やばいな。
俺。
深敦のこと全然わかってやれてない。
超常現象に興味がないから…とか。
違うよなぁ。

深敦に近づく先輩たちも気になるし。
どうすりゃいいんだか。

深敦はなんだかんだ言って、俺のこと考えてくれていた。
テストの後も、初めは榛くんと会ってるだとか泰時に会ってるだとか。
心配だったけど、俺のところに来てくれたし。
俺の好きなピーチパイ持って。

ピーチパイ。
「…やっべ…」
そこでやっと俺は深敦がくれたピーチパイに対して。
なんにも答えてやってないことに気づいた。


…かといって、今、このタイミングで感想なんて言ってみろよ。
いかにも、珠葵か誰かに聞いた感じがするだろう。

だいたいなんで俺は、忘れてたんだか。
1日おいたせいだ。
泰時のことが気になりすぎたせいだっての。
言うタイミングを逃しただけだって。

でもな。
不機嫌な理由を聞いたりした手前、このタイミングはまずい。

かといって、このままスルーするわけにもいかないし。

なにかお返しでもするか?

「はぁあ…」
ついため息が洩れた。
俺は一人でなにしてんだか。
一人にしてっつったのは俺だけど?

一人で部屋にいて。
泰時と深敦が一緒の部屋で過ごしてて。
こんなの嫉妬だろ。
馬鹿だ、俺。

お返しするにしろ、なにか話をするにしろ、泰時が邪魔なんだよ。
あぁ、泰時が嫌いなわけじゃねぇよ。
やつは悪くないのに。
それでも、邪魔だと感じてしまう。

深敦が楓を毛嫌いする気持ちがやっとわかった。


だいたいなんだよ、超常現象って。
んな部、あったのかよ。

ホントは、どうにか引き裂きたい気持ちでいっぱいいっぱいだけど?
俺だって、楓が言うように、あいつらの接触を無くそうという気持ちはないわけ。
接触ある上で、俺を選んでほしいから?
だいたい、深敦にとってはただの友達だろ?
そんなんにまで口出しだしたら、うっとおしいじゃん、俺。

泰時の方が、優しくていい…とか思う?
俺よりも、素直になんでも話してくれそうだし。
でも、それなら水城だって、深敦にとってイイ相手だろ。

っつーか、俺はなぁに一人でごちゃごちゃ考え込んでんだか。

多少不服だが、兄貴に電話をかけた。
『あれぇ、啓ちゃん、お久しぶり』
「うるせぇよ。それより、部活のことなんだけど」
『おー。美術部入るの?』
「違ぇよ。そうじゃなくて。…超常現象研究部とかあんの?」
『…なにそれ』
やっぱり、ねぇのかよ。
「…超常現象研究部だっつってんだろ」
『うーん…。ちょっと調べて折り返す』
そう言ってくれるもんだから、とりあえず電話を切る。

なんなんだ、あの部は。
俺は、まったくもって興味ないし。
泰時がいるならなおさら、入れそうにない。
…ってか、なぁに俺は入部考えちゃってる子みたいになってるわけ?
俺は、部活動するって気にならないんだよな。
深敦は、いろいろと入る気満々みたいだけど。

しばらくすると兄貴からの電話。
『啓ちゃーん。わかりました』
「はいはい。で?」
『うん。1年生が、今年作り出したみたい』

「わかった。サンキュー」

…深敦が作り出したわけじゃねぇよな…?
もしそうだとしたら、兄貴だって、今、言うだろうし。
いや、そこまで情報が入ってないだけかもしれないけど。

深敦がそんなわけのわからんことに行動的だとは思えない。

とりあえず、俺はもう一度、会いに行くことに。
まぁ、どうせ泰時がいるんだろうけど。


またまたインターホン。
少しして出てきた深敦は俺を見ると、今度も『なんで来たんだ』と言わんばかり。
「啓吾、いまちょっと…」
泰時がいるんだろって。
「わかってる。話したいことあんだけど。夜、空いてる?」
「…遅くなら…」
少し拗ねるような表情。
いまいちわかんねぇ。
ピーチパイのことじゃなくって、今度は、俺の話がなんなのか気にしてるようだ。
「…10時くらいならいいわけ?」
「うん、そんくらいなら」
「じゃあ、待ってるから」
そう伝え、俺はその場を後にした。

