「指、抜くよ」
 初めてドライでの絶頂を迎えた凍也のナカから、指をそっと引き抜いていく。
「ああっ、だめ……あっ……いま動かしたら……! あっ、ああっ……あぁあんぅっ!」
 指を引き抜く衝撃で、凍也の体がまた大きくビクついた。
 1本でしか慣らせていないけど、しっかりほぐれた箇所に亀頭を押しあてる。
「あっ……すどうさ……あっ……俺……まだ、なか、びくびくして……」
「うん……入れないでおく?」
 一応、そう聞きながら、腰を浮かせ、ゆっくりした速度で押し開いていく。
「ああっ……! 待って、待って! あっ……んんっ……すどうさ……」
「……待たないと、だめ?」
 中途半端に先の方だけ入った状態で、凍也の目を見ながら尋ねる。
 ずるい聞き方だとは思うが、この部屋に来たとき、同じように聞かれた。
 思った通り、凍也は首を小さく横に振ってくれた。
「だめじゃな……でも……あっ……わかんな……あっ……ゆっくり……ゆっくりして……」
 凍也の不安を取り除くことは簡単だ。
 このまま、入れることなく引き抜いて、落ち着くまで抱きしめてあげたらいい。
 ただ、快感を怖がる凍也が、あまりにもかわいくて。
 もっと堪能したくて。
 脈打ち続ける凍也のナカへと、自身のモノを咥え込ませていく。
「ああっ! あっ、あぁっ! いく……いく……あぁああっ……」
 挿入でイき直すと、凍也は脱力状態の体をこちらに預けてきた。
 深く繋がったまま、浮かせていた腰をベッドに沈める。
「ああっ……あん……すどぉさ……俺んなか……あっ……おかしく、なってる……」
「おかしく……?」
「うん……ん……びくびくして……すどぉさ……あ……まだ、動かないで……」
「ん……わかった」
 今度は、さすがに少しジッとしてあげよう。
 動かずにいたところで、凍也の内壁はヒクついたままだし、めちゃくちゃ気持ちいい。
「ああっ……あん……すどぉさぁ……俺の体、いつもと、ちが……あっ……へん……」
「へんじゃないよ」
「あっ……きもちい……あっ……あっ! きもちぃの、おさまんなぃ……」
「うん……大丈夫だから」
 背中をそっとさすってやると、凍也も俺の背中に手を回して、しがみついてきた。
「あん……ん……背中も、きもちい……」
「ああ……感じる?」
 今度は感じさせるように、あえて優しく、指先で背中に線を描く。
「ああっ……ん……ん、それ……ぞくぞくする……ふぁ……ん!」
 少しだけ体を離して、凍也の表情を確認してみる。
 こちらを見つめる凍也の目は、思った以上に蕩けまくっていた。
 めちゃくちゃいやらしい。
 背中を撫でていた手を前へと移動させ、小さく尖った乳首を指先で弾く。
「ああっ、あっ! んんっ……! 須藤さ……んっ!」
「さっき、風呂場であんまりかわいがってやれなかったから」
「はぁっ……いい……そこは……ん、んぅ……」
「舐められたの、嫌だった?」
「いやじゃ……でも……んん、いまは、いい……んんっ……そんな、しないで……んんっ!」
 凍也が感じているのは明らかだった。
 だったら何が嫌かって、精神的な問題だろう。
 胸で感じすぎてしまうことが、恥ずかしいらしい。
 感じても全然構わないし、変じゃないし、俺も感じるんだけど。
「これ、嫌い?」
 そう尋ねながら、今度は両方、凍也の体を支えながら、親指で転がしてく。
「んんっ! 嫌いじゃ……あっ……でも、あっ、ん! んぅっ、んっ!」
「声、殺さなくていいよ。余計いやらしくなってるし」
「ちがっ……あぁっ、ん! だって……あっ……そこ……んぅん! やぁっ!」
 さっきよりも少し大きくなった乳首を軽くつまんでやると、凍也の腰がビクビク震えた。
「あぁあっ……だめ……あっ……だめぇ……んんっ、いく……また、イっちゃ……んぅっ! あっ、あっ! ん、やぁっ!」
「ああ……乳首だけで、イきそうなんだ?」
 よっぽど恥ずかしいのか、凍也は首を横に振る。
「やぁっ……やだ……須藤さ……だめ……ああっ!」
「いきなり前立腺ガンガン突かれるより気持ちいいだろ。さっき動かないでって言ってたし。動いてないけど、ナカも感じる?」
「ふぁっ……あっ……ん……きもち、い……ああっ、ナカも……あぅっ……あっ……いいよぉ……」
「じゃあ、イこうか」
 体に精神が追いついていないのか、生理的なものか、凍也がポロポロと涙をこぼした。
「ひ、ぅうっ……やぁ……!」
「……大丈夫?」
 一応聞くけれど、凍也の泣き姿に思わず体が反応してしまう。
「あぁっ! あっ……ん、すどぉさんの、ナカで、ビクって……!」
「ああ……ごめん。凍也がかわいすぎて」
 泣きながら、それでも大丈夫だと言ってくれているのか、凍也は小さく頷くと、自ら腰をくねらせ始めた。
「あんっ……あっ……ああっ、んぅ! んっ!」
「……ナカ、もどかしくなってきた?」
「んんっ……あっ……ああっ、わかんなぃ……!」
「じゃあ……もう動いてよかった?」
「んぅんっ! 待ってぇ……あっ……すどうさぁ、ああっ、動いちゃ、だめ……!」
「俺は動いてないよ。凍也、自分で腰、動かしてるね」
「んぅっ……勝手に、動く……ああっ……だめぇ……んぅっ、んっ、とまんない……ああっ、いくっ……いくぅ……」
「凍也……」
 声をかけ、顔をこちらに向けてくれた凍也の唇を塞ぐ。
「んぅん……んっ……はぁっ……あぅ……すどぉさ……あっ!」
 お互い差し出した舌先を絡め合いながら、乳首を指先で擦り続けてやると、緩やかに揺れていた凍也の腰がガクガク震え、ナカがぎゅうっと締まった。
「あぁあっ……あぁっ! やぁあああっ!」
 凍也が腰の動きを止めた後も、ナカは脈打ち続けたまま。
「……凍也……乳首も感じるようになった?」
「んぅ……はぁ……ぅん……ん……でも……なんか、やだ……」
「別に恥ずかしくないよ」
「須藤さんも、乳首感じる?」
「……感じるよ」
「乳首だけで、イけるくらい?」
「……ん」
 一応、肯定してやると、納得したのか凍也は、俺に縋りついてきた。
「……じゃあ、いい」
 どうやら安心してくれたらしい。
 そのまま少しの間、身動きすることなく凍也の体を支えた。


