それは劇的な出会い…
なーんて…
別になんてことはない。
この間、クラス代表になった俺、黒崎憂は毎週月曜日、生徒会室へ行かなければならなくなった。
別に…寮に戻ってもなにもすることなんて特にないし、次の日のための宿題とかが出るわけじゃないし…いいんだけど…。
他の人が早く帰れて遊べるのに俺だけ変な説明とか聞くの…やだなぁ…。
まぁ、それがクラス代表の役目なんだろうけど…。

そんなこんなで月曜日。
生徒会室に行ったのです。
「クラスと名前、教えてくれる?」
優しくそう声をかけてきた人。
真っ黒いさらっとした髪、切れ長の瞳、そして長身、枠なしメガネの似合ういい男。
まさに理想。
やっぱメガネは枠なしだよな〜…じゃなくってっ
枠有りもいいよな〜……でもなくって……
なんていうか…とにかくっ
この人は理想なのです……。
一目見たその時から、そう感じたんです。
「……あの…名前、教えてもらえますか……?」
つい…聞いてしまう。
だって、名前くらい知っておきたいんだもの。
「…え? 俺…?…そうだね。人に名前を聞く時は自分から名乗らないとね」
軽く笑いながら、そう言う声もまた素敵。
「あっ…ちがっ…そうゆうんじゃなくって……いいですっ、全然、自分からとかそんなんじゃなくって、ただ知りたくって、ついっ…いつのまにか聞いちゃってっ…」
思えば俺、何言ってんのっ??
だって…おかしい…っ。いきなり名前聞いちゃうなんてっ
あわあわしてるうちにも先輩が口を開く。
「俺の名前はね。伊集院総一郎って言うんだ。よろしくね。じゃ、君は…」
「あ、俺、黒崎憂です、1年2組ですっ」
『はい』っと、名簿みたいなのに○をつけてくれる。
「じゃ…好きな席に座って待っててくれるかな」
「…は…い…」
伊集院先輩に言われたように、俺は適当な席について辺りを見渡した。
角の方にソファもある。……変な教室だな。
ぞろぞろと、各クラスの代表者が生徒会室に集まって、その後、伊集院先輩がいろいろと話すけど、もう何言ってるかわかんない。
ボーっと先輩の方、見ちゃってたり…。

「ねぇ……大丈夫…?」
気付くと前の席から後ろを向いて俺を見ている人が…。
声をかけてきたのは、髪がちょっと長めでブロンド色ってやつ??いや、ちょっと違うかな、わかんない。
なんとなく色っぽい雰囲気の人。
「すごい…会長の事、見つめてるね…」
くすって、軽く笑ってその人は言った。
「え…あ…その…俺の理想なんで…」
って…何言っちゃってんだろ…。
「そうなんだ…?うん…彼はすごいよ…。容姿だけじゃなく成績も常にトップらしいからね…」
ますます理想っ。
「じゃ、運動とかはっ…??」
「……運動も出来るんじゃないかな。あくまでこれは俺の推測だけどね…。ねぇ…会長のこと、好きなの?」
軽く笑いながら完全に体を俺の席に向け、机に肱をつきながら眺めてくる。
「好きっていうか…理想で…俺、あぁゆう人になりたいんで…。俺は、背も低いし…童顔<だし…ってまだ、子供なんだけどっ。生徒会長みたいにみんなをまとめ上げる自信もないしっ…憧れなんで…」
そこまで言うと、
「観月真綾くん…。俺の話、聞いててくれてるかな」
って……苦笑して言う、生徒会長さん。それもまた素敵…。
「聞いてるよ…猫っかぶりの会長さん…」
前の席の人が、後ろの…俺の席の方に向けた体のまま、半分振り向いて、生徒会長に答える。

猫っかぶり……?
どうゆう事…?