やっぱり。
うっとおしいかもしんねぇけど、気になるし。
泰時のことは聞いておくか…。
付き合いだしたわけだし?
少しくらい縛ってもいいだろ。


とりあえず俺は榛くんを訪ねた。
「あれ、啓吾? めずらしいね」
榛くんの部屋では、ルームメイトがベッドで寝転がりながら本を読んでるくらいで、大して気にならなかった。
「あぁ。ピーチパイさ。深敦が榛くんと作ったみたいで」
「そうそう。食べた?」
「うん。おいしかったけどさ。榛くんて、俺がピーチパイ好きなの知ってたっけ?」
そう言う俺ににっこり笑って。
「うーん。特に意識して好きだとかわかってたわけじゃないけど。なんとなく好きそうだなぁとは思ったよ? でも、ピーチパイ作るって言い出したのは、深敦くんだから」
深敦が?
普通、作るなんて思わねぇだろ、あんなん。
絶対、俺が好きだっての、どっかで知ったんだよなぁ、あいつ。
まぁ、兄貴だろうけど。

深敦はなにが好きなんでしょうかねぇ。
「…榛くんさぁ。深敦がなに好きか知ってんの?」
「うーん。ゲームが好きってくらいしか…」
「ゲーム?」
「うん。啓吾も好きだよな。深敦くんも好きだけど、寮には持ってきてないみたいで、つまらないとかなんとか…」
ゲームねぇ…。
ってか、ホント、俺って深敦のこと知らねぇな…。
「俺、ちょっと、友達んとこ行く」
そう言うと、軽く笑われてしまう。
「榛くん…?」
「いや。啓吾ってさ。深敦くんのこととなると、すごい活動的だね」
「…そう…?」
「だって、いっつも動くの面倒―って感じだったのに。よかった」
そう言ってくれるけれど、なんだか無性に恥ずかしい気もした。
「っなんとなく…。ピーチパイのお礼とかしてなかったし」
「そっか。なにか考えてあるの?」
「…いや。ちょっとゲーム好きな先輩と知り合いだから、相談してくる」
「そっか。じゃ、またね」
「うん」

ゲーム。
で思い出すのは、雅先輩と、前、雅先輩の部屋で会った佐伯靜先輩だ。
靜先輩の部屋も訪ねてみたかったところだし。
俺は、さっそく前に教えてもらった靜先輩の部屋を訪ねた。

「あ、啓吾くん、いらっしゃーい」
「おかえりなさいませ、ご主人様♪」
そうめちゃくちゃかわいい子が声をかけてきてくれるけど。
「え…?」
つい、戸惑う俺を見てか、そのなぜかロリータっぽい衣装で出迎えてくれた子も焦りの表情を見せる。
「ぇえっ。なに、靜の友達じゃねぇし」
「いや、俺の友達だよ。啓吾くんとはこないだ知り合ったばっか」
そう言うと、かわいい子が、俺を引っ張って耳元で。
「…っこ…これはさぁ、靜の友達限定の罰ゲームみたいなもんで。っつーか流れでなんかっ。普段から、こんな格好ばっかしてあんな笑顔振りまいてるわけじゃねぇからっ」
靜先輩に聞こえないようにこっそり教えてくれる。
なんか、かわいいかも。
「どうして、こんなこと…?」
「ぶっちゃけ、靜の株上げるためなんだけどね」
「株?」
「メイドやってくれる彼女がいるって。オタクの中じゃ自慢になるみたい」
ため息混じりにそう言った。
つまり、靜先輩の彼女なんだろう。

