尋臣の部屋に泊まることになって。
初日。
一緒のベッドでそのまま寝ようとする尋臣に強引にキスをした。

「おやすみー」
なんて言ってみるけれど、それで済みそうにないってのはわかっている。
「っ…智巳…っ」
ほら。
俺の名を呼んで、少し欲しそうな目つき。
「どうした?」
「あ…いえ、なんでもないです」
「もっかい、する?」
答えも聞かず、尋臣の体に覆いかぶさり、もう一度口を重ねる。
今度は、さっきよりもねちっこくね。
舌を差し込むと、慣れた感じで俺のに舌を絡ませてくる。

キスをしたまま、尋臣の股間をズボンの上から撫で上げてやると、体をビクつかせ、俺の腕に手をかけた。
「ぁ…智巳……っ」
口を離してやると、あせった様子で俺を見上げる。
「なに」
「んっ…そこ…っんっ!!」
「ここ?」  
尋臣のをきゅっと掴み示す。
「っ!!! ん…なんで…。するんですか…?」
「お前、したいんじゃねぇの?」
「隣の部屋に雅が…」
「でも、もうお前やる気だろ」
 すでに硬くなりつつある尋臣のを、チャックを下ろして取り出す。
「声…聞かれ…」
「じゃあ塞ごうか?」
信じられない…と言わんばかりの表情を見せる尋臣をよそに、枕の上に置いてあったタオルで口を塞ぐ準備をする。
「っホントにするんですか?」
「俺って本来どエスですからね」
「なに言って…っ」
「知ってんだろ? いままでだってたくさんお前にしてきたし」
「でも…っ今後、困りますっ」
 
まぁ確かにそれは一理ある。  
いまんとこ、まったく尋臣をそういう対象で見ていない雅が、尋臣のかわいい喘ぎ声を聴いたことでうっかり、手を出してみたいなんて気分になられちゃ困るし。

「どうしようか」
「どうしようかじゃなくて…っ」
「じゃあ、お前が声出さない程度に、いやらしいことするか」

 抵抗する尋臣を無視して、ズボンと下着を脱がせていく。
「っなにする気ですかっ」
「だから、声出さない程度にいやらしいことを」
「そんなの…っ」
「お前、後ろ使わなければそれなりには声殺せるだろ。もう硬くしてんだし、抜いてやるよ」
 
しょうがなく了解してくれたのか、素直に俺の手に握られて擦りあげさせてくれる。
「んっ……ぅんっ!」
 普段、一人で抜いてないってことは、後ろ使わずにってのも久しぶりになるのか。  
そりゃ、俺が入れる前にイっちゃうってこともあったけど。
 
 手で擦ると、それに合わせるようにして尋臣の腰が浮く。
「っ…ん…っんっ…ぅん…っ」  
俺がわりとリズミカルに動かしてやるおかげか、上手に声、殺せてますね。  
腰も、うまくくねらせやがって。  
少し手の動きを緩めてやると、刺激を求めてか、つられるようにして腰を動かす。
「んっ…ぁ…っんっ!」
「んー…。尋臣…。もっと自分で腰動かして…」
「っはぁ…っ…んっ…」
 顔を少し背けながらも、膝を軽く立て、俺の手にこすりつけるかのように腰を動かす。
 いやらしい動き。
 ホント、手で抜いて終わりとか、俺に対する拷問だろ。
 まぁ、今回は我慢しようかな。

「んっ…ぅんっ…智…巳っ…」
「あぁ、上手だね…。すごいいやらしくてかわいいよ、お前。…飲んでやるからもっと誘って…」
「あっ…ん…っ…智巳ぃ…っ」  
俺は軽く掴むだけ。  
尋臣が自ら腰を振るせいで、擦られ先走りの液が溢れる。  
それを示すみたく、尋臣が自分の手の指を亀頭に這わした。
「くっんんっ!! ぁ…っ」
「…そこ、どうなってる?」
「あ…っ…ぁ…っぬる…ってっ…!」
「ぬるって?」
「ンっ! ぬるぬるしてっ…ぁあっ」  
指で、溢れ出る液を亀頭に塗りたくるような仕草はたまらなくエロく感じた 。
「お前、ココ大好きだもんなぁ…」  
尋臣の指をどかす形で、俺もまた亀頭に指先を触れる。
「あ…あっすき…っ…んぅっ…あぁ…っ」
 …こいつ、ちょっと雅のこと忘れてんじゃ……。
 いつもよりは声殺してるみたいだけど。
 腰を振るのも、まるで俺の指に亀頭を押し付けてるっぽくて、いやらしい。
「っん! ぁ…んぅっ…ぃきそ…っ智巳…っ」  
我慢させると、こいつすっげぇ声出すしなぁ。
「ん…。いいよ。してやるから、お前、殺したかったら自分で声殺せな」  
俺は、尋臣のを咥え込み、舌先で亀頭を刺激しながら竿の部分を手で擦りあげてやる。
「んー! ぅんっ…んんっ」  
袋の方まで手で撫でて煽ってやると、限界なのか体をビクつかせ、頭を押さえこまれた。
「はぁっ…ンっ、んっ! んーーっっ!!」  
 
尋臣のが流れ込み、それを飲み下していく。  
その間も、尋臣は体をビクつかせて、俺の髪を掴んでいた。  
それすらかわいいとか思う俺はやっぱり重症だ。

「はぁ…っ…」
「ん…。悦かった?」
「ん…」  
ぐったりだな。

 こうこっそりっぽいプレイもたまには楽しいな。  
また新しい尋臣を見た気がする。

「じゃあ、そろそろマジで寝るか」
 ある程度、後処理をして、また寝る体勢に。

「…智巳は何がしたかったんですか」
「……それを聞きますか? お前にハメたかったんだけど。一応、雅を気にしてやめたんですけど」
「っ……はじめから、しなければいいものを…」  
確かに。
「ちょっと、すぐ寝るには惜しいと思ったんだよ。だから、お前が声殺せる範囲でしてみただけ」
「智巳は……大丈夫なの?」
「別に俺自身が抜きたくて手出したわけじゃねぇから、俺は別にいいし」
 
気にしてくれてたのか。
「まぁ、お前がどうしても気になるってんなら、明日、上乗せで」
「なに言ってるんですか…」
「激しいHする約束もまだ果たしてないし」
「ここじゃ無理ですよ…」  
別の場所ならいいのか。  
 
こいつ、俺が雅を気にしてあまりしないとか思って安心してやがるな。
「…まだ初日だし。3泊もあればどうにかなるだろう」  
笑顔を向けると、尋臣は冷めた目で俺を見る。  
あいかわらずだ。
やりだすと欲しがるくせに。

「とりあえずは、祭りのためにしっかり寝るぞ。また明日、たっぷりかわいがってやるよ」
「何言ってるんですか…」  

 ノリの悪い子ですこと。  
それでも、繋いだ俺の手は、離さずにいてくれて。  
そういうとこ、俺のツボ突いてくんだよな。  

 俺らは明日のために、手を繋いだまま眠りについた。