「部屋、空けて欲しいんだけど」
保健の先生、柊にそう言うと、何事かと言わんばかりに食いついてきた。
「なんで? 2人でやっちゃうの?」
直球な問いかけに、桐生が慌てて首を振る。
「っまさかっ。部屋、空けなくていいよっ。ってか、空けないで」
空けると俺に犯されるとでも思ったのか、そう柊に頼み込む。
片腕は、俺にがっちり掴まれたままだった。

「…という桐生ちゃんの意見ですけど、智巳ちゃん、どうすれば…?」
柊は、とりあえず、両方の意見を聞こうという計らいらしい。
「…じゃあ、別に空けなくてもいいけど? 桐生がそんなに見られながらやりたいっていうんなら?」
笑顔を作ってそう言う俺に、顔を横に振って拒む。
「いや、俺っ…。え? なに、俺がやられるってのは決定なわけ?」
「あー、混ぜて欲しいなー」
「っ困るって、こんなサド2人、相手に出来るわけないじゃんっ」
「サド1人なら大丈夫と?」
「またまた、そうやって裏返してっ…。無理っ。一人でも無理っ」
「…桐生、お前、馬鹿にしてんの? 負担かけずにしてあげるテクニックくらい持ち合わせてるっての」
「別に、そういう意味じゃ…っ」
「でも、今日は、負担かけて、虐め尽くすつもり」
俺がそう言うと、一気に逃げようと、ドアへ走り出す。
「桐生ちゃんもサドならわかるっしょー。逃げられるほど、追いたくなる気持ちとか」
柊が楽しそうにそう言うと、俺が持ってない方の柊の手をがっちり掴む。
「柊―…。俺がメインだから、お前、取るなよ」
「えー。まぁいいけど。じゃ、俺がサブね」
「ちょーっと、2人とも、話進められても困るんだけどっ」

「柊、抑えてて」
俺は、柊に桐生の体を預けて、俺自身は、前から桐生のズボンのチャックを下ろす。
「っおいおい、話だけじゃなくって、手、進められてももっと困るって」
「桐生が、困ろうが俺は困らないし」
「ひでぇっ。柊も、なにしてんだよっ」
桐生の体をがっちり後ろから掴んで、耳元に軽く舌を這わす。
それを確認してから、俺は取り出した桐生のモノに、跪いて舐め上げた。
「っ…ん…ちょっと…」
「あ、智巳ちゃん、ローションあるよ?」
「あー、ちょうだい?」
「だからぁあっ、話と手、止めろって」
もう桐生は無視。
柊の白衣のポケットから受け取ったローションを指につけて。
速攻、ズボンと下着を下ろして。
足の間、奥の方を撫でてやる。
「…やばいだろ…」
「なにが?」
「生徒来たらどうすんだよ、こんな教師3人でっ」
「柊って教師なわけ?」
「さぁ?」
「そういう問題はどうでもいいんだよ。そんなことよりっ」
「結局、やられるのが、怖いわけ?」
「っ…怖くはないって…っ」
一瞬、ひるんだくせに…。
まぁ、こいつがこういうコトに恐怖心抱かないのは、わかってるけど?
「じゃあ、いーんじゃないの?」
俺が、そっと指先を中に入れると、桐生の体がビクンと跳ね上がり、俺の視線から逃れるように、顔を背ける。
「っンぅっ…」
「あいかわらず、イイ反応すんじゃん?」
「いいねぇ、桐生ちゃん。かわいい。…って、あいかわらずって? 智巳ちゃん」
「まぁ、そのまんま。あいかわらず」
「っ…ぃい…から、抜…」
もう、冗談で言い返せる範囲、超しちゃったみたいで。
少し、真面目にそう言われてしまう。
「気持ちよくさせてやるって」
「乳首も、感じる? 桐生ちゃん」
柊が、体を掴んだまま、シャツの中に手を潜らせて、胸をいじる。
それに合わせるように、俺もまた、桐生のモノを舌で舐め上げながら、指をそっと奥まで入れていく。
「っンっ…ん…っ…」
上を見上げてやると、目をつぶった桐生が、顔をそむけて、必死でこらえてるみたいで。
すっげぇ、かわいい反応しやがって。
俺は、奥まで差し込んだ指を、そっと抜き差ししながら、前立腺を擦ってやる。
「っぅくっ…ンぅっ…ゃうっ…ぁっ」
体をビクつかせ、それを柊に取り押さえられて。
あまり抵抗するのも、その抵抗が空回りするのが恥ずかしいのだろう。
「桐生ちゃん、すっげぇかわいー」
柊は、耳元でそう言いながら、自分の指を舐め上げて、今度は片手で桐生の体を支えながら、1本、俺の指に沿って指を差し込んでいく。
「っんぅっ!っゃめっ」
「やめないよ?」
俺の指とは違うリズムで、そっと中で、指が折り曲がるがわかった。
「っひぁっ…ぁあっ…」
もう我慢の限界?
もともと、こいつって、欲求に勝てないやつだし?
気持ちがいいとどうでもいいっていうか。
羞恥心、ぶっとんでるだろ…。
「んぅっ…ゃうっあっ…あっ…」
エロいやつだな、まったく。
「気持ちいいわけ?」
「んっ…あっ…はぁっ…」
そっと頷いて、答えて。
さりげに欲しがってやがる。
俺も立ち上がってやると、桐生の手が、俺の腕を掴んで爪をたてる。
「っんぅっ…智巳ちゃ…ぁ…」
「昔みたいに、欲しがってくれて、かまわないし」
そう俺が言うと、恥ずかしかったのか、急に顔を背ける。
「桐生ちゃんて、智巳ちゃんに昔、ねだってたんだ?」
柊が、羞恥心を煽りながら、頃合いとみてか、もう1本、指を増やす。
「っぁあっ…ンっぅ…っ、ゃくっ…」
「慣れてるよねー…。桐生ちゃんって、こっち、イけたんだ?」
「俺が、調教済みだから?」
「へぇ、そうだったんだ」
「昔ね」
桐生は、俺らの会話ももう耳に入ってないみたいで。
ただ、気持ちよさそうに、少し足元をふらつかせる。
「っぅくっ…ん…やっゃあっ」
「なにが?」
「もっ…いぃからっ…はやくっ…」
「生徒来るかもしれないから、止める?」
「ひぁ…っ…ゃだっ…あっんぅ」
「……お前は、変態か…」
羞恥心を煽るでもなく、つい呟いてしまう。
「しょうがないから、ベッド、貸してあげるよ」
柊がそう言って指を抜くもんだから、俺も指を抜き、すでにある意味イっちゃってる桐生をベッドに運んだ。

