一人でとぼとぼ歩く。
あ。
もし入れ違いで誰ももういなかったら、かなりさびしいかも。
俺は携帯で珠葵へと電話をかけた。

「珠葵? まだ、いる?」
『んー? 余裕でいるよ♪ゲーセンの方』
「そっか。いまから行くから。あと10分くらい」
『了解〜待ってるよ』

珠葵たちはいいやつだ。
啓吾も一応、待っててくれはしたけれど。
むかつくなぁ。
眠いのはわかるよ?
待っててくれたのもありがたいし。
啓吾がいなくても、4人一緒だから別にいいんだけど。

なんだかなぁ。
こんなやつだったっけ。

まぁいいや。


「深敦くーん。課題終了、おめでとー」
いや、まだ終わってないんですけど。
「ありがと…」
あまりに惨めだから隠しておこう。
「啓吾は?」
普段、啓吾と一番仲がいい春耶がさっそく聞いてくる。
「…んー…眠いから行かないってさ」
すごい不機嫌そうにそう答えてしまう。
だって、そりゃ不機嫌にもなるだろ。
「散々、深敦のこと待ってたのに?」
「知らねぇよ。行かないっつったもん」
春耶はやたら真剣に考え込むし。
「…なんだよ、春耶…」
「いや、なんか啓吾変わったとことかなかった?」
変わったとこ?
「別にねぇよ。寝起きで機嫌悪いくらい」
「…まぁ…いいけど…」
なんなんだ?
変わったとこ、なかったよなぁ?

付き合い悪い感じはしたけど、寝起きならあんな態度、普通な気もするし。
「珍しいよね。啓ちゃんがそんな風に断るのって。…体調悪いとか…」
晃まで。  
そんなみんなで考え込むなっての。  
元気に遊ぶ感じじゃなくなっちまうじゃん。

「ま、深敦が大丈夫だっつーんだから、平気だろ」
 俺に気を使ってか、春耶がそう言ってくれる。
 晃もそれを聞いてか、にっこり頷いてくれた。
 俺の気持ちも晴れて。
 4人で、ゲーセンの音ゲーやらに没頭。
 UFOキャッチャーも少しやったりな。
 
 すっかり夜も遅いし遊びつかれた。
 11時か…。

 明日も学校だし。
 そろそろ帰ろうかって話になって。

「うわー、すごい雪降ってたんだ?」
 そう雪。
 寒い。
 ……こんな中で、啓吾は待ってたんだよなぁ。
 馬鹿なやつ。

 やっぱり少し、後ろめたい。
 俺は、帰りに、啓吾の部屋に寄った。

 けど、インターホンを押しても反応がない。
 もう11時だしな。
 寝るには早い気がすんだけど。
 でも寝ててもおかしくないし。
 
 寝てるんだったら、起こすのもあれだし、俺は自分の部屋へと戻ることにした。

 あー…そういえば、課題、やってなかったっけ。
 面倒だなぁ。
 啓吾ってこういうときに寝ちゃってるし。
 しょうがない…。
 ここは、悠貴先輩に頼るしかないか…。

「先輩―…。英語、教えて欲しいんですけど」
 先輩の彼女も、さすがにもう自分の部屋に戻ったみたいで。
 もう寝る準備万端の先輩にこんなん頼んじゃうのも申し訳ないんだけど…。
「プリント? 代わりにやっとこうか?」
「…それだと、渡部先生に怒られそう」
 そりゃ、俺にいちいち教えるより、その方がてっとり早いだろうけど、でも、全部やらせるのも、利用してますってな感じMAXで、申し訳ない。
「いいよ。教える教える」
 にっこり笑って、引き受けてくれる。
 いい人だなぁ。

