「誤解も解けたことだし、玲衣くん、続きしてくれるよね?」
 美和はかなり大きくなった性器を、俺の口もとに差し出す。
「もうやだ……」
「あと少しなんだけど……してくれないの?」
 あー、むかつく。
 俺だけイッてるし。
 さっき、愛おしいとか言われたし。
「だいたいなんでとっととイかねぇんだよ。気持ちよく……ねぇのかよ……」
「気持ちいいよ。すごく気持ちいいから、ほら、もう1回……ね」
 まあ、これだけ大きくなってるし、一応、信じるけど。
 そっと口を開くと、また美和のが入り込んできた。
「ん……ん……」
「すごく我慢してたから、すぐにでもいっちゃいそう……」
 さっきまでとは違う、少し熱っぽい美和の声。
 通話中は、平気なフリしてたとか?
 なんか脈打ってるみたいだし、本当にもうイキそうなのかもしれない。
「舌……もっと絡めれる?」
 出来ない。
 嫌だからとかじゃなく、難しくて。
 そう思うとなんか悔しくて。
 むかつくから、なんとか舌を動かしてみると、俺の頭に置かれていた美和の手がピクリと反応した。
 これ、あってんの?
 もう一度、やってみようと思う間もなく、美和の腰が揺れて、舌を擦られてしまう。
「んぅんっ!」
 舌の上だけじゃない。
 上あごも擦られて、むず痒い。
「ん……玲衣くん……」
 エロい感じの声で名前を呼ばれて、なぜか俺の方がすごく恥ずかしくなってきた。
 でも聞いていたい。
 そう思ったのに、美和の手が俺の耳を塞いでしまう。
 すると、さっきよりも、唾液の絡む音が頭に響いてきた。
 なんかまた熱くなってきたし。
 だいたい全然、触られてないし。
 まだ足りない。
 俺もちゃんと、美和にされたい。
 早く……。
「んぅっ、んっ……んぅう……」
「出すよ」
 遠くで美和の声がした。
 出すって?
 それを理解するより早く、口内で美和のがビクついて、なにか入り込んできた。
「んぅん……!」
 美和の……?
 美和の精液。
 わざとなのか、奥じゃなく少し手前で出されたそれが、舌の上にたくさん乗っかってしまう。
「はぁ……玲衣くん……」
 性器が引き抜かれて、出されたものを吐き出そうとした瞬間、美和は俺の顔を掴んで、上を向かせてきた。
「飲めそう?」
 飲む?
 俺が、美和の精液を?
 そんなの無理に決まってる。
 だって精液だし、飲むもんじゃないし。
 俺は顔を掴まれたまま、小さく首を横に振る。
「口、開いて見せて」
「ん……ぅあ……」
 どうすればいいのかわからなくて、美和に言われるがまま、口を大きく開いて見せる。
 美和が解決してくれるような気がして。
「ん……ちゃんと乗ってるね。塗りつけてあげる」
「へ……」
 美和の左手が俺のアゴ掴んだかと思うと、右手の指が2本、入り込んできた。
「んぅんっ!」
「玲衣くん、舌撫でられるのも、好きでしょ」
「やぁっ……ん、やあっ……あっ! やっ……やらっ……」
「気持ちいいね……?」
 まるで俺の心を代弁しているみたいだった。
 美和が言うから、気持ちいい気にさせられているみたい。
 くすぐったい。
 気持ちいい。
 たくさん精液塗りつけられて、頭がおかしくなる。
「あぁあっ……あっ……ん、ああっ」
「なんでそんなやらしい声出してんの?」
 美和がやらしいことするからだ。
 てかこれ、やらしいことだっけ。
「味わえたかな。指抜くよ。ちゃんとしゃぶって、俺の指についた精液拭って」
「や……」
「じゃあ、唇で拭っちゃうね?」
 美和の指についた精液と唾液が、俺の唇で拭われる。
「う……んん……」
「そろそろ飲んでみようか」
「ん……ん、れき、ない……」
 飲まれたことは何度もあるし、飲めないもんじゃないんだろうけど。
「出来ない出来ないって、涙目になっちゃう玲衣くんもかわいいよ」
「ん……う……」
 ばかって言いたいのに、言う余裕もなかった。
「じゃあ……俺がいつも飲んでる玲衣くんのも、混ぜようか」
 あいかわらず、なにを言っているのかよくわからなくて、俺の頭は混乱したまま。
 美和はベッドからおりると、さっきまで俺の口に入っていた指先で、俺のモノに触れる。
「んぅっ!」
「玲衣くんが出したの、まだ乾いてないね」
 俺のから精液を拭うと、その指を目の前で見せつけた後、また口の中に突っ込んできた。
「んぅんんん……!」
 俺の舌に俺の精液を塗りつけながら指を引き抜くと、次は口を重ねられる。
「んぅ、ん!」
 入り込んできた舌が、俺の舌を絡めとっていく。
 ありえない。