ぐったりしてる桐生の後ろに回ると、俺が上半身を抱えてるうちに、柊がズボンを下着を剥ぎ取っていく。
「ん……ちょっ…」
「嫌がってないくせに♪」
俺が、後ろから桐生の膝裏に手を当て、思いっきり、大股開きさせてやる。
「っちょっ…智巳ちゃっ…」
「柊に見られるのは、初めてだから、恥ずかしい?」
今度は、耳元で囁くように、そっと言ってやる。
「っ…んっ…」
図星だったのか、改めて俺に言われて恥ずかしいのか、つい口を噤む。
「桐生ちゃん、イイ反応するねぇ」
柊が指先で入り口を撫でるだけで、桐生の体がビクンと跳ねる。
「あ…っ…秋ちゃ…っ…」
「かわいー。久しぶりに秋ちゃん呼ばれたわ。いいねぇ。そういう声でそう呼ばれるの」
企むように笑うと、バイブをチラつかせる。
「っ…なっ…秋ちゃ…」
「入れてあげる」
そう言った柊は、ゆっくりと、桐生の中へ、バイブを押し込んでいく。
「っんぅうっ…ぃっ…ぁああっ」
「智巳ちゃーん。さっき言ってた調教済みって?」
柊は、手元も見ずにバイブを押し込みながら俺を見る。
「俺ら、同じ高校行ってたから」
「へぇ。そうだったの」
桐生は、俺らの話を聞いているだろうけど、話に入れる状態ではなさそうだ。
「んぅっ…ぁあっや、秋ちゃぁあっ…」
奥まで入り込んだバイブを慣れた手つきで掻き回して。
桐生は桐生で、気持ちよさそうに受け入れる。
「じゃあ、高校中に?」
「そう…。ね…先輩…」
わざと思い出させるように、耳元で言うと、反対方向へ顔を逸らす。
「そっかー。桐生ちゃんが先輩か。智巳ちゃんは、先輩襲ったわけか」
「いや、襲ったっつーか、なりゆきで。まぁ高校生って、好奇心旺盛だし?」
「はぁっんっ…ゃぁああっ」
一際大きく喘ぐ桐生の声に、目を向けると、柊がバイブのスイッチをONにしたらしい。
体を仰け反らせて、俺の肩に頭を預ける。
小さな機械音が、あたりに響く。
桐生は、少し体を震わせながら、息を荒げた。
「っはぁっぁあっ…やぅっンっ秋ちゃ…」
「ビンビンじゃーん。お元気」
楽しそうにそう柊が言っても、こいつには羞恥心があまりないらしい。
「そうゆうことは、言ってやれば言ってやるほど、感じる体質なんだよ、こいつは」
俺は、冷めた感じにそう言い放ってから、
ね…? って、優しく耳元で同意を求めると、かすかに頷くのがわかった。
「ぁあっんっ…ゃあっ…」
「もっと?」
「んぅっ…ンっ」
何度も頷く桐生にあわせて、柊が動いたままのバイブを抜き差しする。
「ひぁっあっ…くっぅンっ」
片手で、バイブを扱って、もう片方の手が、桐生の股間のモノと撫でて。
物足りないように、俺の腕を掴む桐生をにっこり見やって、柊は、桐生のモノを口に含んだ。
「っんぅっぁあっ…やぁっ…」
俺も、首筋に舌を這わして。
足から手を離すと、乳首を弄くってやる。
「ぁあっ…ゃああっ…んーっ」
「2人がかりじゃないと、満足出来ないらしいね、こいつは」
誰に言うでもなくそう俺が言ったあたりで、ガラガラ…と、ドアの開く音が響く。
「っ…」
桐生が、息を呑むのがわかった。
「聞かれた方が感じるだろ…?」
耳元で俺が言うと、口元に手の甲を当てたまま、そっと頷く。
「ぁああっ…」
聞かれてると思うと、余計に我慢出来ないのか、声を大きく漏らす。

