部活時間。
後輩たちのざわつく声に、運動場へと目を向ける。
と、そこにいたのは、良介と宮原秀一だった。

秀一は俺と同じ学年、同い年で、クラスは違ったが同じ生徒会ということで話す機会も多かった。
が、学校以外で会って遊んだりするほどではない。


「…なに?」
 生徒会の人間がこんな風にいたら騒ぐだろう。
俺は、そう2人に声をかける。
「見学ですけど?」
良介がそう言うもんだから、桐生のことかと思い、
「…俺だけで充分だろ? …目立ってるし」
そう言うが、にっこり笑顔を返される。
「僕は悟の見学ですから」
「俺だって、見ておきたい人がいるから」

2人とも去るつもりはないらしく。
しょうがなくこいつらをほっておき、俺は部活動を再開しようとした。

が、良介に手招きされ、耳を傾ける。
「…はい。コレ、入れておいてください」
そう言って手渡されたのは100円ライターだ。
となりには秀一もいるのに、なにを言ってるんだ、この人は。

「入れるって……」
「あぁ、もう全部今日、使い切ったんで大丈夫ですよ。火はつきません。更衣室にでも行って、入れてきたら? あぁ、そうだ。宮原くんに入れてもらってきてください」
笑顔でそう言う。
「なん…で…」
「証人が欲しいから。あぁ、悟が入れるところを宮原くんに見ててもらってもいいけど」
「良介が…見てれば…」
「それじゃ、普通でつまらないでしょう?」
笑顔で、あっさりそう言われては、どうにも言い返すことができなかった。

「…良介は…来ないわけ…?」
「俺は、待ってます。ほら、桐生くんも見てようと思うし。悟を信じてるから」

なんで、俺はこの人のこと拒めないんだろう。
なんだかんだ言って、この人が俺のこと好きでいてくれるから?
俺もこういうの、そこまで嫌じゃないとか。
怒らせると恐いからか。
いや、彼氏だから?

「良介…あのさ…。俺…」
「あぁ。見てもらえば? 宮原くんに」
笑顔でそう言われ、拒めなかった。


しょうがなく俺は更衣室へと向かった。
俺が入って来たドアとは反対側、運動場の方の入り口から秀一が入ってくる。

「俺はどっちでもいいよ。入れてあげても入れるとこ見てても」
「…秀一…。見たフリして出てってくれないか」
「……良介さん相手に嘘はつけないからさぁ、俺。…入れたみたいだけど、見たフリして出てってって言われたって言っちゃうよ」

 良介相手に嘘つけないのは俺もわかるし。
 バレたら後が恐い。

入れるところを見られるのも入れられるのも嫌だ。
が、どちらか選べというのなら、入れられた方がマシだろうか。
一人でやってるところを傍観されるのは羞恥に耐えられない気がする。

俺は、しょうがなくライターを秀一に渡し、ジャージとパンツを脱いでいった。
シャツで、自分のは隠れていた。

「悟、まだ痕消えないんだ…?」
太ももあたりにまで、昨日の前の日に良介にされたムチとキスマークの痕が残っていて。
そのせいで、今日も俺は陸トレだった。

「明日くらいには消えるだろ…」
秀一は、正面から俺を抱き寄せて。
後ろから、そっと場所を確認するように、足の間、入り口を指で撫でる。

それだけなのに、体がゾクっとした。
「ん…」
「入れるよ」
そう言って、ゆっくりと入り込んでくる。
「やっっ…なっ!!??」
指の感触。
「あっ…指っ…」
「そう。指…。いきなりライター入れて傷ついたらどうすんの」
「んなのっ…平気っ…」

唾液で濡らしたのか、濡れた感じの指が奥へと入り込んでいく。
「やっ…んっ…んぅんんっ」
俺は、耐えるように秀一の背中にしがみついていた。

奥へと入り込んだ指が、今度は中をほぐしていくみたいにゆっくりとかき回す。
「んっ…ぁっくっ…んっ」
「…悟の、すっげぇ、硬くなって俺のに当たってる」
秀一の指が、今度は感じるところを擦っていく。
もう、拡げるためとかじゃなくって、モロにこれは愛撫だろう?
「んーっ…やぁっあっ…んぅっ」
「…間違ってもイかないでよ…。良介さんに怒られそう」
そんなこと言うくらいなら、止めてくれればいいのに。
「もぉっ…やっ…ぁあっあっ…」
「ん…イきそう…?」
やばい。
ホントにイってしまいそうで。
たぶん良介は怒るだろうし、恥ずかしいしで。