そう疑いの目で、前の人を見る。
前の人は俺の方に向き直って、軽く笑った。
「真綾っていうの…俺。よろしくね。君、一年でしょ?俺は2年だから一応、君の先輩」
「あ、俺、黒崎憂です。よろしく…です…」
「……憧れた理想ままでいたいなら…あまり会長には近づかない方がいいかもね…」
そう言い残して、真綾先輩は、前に向き直った。


「じゃ…今日はここまでにしておくから…」
そう言う会長の声にみんなが席を立つ。
俺も席を立つけれど、帰るのがなんだか惜しい。
「じゃぁね、憂くん」
「あ…真綾先輩。また来週…」
「うん」
人がどんどん出てって、とうとう俺一人。
「…君は…」
そう伊集院先輩に声をかけられて
「黒崎憂ですっ」
慌てて答える。
「うん。憂くんね。もう帰ってもいいよ」
「あ…はい…」
しょんぼりと…つい暗く言ってしまう俺に、
「また、来週ね」
そう言って、伊集院先輩は、俺の頭を軽く撫でた。
「は…い…」
嬉しくって、生徒会室を出て、自分の触られた頭に手、合わせてみちゃったり。
来週…待ち遠しいよ……。




それなのにっ……。
俺ってば、馬鹿っ。
あれから1週間たって、月曜日。
あろう事か、忘れちゃってもう1時間。
寮に戻ってから、早めにお風呂にはいって、その後気付いた。
もう…終わっちゃってるかな…。
それでも急いで生徒会室に行ってみる。
「あの……」
扉を開いてそこにいたのは伊集院先輩だけ…。
「すみませんっ…。俺っ…」
馬鹿だ……。こんなんじゃ、先輩に呆れられちゃうよぉ…。
「…君…」
「黒崎憂ですっ」
「うん、ちゃんと覚えてるよ」
笑ってそう言うと、中へ俺を誘い入れる。
「今日は、早めに終わったんだ。たいしてすることなかったし、もうすぐテストだから、みんな大変だろうしね…。ちょっと、各クラスがどういった状況かみんなに聞いたくらい…」
『座って…?』そう言う先輩に従って、俺はそこにあったソファに座ると、先輩が隣に座る。
「憂くんのクラスは…なにも変わったこととかない…?」
耳元でそう囁くように先輩に言われると、なんだか恥ずかしくなってくる。
「えっと…」
俺のクラスは…
そう考えているときだった。
俺の右に座った先輩の右手が、ゆっくりと俺の右の太ももに被さる。
「…あの…」
「話をする時は、一応、俺の方見てくれると嬉しいかな」
「すみませっ」
先輩の手…つまり自分の太ももを見下ろしちゃってた俺は、慌てて先輩の方を見る。
「あっ…」
思ったよりも先輩の顔が近くって、なんだかびっくりして…。
「…言って…」
そう言う伊集院先輩から、目が離せなくなる。
「1年2組は…」
登校拒否とかする人もいないしっ、平和なクラスです…
そうとか言おうとしたんだけどっ…
太ももに当てられた伊集院先輩の手がゆっくりと俺の股間の方に移動して、ズボンの上から撫で上げる。
「…っ…」
慌てて、下の…自分の触られている股間に目を落とそうとするけれど、先輩の左手が後ろからまわって、俺の頬を撫でてくるから、なんとなく下を向く事が出来ない。
「あのっ…」
「1年2組は…何…?」
やさしく、俺に微笑みかけて聞きながらも、布越しに俺の股間のモノを擦られて……
「っン…ぅんっ…」
「憂くんのクラスは、どんなんなのかな……」
「はぁっ……んっ……ぁっ…」
だんだん、体が熱くっなってきて、もう、おかしくなってきて……。
「目…潤んじゃってる…」
伊集院先輩は俺のことを心配そうに見て、そう言った。
左手が頭を撫でると、いままで股間を撫でていた先輩の右手が、ベルトを外し、あろうことかチャックを下ろされてしまう。
「あ…あのっ…」
「……1年2組のこと…教えて…」
そうは言うけど、直に俺のを触られてそれどころじゃない。
「んぅっ…はぁっ…ぁっ…く…」
「…泣いてちゃ、わかんないよ……。もしかして、クラスで虐められてる…?」
「ちが…っ…ひぁっ…」
