状態で、カクンとその場に座り込んでしまっていた。
「…拓耶こそ…俺のルームメイトいじめんなって」
「キスだけだって。ちょっと、落ち着いてもらうだけ♪」
「おまえのキスは普通じゃねぇんだっての」
俺らは、笑いあって冗談交じりに言うけれど、金髪くんの方は、いまだにそれどころじゃない感じで…。
でも、慌てふためくとかそういうのじゃない。
ボーっとしちゃってた。
「…深敦くん…大丈夫…?」
「みつるくんって言うんだ?」
「ぁ…大丈……」
ゆっくりと立ち上がろうとするのを、悠貴が助けるように手を差し伸べる。
それを払いのけるでもなく、みつるくんは、手を悠貴の手に乗せていた。
「拓耶、うまいだろ…? こいつにされると、すっごいイイんだよ…。フェラとかも…ね…」
「あーんま、変なこと言っとらんとさ。…ね…。頼むからさ、今日は譲ってくれないかな…」
しょうがなくなのか、みつるくんは頷くけれど、なかなか動いてくれない。
「…みつる…くん…?」
「拓耶があんま強烈なモン、すっからだろ…」
んなこと言われてもね…。
ゆっくりと立ち上がったみつるくんは、力なくドアの外へと向かっていく。
「大丈夫…?」
「…ん…」
みつるくんが、ドアの外へと出て行くのを見守ってから、俺は速攻で鍵を閉める。
「拓耶……なに慌ててんの」
「…慌ててねぇけど…。なんか、今日は邪魔がたくさん入るんだよ。専念できねぇ」
次は、悠貴の彼女でもくるんじゃないかとか思うわけ。
「そんなに、専念したいんだ…?」
「…ま、そーゆうこと…」
ベットの上に座り込む悠貴の体を跨ぎ、そっと押し倒す。
「じゃ…はじめますか♪」
「ストリップショー?」
「そゆこと」
悠貴の体を跨いだままで、自分の体を起こし、シャツのボタンを上から順にはずしていく。
普通に、暑いからなんだけどね…。
俺、暑がりだから、こーゆう密着したことしてると、すぐ汗かく感じ?
その間にも、悠貴が俺のズボンに手をかけて、チャックを下ろす。
「手が早いねぇ、悠貴くん」
「踊り子さんには、手を触れないように?」
「いえいえ、触れてやって下さいな♪」
取り出されたペニスを上下に扱かれながら、その隙にも、俺はシャツをすべて脱いでいった。
「ん…っ…はぁ…っ…悠貴…」
「…俺、拓耶の体、好きだわ」
「っな…に言って…体だけですかって…っ」
「全部好きだよ、ハニー♪」
「俺も好き、ダーリン♪………ってか…こんなん、誰かに見られたら…マジ、シャレになんねーって」
しばらく笑いあってたけど、悠貴の手が、俺のペニスをいやらしく扱きあげるから、だんだん笑ってられなくなってきていた。
「ン…っ…はぁっ…ぁっ…」
「……もうちょっと…上、来いって…」
「…この体勢で…フェラってくれんの…?」
悠貴の顔の前に自分のモノがいく位置まで体を進める。
下から、悠貴がそっと舌を出し、ゆっくりと俺のを、舐めあげていった。
「っン…はぁっ…ぁっ…ん…」
こうゆうとき、ついつい腰が動きそうになるよな。
「いやらしぃ踊り子さんですこと…」
あぁ、動いてた…?
「踊りは…腰が命ってことで…っ」
ピチャピチャと、濡れていく音があたりに響いてくる。
俺は、腰を少し進めながらも、悠貴の髪の毛に指を絡めてしまっていた。
「っはぁっ…悠貴…っ…ぃい…っぁっンっ」
「…声も…やらしーよな…」
舐めてるお前も充分やらしいっての…。
「っ悠貴…も…ぃく…っぅン…ぁっ…ぁあんんっっ」
ギリギリで腰を引き、自分の手で、包み込んだおかげで悠貴の顔にかけずにはすんだけど…。
そっちを気にしてたせいで、声がもう出まくり…?