そう思うのに、我慢出来そうにない。
「やぁっあっ…やっっ…あぁあっ…やぁあああっっ」


イってしまって脱力状態の俺を、秀一は抱きしめてくれていた。
「…悟って、結構敏感だったんだ…? それとも良介さんの調教の賜物?」

もう力が入らない。
力の入らない俺を座らせて前から押し倒してしまう。

「っやめっ…!!」
いままで見えてなかった股間の部分が晒される。
「…へぇ♪悟って、ここの毛、ないんだ?」
「っ違…っ」
「良介さんに剃られてんの? 綺麗―。俺も今度、誰か相手にやろっかな」
そう言って、本来生えていそうな箇所へと手を這わして確かめていた。
「…っ…秀一さぁ…好きな子とかいないわけ…?」
「……水泳部の雅紀。好きなんだ」
「……また遊んで捨てるわけ? お前いい加減にさ…」
「違うって。俺が捨てられてんだから。毎回」

笑顔を見せて、話を切るみたいにライターを押し当て、ゆっくりと挿し込んでいく。
「んっ…ぅんんっ」
それ以上、聞くことができなかった。


今度はゆっくりとライターを押し入れていく。
「ぁっあっ…んーっ」
「…あはは♪体、すごい敏感になってる? 元からかぁ」
楽しそうに笑って。
奥へ奥へと押し進めていく。
「はぁっ…もぉいいっ…」
「奥まで入れないとすぐ出したくなっちゃうだろ?」
そんな理由をつけて、秀一は奥まで入れてしまっていた。

ゆっくりと指が引き抜かれて、ライターだけが残る。

「悟、おっきいよ」
感じてしまって、また立ち上がっている俺のモノを見てかそう言って、触れてくる。
「んっ…触るなってっ」
「やりたくなるから? 口でイかせようか?」
「もう…いいから…っ」

俺は無理やり立ち上がり、下着とズボンをはいた。

「もう…部活、行くから…」
「さすがだね。ココ、この後、雅紀と使っていい?」
「…鍵、閉めとけよ…」


秀一を残して俺はプールサイドへと戻った。
はっきりいって気が気じゃないというか、まともに歩けそうになくて、座ることも出来ず、ただ壁にもたれるようにして、プールを眺めていることしか出来なかった。

なるべく別のことを考えて、なんとか熱い体を落ち着かせようとするけれど、難しくて。
頭がクラクラしていた。

一回、ヌいてこようか…。
そう思い、つい運動場に目を向けると、良介と目が合ってしまう。
ずっとこっちを見ていたのだろうか。

俺は、頼るように、良介の方へと行く。
「どうしました?」
「…っ良介…。ぃきそう…っ」
「へぇ。なに妄想してんの? 入れて歩くだけで、感じるわけ?」
「んっ…」
「…あと少しで部活終わるでしょう…? それまで我慢してください」

そう言い放たれては、それ以上甘えることも出来ないし、自分でヌいてくることも出来なかった。


なんとか、無理やりなんでもないフリをして。
後輩には気分が悪いとか思われてたかもしれない。


やっと、帰り時間になる。
桐生の姿が見当たらなかった。
まぁまた早退でもしたのだろう。
雅紀もいなかったが、これはどうせ秀一だろう。

運動場の方に目を向けると、良介の姿。

「…良介…」
「悟、残ってて…? そっち行くから」

俺は鍵当番を代わって、一人プールサイドに残った。

良介が、プールサイドの方へと回ってくる。
「今日は、ココでやろう?」

結構、唐突にそう言われ答えに戸惑う。
「…ね?」
「…せめて、更衣室とか…っ」
そんなのは受け入れられないようで、俺に抱きつくとそっと口を重ねる。
舌が絡まって、それだけで頭がボーっとする。
「んっ……ん…」
手が、シャツの上から胸をまさぐって、突起を何度も指が行き来をする。
「っ…ンっ…ぅんっ…」
口を離され、じっと下から見上げられ。
その視線から逃れるように、顔を横に向けていた。

「ぁっ…やめ…」
「どうして…? シャツの上からでも丸わかりなくらい、乳首勃ってますね…。こんなに硬くして…ね?」
 爪を立てられ、俺はその刺激に耐えるように、良介の肩においていた手に力をこめていた。
「あっ……んっ…んぅンっ…」

「座って?」
俺は、プールサイドへと座りこんで、良介は、俺の前、足の間に正座するみたいに座る。
「自分で、シャツ、まくってくれるかなぁ」

なんだかものすごく恥ずかしいが、俺は昔、病院で聴診器を当てられたみたいな格好で、シャツを捲り上げた。  

良介が身を乗り出して、右手で胸の突起を撫で、ゆっくりと転がしていく。
「んっ…ぅんっ…」
舌がもう片方の乳首に絡まって、体がビクついてしまっていた。
「あ…良介…っんぅっ」
「悟…。シャツ脱いで」