「ねぇ、須藤さん……俺、めちゃくちゃ、ずっときもちいいんだけど……須藤さんは……?」
「きもちいいよ……凍也のナカ、すごいぎゅうぎゅう俺の締めつけてくるし、ビクビクしてる」
「うん……あ……俺んナカ……まだ、ビクビクして……あっ、ん……須藤さんの……きもちぃとこあたって……あ……」
 もう擦ったり突いたりしなくても、触れ合ってるだけで気持ちいいらしい。
 ただ、俺としてはもう少し、刺激が欲しいんだけど。
「そろそろ、少し動かしていい?」
「ん……うん……」
 身構える凍也の腰を抱え、少しだけゆっくり動かしてみる。
「あぁあっ、はぁ……あん……ん……すどぉさ……ああっ、きもちぃ……」
「ん……続けるよ」
「うん……ん、はぁっ、あっ! あん、んんっ……ちんこ……あっ、好きになる……!」
「……大丈夫……薬のせいだから」
「ん……うん……ああっ……あっ、薬の、せい……」
 薬のせいってことにして、割り切ってもらった方がいい。
 でないと本当に、入れられる方にハマってしまいそうだ。
 薬のせいと思い込むことで、感じてる部分もあるだろうけど。

 徐々に速度を上げていくと、さきほど性器にたっぷりローションをかけられていたこともあって、クチュクチュといやらしい音が聞こえてきた。
「んぅんっ……ああっ、あっ! んっ……あぁっ、あっ! ああああっ!」
 イクと告げる余裕もないのか、また凍也がイクのに気づきながら、凍也のナカを掻き回し続ける。
「ああああ……あっ! あぁっ、んっ! 待っ……ああっ! んっ、んっ!」
「んー……どうした?」
「んんっ、んっ、いって……あっ! ああうっ、俺……!」
「ん……知ってるよ」
「ああっ、あぁんっ! やぁう……ああっ……とんじゃう……ああっ、やぁあっ! あああっ!」
 本気で凍也が嫌がるのなら、もちろんやめてやるつもりだ。
 体を抱き寄せながら、耳元で尋ねる。
「俺もイきたいんだけど……いい?」
 少しだけ間を置いた後、俺の期待通り、凍也は頷いてくれた。
「んっ……ぅん……いい……ああっ……すどぉさん……ああっ、いって……あっ……俺んなか……ああうっ!」
 ビクビク震える内壁で、激しく肉棒を扱いてもらう。
 本当はゴムを使うつもりでいたけれど、結局ナマだし、さすがに中出しはやめておくか。
 そう頭では思うのに、体がついてきてくれない。
「はぁ……凍也、いく……」
 出入りするたび、俺の腹で凍也の性器が擦れる。
 より当たるように、きつく抱きしめながら、激しく揺さぶっていく。
「あああっ! ああっ、いくっ……ああっ、あっ! ああっ……あぁあああっ!!」
 凍也の体が、また大きく跳ねあがった。
 それと同時に、凍也の中で達する。
「ああっ、あっ……ん、んぅ……すどぉさ……あっ……あう……」
「凍也……また、イっちゃった?」
「ん……俺……ナカでいってんのに……しゃせぇも……」
 どうやら、メスイキしたまま、オスイキ出来たらしい。
 さすがにその経験は、俺もない。
 凍也にそれを指摘されても困るし、これ以上、触れないでおこう。
「休もうか……」
「ぅん……ん……はぁ……」
 凍也はいまにも寝そうなくらい、ぐったりしていた。
「すどぉさ……ふわふわする……」
「うん……」
「もぉ……ん……」
 さすがに疲れてしまったのか、俺のが入ったまま、凍也が意識を手離す。
 こればっかりは、仕方ない。
 少しの間、眠らせてあげるとしよう。