もうちょっと殺せばよかったかな…なんて…。
まぁいいや。
「じゃ…悠貴の、やるよ…」
俺が、悠貴の体からおりようとしたときだった。
腕を取られて、勢いよく逆に押し倒される。
「……悠貴…?」
「やー……拓耶、手、ベトベト…」
俺の手を一舐めするけど、なにがなんだかわかんねぇ…。
いつもだったら、俺らって、2人とも男役だから、フェラしあって終わっちゃうわけ。
ほら、俺の彼女、純粋だから…。
信用とか失うわけにもいかないから、そうそう手も、出してられんのよ。
わりと、溜まってくるわけ。
悠貴や柊先生は、こうやって俺の1人Hに付き合ってくれるんだけど…。
俺の上に被さった悠貴は、親指でそっと俺の乳首を撫でていく。
「…っ…なに…し…」
混乱している間にも、悠貴は淡々と行為を進め、指で弄んだ乳首を、舌で絡めながら吸い上げた。
「っふ…ぅっ…ぁ…」
嘘だろって…。
俺って、乳首でも感じるんだ……
なぁんて、変に自分の体に関心してる場合じゃない。
イったばっかで体が敏感なせい?
「悠貴…っ…俺、フェラだけで…充分…っ」
にっこり、悠貴に微笑みかけるけど、逆に微笑み返される。
「ほら、悠貴の…やっから…っ」
「拓耶にフェラされんのも、すっごくイイんだけどさ…。たまには別のことしない…?」
別のこと……。
あー……そういえば、今、2年生って、キャンプだっけ…?
4年制のココは、普通の高校と違って、2年にキャンプがあんだよ。
しかも、わりと長期で1週間。
悠貴の彼女は、2年生だから、今、いないわけで……。
俺、盛られてる…?
「トレードマークの笑顔が鈍くなってるよ…拓耶…」
笑って…られないんすけど…っ。
「悠貴…っ俺、ほら、お前の彼女と違って慣れてないし…つまんねぇって」
「別に…それはそれでいいよ」
股間を手で、撫でられると、まだほてったままの体がビクンと跳ね上がる。
「やらしぃ体」
「…あー…っと…」
どうにも…言い訳できねぇ自分がいた。
「悠貴…っ…ん…マジで…駄目だって…」
「大丈夫だって」
何が大丈夫なんだかっ。
ズボンを脱ぎ取られ、足をM字型に折り曲げさせられ、恥かしい場所を悠貴にさらしてしまう。
「ちょっ…」
止めようにも、俺、体硬いから、悠貴まで手が届きそうにない。
「俺…っ…したことないし…っ」
「処女…? 拓耶って、あんなやらしいキスとかフェラとかすっから、てっきり中学時代にすでにやられてんのかと思ってたけど…」
してねぇって。
「じゃ、止めようなっ? 悠貴」
「一回くらい、しといて損はないって」
あぁ、確かに損はない…かも…
なぁんて、納得するかよ。
「ローション、使おっか」
俺の足で、悠貴の体を跨ぐみたいにさせられながらも、悠貴がポケットからローションを取り出す。
「…なんで…ポッケに入ってんの…?」
「さぁ?」
万事休す…。
悠貴が、そのローションを指に塗りつけるのが目に入った。
片手を膝裏に回され、もう一度、深く折り曲げられながら、その悠貴の指先がアナルに触れると、俺はもう、本格的にやばいということを、実感した。
いや、いまさらだけど…。
「あの…さっ、悠貴っ。ほら、しといて損ないってんなら、俺がお前、犯してやっから…」
「残念…♪俺、もう、そっち経験済みだから…」
嘘……っとか、驚いてる隙にも、悠貴は指を、俺の中へと押し入れた。
「っぃっ…くっ…ぅっ…やっ…」
「さすがに…処女はキツいね…」