ジっと下から見上げられ。
拒めずに俺はシャツを脱ぎ、ズボンと下着は良介先輩に脱がされていった。



「…ねぇ、悟…。見てごらん?」
良介は寝転がるようにして、肘をつきながら、俺の股間を覗き込んで指でそっと撫でる。
「んっ…」
「…すっごい、ベトベトなんだけど…なに、これ?」

言われなくても、見なくてもわかっている。
中に異物を入れていれば、こんな風になってしまうもんだ。

「あ…」
「なにか、聞いてるんだけど」
「……我慢…してて…」
「なにを?」
「っ……ぃき…たい…」
「へぇ…。イっていいよ…? すぐにでもイきそうでしょ。自分で擦りあげて、イって?」

良介がそう言うのなら、しょうがない…。
いつもそんな感じだった。

俺は、自分の右手で股間のモノを擦り上げる。
「んっぁっ…んっ…んっ」
「ねぇ、宮原くんにイかされた?」
「なっ…」
嘘なんて、ついてもバレるだろう。

「1回だけ…」
「手は止めないで。…どうやってイかされたわけ?」
「んっ…指…入れられて…っ」
「へぇ。で、感じちゃったんだ?」
「んぅっ…あ、良介…いきそうっ…」
「……あのね、俺はねぇ、宮原くんにライターを入れてもらってって言ったんですよ」
「はぁっ…入って…っ」
会話が続く以上、イっていいのかわからず、焦らされているような気分にもなっていた。
「まぁライターも入れてもらったのかもしれないけど? 指まで入れてもらえとは言ってないよね」
「あっ…勝手に…っ」
「でも、感じたわけだろ」
「ぁあっ…もぉ、いくっ」
「まだですよ」
「なっ…」
良介は俺の手を取り上げて。
イってしまいそうだった体が、なんでもないのに震え上がった。

「あぁ、まずライターだして。見てるから」
イきたくてたまらない。
だけれど、拒むことも出きず、俺は腹に力をいれ、ライターを押し出していく。
「んっ…ぅんっ」
「ん。ヒクヒクしてるねぇ。見えてきたよ」
「はぁっ…やっ…っ…あっ良介っ…イかせてっ…」
「先にライター出せっつってんだろって」
「んっ…ぁっ…」

こんな場所で。
恥ずかしくて死にそう。
何度やっても、見られても、恥ずかしいものは恥ずかしいわけで。

ライターが全部、出きっても恥ずかしさから逃れられなかった。


良介は、俺の両手を、当たり前のように後ろ手に縛り上げる。

座った俺を残したまま、自分はプールの飛び込み台に腰掛け、俺へと足を向ける。

「…早く、舐めて?」
いつからかわからないが、もう猫かぶりの良介がいなくなっていて。
するどい目線で俺を見下ろしていた。

俺は、良介の正面へと正座に近い体制で座りなおして、ズボンから覘く裸足の親指へと舌をつける。

丁寧にその親指をしゃぶって、足の甲へとキスマークを残す。

「もういいよ。次」
そう言われ、見上げるがあいかわらず冷めた目つきで見下ろされる。
「…なにやらなきゃいけないか、言わないとわからないわけ?」

俺は、たち膝状態になって、歯で良介のズボンのチャックを下ろしていく。
下着の上から、じっとりと中に伝わるくらいに唾液を絡めて舐めあげて。

助けるように、良介は自分でズボンのホックを外して、下着ともども脱いでいった。
俺は、露になった良介のに、舌を絡めた。

なるべく音を立てて吸い上げて
良介から見えやすいように舌を絡める。

「もっと、犬みたいにかわいくしろよ…」
「ん…」
俺は言われるように、何度もペロペロと、犬のような舐め方をした。

「…いいね…。悟、犬みたい。首輪もつけよ?」
用意していたのか、俺の首へと首輪をつけて、鎖が良介の手に繋がっていた。

「…尻尾つけるからぁ。ほら」
そう言って、尻尾のようなファーのついたバイブを俺の背後へと転がらせる。
「入れろって」
縛られたままの手でソレを取り、俺はゆっくりと自分の中へと押し込んでいく。
「んっ…ぅんっ」
「なに休んでんの」
そう指摘され、あわてるようにして、もう一度、良介のを何度も舐め上げて。
バイブも、全部中へと入り込んでいった。

「全部、入った?」
「はい…」

「悟はさぁ。宮原くんの指でイっちゃってさ。…僕のしか駄目って意識はないわけ?」
ジっと俺を見るめるもんだから、目が離せなくなっていた。

良介は好き。
だけれど、気持ちいいことに逆らえないだろ?

