『啓吾×深敦』
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一応、読みきりですが、本編を読んでいただいてからの方が、 よいかもですっ。リクエストテーマは、一番下、読み終わった後で 照らし合わせてください(笑)




人って、どうしても忘れちゃうことあるじゃんか。
言い訳するわけじゃねぇけど…って言い訳か?
俺が悪いのはわかってるんだけど。
つい。
寝過ごしただけだってば。
1時間、行くの遅れたくらいなんだってんだ、もー…。
「…ちょっと…寝てて…」
「ふーん」
…すっげぇ、雰囲気悪…。
「…まぁ、今日は、もう時間ねぇし。また、明日な」
ホントは、1時間前から、啓吾と、ここ…啓吾の部屋で数学の勉強する予定だったんだけど…。
とはいえ、俺が一方的に教えてもらうんだけどな。
明日…?
「っな…なに怒ってんだよ、啓吾」
「別に怒ってねぇって」
「その態度が怒ってんだろーがっ」
「…お前だろ、怒ってんの」
…言われてみれば、確かに…。
「…別に今日だって、いいだろ…? なんだよ、こういう怒った状況じゃ、勉強なんて出来ねぇから?」
実際、こんな悪い雰囲気の中、勉強なんて一緒に出来そうにないけど、軽い意地みたいなもんで、そう言ってしまう。
「怒ってんのはお前だけだし、別にそーいうわけじゃねぇよ。ただ、俺の中での予定が、1時間前から、勉強して。だいたい1時間も集中出来ねぇだろ。だから、今くらいの時間までには切り上げるつもりだったんだよ」
「っ切り上げるって…っ」
「勉強に集中できるのは、せいぜい15分だろ。まぁ、やれるにしろ、1時間もやりゃ十分だし? で…今から、ちょっと用事あって」
「……用事…?」
普通、勉強は1時間しかやらないにしろ、そのあとに用事いれるか?
委員会だとかなんだかで、久しぶりだってのに。
俺と遊ぶとかねぇのかよ。
「なんだよ、用事って」
「別に、ただ、水城とちょっと遊ぶだけだけど」
「なんだよ…。俺よりっ…」
俺よりも、春耶を選ぶんだ? なんて恥ずかしいこと言えるわけがねぇから、言いとどまる。
けど、バレバレ。
「…水城の方が先に予定あったところを、深敦が言うから、1時間ずらしたんだけど?」
少しさめたように、俺を見ながらそう言う。
…啓吾の方は、俺を優先…じゃないけど、一応、気遣ってくれたわけか…。
これでまた『春耶にちょっと遅れるって言えよ』…なぁんて、我侭なこと、押し付けるわけにはいかない。
俺が、寝過ごしたのが悪いわけだし…。
「…わかったよ。もういい」
俺は、自分の部屋に戻ることにした。

なんだかなー。
どうにも腑に落ちないような感覚。
1人で勉強する気にも、もちろんならないし。
俺は、珠葵の部屋に遊びに行くことにした。



「…あぁあ、それは深敦くんが悪いでしょー」
あっさり、珠葵にそう言われてしまう。
「ちょっと遅れただけじゃんか」
「でも、怒ったりさ、不機嫌な態度とったんでしょ。反省もせずに」
…反省はしてたんですけど。
でも、あとでする気も失せたっつーか。

「謝りに行きなよー」
「は?」
あっさり珠葵がとんでもないことを。
「俺が?」
「そうだよ。自分が悪いって、わかってるんでしょ?」
「……悪くなくもないけど…。でもさー…謝るとか…俺らしくないし」
「俺らしくないからって理由で謝らないとこが、また、深敦くんらしいけどね」