「俺、邪魔…でした?」
「あぁ、全然構わないよ。もうすぐ、靜の友達、他にも来るし」
「あぁ、だから、俺、間違えられたんすか」
「そういうわけ…」
ある程度、話がキリついて奥の靜先輩に目を向けると、にっこり笑って。
「かわいいでしょ? 俺の」
「…メイドです」
顔が笑ってないですけど、靜先輩の彼女さん…。
やらされてる感たっぷりっつーか。
「っつーか、靜の友達でオタクじゃない子、いたんだ?」
「んー。啓吾くんも、ゲームとか好きだよ? ね?」
「まぁ、そうですね」
「で。あらためてなんだけど、恋人の相模神楽。2年だよ。で、佐渡啓吾くん」
俺らをそれぞれ紹介してくれてから、
「なにかやる?」
って。そうゲームをいろいろ見せてくれるけど。
っつーか、ホント、いろいろゲーム機あってわけわかんねぇ…。
「靜先輩、相談なんすけど」
「どうした?」
「ゲーム好きな子に、手作りの菓子を貰ったんすよ。そのお返し、なにがイイと思います?」
うーん…と、神楽先輩も一緒に考えてくれる。
「手作りってポイント高いよねぇ。なに、貰ったの?」
「ピーチパイなんすけど……。なんか、ただ金使ってポンっと返すのも微妙で…。かといって、俺が手作りの菓子とか作るタイプじゃないし」
作ったとしても、それはあげにくいだろ。
恥ずかしいし。
菓子貰って菓子返すって、ちょっと安易だし。

「ゲーム機とか持ってるのかな」
「んー、たぶん、ないです」
「じゃあ、携帯はあるよね。アプリ系。心をこめれば手作りとおんなじくらいになるでしょ。時間があるなら啓吾くんが作ってもいいんだけどねぇ」
「…俺、そんな作れないですよ」
「俺が、いままでに作ったやつにしよ。今日、会うの?」
「はい。10時くらいには…」
にっこり笑って。
「大丈夫。まかせて」
そう力強く言ってくれる。頼もしいな…。

ゲーム好きにはゲーム好きの考えが必要だな、やっぱり。
靜先輩は、眼鏡をかけて、パソコンに向かった。
「うわぁ、オタクっぽい…」
神楽先輩が、ぼやいているのが耳に入り、なぁんか笑えてしまう。
俺と神楽先輩は、それぞれ左右から覗き込む。

「うーん。空きのSDカードないな。啓吾くん、携帯のSDカード、使ってる?」
「いえ、入ってますけど、本体に全部、保存してるんで、使ってないです」
「その子も、使ってないなら、今、啓吾くんのに保存して、トレードするって手もありだけど。使ってたら微妙だしなぁ。中身、本体に移動させて空にするとか。もしくは、渡してゲームを本体に保存させるかだよね。でも、どっちにしろ、その子の携帯の本体にどんだけ空き容量あるかわかんないし…」
「あぁ、俺、コレ、あげちゃっても構わないっすよ」
「ええっ。まぁ、啓吾くんがいいなら、それでもいいけど。どっちにしろ、とりあえず、コレに入れよう」

パソコンに向かって、なにやら操作を。
いまいちわかんねぇけど。
携帯で出来るゲームみたいだ。

「その子は、どんなジャンルが好きなのかなぁ」
「…たぶん、パズル系は駄目です」
「世界観は?」
「…世界観…?」
「そう。時代モノとかファンタジーとか洋モノ和モノ、オカルト系とか」
オカルト。
だよなぁ、たぶん。
「オカルトって、ホラーテイストなんすか?」
「うーん。ホラーもあるけど。世界観がオカルトチックなアクションとか?」
「あぁ、そういうの、たぶん好きです」

俺が言うのにあわせて、いろいろとチョイスしてくれてるのだろう。
「なんか、いいゲームあります…?」
「うん。前作ったやつ。ちょっと弄れば、いい感じになると思う」
「…すごいですね…作ったって…」
「靜はそういうことに力入れてんだよ…。オタクってそういうもんだよ」
神楽先輩が呆れたように教えてくれる。
けど、ここまで来ると、感心するというか。


と、インターホンの音。
さっき言っていた靜先輩の友達だろうか?