 たまにおかしいけど。
「そういえば、深敦の担任って渡部先生だったんだねー」
「うん。あ、あの人、うわさでなんにでも点数つけるとか聞いたんだけど」
「よく知ってんじゃん。あの人、減点方式でなんでも計算してんだよねぇ。たとえばさ、昼ごはんとか。嫌いな物があったり、味付けが気に食わないと、マイナス5点とか。点数つけたところで、なんだって話なんだけどね」
 でもおもしろそうだ。
「俺もやってみようかな」
「どう使うわけ?」
「…うーん…。昨日は90点の昼ごはんに比べて今日は、95点だったーとか。比べる」
「なるほどね。でも、渡部先生はそれだけじゃなくって。テクニックとかHの点数、つけるみたい」
 Hの点数…?
「…どういう…」 「つまり、この人は早いからマイナス5点とか、テクがないからマイナス10点とか。そんな感じで。あの人、経験豊富らしいから? …樋口智巳先生ともやったことあるらしいよ…」
 こっそりそう教えてくれる。
 智巳先生と渡部先生が…?
「うそっ」
「点数までは知らないけどね」
 びっくり…。
 明日から、渡部先生を見る目が変わるよ?

 雑談はさておき。
 悠貴先輩に教えてもらいながら、やっと課題を終わらせる。
 なんか、今度お礼しないとな…。





「おーい、高ちゃん、ちゃんと課題やってきたか?」  
朝。
 担任だから1時限目の授業の前に来た渡部先生がそう声をかける。
 あまりに不意打ちで声をかけられたもんだから、変にびびっちまったじゃんかよ。
 しかも、昨日、悠貴先輩から聞いたこととか、思い出しちまうし。  

「…一応―」
「ふーん。まぁた、啓吾に聞いたんじゃないのー?」
 俺が、啓吾と付き合ってるのを知ってか知らずか、そうやってからかって。
「違うよっ」
 そう怒る俺に、楽しそうに笑う声。
「ま。あいつ、そんな元気、昨日はさすがになかったろうからなー。ちゃんと、看病したった?」
 笑いながら、そう言って。
「…看病…?」
 俺が、疑問符を投げかけると、やっと笑い声をやめてくれる。

「…してねぇの? まぁいいけどさ」
「いいけどさ、じゃねぇよ。看病とかいるわけ? どういう意味?」
 先生が相手だってのも忘れて、詰め寄るようにして質問してしまう。

「だって、熱あったじゃん」
 なんでもないみたいにそう言って。
 俺が取り出した課題のプリントを、奪い取る。
 奪い取られたところで、俺の方は、それどころじゃないっつーか。

「なんでそんなん渡部先生が知ってるのさ」
「んー。昨日、会ってさー」
 プリントに目を通しながら、俺の気持ちが焦るのとは対照的に、淡々と語り続ける。
「校門に座り込んでて。頭に雪積もってんのな。寮行けっつったら、人待ってるっつーし。お前だろ?」
「…俺…だけど…」
「だろ。言うだけ言って、寝てんのかしゃべる余裕がないのか、わかんねぇけど、熱あるくさくて、すげぇ状態だったし? でも断固として動こうとしねぇから、とりあえず下駄箱まで運んどいたけど。無事会えた?」
「…会えた…けど…」
「あぁ、よかったな。それで会えなかったら、俺、移動させちゃって悪者だし」
 それどころじゃないですから。
 
「なんで熱あるとかわかるのさ」
「なんでって言われても、見たまんま」
 
 俺、わかんなかったのに。
 たぶん、啓吾は、俺の前では気遣って、なんでもないフリしてたんだろうけど。
 でもあれだ。
 雪の中、寝てたら普通、風邪引くだろ。
 そういうの、俺、少しくらい考えればいいのに。
 いや、下駄箱にいたからわかんなかったんだ。
 でも、下駄箱でも、寒いよな。
 あのとき、自分が暖房で体あったまってたから、外の寒さの厳しさが実感出来なかったんだよ。

「というわけだ。今日は啓吾休みだと」
 休み…?
「…そんなに重症なわけ?」
「それはわからんな。重症じゃなくても、休むかもしれんし」
「ふーん…」
 なんか。  
そうとしか、答えれなかった。 どう言えばいいのかわからないというか。
 意識がなんか遠い方へ行っちゃってるような、そんな感覚。