別に謝らなくても、啓吾なら、まぁ俺が反省とか一応してるってわかってくれてると思う。
なんていうか、俺がそういうこと出来ない人間だって知ってると思うから?
でも、それに甘えすぎてもいけないだろうなって思ったり。
謝った方がいいってのはわかるんだよ。
一言、ごめんって言えばいいんだろ。
ってか…。
「…言えるわけねーだろ…」
「もーっ。なんで?」
なんでもなにも
「無理じゃんか。…そんなこと…素面で言えるわけがねぇっつーか」
「しょうがないなぁ。じゃあ、酔えばいいんでしょ」
素面じゃ言えないよ?
だからって、酔えばいいって?
「いや、そういうわけでも」
「言わなきゃいけないとは思うんでしょ? まぁ酔えば恥もなにもぶっ飛ぶって、大丈夫」
「逆に、言わなくていい余計なことまで口走りそうで、怖いんすけど」
「へぇ。深敦くんって酔うとそういう人になるんだ?」
そういう人ってなんだ?
なんでもしゃべる人って?
「…まともに酔ったこととかねぇから、わかんないけど」
「じゃあ、なおさら、酔ってみて欲しいね」
そう言うと、冷蔵庫からお酒を取り出す。
「…あるんだ…?」
「深敦くんの部屋にはないの?」
あったとは思うけど。
珠葵が持ってるとは思わなかったし。
「珠葵、結構、イケるんだ?」
「まぁねー」
「……じゃあ、なんか、俺、飲んで一人で酔ったら恥ずかしいじゃんか…」
「酔った時点で、啓吾くんとこ行かせるからいいよぉ」
なにがいいのか、さっぱりわからんが、とりあえず、勧められるがままに、お酒を口に運ぶ。
珠葵も、俺に付き合って飲んでくれていた。




「…っつーか…。今、行っても、いないんじゃ…。たぶん、春耶んとこ行ってて…」
勧めすぎじゃねぇか、珠葵…。
というか、珠葵が飲みすぎっつーか。
そのペースで俺まで、飲まされるから、やべぇ…。
体、熱いんですけど。
俺が、弱いっつーより、珠葵が強いんだよな…。
「じゃあさ啓吾くんとこで、待ってれば? そうだ。啓吾くんとこで飲もうか?」
意味、わかんな…。
「なんでそうなるんだよ」
「だって、いつ帰ってくるか、わかんないし、見計らって啓吾くんの部屋行くよりいいじゃん」
「部屋、開いてないんじゃ…」
「うーん…ちょっと待ってて…」

そう言って、珠葵は、部屋を出て行く。
すぐ帰ってくるんだろうな?
部屋で一人で残されて、珠葵のルームメイトが帰ってきたりしたら、あまりしゃべったことないから、気まずいかもしんねーじゃん?
一人でいると、暇つぶしというかなんというか。
なにもすることもなく、待つ時間を埋めるためにも、つい、酒ばっか飲んじまっていた。
だって、おいしいし?

少したって、珠葵が戻ってくる。
「深敦くーん。かぎ、ゲット」
そう言うと、俺にカギを見せびらかす。
たぶん、啓吾の部屋のなんだろうけど。
「どうやって…」
「うん。深敦くんが、部屋に忘れ物したらしいって言ったら」
…俺が、そう言ったとしたら『なに忘れたんだよ』とか聞きまくられるんだろうけど。
珠葵だから、すぐ貸してくれたんだろう。
「だから、移動して、啓吾くんとこで待とうよ」
「…カギはどうすんだよ」
「深敦くんが、ずーっと待つつもりなら、開けるだけ開けて、春耶くんの部屋まで、啓吾くんに返しに行くけど。
あぁ、別に帰ってくるまで、開けっ放しにして持っててもいいんだけどね。
待たないって言うんなら…まぁ、行く必要ないよね…」
たしかに…。
明日休みだし、別にいいんだけど。
「…あのさぁ…わざわざそんなに待ってまで、謝るわけ…?」
「まぁ、そこら辺はあとで考えなよ。とにかく行こう?」
ものすごくアバウトだな。
俺ももう、結構、頭、ボーっとしてたりして、考えたくなくなってきていた。