警戒するように神楽先輩がゆっくりと扉を開けて。
「おかえりなさいませ、ご主人様♪」
また。
背中しか見えないけれど、とびっきりの笑顔で対応してるんだろう。
「おー。メイドさんですか」
「癒されますねぇ」

「神楽―…。お前のご主人様は?」
「すいません。ご主人様、ただ一人です」

あぁ。ちょっと楽しそうだな、靜先輩…。
オタクじゃない俺でもなんだか、楽しそうでいいなぁなんて思ってしまう。
ひとしきり盛り上がったオタクらしき靜先輩の友達3人は、俺と同じく神楽先輩と先に話したあと、やっと靜先輩に目を向ける。

「靜は何してんのさ?」
「あぁ、ちょっとゲームの修正」
「んー? どれ?」
そう、3人がパソコン画面を覗き込む。
「新作の、アクションゲーム?」
「そう。背景と敵キャラだけ、『吸血鬼の宴』と差し替え」
吸血鬼の宴って、なんなんだ。
「あぁ、そうすれば、悪魔城っぽいかもな」
「パクりくさい気がするから避けてたけど、やっぱり人気作だし、こっちの方がしっくり来るは来るんだよなぁ。でもまぁ、今回は、啓吾くんのための作品だから。ね」
「靜の友達?」
「パンピーっぽいけど」
「うん。ゲーム好きでね。知り合ったの」

靜先輩は、俺を見て、にっこり笑って。
「どうせだから、回復アイテム、彼女の好きなもんにしようか?」
そう俺に言う。
「っ彼女って…俺、言いましたっけ?」
「言ってないけど」
あぁ、でももうバレてんだろうなぁ。
「…彼女ですけど…」
「どんな子?」
「…金髪ですっげぇ目立つんで、すぐわかりますよ…」
「そうなんだ? 好きなものわかりそう?」
「好きなものって…冷やし中華とカラアゲくらいしか…」
「冷やし中華イイねぇ」
「どうせなら、具材、集めてけば?」
「じゃ、カラアゲが回復アイテムで。冷やし中華の具材が、必須アイテムにしよう」

3人寄れば文殊の知恵…じゃないけれど。
オタクが集まれば、また新しい意見も出てくるもんだ。
「統一感はないけど、手作り感はあるね」
「吸血鬼の宴も、BGMだけ中華っぽくすりゃ、そう見えなくもないだろ」
「じゃあ、敵キャラ、こないだのあいつにすれば? なんだっけ。中華っぽいやつ、作ってただろ」
「っつーか、吸血鬼の宴の中ボスも、ちょっと中華っぽくねぇ?」

『吸血鬼の宴』は周知か。
「啓吾くんは、料理出来んの?」
いきなりなんなんだ?
「まぁ、中学のときとか結構、自分で作って食べたりはしてましたけど」
「そっかそっかぁ。了解」
…なにが了解なんでしょうか。

「啓吾くん」
傍観気味で、少し下がっていると、神楽先輩が声をかけてくれる。
「あとは、あいつらにまかせておきなよ。啓吾くんは、自分の意見言ったし? あぁゆうのに力入れてる人たちだから、苦じゃないだろうし」
そうお茶を出してくれる。
俺らは、お茶を飲みながら、4人が意見を出し合いゲームを操作しているのをボーっと眺めていた。