 授業がはじまっても、なんか、啓吾のことばっか気にしちまう。
 
 1時限が終わった休み時間。
 春耶が俺の所へくる。
 いつもは啓吾と一緒にいるんだけど、今日は休みだからだろう。

「啓吾、熱だって…」
「あぁ。サボりとかでなく熱なんだ? やっぱり…」
やっぱり?
春耶は、俺の話聞いただけで、啓吾がどっかおかしいって気づいてたんだ?
俺、全然気づかなかったのに。

 晃も気にしてた。
春耶なんて、変わったとこなかったかって、わざわざ俺に聞いてきたし。
それでも俺は、思い返してみても。
変わったとこなんてないって、断言してた。

悔しい。
俺は、啓吾と付き合ってるんだよ。
啓吾のそばにいたのに、全然、啓吾のことわかってなくて、一人で腹立てて。
春耶の方がずっと啓吾のこと、わかってあげれてて。

そう思うと悔しくて、涙が出てきてた。

「深敦っ?」
そんな俺に気づいてか、春耶が驚くように声をかける。
「っ…馬鹿っ…なんでお前っ…」
こんなの八つ当たりだって。
わかってる。
春耶の肩に掴みかかるようにして、それでも表情だけは隠すように下を向いていた。

わかってるんだよ、だけど、とまんない。
「俺が気づかないことに気づくなよっ」
悔しい。
悔しくてたまらなくて。
ありえない。

春耶が悪いんじゃないのに。
馬鹿なのは俺なのに。
涙が止まらなくて、俺は逃げるように、その場から走り去った。

こんな顔、誰にも見せれないから。
しばらく戻れない。

とりあえず、屋上。
ここなら今の時期、誰もいないだろう。

雪が積もっていた。
ドアの近く、屋根のあるところの下にしゃがみこんで。
壁にもたれて空を見上げる。

昨日と同じ。
雪が降ってる。
ふぶいてるわけじゃないけれど。

今日の俺は、完全防備じゃない。
昨日の啓吾もたぶんそうだったんだろう。
寒い。
寒すぎだよ。
こんなとこで、人のこと待てるなんて。

また、止まりかけてた涙が溢れてしまう。
俺って、泣き虫だな。


 寒い。
 眠い。
 あぁ。寒いと眠くなるもんなのか。
 寝るな、死ぬぞーって。遭難のやつみたいだ。
 


「起きろって」
 そう言われながら頭をくしゃくしゃされる感覚に目を覚ます。
 やっぱ俺、眠っちゃってた…?
 顔をあげると、そこにいたのは担任の渡部先生だった。


「…普通さぁ…。まぁいいけど…」
 啓吾が来てくれたらって。
 ちょっと思っちゃってたりしたからさ。  

「…しょうがねーだろ。俺がお前の望んだ奴じゃないってのはわかるけどさ」
 あぁ。
 ばれちゃいましたか。
「いえ…。別にいいんだけど…」
「まだ授業中だし?」
 そうだよな。
 俺が、こうやって授業サボってることすら啓吾は知らないだろうし。


「じゃ、戻るぞ。寮戻りたいなら止めないけどさ。とりあえず、体冷えるから、移動しろって」
「…うん…」
 2人で、階段をトボトボと下りて。
 
「…大丈夫か? お前」
 やさしくそう聞いてくれながら、頭を撫でられると、余計にまた涙が出てきた。

「俺……啓吾が熱だとか知らなくて…っ」
「うん…」
「…苦しんでるのに、付き合いが悪いだとか、腹立ててたんだよ」
「…しょうがねぇだろ」
 しょうがないって?
「っ…しょうがなくねぇよっ」
 そう俺が、言い返すと、少し苦笑いして。
「…あのなぁ。お前も男だろ? 好きな子には心配させたくないし、迷惑かけたくないし。弱みは見せたくないから。隠しちゃうのは、男としてあるべき行為で。それに対して相手が気づかなかったのなら、啓吾としては、思い通りなんだよ」
 気づかなくて正解って?
「でもっ…。俺、啓吾のこと、全然わかってないやつじゃんか」
 春耶とかはわかってあげれてたのに。
「人には気づかれたくないこともあるわけだよ。お前は啓吾にとってちょうどいいんだと思うけどな」