「柊先生? 出てった方がいい?」
少し笑いながらそう言う声は、拓耶だ。
俺の前の受け持ちの生徒で、桐生とは仲がいい。
「先輩…どうする?」
耳元で俺が、そう聞いても、もう止めれる状況でもなければ、わざわざ出てって欲しいなんて願う感情もぶっ飛んでるらしい。
ただ、桐生にとって、拓耶に聞かれてしまうというのは、いつもは自分が拓耶を喘がせてる立場だから?
ものすごく恥ずかしいようで。
つまりは、こいつにとってはすごく感じるらしい。
「んぅっ…ゃっっ…ぁあっ…ゃあんんっ」
喘ぎまくってる桐生の声は、普段と大違いと言っていいほどだから、普通になって話しだしたりしないかぎり、バレることはないだろう。
「…いてもいいみたい」
俺がそうフェラ中の柊に代わって答える。
「あれ? 智巳ちゃんだったの? てっきり柊先生かと…」
「ん…俺もいるけどね」
口を離して楽しげにそう答えながらも、バイブで、中を掻き回す。
「ゃんぅっ…ぁあっ…あっ、ゃあっ、あっ…っやぁあああっ」
桐生が、体を震わせて精液を放つと同時に、柊がバイブを引き抜いた。
ぐったりした様子で、桐生は、俺に体重を預けていた。



「…柊せんせぇ…。すっげぇ申し訳ないんだけど、キリついたら、ちょっと…診てくれる…? あ、ホント、キリついたらでいいから…。出来れば早めがうれしいなって」
珍しく、真面目に保健室に来たわけか?
拓耶が、そんなこと言うなんて、よっぽどな症状か。
俺と柊は、顔を見合わせる。

「…拓耶、どうした?」
俺は、カーテンを少し開けて、拓耶を覗き見る。
「ん…ちょっと…切っちゃった」

見ると、右手で抑えた左腕から、血が溢れてる。
「っ……あー…。心臓より、上にしとけよ? 柊」
俺は、目で柊に、拓耶の方へ行くよう促した。

柊は、ベッドから降りて、拓耶の方へと向かう。
「ん。拓耶。みせてみな」

すっげぇ、血だった。
俺なんて、見た瞬間に、絶対、嫌な表情になったと思う。
そんなの、拓耶は見てないだろうけど。

なんでもない口調、表情で、対応出来る柊がすごいと思った。
そりゃ、不安そうな顔されたら、生徒も嫌だしな。

「さて。2人きりになったけど、どーしよう?」
「……腰、痛…」
「…変なトコに力入れすぎなんだよ、お前は」

振り返る桐生が、やたらかわいく見えてしまう。
「…幻覚か」
「なに?」
「いや、なんでも…」
そうは言いつつも、つい、桐生の顔を寄せ、口を重ねる。
「んっ……」
一瞬、ためらうように逃げたが、すぐ俺の舌に舌を絡ませる。
「…智巳ちゃ…」
「俺は、お前も好きだよ」
「なに言って…」
俺が、桐生の髪を弄ぶと、少しだけ、顔を俯かせて、表情を隠していた。