「違…」
「違うってなに?」
「良介のこと…考えてたし…っ」
「ふぅん。つまりなに? 宮原くんに指入れられながらも、僕のこと想ってたわけ」
頷くと満足したのか、猫でも扱うみたいに、俺の顎を撫でる。
「じゃあ、もうちょっと我慢してさぁ。僕の足、使ってみてよ」
足…?
わからない。
「よくさぁ。盛りのついたオス犬が、人の足に股間擦りつけたりするでしょ。足に絡み付いて、上下に動いて。あれ、して?」
「なっ…」
そんな恥ずかしいことをしろって?
「っそんなこと…っ」
「なんで? 悟は盛りのついた犬なのに?」
良介の足の指が、俺の股間のモノをそっとなぞる。
「やっ…」
「ここ、もっと擦られたいでしょ…?」

 良介は少し足を伸ばして、俺の足の間に割り込ませる。
 俺は、しょうがなく立ち膝状態で、自分のモノが良介の足に当たる位置まで体を前に進めた。
「そう…。自分で、腰、動かして。前後に、上下にさぁ…」
「やっぱ…出来な…」
「なんで?」
「…恥ずかしい…し…」
「そんな理由? 馬鹿じゃないの? 早くしろって」
催促するように良介の足が少し俺に押し付けられて。
俺はしょうがなく、ゆっくりと腰を動かしてみる。
良介の足で自分のが擦られる。
足の硬い骨の部分が、強く当たっていた。
「ぁあっ…んっあっ…」
「犬ってさぁ、もっと速く腰動かすでしょ。カクカクさぁ」
楽しそうにそう言って、俺の髪の毛を掴んで上を向かせる。
「ぁっ…良介っ…」
「立場、わかってない? なに呼び捨てにしてんの?」

また。
良介はノってくると、威張りだす。
立場。
俺は犬で。
良介は。
「んっ…ご主人…さまぁっ…」
「はい。よく出来ました」

こんなのはずかしすぎる。
後ろ手に縛られて。首輪まで付けられて尻尾も。
それでも、良介の足に、自分のを擦り付けて腰振って。

こんなんでよがっている自分を上から見下ろされて。

頭が、爆発しそうだ。
「あぁんっ…だめっ…あっ…ぁんっ」
「…悟は恥ずかしいと、感じるんだねぇ? ホント、Mですね」
「違っ…あぁっ…ンっ…やぁっ…やっゃんっ…」

ホントに、俺はMなんだろうか。
こんなに恥ずかしいことしてるのに。
たまらなく感じてしまい、涙が溢れてくる。

「はぁっあんっ…やっ俺っ…あっおかしぃっっ…」
「うん…おかしいねぇ。こんな恥ずかしいことして感じちゃってさ」
「だめっ…もぉっあっ…」
「ご主人様に盛るなんて、駄目な犬だよねぇ、ホント」
そう言ったかと思うと、後ろに入り込んでいたバイブの電源を遠隔操作でONにされる。
「ひぁっあっ…あんっあぁあっ」
「尻尾まで振っちゃって。罵られて、辱められて、そんなに嬉しい?」
「やぁっ…ぁんっあっ…やあぁっあぁんっ」
「あんあん言っちゃって。たくさん泣いちゃって。どうしたの?」
今度は優しい口調でそう言って、俺と口を重ねた。
「んっぅんっ…はぁっンっ」
舌が絡まりあって、もう恥じらいを感じる余裕なんてなくなってしまっていた。

「腰も、止まらない?」
「はぁっぁっ…止まんなっ…やぁっあっ…ぃくっ…もぉやぁあっ」
「いいよ…。腰、たくさん僕の足に擦り付けてイって…? ホント、犬みたいで、かわいいよ、悟…」
そう言われるともう限界だった。
「ぁあっあんっ…出っ…やぁっあぁあああっっ」
俺は、いやらしく良介の足に自分のを擦り付けて、尻尾を振りながら、欲望をはじけだしていた。

直後、バイブが止められる。
良介はなにも考えられないでいる俺の口の中に自分のモノを突っ込んで、精液を飛ばした。
「んぅっ…」
「ね。ご褒美。ぜんぶ、飲んで…?」
「んっ…ぅん…」
俺は頷いて、それを最後の一滴まで搾り取るように飲み干していった。





「あいかわらず、悟は僕じゃなくって機械でも感じちゃうわけなんですね」
この人は、機械にまでやきもちやくのかよ…。

「…良介が、使うからだよ…」
「でも、他の人に入れられても、感じるでしょう?」
そりゃそうだけど。

「…良介相手にしか、こんなんしねぇし」
っつーか、他の人、こんな犬プレイ、させねぇし。

そう言ったのが気に入ったのか、良介はにっこり笑ってから俺に抱きつく。
「悟…。今日は外だからあんまり道具がないけど、また次、虐めてあげるね…?」
「ん…」

ここは、否定するところだろう?
そう思うのに。

また俺は素直に頷いてしまっていた。