先輩の手が…俺のを掴んでいきなり擦りあげるもんだから、変に声が出ちゃう。
「はぁっ…ぁ…っ…」
伊集院先輩が…こんなことするなんて思ってもいなかったから、もう混乱してわけがわかんなくって……。
頬を伝う涙の後を、伊集院先輩が、やさしく指で拭ってくれる。
「嫌……?それとも…ココ…弄られて涙腺、緩んじゃった…?」
そう言って、伊集院先輩がすでに立ち上がって剥けている俺の亀頭を親指の腹でやさしく擦る。
「ぁあっ…あっ…ぁっ…んぅ…」
ビクンって、変に体が仰け反っちゃう…。
涙が止まらなくなってくる。
「上も下も…泣き虫なんだ…?」
軽く笑って、先輩は手を離すと、ソファから降りて俺の前の床に座り込む。
「せん…ぱ…」
「足…あげようか…」
そう言って、両足の膝裏を掴み、ソファの上に足を上げさせられてしまう。
「っ…」
両側に思いっきり足を開いた状態で、俺のモノが伊集院先輩の目の前に……。
恥ずかしくって堪らなくって、どんどんソコが熱くなる。
「見られると…感じる…?」
伊集院先輩に見られてそう言われると、コクリと頷いてしまう。
すると軽く笑って、『かわいいね…』って……。
俺の足を押えたまま、ゆっくりと、俺のに舌を這わす。
「んっ…んうっ…」
ピチャピチャと、伊集院先輩はあたりにいやらしい音を響かせながら丁寧にソコを舐めていく。
「はぁっ…ぁっ…先輩……っ…ぁあっ…」
もう、伊集院先輩が俺の足を押えるまでもなく、自分から開いちゃってるよぉ…。
伊集院先輩の口の中に含まれると、もうわけがわかんなくって…
熱くって、吸い上げられる感覚に射精感が高まる。
「んぅ…はぁっ…ぁっ…あっ…」
耐えられず、自分から腰が動いちゃう。
だって…めちゃくちゃ気持ちいい…。
「くっ…ン…っ…ぁ…あっ…や…っ…あぁああっ」
体が大きく仰け反って、先輩の口の中でイってしまう。
しかも、俺ってば、そん時、先輩の頭、押さえちゃったよ…。
喉をならして俺のを先輩が飲み干していく。
恥ずかしいから…そんなの……
「次…イくときはちゃんと言ってくれる?」
にっこり、伊集院先輩に言われて『はい』とか答えちゃう…。
次って…?
「…イイ子だね…憂くんは」
先輩が俺のズボンと下着を脱がしていくけれど、抵抗も出来ず、俺はただ、胸の前で手を合わせる。
「じゃ…今度は、自分でやって俺に見せてくれるかな…」
「…え…でも……」
「憂くんのしてるとこ、見たいんだけど…。俺がしてあげたから、次は憂くん…」
『してあげたから』……そう言われると、してもらったんだから、伊集院先輩の言うようにしなきゃって気がしてきちゃって……。
「……どう…すれば……」
いいのか…わかんない……。
先輩を見ると、ソファに上げた足をそのままにして、俺の腰を少し前に引き出す。
「っ…せんぱ…っ…」
そんなトコ……人に見られた事なんて初めて……
一気に顔が熱くなる。
「ココ…使えるかな…」
そう言って、後ろの秘部に指を触れる。
「っ…そんな…トコ……」
「…ゆっくり…指、入れてごらん…?」
俺の右手を取って指をゆっくり舌で濡らされる。
「…わか…んな……」
「俺の言うとおりにやればいいよ…」
自分の指がソコに触れるよう、持っていかれる。
「ゆっくりでいいよ…」
伊集院先輩に言われるがままに、俺は指をゆっくりと中に入れてみる。
「はぁっ…ぁっ…駄目…入んなっ…」
ちょっと入れただけで、すごい圧迫感。
「大丈夫…濡らしてあげるから奥まで…入れてごらん…」
すると、ちょっとだけ入り込んだ俺の指と入り口とを一緒に舐め上げる。
そんなとこ…っ。
「はぁっ…んぅうっ…」
少し、奥まで入れて、入り口が広がってしまうと、あとは比較的すんなりと、入ってってしまう。
「やっ…ぁっ…入っちゃ……」
「……えらいね…奥までちゃんと入れれて……気持ちいいから指で中、動かしてみなよ…」
そう言われて指をゆっくり動かしてみる。
「ぁっ…あっ…せんぱっ…」