改めて、桐生の体を前から倒し、正面から見ると、気まずいように顔を避ける。
足を広げさせ、ゆっくりと桐生の中にローターを差し込んでも、拓耶がいるせいか、不要な発言は避けようとか考えているのだろう。
反論はなし。
「ぁ…んぅ…」
なるべく奥まで入れた状態で、今度は自分の高ぶりで勢いよく貫いてやった。
「ぁああっ…ゃあっ」
「…っあんま、締めんなって」
「や…ぅくっ…」
体を重ねて密着させて。
「久しぶり…」
そう耳元で言ってやると、少し恥ずかしそうに、逆方向に顔を背けた。
「好きだろ…? ローター入れられたまま、突っ込まれるの」
ローターのスイッチをオンにしてやると、桐生の体が過敏に、跳ね上がる。
「ぁっ…あぁあっ、んぅっ…」
俺の腕に爪を立てて。
涙を浮かべた目を、つぶった状態で。
「いい…?」
「ぁっんぅ、やあ…ゃくっ…」
「はやく?」
「んっ…ぅンっ…ぁあっ」
俺は、桐生が望むように、腰をスライドさせてやった。
「ぁあっ、ぃいっ…あ、智巳ちゃ、あっ…ん、智巳ちゃぁあっ」
「ん…。まぁ…お前の体って、結構、知り尽くしてるよな…」
なんて冷静に言ってみても、桐生に答える余裕はないようだ。
「どうすれば…感じるかとか…」
桐生の好きそうなトコを突きながら、首筋を舐め上げる。
「ぁんっあっ…ぃい…、智巳ちゃっ…んぅっあっ」
俺の髪に指を絡めて、もっと欲しがって。
「…やらしーね……。みゆき先輩…」
そう言うと、一瞬俺を見て、すぐ恥ずかしそうに顔を逸らした。
「んっやめ…っぁっ…あっ…ゃうっ…あっ」
「なに…? みゆき先輩」
わざとらしく、強調しながら名前を耳元で呼んでやって。
指先で、胸元を愛撫してやりながら、思いっきり突き上げてやる。
「っんぅっ…智巳ちゃっぁあっ…やっっあぁあああっ」

イってしまって、ぐったりとする桐生の中から、自分のモノと、スイッチを切ったローターを引き抜いて。
直後で溢れ出る精液を、桐生の腹あたりに、かけてやった。
「っん…智巳ちゃ…」
「汚されるのとか、好きだろ?」
「はぁ……っ」

もうホント、エクスタシーってな顔しやがって。
うっとりしてるっつーか。
「変態…」
少し俺が、冷めた口調で言ったところで、なんでもないみたいに、受け入れる。

「な…。工藤は、お前の名前知ってんの?」
工藤雪之丞。
桐生の好きな生徒だ。
「なんで…。知らないと思うけど」
「かわいー名前じゃん、深雪ちゃん」
「…人のこと、女みたいに呼ぶなよ」
「名前、言っただけだし?」
「俺は生徒にも、苗字しか教えてねぇんだよ。あんま言うなって」
この女らしい…というか女だろってな名前がどうにも嫌みたいで。
そう呼ばれると、恥ずかしいらしい。
俺だって、まあ中性的な名前だけど。

「そういえば桐生ちゃんって、そういう名前だったねぇ。かわいい」
楽しそうに外から柊の声。
あぁ、そういえば、こいつが俺や柊のこと、智巳ちゃんだとか秋ちゃんだとか、女みたいに呼ぶのは、自分の名前にコンプレックスがあるせいか?
自分以外で、女みたいな呼び名のやつが欲しいっつーか。
雪之丞のことも、雪之って呼んでるみたいだし。