 それ以上、俺はなにも言い返せなくなっていた。
 自分が気づけなかったのは、悔しいけれど。
 
「高ちゃん、体冷えまくってるから、とりあえず保健室で少し休んできな?」
「別に…いいよ。教室だってあったけぇし。寝れるし」
「教室で寝るなよ…。平常点、下げられっぞ」
 まぁ、先生が休めって言ってくれてるんだし。
 俺は、保健室で少しだけ、休むことにした。

「柊先生―。病人1人。冷えまくってるから、暖めてあげて」
 渡部先生がそう言って俺と一緒に保健室に入り込む。
「深敦くん? どんな暖め方が好きかな」
「…俺、やっぱ教室に…」
「冗談だって。暖かい飲み物でも入れてあげるからな」

 渡部先生とはそこでお別れ。
 柊先生は、俺に暖かい飲み物を出してくれて。
「どうして、こんなに冷えてんのさ」
 少し困ったように、そう聞いてきた。
「…別に…。ちょっと、外で寝ちゃったから」
「おかしな子だね。でもまぁ、なにか理由があって外で寝ちゃったんだろ」
「別に…」
「お前みたいにおかしな子、もう1人、いたよ」
 小さな声で、そっと俺にそう言うと、ベッドの方に目線を送る。
 俺は、コップを片手にベッドへと視界を移す。
 柊先生に、アイコンタクトで確認をして、そっと、カーテンをめくった。

 ちょっとだけ、期待した通り、啓吾が寝転がっている。
「深敦じゃん」
 寝転がったまま、俺に目を向けて。  
あぁ。
 寝てたわけでなく、寝転がってただけか。
 わりと機嫌良さそう。  

 だけれど、俺の気分はそんなんじゃない。
「……啓吾…」
「なにお前。寒いん?」
 俺の体がふるえちゃってるのがわかってかそう言って。
 そっと手を取られる。
「…冷たいな」
 啓吾は、俺からコップを取り上げて、ベッド側にあった机へと置いてしまう。  
その後、引き寄せられるがまま。  
ベッドに上半身が乗りあがって。  
 
啓吾に髪を撫でられながら、そっと口が重なる。
「ん…っ」
 ずるい。  
なんとなく、ずるい気がして。
 やっぱり、寝てるときとは全然違う。  
 
申し訳ない気持ちすらも、なくなってしまいそう。  
考えがわからなくなってしまう。
「ぁっ…んぅ…」  
舌が絡まって、熱くなる。

 口が離れても、ボーっとしちゃってるのがわかった。
「…はぁ…」
「熱っぽくね? お前…」
 俺…?
 熱…あるかな…。  
というか、啓吾は?
 もう治ったわけ?
 平気なフリしてんのか、治ってんのかわかんねぇじゃん。  
 
啓吾のこと、わかんねぇ。  
啓吾は、俺が自分でさえよくわからない熱にも気づいちゃってくれるのに。
 
なにも言えないでいる俺の髪を撫でたまま。
「悪ぃ、昨日…。お前、一人でボーリング行かせてまって…」
 そう言って。
なに謝ってんの、こいつ。
馬鹿すぎ。
「むかつく…」
「だから、悪ぃって…っ」
悪くないのに、謝んなよな。
「馬鹿っ」
溢れる涙を、啓吾は戸惑うような手つきで撫でる。
「っ…んっっ…くっ」
「そんな…ちょっと付き合わんかったくらいでそこまで、泣くなや。悪いとは思ってるけどさぁ。…さびしかったとかあるん?」
後半は少し冗談めかして聞いてくる。
そりゃ、さびしいとかは感じたけど、そんな問題じゃないっての。
「違ぇよ、馬鹿…っ。俺…っ」
「なんやん…?」
「……お前が、熱あんのに、気づかなくって…っ」  
啓吾は、一息ついて。
「それはまぁ俺がバレないようにしてたから?」
 なんでもないように、そう言う。
「でもっ…春耶とかは気づいてたのにっ」
「ってか、バレたら、隠してた俺の立場ねぇっつーか。水城も、俺の立場考えて知らないフリしろってのな」
 笑いながらそう言うけど、俺は笑えない。
「でもっ」
「でもばっか言うなっての。俺が気づいて欲しくなかったんだから、それでいいだろって」
啓吾はいつもそうやって、俺を正当化してくれる。
俺の方に非があるのに。
熱のときとか弱るから、ホントは気付いて欲しいって気持ちでいたかもしれない。
それでも気付かなかった俺が正しいと。
そう言ってくれる。