 その後、なるべく刺激を与えないようにゆっくり引き抜いていく。
 指で押し開くと、出してしまった精液が滴り落ちてきた。
 凍也の体は、少し反応していたけれど、むにゃむにゃとかわいい寝言を漏らすのみで、なんとか後処理を済ませていく。
 ひとまず、タオルで体を拭いてやり、ある程度、凍也の体を整えた後、俺は1人、シャワーを浴びた。
 普段は、シャワーですべてを済ませがちだけれど、凍也が入るかもしれないと、湯船に湯を溜めていく。
 凍也のところへ戻ろうかと考えていたそのとき、コンコンとドアがノックされた。
「須藤さん? お風呂入ってんの?」
 ドアを開けると、寝起きだからか、ぼんやりした状態で目を擦る凍也の姿……。
「うん。もう少ししたら凍也のとこ戻るつもりでいたけど。ひとりにして悪いね」
「ううん、いいよ。俺も一緒に入っていい?」
「もう出ようと思ってたんだけど」
「えー、湯船にお湯入れてんじゃん。入るつもりだったんじゃないの?」
「凍也、浸かった方がいいと思ったから」
「じゃあ、一緒に浸かろう!」
 そう言うと、凍也もまた浴室に入り込んできた。
「一緒に浸かるほど広くないんだけど」
「くっつけば入れるって。先に入ってて」
 なんとなく湯舟に追いやられ、俺はシャワーを浴びる凍也を見守る。
「須藤さん、俺のナカ、掻き出してくれた?」
「とりあえず、ね」
「ありがとー」

 凍也は体を洗い終えると、俺の前、背を向けるようにして湯舟に入ってきた。
「せまっ!」
「だから言っただろ」
「くっつこう! 須藤さん、俺に腕回して」
 仕方なく、後ろから凍也の体に腕を回す。
 なるべく抱きしめないように……そう思っていたけれど、凍也が俺の腕を掴んできた。
「もっと、ぎゅってしていいよ」
「しないよ」
「したら、勃ちそう?」
「勃たない。凍也は? 体……もう落ち着いた?」
「んー……うん、落ち着いた」
 腕を掴んでいた凍也の手が、今度は俺の指先に絡みつく。
 ただ、そこにいやらしさはない。
 なんとなく指遊びしているだけだろう。

「ごめんね、須藤さん。変なこと付き合わせちゃって」
 少しだけ生まれた沈黙の後、凍也が告げる。
 顔は前を向いたまま。
 俺の顔を見て言うのは、少し抵抗があったのかもしれない。
「いいよ。ずっとは無理だけど」
「うん。俺も……いまは仲いい子いるしね。須藤さん、めちゃくちゃ丁寧だからさ……俺もそっち側でするとき、見習わないと」
 普段とは逆の立場になることで、得るものもある。
 俺も……凍也を抱くことで思い知った。
 自分がいかに大切に、丁寧に抱かれてきたかって。
 実感できたのは、凍也と体を重ねたから……。
 そんな風に、凍也との行為を正当化している自分に気づく。
「ねぇ、須藤さん。ずっとは無理でも、たまにならいいってことだよね?」
 凍也は俺の肩に頭を乗せながら、こちらを窺う。
 いいんだろうか。
 あとで面倒なことになってしまう可能性もある。
 とはいえ、ごくたまになら……。
 凍也だって、いつかは俺に飽きるかもしれないし。
「その顔……考えてる顔? 大丈夫。たまーに遊ぶだけ! ね?」
 凍也の瞳は、俺が頷くのを期待していた。
 ただ、あまりずるずるとやり続けていいものでもない。
「……いいとか悪いとか、とりあえず決めなくていいんじゃない?」
 俺がそう告げると、凍也は少し考え込むように目線を動かした後、頷いた。
「わかった。ありがと!」
 つまり、断り切れなかったんだけど。
 その選択が正しいかどうか、面倒だからいまは考えないでおこう。









『須藤×凍也』 カウンター158158番v
『もう何回かエッチはしているというテイでの2人』『薬等使用してエッチに乱れた凍也』といったリクエストをいただきました!

普段から受に回ると、凍也は結構いっぱいいっぱいになる傾向なので、今回は薬でいつもに増していっぱいいっぱいの凍也と、そんな凍也を前に、普段ほど冷静ではいられない須藤さんを目指してみました!
セイラさんへささぐvvリクエストどうもありがとうございました♪