「…神楽先輩は、靜先輩に物あげるときとか、どうするんすか?」
「ゲーム好きだってのはわかってるんだけど、だからこそ、俺が手に入れられるようなゲームはもう持ってたりしてさ。なんもないの。だから逆に、靜が普段気にも留めないようなジャンルのモノばかりあげてるかな。時計とかカバンとか。そういうの、疎いから」
「付き合って長いんすか?」
「そうでもないよ。まだ半年くらい? まぁだいぶ、靜のオタク具合にも、その友達たちにも慣れたけど。あんだけゲームに熱中してたら浮気の心配もないし? …俺がゲームのこととか全然わかんないから、もっと、ゲーム好きなやつの方が、彼女にふさわしいかなぁって考えちゃったりはするけど」
あ。
ちょっと俺に似てるかも。
「俺も…彼女と趣味が合わない部分あるんすよ。彼女の傍に、すっげぇ彼女と気の合う友達がいて…そいつの方がいいんじゃないかって思ったり…しちゃうんですよね…」
「あぁ、わかるわかる。俺だって。絶対、靜はあいつらといる方が楽しそうで生き生きしててさ。でも、そういうばっちり趣味の合うやつって、見ててもわかるけど、友達以上にはならない気、しない?」
そう言われ、確かに、今、靜先輩と一緒にいる人たちと靜先輩は友達にしか見えないし。
趣味は合わなそうだが、それでも神楽先輩がお似合いに見える。
「そう…ですね」
「趣味が合うのは友達でさ。恋人は、それを理解できれば充分なんだよ」
俺のために言ってくれてる社交辞令ではなく、神楽先輩自身の考えを言ってもらえたようで。
その言葉を素直に受け止めることが出来た。
少しだけ、心が晴れる。
泰時のこと。
重く考えすぎたか?
泰時の場合、恋愛感情持っちまってるから。
だから、俺は不安なんだよ。
だけれど、俺が泰時に劣っているところはないんだと。
そう思えた。
いままでは、深敦と趣味が合わないから、そこが泰時に負けてる部分だと思っていたけれど。
それは関係ないかなと。

「なんか、俺、彼女の友達のことが気になってたんで。ちょっとすっきりしました。ありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそ。靜の友達で、久しぶりにオタクじゃない子見たから、ちょっと驚いたけど。彼女持ちでよかった」
俺も、疑われてた?
でも、確かにそうだよな。
深敦が、趣味の合うやつと会ってるならわかるけど。
趣味の合わないやつと会ってたらなおさら、怪しいってもんだ。

ちょっとポジティブな考え方が出来てきた。

神楽先輩と和んでいると、
「出来たよ」
靜先輩の声。
SDカードを渡してくれる。
「あ、俺なんかまかせっきりですいません」
「いえいえー。ちゃんとこれは、啓吾くんの意見も反映したから。いわば企画者みたいなもんだよ? 自信持って彼女にあげて?」
自信持って。
というのは、手作りのお返しとして、ちゃんと手が込んでいるということに関してなのだろう。
「ありがとうございます」
「啓吾くんは、本体にデータ移せそう?」
SDカードを差し込み、あまり携帯を使いこんでいなかったこともあり、本体の空きが多い俺は、そのデータを本体に移すことが出来た。
「大丈夫です」
「よかった。やっぱおんなじゲーム、やりたいもんねぇ。空きのSDカード手に入れてからじゃあ、出遅れちゃうし」
さすがゲーム好き。
わかってらっしゃる。
「と言うか、啓吾くんも、ぜひやってね」
「はい。でも、いろんな友達にやらせたくなっちゃいますよね…」
やらせたい気持ちと。
俺と深敦だけのにしたい気持ちが入り混じる。

俺の気持ちがわかってか、またにっこり笑って。
「大丈夫。内容、ちゃぁんと考えてあるから。他の子にやらせたとしても、その先が問題だから」
意味わかりませんけど。
「ゲーム、やってみればわかるよ」
「そうなんすか?」
「次の日曜日、空けておくことと。まぁ金曜日くらいまでにはクリアしてもらうこと。あとは彼女次第かなぁ」
そう教えてくれる。
「…なに仕組んだんすか?」
「ちょっとね。やってからのお楽しみ」
まぁ、悪巧みではないんだろう。
「ありがとうございます」
「あー、ゲームの感想。出来れば頂戴?」
「わかりました」