 美和の唾液も入ってきてるみたいだし。
 なんかもうぐちゃぐちゃで、本当にわけわかんなくて。
 頭働かないけど、めちゃくちゃゾクゾクする。
 口んナカ、美和でいっぱいに……。
「んぅん、んん……んぅ!」
 我慢できくなくて、俺は思わず口内のものを飲み込んでいた。
 美和の口が離れていく。
「はぁ……あ……ん……ん……」
「すごいね、玲衣くん……めちゃくちゃやらしい顔してる」
「して、ない……ばか……最低……」
「俺たちの精液と唾液……無理やり飲まされて、感じちゃったんだ?」
「んん……ちが……」
「違うの? じゃあなんでこんなに勃起しちゃった?」
 美和は横から左腕で俺の体を抱きかかえると、右手で俺の性器を掴む。
「ああっ、あっ……!」
 ずっと待ってたせいか、体が小さく跳ねあがった。
「教えてくれたら、擦ってあげる」
「やだ……やぁ……美和ぁ……」
 さっきからずっと放置されていた箇所に、やっと刺激を与えられたのに。
 掴んだまま、美和はまったく手を動かしてはくれない。
 たまらず腰をくねらせ、美和の手に性器を擦りつける。
「ああ……あ……ん、んぅ……」
「だめだよ、玲衣くん。腰とめて」
「んぅ……ん……ん……やぁ……!」
「とめれないの? じゃあ……仕方ないね」
 そう言うと、美和はあっさり、俺のから手を離してしまった。
「あ……」
「……フェラするの、気持ちよかった?」
 ちゃんと答えるまで、なにもしない気か。
 むかつく。
 こんなの誘導尋問だ。
 むかつくけど、尋問みたいにされない限り、自分からは本音なんて言えそうにないし。
 俺は、無理やり言わされているフリをして、小さく頷いた。
「ん……」
「精液飲んで……やらしい気分になったの?」
「ん……んぅ……なった……なったから、はやく……!」
「はやく……なに?」
「あっ……さわれよ……美和ぁ……あ……はやく……」
 美和は、必死になってる俺を見下ろして、楽しそうに笑う。
「ちょっと暑くなってきたし、先に服脱ごうか」
 そんなのもうどうでもいいのに。
 美和は、ゆっくりした速度で俺の着ていたシャツを脱がせていく。
「はぁ……ん……はやく、しろって……!」
「すごいね……そんなに腰浮かせて……媚薬飲んだセクシー女優みたい」
「んん……変なこと言うな……」
「女優の演技よりやらしいよ。玲衣くん、また、先走り出ちゃってるね」
 もう涙でぼやけて、そんなの見えないし、わかんない。
 とにかく早くして欲しいのに、美和の指は俺が欲しがってる場所じゃなく、乳首に触れてきた。
「くぅう……んぅ……やだ……」
「かわいい……すごい勃ってるね。両方してあげる」
 そこじゃないのに。
 もちろん、わかっててやってるんだろうけど。
 美和は、後ろから俺を抱くようにして、両方の乳首を指先で優しく撫でる。
「んぅんっ……ん、んっ……あん……やぁ……!」
「前、見える? 鏡置いてあるんだけど……玲衣くんのやらしい姿、丸見えだね」
 視界はぼやけていたけれど、なんとなくわかった。
 そこには、美和に乳首を弄られながら、大きく足を開いて、腰を何度も浮かせている自分の姿。
「あっ……ん、んっ……あんっ、ん……あぁっ……んっ! あっ!」
「ん……自分のやらしい姿見て、感じちゃった? すごい声出てるけど」
「ち……ちがっ……あっ、んっ……ああっ!」
「じゃあ……やらしいことされて、いやらしくなってるの実感して、もっとやらしい気分になっちゃったんだ?」
 ああ……そういうことか。
 前は動画を見て感情移入させながら、気分を高めることもあったけど、いまは、感情移入させる必要がない。
 見ているのは俺自身。
 そう考えると、たぶん、なにも見ずにただされるより、感じてしまうのかもしれない。
「ああっ……あんっ、んっ……いく……あっ……ああっ……いくっ……」
「乳首しか触ってないけど……玲衣くんは、なにも触ってなくても、イッちゃうもんね」
 美和が企むように耳元で笑う。
 少しだけ嫌な予感がした。
 その予感は的中で、美和は乳首からも指を離してしまう。
「んぅんん……やぁ……いく……いくってばぁ……!」
「いいよ。いっちゃって」
 せっかく美和の愛撫でイきそうだったのに、ギリギリ焦らされて、でもイきそうで。
 こんな中途半端にイきたくない。
「ちゃんと……あっ……ちゃんと、イかせろって……!」
「そういうのは、もうちょっと後でね」
 そう耳元で囁かれると、不覚にも体がゾクリと震え上がった。
「んぅんっ……! あっ……あんっ、んっ!」