珠葵に手を引かれるままに立ち上がると、一気にくる。
「っ…やば…」
「なに?」
俺を無視して、引っ張られるがままに、啓吾の部屋まで連れてかれる。
「ちょっと…やべぇって、珠葵―…」
「俺がいないうちに、どんだけ飲んだのさー」
「…わかんない」
「…重症だね」
わかんないこともないけど、もう考えるのとか、面倒なんだけど。
熱い。
「熱いんだってば」
「別に、聞いてないよ、もー」
「ん…」
やばいってのだけ、ものすごくわかる。
とりあえず、すぐさま、なんの遠慮もなしに啓吾のベッドに寝転がらせてもらう。
「…一緒に飲めなさそう?」
これ以上、飲んでいいのか?
でも、寝転がると、少しラクになる。
おいしいし。
「飲みたいかも」
「俺から、見ると、もう飲ませちゃいけない域に入ってると思うけどね。まぁ、面白いから飲んどく?」
おもしろいとか、よくわかんないけど。
「ん…」
体を半分起こして、渡されたビンのお酒を、飲んでいく。
「ねぇ、どんな感じ?」
「…なにが…?」
「だから、熱いって言ってたじゃん? それって、どうなの? Hなことしてるときみたいな感じ?」
Hなこと…?
「…うーん…。近いかも」
「そうなんだ…。俺、そこまで酔ったことないからさぁ。エロいこと、したくなる?」
「…それは…そう思えば…」
そうな気もする。
「へー…それって、酒のせいなのかなぁ。それとも、普段から、思ってることをさ、ほら、理性とかぶっ飛んで素直に感じれちゃってるせいなのかな」
どっちなんだろう。
とりあえず、最近、してないし。
結構、溜まってたり。
どっちにしろ、あれだ。
エロいわけだ、気分が。
「…珠葵が変なこと言うからー…」
「なに? やりたい?」
「やりたいっつーか……まあ…」
「いやらしいね、深敦くん」
「ん……」
って…。俺、ここは否定するとこだろ…?
駄目だもう…。
「…珠葵…。熱ぃ…」
「…誘わないでよ。俺まで、変な気分になるじゃん?」
「別に、誘ってなんか…」
「じゃあ、キスだけ、してみようか」
俺、おかしいな…。
拒んだり、すべきなんだろうか。
もうわけわかんなくなってたり。
普段、どうしてたっけ?
珠葵にこういうこと言われたら、普段だったら。
なに冗談言ってんだよって、笑って流してたっけ?

珠葵が俺の持ってたビンを取り上げて机に置いて。
ベッドに乗りあがってくる。
その行動ひとつひとつに、なんかもうドキドキが激しくなってくるっつーか。
俺、なに黙って待ってるんだろう…。