「どこだろうね…憂くんのイイとこ…」
そう言って、先輩がポケットからビンみたいなのを取り出す。
「な…に…」
「うん。濡らすだけだよ…」
ビンの中の液体を先輩が、俺のまだ入っていない指に垂らす。
「ココ…使うとすっごい気持ちいいでしょ……。もう1本、指、入れれる…?」
「は…い…」
入れれるかなんてわかんないけど…そう答えちゃう…。
「うん…いい子だね、憂くんは…」
そう言われるのが嬉しくって…
そう言って、頭を撫でられるのが嬉しくって…
言われたとおりにしたくなる。
断わった時、先輩に呆れられるんじゃないかって、そう思うと断われない。
「ん…ぅうンっ…」
ほぐされてやわらかくなっているソコにローションのたっぷりついた指をもう1本増やしていく。
「ぁあっ…」
「キツそうだね…憂くんの中は…」
ホント…もう自分の指、すっごく締め付けてる。
「いいよ…好きな様に動かして…」
そう言われて、ゆっくりと動かしてみる。
「はぁっ…ぁあっ…」
内壁を擦ると、逆に自分の指に吸い付いてくるみたい…。
必要以上に足とか開いちゃってる。
我慢できなくて、ついもう片方の手で、自分のモノを擦りあげる。
「ぁっ…あっ…やっン…んぅっ…」
「気持ちいいんだ…?」
その問いかけに、大きく頷いてしまう。
「でも…まだ…こんなんじゃないよ…」
耳元でそう言って、先輩が自分の指にローションをつける。
「入れてあげるから…ソコ、拡げてごらん…」
「そ…んなの……っ」
恥ずかしくって、出来ない…。
でも、伊集院先輩が『大丈夫』って……。
「俺が、入れるために憂くんがすることなんだから、全然恥ずかしいことなんかないよ…」
『して…?』耳元で囁かれると…もう駄目……
なんでも従っちゃう…。
「あ…せんぱ……」
奥まで入りきった自分の指を少しだけ抜いて、拡げてみる。
「やぁっ……」
してしまった後に、すごい羞恥心にかられ、もう止めてしまおうと思った時に、
「ん…もうちょっと拡げれる…?」
そう声をかけられて、止めれない。
「出来な…っ…やっ…見……」
そんなに…見ないで……。
「…見られるのは嫌…?」
頷くと、
「じゃ…もう入れるね…」
そう言って、俺の指の隙間から、ゆっくりと先輩の指が入り込む。
「ぁ…あっ…やんんっっ」
「人にされると…何倍も気持ちいいでしょ…」
「は…ぃっ…」
伊集院先輩の指が、俺の指に反して中に入り込むから、変に余計に中が拡がっちゃう気がして…。
「やぁっ…ぁ…っ」
「ここ……とか…」
「やぁあっ……っっ」
ビクンと体が仰け反っちゃう。
「イイんだ…?」
すっごく敏感で感じすぎるところを執拗に突かれて体が変にビクビクと跳ね上がる。
自分の左手が…どんどん先走りの液で濡れていくのがわかった。
「ぁ…っ…ふぁっ…あぁっ」
先輩が、さんざん俺の中を、愛撫して、俺自身もうすぐにでもイっちゃいそうな状態。
指を引き抜かれると、あわせて俺の指も引き抜いていく。
「はぁっ…せんぱ……」
「充分……ほぐれたみたいだね…」
俺に聞くように、顔を見ながら言ってくる。
「ぁ……」
恥ずかしいから、そのまま俯くと、先輩が自分のモノを取り出すのがわかる。
「もう…こんなんになっちゃった…」
少し、子供っぽくそう言って、硬く猛りきったモノを、いままで指が入り込んでいた場所に押し当てる。
「っ…あ…」
「…かわいくひくついちゃってるね……。そりゃ、さっきあれだけ、指が入ってたもんね…」
どうにも答えれずにいると、俺の方を見て……。
引き寄せられるように、口が重なり合う。
「んぅ……」
入り込んだ舌が、俺の舌に絡まって、気が遠くなりそう…。
そのまま、伊集院先輩が、ゆっくりと腰を進めて、俺の中に入り込んで来る。
「んっ…んぅうんっ」
口を離されて、腰を掴まれると、どんどん奥の方まで、伊集院先輩のモノが入ってきて、すごい圧迫感。
「やぁっ…ぁっ…駄目っ…やっ…ぁあっ」
「…ほら…全部入っちゃったよ…。大丈夫…?」