「…うん…」

「さっき、水城からメールあってさ…。お前のこと聞いた」
 俺のこと?
 俺が、泣いて、春耶に対してイラだったような態度とって。
 授業サボったこと…とか…?
 だから、啓吾はこうして保健室で待っててくれた…とか…。  

 たぶん、ホントは熱あるんだろうな。
 だから、起き上がってくれないんだ。
 別に面倒とかじゃなくって。
 
 そうじゃなかったら、こいつ、結構、歩き回るやつだから、たぶん、俺のこと、探してくれちゃったんじゃないかって思う。
 そういう奴なんだ。

 俺はなんにも言えなくて、ただ、啓吾の言葉を待った。
「…水城もさ…お前のこと心配してたから」
 やっぱり、いつもよりも、口調が穏やかなのも。
 熱のせいだ。
 俺もだけど。
「…うん…」
「…俺の方が、心配してっから」
 そう言って、俺の髪をそっと撫でた。
「………うん…」

 また、涙が溢れていた。
俺のこと、わかってくれるのが嬉しいし、申し訳ないしで。
もっともっと、啓吾のこと、わかる人間になりたいから。

「お前って泣き虫だよな」
「っうるさいっ」
「へいよ」
 
好きだから…。  
気づかなくってもいいって言ってくれるのもうれしいけど。
ホントは、そういう些細なことも気づきたい。

勘違いで腹を立てた自分が馬鹿で悔しいから。
「…がんばるから」
「は…?」

「気づくようにがんばる」
「気づかなくていいっつっただろって」
「いいんだよ、気づくようにするってば」
 啓吾が、俺に対して心配させたくないとか思ってくれるのもうれしいけど。
 気づきたいんだってば。
「…じゃあ…まぁ、がんばりな」
 俺の思いが通じたのかなんなのか。
 少し顔をそらしてそう言って。
 ちょっと照れてたり…しちゃってたりする…?
「ホントは気づいて欲しいんだ…?」
「別にんなこと言ってねぇだろって」
「だったら、なんで顔そらすんだよ」
 また少し顔をしかめて。
「別に…? 気づいて欲しいとかどうとか関係なくさ…。なんにしろ、俺のことでお前ががんばるわけじゃん? それがまあ…嬉しいわけで…」
 あんまり嬉しそうに言わないのは、恥ずかしいから…とか…?
 ちょっと、かわいいかもな…。
「さんきゅー」
 なんとなく、そうお礼を言ってみる。
「…なんのありがとうやん」
「嬉しがってくれるから、ありがたいわけ」
「…あっそ」
 そっけねぇやつ。
 だけど、そんなん照れ隠しだってわかるから。
 それくらいは気づくから。
 
 俺もそんなそっけない態度の啓吾でも、嬉しく思うわけだ。
 
 啓吾に取られた手が、だいぶあったかくなってきていた。

 もっといろんな啓吾に気づけるように。
 がんばろうって。
 自分の中で、心に誓った。
 
 たぶんもっと。
 あったかくなれるから。
 そんな気がして。  

 感覚の戻ってきた手で、そっと啓吾の手を少しだけ、握り返した。


『啓吾×深敦』
カウンター88000番v
切なめ。最終的にラブラブでv
暴走するくらいの好きパワー。
涙と雪がテーマですvv
どうでしょう…(汗) 今回、エロほとんどなしですが…。 しまった。 今回、深敦に重点をおきすぎて、啓吾の方の気持ちとか、 ちょっと、ずれてしまってました(汗) 書き上げてから気づいた自分って一体…(泣) 啓吾の嫉妬心を入れるつもりが深敦じゃん(泣) せつなさとかも微妙で…。
すみませんすみませんーっ。
こんな感じですが、yukiさんへvv リクエストどうもありがとうございましたvvvv