「…ってか、中に桐生先生、いたんだ?」
今度は、拓耶の声。
桐生は、すっかり忘れてたようで、表情をこわばらせる。
「…俺は、覚えてたから、苗字出してないし? やってる最中とか、やり後、お前普段と声違うから、苗字出さなきゃバレないし?」
「……柊っ…ちょっ…もー…なんで…」
結構、てんぱってるな。
「別に? ちょっと面白いことになるかなーと思って♪」
「っ…拓耶…。誰にも言うなよ」
「なにを?」
「だからっ…俺が、ほら…」
「俺に、やられてたってこと」
補足説明に入ると、桐生は俺をにらんで。
「…言わなきゃ、もしかしたら、もう一人、ここに生徒がいたかと思うかもしれないだろっ」
「…いや、もう声とか、だんだん治ってきてるし、ごまかしようないって、諦めろ?」
どう考えても、受けてたやつと、今の直りかけの声が、同一人物だって、バレてるだろうし?


「かわいーねぇ、桐生先生♪」
「…かわいかねーよ」
「深雪ちゃんって♪」
「……それ…誰にも言うなよ」
「えー…なにか、交換条件♪欲しいな」
確かに、拓耶が一方的に黙ってても、なんの利益もない。
もちろん、害もないけれど。
「じゃあ、桐生ちゃんのハレンチな姿を、写真に収めさせてあげようか♪」
楽しそうに、柊がそう言って。
「柊のせいで、俺、今、すっげぇ窮地なんすけど。なんでそう、どんどん追い詰めるわけ?」
「楽しいことが好きだから?」
「…っつーわけで、デジカメなら、ここに」
俺が、持っていたペラいデジカメを桐生に見せびらかす。
「…マジですか」
「写真、1枚で、黙っててもらえるんだぜ?」
俺が、そう教え込みつつ、デジカメの電源をONにする。
「……っつーか、どう考えても、その写真でまた脅し効くし」
「まぁ…楽しけりゃいいじゃん」
「楽しくないから、言ってんだけど」
「我侭。多数決で、決めりゃいいんでしょ」
ちょっと投げやりに、柊がそれでも楽しそうにそう言ってカーテンをあける。
「…それ、絶対、負けるし」
「じゃ、やる必要ないってことだね」
「おい…。なんで、そうなるわけ? わけわかんねぇって。おかしいだろ?」
「…桐生、慌てすぎ。お前にさー…ひどい目、あってるから?」
そう言うと、すっげぇ考え込んで。
しばらくたってからやっと
「なにかしたっけ…」
そうもらす。
「……尋臣とのやつ、見てただろ」
「あ、それっ? いーじゃん、少しくらいっ。…柊は…」
「俺はね、まぁ俺の大事―な宮本先生に、あっさぁり、手、出しちゃったとこ?」
「え、出してないって」
「黙ってりゃ、バレないとでも思ってんのかなぁ? 修学旅行中に、したでしょ?」
「…っ……いや、最後までは、してないし」
「…途中まではしたわけか」
あっさり、かまかけられやがって、馬鹿か、こいつは。

「っじゃあ、拓耶は? ほら、俺、陸ちゃんには手、出してないし」
「あはは♪陸って、桐生先生のタイプじゃないんだ? まぁ陸に手、出してないのはありがたいんだけど、俺の弟がずいぶん、世話になったみたいだし」
あぁ。
拓耶の弟。
そういえば、桐生にやられてたっけ。
「…愛ゆえに、かわいがったんだけどなぁっ」
なぁんて、笑って言われてもね。
「…ま、とにかく、俺、いまから桐生ちゃん、やるから。拓耶に見せたげる」
「…おいおいおい…」
「どうせあれだ。やりだしたら、欲しがるくせに」
俺のその言葉には、反論出来ないらしい。
「まぁ、いいだろ。気持ちよくさせてやるって」
思いっきり嫌がらないのは、まだ、さっきの感覚が体に残っていて、期待でもしてんのか。
「…かわいいね…」
桐生にしか聞こえないくらいの大きさの声でそう言うと、俺が真面目な口調だったからか、少し困ったように、顔をそむけて。
「もっと、よくしてやるから……」
俺は、有無を言わせず、桐生のモノを手でなでる。
「っぅあっ…」
敏感に体をびくつかせて。
すぐ、しまった…と言わんばかりに、桐生は舌打ちをする。
「もういいじゃん。諦めなって」


まだまだ。
日ごろのお返しをするには、全然、物足りないくらいだ。
柊と手を組んで、もっとせめてやらないと?