足を開いて壁にもたれながら座ってた俺の間に、体を割り込ませて。
下から俺の顔を覗き込んで。
「かわいいね」
かわいらしい顔でそう言ったのを確認した直後くらいに、珠葵が、下から口を重ねてきた。
「ん…っ…」
ついばむ様なキス。
「どぉ?」
すぐさま口を離して俺に確認を取る。
「ん……わかんな…」
どうとか聞かれても。
「もっとしたいとか、なんかない?」
「ん…」
「うーん…」
考えるように珠葵は、顔を傾げたあと、机から、お酒のビンを持ち出す。
「こっちね、俺が飲んでた方。さっき深敦くんが飲んでたのより、少しだけ、度が高いんだよ。まぁ、あんまりかわんないけどね」
そう言って、珠葵は俺の目の前で、その酒を口に含んで。
今度は、手で俺の顔を上に向かせてから、そっと口を重ねた。
「んっ…」
舌先が入り込んで、口を開かされて。
俺の舌に絡まりながら、液体が流れ込んでくる。
「んぅっ…っン…」
喉を通ると、熱くって。
胃のあたりまで移動していくのがわかる。
入り込んだ珠葵の舌に、必死で舌を絡めてしまう自分が、理解出来るんだけど、よくわからない。
なんでこんな風なんだろう。
「っはぁ…深敦くん…。足、開けちゃって、やらしいね…」
口を離してそう言うと、ズボンの上から、俺の股間をなで上げる。
「あ…珠葵…」
「なぁんてね。これ以上は、まずいでしょ」
そう言って、少しだけ撫でた手を、すぐさま離す。
「や…」
「もー、そんな、不満そうな声漏らさないでよー」
たぶん、冗談っぽいノリで言ってるんだろうけど、なんにも反論出来ないし。
「…ちょっと…深敦くーん。俺じゃなかったら、やばかったよ。速攻、やられてたね」
「ん…珠葵…」
「なに?」
俺の顔をまた覗き込んで。
あまりにも位置が近いもんだから、つい俺から顔を寄せる。
「もー…」
珠葵はそう言ってから、口を重ねてくれた。
「んっ…んっ…」
舌が絡まるのが、堪らなく気持ちよくて、もっとして欲しくて。
珠葵の服を掴んでせがんでしまう。
「んぅ…っ…ぁ、んっ」
珠葵の手が、また俺の股間を撫でてくれて、背筋にゾクゾクとしたものが這い回る感じ。
「んー…っ、んっはぁっ…んっ」
口を開放されると、つい、珠葵の背中に手を回してしまっていた。
「もぉ…深敦くん、駄目だよ…」
「ぁ…っ、やめっ」
「やめて欲しいの?」
「ちが…ぁっ…」
「あぁ、やめないでって言いたかったの?」
「んっ…珠葵…っ」
「俺はいいんだけどね。このままやっちゃっても。だけど、深敦くんがあとで後悔したりさぁ…酔ってるわけだし」
俺から離れて、ベッドから立ち上がって、少しため息をついて。
「…珠葵…?」
「うーん。ちょっと待ってて」
そう言うと部屋を出て行ってしまう。
俺は、そのまま啓吾のベッドに寝転がっていた。



しばらくしてドアが開く音。
「…ん…珠葵…?」
「違ぇよ」
俺は寝返りを打って、声の主を確認する。
啓吾だ。
珠葵が呼んだのか…。
「そっか……」
「そっかじゃねぇだろ。なんのつもりやん。人のベッドで…」
「うん…」
「でら出来上がってるやん。なにしてんだって。っつーか、なんの用…? 水城んとこ、戻る約束してんだけど」
出来上がってるって?
あぁ、酔っちゃってるってこと?
「用とか、言われても…」
「ないわけ?」
珠葵が呼んでくれたんだよな…?
「ん……」
なくもないんだけど…。
「大丈夫か、お前…」
少しあきれたように、俺を覗き込んで頬を撫でる。
冷たくて、気持ちいいや…。
俺は、啓吾の手に自分の手を重ねていた。
俺が見上げると、啓吾は、体を屈ませて、そっと口を重ねてくれる。
「んっ…」
啓吾の服を掴んで。
まるで引き寄せてるみたいじゃん…?
みたい…っつーか、引き寄せてんのか…。
啓吾の背中に手を回して、なんとなく雰囲気で、流れで。
そのまま、抱き寄せるみたいな形になって、啓吾はベッドに乗らざるえなくなっていた。