コクリと頷く俺に、伊集院先輩が、やさしく頭を撫でてくれる。
「…ホント…憂くんはいい子だね…」
シャツのボタンを外されて、伊集院先輩の指が、乳首を撫でるとまた、ビクンと体が震えて、後ろを締め付けてしまう。
「んぅっ…ぁっ」
締め付けちゃうと、中にあるってのが、より一層わかって、なんか、めちゃくちゃ恥ずかしい。
胸の突起を舐めあげてから、先輩は腰をゆっくりスライドさせ、イイ所を突きながらも、俺の中を出入りする。
「ぁあっ…やぁっ…んぅっ…ぁンっ」
そのリズムに合わせるかのように洩れる自分の声が、また…自分で言うのもなんだけどいやらしくって……。
自然と、先輩を受け入れやすいように、入る時に力とか抜いちゃって、タイミングを合わてる自分の体とか、やらしくってたまらないのに、
「…そ…上手だね、憂くん……気持ちいいよ…」
そう言われると、嬉しくなってきちゃったり…。
「くぅン…やぁっ…ぁっ…イク…」
今度は…ちゃんと言わないとっ…そう思って、恥を捨てて、声にだして、限界が近いことを示す。
「よく言えたね…」
頭を撫でて、その後に、俺のを擦り上げてくれる。
「はぁっ…ぁあっ…もぉっ」
「中に…出してもいい…?」
囁くように聞かれて、返事をする余裕もなく、大きく縦に首を振った直後、内壁を擦りながら突き上げられる感覚にとうとう耐えれなくなって……
「ぁっ…あぁっ…イク…せんぱっ…ぁああぁっっ」
先輩の手に包まれたまま、イってしまい、その後、勢いよく入り込む、先輩の精液に気が遠くなった。





「ん……」
気がつくと、ベットの上…
「…気がついた…?憂くん…気を失っちゃったんだ…。それとも脱力で寝ちゃっただけかな」
伊集院先輩の部屋らしい。
「あの…俺…」
伊集院先輩にめちゃくちゃ恥ずかしい自分をさらしてた、あの行為がよみがえる。 恥ずかしくって、たまらなくって……
「憂くんの部屋まで、送ってあげるから…教えて?」

とぼとぼと歩いて行くけれど、なんだか気まずくって……。
そんなうちにも部屋についてしまう。
「じゃぁ…」
帰ってしまいそうな先輩の袖を掴んで引き止める。
「……伊集院先輩……俺のこと…呆れましたか?俺…あんな…クラス代表なのに会議のこと忘れてるし…結局、1年2組がどんなんか、言えてないし……あんなに…いやらしくって…っ」
言ってるうちになさけなくって、涙が溢れてくる。
そんな俺を、先輩が、ギュッって……抱き締めて……。
「……っ…」
「憂くんはね……ホント、いい子だと思ってる。俺の方がね…駄目だよ。いきなり襲っちゃったりで……どうしようもない奴だね」
そこまで言うと、先輩は俺から、離れてまた、頭を撫でてくれる。
「そ…んな…伊集院先輩は…生徒会長でみんなのことまとめあげてるし…運動も勉強もできてかっこいいしっ……俺の…憧れなんです…。どうしようもない奴なんて…自分のこと、言わないでください……」
悲しくなるから……。
「…あんな事、しちゃっても…?…憂くんが思ってくれてるほど、俺はいい人間じゃないよ…。そんな風に思ってくれてたなんて……じゃぁ、裏切っちゃったかな…」
軽く笑ってそう言った。
伊集院先輩が…あんなことするなんて思ってなかったけど……っ。
…なんかわからないけど、どんどん涙が溢れてくる。
「それでも…俺の憧れ……なんです……」
それは、変わらない。
「……じゃ…今からでも遅くないかな…。憂くんの憧れの人に見合う人間ってのにね…なれるように努力するよ」
伊集院先輩はそう言ってくれて、バイバイと手を振った。
今のままでも充分…そう思ったけど、なんとなく…俺のために努力とかしてくれるって言ってくれたのが嬉しくて…言わずに心の中に留めておいた。
「来週は遅れないように」
笑顔でそう言い残す先輩に、つい…また遅れて行っちゃおうかな…とか、そんな考えが頭をよぎった俺は、まだまだ伊集院先輩には程遠い人間なのです……。