「ホント……玲衣くんて、俺に焦らされて、いじめられるの好きだよね」
 好きじゃない。
 そう思いたいのに、俺をいじめる美和がすごく楽しそうで。
 いきいきしてて。
 俺だけが知ってる、俺の好きな美和。
 さっき、隣のクラスの子に少しバラしたけど、あんなのはほんの一部でしかない。
 いじめられて感じると、美和はまた、俺をからかって、構ってくれる。
「んぅんんっ……ああっ……あんっ、んっ……あぁあっ!」

 触られずにイッてしまうと、思った通り、美和は嬉しそうに俺の耳元で笑った。
 自分の感情が整理出来なくて、俺はただ涙をこぼす。
「はぁ……かわいいよ、玲衣くん……触ってあげるね」
 美和の声は、明らかに興奮していた。
 そう思った直後、右手が、イッたばかりの俺のチンコを掴んできた。
「あぁあ……っ!」
 いまじゃないのに。
 美和の手で擦られて、残っていた精液が少し溢れてきた。
「ああっ、あっ……んぅんん、んっ……美和ぁ、あっ……ああっ、ん……!」
「ん……出切ったかな……」
 考える余裕もなく頷くけれど、美和の右手は俺のを擦り続けたまま。
 一度、放置された乳首も、また左手の指で撫でられてしまう。
「あぁあっ!! あっ、だめっ……やぁっ……ああっ……あぁあっ……」
 勝手に震える俺の体を抱きながら、美和は耳に舌を這わす。
 ピチャピチャと音を立て、丁寧に舐められると、すごく好かれているような気がした。
 美和の吐息がかかって、興奮しているのが伝わってくる。
 やっぱり……美和は、いじめられて感じる俺が好きなんだ。
 美和のこと嫌いだって、態度で示してた俺を好きになるくらいだし。
 嫌がる俺が好きで。
 嫌なのに感じたり、やらしい気分になる俺のことが、好き……なんだろう。
「はぁっ、んっ……んんっ……美和ぁ……あっ、ああっ……出る……んっ、出ちゃ、う……」
「ん……タオル敷こうか」
 左手だけが一旦、乳首から離れたかと思うと、美和は近くにあったバスタオルを俺の足の間に敷く。
 準備されて、余計に羞恥心を煽られる。
 かといって、準備されない方がいいわけじゃないけど。
「いいよ、玲衣くん……そんなに泣かないで……出していいからね……」
 めちゃくちゃ興奮してる美和の声。
 泣かないでって言うけれど、本当は泣いてる俺で興奮してるに違いない。
 チンコも乳首も擦られて、熱い舌も耳に絡みついて、もう限界だった。
「ああっ、ああっ……うっ……んぅっ……んぅんんっ!」
 我慢しきれず、その場で漏らしてしまう。
 くやしいとか恥ずかしいって感情はもうとっくに通り越していた。
 ただ涙があふれて、しゃくりあげそうになる。
 それでも休む間もなく、美和は左手で俺の性器を掴み直すと、右手の指で先端を擦り始めた。
「あぁあっ! だめ……ああうっ……それ、やぁ……やぁあっ!」
「ん……玲衣くん、潮吹きも出来るでしょ」
 どうやら失禁と潮吹きは違うらしい。
 よくわかんないけど、亀頭を擦られると、失禁するのとは違う感覚で、なにか出ることがあった。
 全部、美和に教えられたんだけど。
 いまもまた、美和はそういうことをしたいらしい。
「ああっ、あっ、んぅっ…やぁっ……あぁああっ、ああっ、ああんぅっ!」
 亀頭に触れた美和の指が、何度も何度も左右を行き来するうちに、先端から潮が吹き出てきた。
「はぁ……かわいい……出ちゃってるね」
「んぅんっ……やっ……ああっ、あうっ……! でちゃ……んぅんん!」
「うん……まだ出そう?」
「ああっ……まって……あっ、あっ……でるっ……ああっ、あっ……あぁあっ!」
「いいよ……もっと出して……いっぱい……ほら……」
 熱っぽく俺の耳で指示でもするみたいに呟きながら、今度は手の平で強く擦られる。
「あぁあっ……あっ、あっ、もぉ、やぁっ……ああっ、んぅんーー!」
 体がガクガク震えて、美和が擦るたび溢れる潮で、美和の手がびちゃびちゃになっていく。
「すごいね……こんなにたくさん出しちゃって……もっとここ、ヨシヨシしようか」
「もぉっ……ああっ、もぉ、だめっ……ああっ、やあっ……ああっ、あっ、あぁああああっ!」
 激しくされて、体が跳ね上がった瞬間、美和がやっと手を離してくれた。
 おかげで勢いよく吹き出た潮が、自分の体にかかってしまう。
「うぅ……んっ……んっ……ひぁ……ん……」
「最後……すごかったね。たくさん飛んで、ここまでくると芸術的だよ」
 ばかって言う気力もない。
 ぐったりしている俺を抱きしめながら、美和は俺の耳にキスをした。