「……おい…。なんのつもりやん…」
「ん……別に…」
「じゃあ、もう行っていいん?」
「や…」
なにも考えずについ否定の声を洩らす。
「…なにがしたいんやん」
そう言いながらも、啓吾は俺の股間をズボンの上から撫で上げる。
「っん……はぁ…っ」
もう一度、口付けて。
片手で器用に俺のズボンと下着を下ろしていく。
「ぁ…啓…」
「どうして欲しいわけ…?」
耳元で優しく、少しいやらしく聞いて、焦らすみたいに俺の股間のモノを指先でなぞる。
「あ…っんぅ…」
「舐めてやろうか?」
わざと嫌な言い方してるのに。
からかわれてるってわかってるけど、駄目だもう…。
「んぅっ…啓吾……」
俺が、いつもみたいな対応じゃないせいか、少し考えるように間をあけて。
そのあと、俺の足元、ズボンと下着を全部抜き取ってしまうと、膝を曲げて大股開きにさせられる。
それでも何も言えないんですけど。
そりゃ、恥ずかしいとは思うんだけど、なにか言い返す力はない感じ。
啓吾はそんな俺を少し見上げてから、そっと俺のに舌を這わした。
「っンぅっ…ぁあっ…」
熱かった体がさらに火照っていくような。
気が遠くなりそう。
舐めあげた親指が、後ろに容赦なく入り込む。
「ひぁっ…ぁああっ」
内壁を押し広げながら、なおも舌がピチャピチャと音を立てて、俺のを愛撫して。
「んぅっ…啓吾っ…はぁっ…ゃうっ」
「…欲しけりゃ自分から乗ってみな…」
そう言って、俺から手を離し、なんでもないみたいに、俺の足元に軽く足を広げて座り込む。
「…っそんなん…」
「舐めて、濡らしとかんと、入りにくいわな…」
そう言って、ズボンのチャックを下ろして自分のを取り出す。
俺の頭を掴んで、半ば無理やり口にソレが付く位置に持ってかれた。
「…やってみな、深敦」
頬を掴まれて、目の前にある啓吾のにそっと舌を這わしてみた。
こんなん初めて。
変な感覚。
やらしぃ気分になってくる。
何度も舐めあげて、啓吾が俺の髪をやらしく掻き混ぜる。
「はぁっ…ん…啓…」
「…いいて、もう…」
俺の顔を離させて。
乗れと言わんばかり。


「啓吾…」
腕をひっぱられて、抱き寄せられて。
「ほら…ゆっくり腰、おろしゃぁて」
そう言われて少し腰を落とすと、啓吾のがあたる。
「っん…無理…」
「…出来るって」
啓吾の指が、押し広げてくれて。
そのまま、俺はゆっくりと腰をおろしてみた。
「んーっ…ぁっあっ…やぁうっ…」
啓吾のが、奥の方まで、入っちゃってる。
「…お前って、酔うとこんなんなわけ?」
「えっ、あっ…っ…?」

啓吾は、つながったまま、俺の体をそっと寝転がらせて。
優しく髪をかきあげてくれる。
「ん…啓吾…」
「…なんの用事だったん…?」

謝りたくて。
別にただやりたかったわけとかじゃなくて。
「…っ…ごめ……」
小さな声で。
啓吾の顔も見れずにだけど、そう発した。
「なにが…?」
俺の耳元に、軽く舌を這わして、そう優しい口調で聞いてくる。
「…遅れて…」
「…それで…素面じゃこんなん言えそうにないし? わざわざ酔ったわけ?」
思いっきり図星で、恥ずかしいはずなのに、酔ってるせいで、あまり感じない。
軽く、横を見たままで頷く。
「…でらかわいーことしてくれるやんか」
そう言いながら、そっと腰を動かされる。
「っぁっんぅっ…あっ」
「どうして欲しい?」
「んぅっ…熱ぅっ…やっん、もっとっ」
「もっと?」
「はぁっ、動…っ」
啓吾は、俺の指に指を絡めて、何度も中を突き上げてくる。
「っひぁあっあっ…んぅっ…啓吾っ、あっあっ」
「して欲しい?」
「んぅっあっ…ぅんんっ」
何度も頷いて欲しがってしまう俺に、啓吾は応えてくれて。
頭ん中、真っ白になりかけてる。
もうなんていうか。
なんにも考えがまとまんない。
「啓吾ぉっあっぁあっ、イくっ…ぅんっ」
「かまわねぇよ…」
「ぁっあっ…ゃぁああっあっ…あぁああっっ」

イってしまうともう、ホントになにもかも吹っ飛んだ。
自分が、どうしてたのかとか、なんにもわからないような。
脱力感…。
じゃないか。
エクスタシーってこういうやつ…?
啓吾が、俺の頬を撫でててくれる感触だけが、妙にリアルに感じられた。