からかうでもなく、本気でそう実感してるみたいな言い方に、よけい恥かしくなってくる。
すげぇ…
人の指が中に…。
「変…だよ…っ悠貴…」
「なにが…?」
「全然っ……気持ちくねぇ…っ」
「入れただけで感じる奴は、上級者だよ…」
そうですか、はい。
確かに、俺は、下級者ですわ。
「…ぁ…どんくらい…入って…っ…」
「まだ、第一関節くらい。お前、キツいもん」
嘘だろ、おい。まだ、そんだけなのかよ…。
「抜け…って…っ…痛い…」
「ローション、足すよ」
そう言いながら、少し繋がった指先にローションを垂らしていく。
ひんやりとした感覚が、こっちにまで伝っていた。
「っん…く…」
「拓耶…1本、全部入ったよ…」
さいですか…。
1本くらいなら……入っちまうと、わりと平気かも…。
そう思ったけど…。
「動かすよ…」
そう言われて、その言葉を理解しようとしているうちにも、ゆっくりと指が中で動く。
「っぅンっ…ぁっ…やめ…っ」
中でやんわりと動いていた指は、次第にその動きを抜き差しというものに変えていく。
「っひっぁっ…はぁっ…ぁあっンっ…やぁっ」
「拓耶くんは、トルネードよりピストン派ですか」
冗談、かましてる余裕ないからっ。
いや、もうその悠貴の言葉も、冗談に聞こえない冗談だけど。
「悠貴ぃ…っ…や…早…っ」
「もっと早くして欲しい?」
笑いながらそう聞いてくる。
わかってんだろって。
「違…っ」
「早すぎ…ね。ゆっくりやるよ…」
「ん…っ…やぁっ…っ…ぁ…っやぁあっ」
全然、聞いてねぇ気がするんすけどっ。
あいかわらず、抜いたり差したりを繰り返される。
おかしいって。
あぁ、でもだんだん悦くなってきたような…。
「はぁっンっ…くっ…悠貴っ…ぁっあっ」
「なかなか、先に進めそうにないですなぁ」
いまだ、1本の指先で、中を探りながらも、俺の様子を見る。
「もっ…無理っぁっ…んぅっ」
「気持ちはイイ?」
「ぅくっ…ンっ…いぃっ…ぁっん」
「指…増やされてみたくない?」
馬鹿な質問をっ。
なにをおっしゃるうさぎさん。
って、言いたいとこだけど、やべぇや、俺…。
増やされてみたい気がしてる。
そっと、頷く俺に応えて、悠貴は指の動きを止め、ゆっくりと中に2本目の指を挿入していった。
「っつ…ぅ…」
「痛い…?」
「ん…っ痛ぃ…」
「慣れるまでの、辛抱ですよ、坊ちゃん」
「誰だよ、ソレ」
「冗談に、応えるくらいの余裕はあるわけだ?」
あー…言われてみれば、冗談に応えるくらいはできるけど…っ。
「ほら、指の構造的に、2本目とか入れるときって広がるじゃん…? 入り込むと、わりと中、ラクだろうから」
「…へーい…」
上級者に従いますよ、ココは…。
だから、早く、入り込むなら入って、抜くなら抜くでどうにかしてくれ。
もう、わけわかんねぇ。
「ローション、ついてるからさ…。切れそうとか、そんな感じはないでしょ…?」
切れそう…ってな感じではない…よな、たぶん。
「は…ぁっ…でも…おかしぃ…」
「もどかしい?」
2本とも、入り込んでしまったのだろうか。
中で、指がゆっくりと内壁を擦っていくように撫でられる。
「ふっ…ぁんっ…はぁっ…ぁああっ」
入っちまうと、イイ…。
入るまでが、微妙だけど…。
「やっ…悠貴…っ…ぁあっ…んっ…ンぅうっ」
「ずいぶん、気持ちよくなってきたみたいだけど…?」
だいぶ…。
慣れてきた?