「………」
目を開くと、真っ暗で。
わけがわからず、手元を探り、ぶつかった携帯で時間を確かめる。
…2時…。
夜中?
俺、寝たんだっけ?
「うーん……」
思い出そうと起き上がると、すぐ傍に啓吾がいるのに気づく。
「っなっ……いるならいるって言えよ」
「なんでいちいち、んなこと言うんやん。そう言うんなら、お前だって、言えよ」
…確かに…。
俺が、部屋に入ってきたとか、そういうわけじゃなく、啓吾も俺も、はじめから一緒にいたわけだしな…。
「…電気くらいつければいいのに」
「もう2時やん…。わざわざつけなくていいだろ」
「啓吾、なにしてんだよ」
「…お前が、起きんの待ってたんだよ」
少し、冷たくそう言い放つ。
「…なんで」
「別に。一回寝ると、しゃべる気失せそうだし」
そりゃ、寝起きの啓吾、相手にする気にはならないけど…。
「深敦…。お前さぁ…。酒飲むなよ」
「はぁ? なんでんなこと、啓吾に言われなきゃ…」

ちょっと待てよ。
そうだ。
俺、酒飲んだんだよな、たしか珠葵と。
で、なんか、啓吾の部屋で飲むことになって。

そのあと、啓吾とやったんだ。
うん。
思い出してきた。
やべぇ。
鮮明に覚えてやがる。
すっげぇ、恥ずかしいことしてただろ、俺。
そのときの感情とかは覚えてないけど、ばっちり、なにしたかとかどうしたかとか。
啓吾が、あえてなのか、言わないでいてくれるからいいけど、指摘されたら死にそう。
自分から、誘った…よな…。

「……わかった…」
少し遅れて、素直にそう答えた。
飲むとあぶないな、俺…。
でも、なに?
啓吾は、ああいう俺は嫌だってわけ…?
誘われたり…。
「…啓吾…さぁ…。あーいうの…」
「別に嫌じゃねぇよ」
俺が言いたいけど言えないことが、わかってか、すぐにそう答えてくれる。
「誘われて嫌がるわけねぇだろーが。違ぇよ。他のやつの前で飲むなって話だよ」
ちょっと冷たくそう言い放って。
暗くて表情はわからないけど。

つまり。
啓吾以外のやつ、誘うなってこと…?
そういう風にうけとっちゃっていいわけ?

結構、独占欲強いよな…なんて…。
聞いてみたいけど、俺が、恥ずかしい姿さらしすぎてるから。
あんまり、啓吾をからかったりすると、逆に恐いな。
「…別に…酔っても…誰の前でもあぁいう風になるわけじゃねぇよ…」
たぶん…。
啓吾の前だけだ。
自信ないけど。

酔わないと素直になれないんだよ、俺は。
だから、つまりさ。
あれが素直な、自分なわけで。
いやらしいけどな。
啓吾に甘えたいとか思ってるんだろう。

「酔ったからっつーか…。あれさぁ…。自分だし…」
よくわからない言い方しか出来ないけど。
「…ん…」
「あれが…俺なんだよ…」
そう言う俺を引き寄せて。
そっと抱きしめる。
「っ…いきなり、なに…っ」
「たまには、飲ませて素直にさせるのもいいかもな」
「っ…いいよ、もう。飲まねーっ」
「別に、心にもないこと、しちまったってわけじゃないんだろ」
…たしかに、心の奥には、思ってたことなんだろうけど…。
「…ん…まぁ…」
「酔ったところで、お前なんだろ」
酔って、思ってもいない行動しちゃうんだったら、嘘をつくみたいな状態で。
それは、違うってことなんだろう。
「…俺だよ…」
「ん…」
なんなんだ、こいつは。
やたら、強く俺を抱きしめて。
しょうがないから、素直に抱かれておいた。

普段、反発してばかりだからな…。
ちょっと、申し訳ないんだよ。

たまには。
酒の力でも借りて、素直に?

なってみるのも、悪くないかもしれない…なんて思った。


『啓吾×深敦』
隔離カウンター7007番v
甘えたになっちゃった深敦&らぶらぶチックにv
アイテムお酒…
ということでしたが、いかがでしょうかっ。 ラブラブさとか出てますかね(汗) 深敦にしては、甘えさせたつもりです(笑)ぬるめですみませんー。
ケイさんに捧ぐ…vv リクエストどうもありがとうございましたvvvv