この、拡げられるのにもだけど、ヘンテコな刺激にも…。
快楽しか、感じなくなってきてる。
やべぇ。
「抜き差し、しようか…」
「ん……して…」
「…お前…素直すぎて、やばいよ、それは」
笑いながらも、悠貴は、2本の指をセットで軽く抜き差しをするように前後に動かす。
「はぁっあっ…悠貴ぃっ…」
「俺、ホント、拓耶の声、好きなんだよね」
今は、それどころではないのですがっ。
「くぅ…ンっ…あっ…ぃい…っ悠貴…っ…」
何度も何度も、内壁を擦りながら指が出入りを繰り返して…
失神しそう…
「はぁっ…悠貴っ…」
「指、増やしていい…?」
「駄目…っ…止めな…っで…」
指を入れるたびに、この出し入れされる動きを止められるのが、たまらなく嫌。
「ぁっくぅン…っ…イイっ…悠貴ぃ…」
「拓耶くんの中は、キツキツですよ」
「ぅンっ…ぁっ…あっ…悠貴ぃっ…やっ…ぁあぁんんっっ」
「……拓耶―……」
「あ…れ…? 俺…」
思い出せ思い出せ。
どうしたんだっけ…?
「言おうか?」
思い出そうとしてる俺を見てか、悠貴がにっこり微笑みかける。
「ぜひ♪」
「…いつもみたく1人Hの手伝いとして、フェラし合おうってことになって、俺が拓耶をイかせてやって、その後、いつもと別のことしようとしたら…」
あぁ、やっば…。思い出したわ。
夢じゃないんだ…?
「…ベテランAV女優並みに、喘ぎまくりながら失神したんだけど」
「失神っ?」
俺、失神してたんだ?
「失神なんてしたことねぇ」
「いや、今、してたじゃん」
そうか…。俺は、失神してたのか…。
ってか、喘ぎまくりながら失神って……変態か、俺は。
「というわけで、拓耶くんは、まだ処女です♪」
「あらまぁ、それは、どうも…♪じゃ…」
って、部屋を出て行こうとベットから起き上がる俺の手首にはちゃっかり手錠が柱と繋がっていて…
「え…?」
「ほらね…いつも、お互い同じ回数だけイかせあってるじゃん…?まさかとは思うけど、自分だけ2回もイっといて、さようなら…なんてこと言わないよね…?」
「あー……悠貴くん、俺が、掘ったげる♪」
「いえいえ、逆の方が♪」
うそ……ん…
「せっかく、人がゆっくり慣らしてってるのに、指増やそうとしたら、駄目とか言うし…。自分が気持ちいいことしか考えてないね、拓耶は」
「あー…ちゃぁ、ごめん。あれ、わけわかんなくなってたし」
「次は、無視して俺が、気持ちいいことだけ、やらせてもらうから♪」
駄目、無理。
でも、手錠とか繋がってる辺り、やる気満々だよな…。
「…ちゃんと…イかせますから…やさしくして♪」
「しょうがないですなぁ」
こうして、俺というトンネルは、開通してしまったのです。
はぁあ…。
「というわけなのさ。部長♪」
「ほぉう。じゃ、拓耶はわりとやらしいんやな」
「この話のポイント、ソコじゃないんだけど…」
「そ…? ってか、深敦くんとキスしたんだ…? 啓、キレると恐いで内緒にしときゃぁなー…。俺、でら怒られたで…」
「あー……それは…困った。でも、絶対、悠貴も手、出してるよ、同室だし」
「あれまぁ。にしても、そーゆうことなら、俺としようや。拓耶のフェラテクにかかってみたいわ」
「じゃぁ、今度♪…で? 部長は…?」
「俺? 俺は、もちろん、処女は、榛に捧げましたわ」
「奪われたんじゃなくって、捧げたんだ?」
「拓耶だってわりと合意やん…? 榛の処女は俺がもらったし?」
「あはは♪…お互い貰い合いですか♪」
「で、結局、悠貴くんは誰にやられてたんやん…?」
「……さぁ……」
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